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みんな本能で見抜いている〜「ユマニチュード」「バリデーション」

今日は、コミュニケーションの本質、
「信じること」について、
認知症治療の最前線の話題から、驚くべき事実を紹介します。


私の両親は80代です。
おかげさまで何とか自立しています。
が、もちろん認知症の入り口にいるなど、
押し寄せてくる課題はいろいろです。
そうこうする中で、
ここに書く情報をキャッチしました。


認知症患者は2025年に700万人を突破。
65歳以上の5人に1人です。
アメリカの研究者の中には、認知症は治るし、
ガン以上に多くの人が影響を受けるのだから、
もっと研究に経済的支援をしてほしい
と主張する人たちもいます。
私はそれに賛成です。


けれど、
今日はそうした政策の話をしたいわけではなく、
コミュニケーションの本質に目を向けたいと思います。
なぜなら、コミュニケーション能力が衰えていく最中でも、
人間にはすごい力があることを、認知症患者は教えてくれます。
そこには
「伝えること」「理解すること」「信じること」
の本質があります。


特に、様々な認知症ケアの検証結果には、
たくさんのヒントがあるので、
今日は「ユマニチュード」と「バリデーション」
という2つのケアの手法から、
「信頼」の本質を考えてみます。



まずは、フランスから始まった認知症ケアの手法
「ユマニチュード」。
うつ病や暴言に即効性があるとして、注目を集めています。
「見つめる」「話しかける」「触れる」「立つ」の、
4つのコミュニケーションを柱にしています。


このケアで、一番大切にされているのが「見つめる」こと。
認知症になると人よりも視野が狭くなるため、
まずは本人の視界に入って、
こちらの存在を認識してもらうことが大切だそうです。


だから、、、
同じ目線の高さで、20cmほどの近距離で、
親しみをこめた視線を送る、
たかだかそんなことなのに、言葉で説明するよりも早く、
確実に「私はあなたの味方です」ということを伝えられ、
相手は暴言しなくなるそうです。


これ、スゴくないですか?
目線で、こいつは信頼できるヤツかどうかを、
人間はわかるってことです。
確かに、、、「目は口ほどに物を言う」は本当かもしれません。
認知症になっていてさえ、嗅ぎ分ける。
いや、スゴいですよね。


ところで、「味方」って何でしょう?
この文脈で想像すると、まずは
「自分に危害を加えない人」
「自分が安心していて良い人」
ってことでしょうね。
一般人も、そういうことを無意識に
推し測っているような気もしますね(笑



認知症患者へのケアから学ぶことは他にもあります。
アメリカ発の認知症ケア技術「バリデーション」。


「バリデーション」では、認知症の人が大声を出したり、
徘徊をしたりすることにもすべて
「意味がある行動」として捉えるそうです。
そして、なぜそのような行動をとるのかに立ち返ります。
そのときにケアする側が大切にすべきことが、
「嘘をつかない」「ごまかさない」こと。


「バリデーション」では、認知症の人が大声を出したり、
徘徊をしたりすることにもすべて
「意味がある行動」として捉えるそうです。
そして、なぜそのような行動をとるのかに立ち返ります。
そのときにケアする側が大切にすべきことが、
「嘘をつかない」「ごまかさない」こと。


認知症の患者が「部屋に誰かいる」と言ったなら、
「そんなわけない」と否定したり、
「本当だね、誰だろうね」
とその場を取り繕ってはいけなくて、、、、
「どこにいる?」「どんな人?」と聴き、
彼らが見ている世界を教えてもらい、
彼らの感情や思いに近づこうとすることが大切だそうです。


で、私がびっくりするのは、
認知症だからといって、嘘をついたり、ごまかすと、
それが認知症患者にわかってしまうということです。


やっぱり嘘を言っているって、
コミュニケーション能力が低下している認知症患者でさえ
結局はわかっちゃうんですね。。。


こいつが自分の味方かどうかも、
こいつが嘘を言っているかどうかも、
人は信頼できる人なのか、信頼できない人なのかも、
コミュニケーション能力が衰えている認知症患者でさえ
本能的にわかるわけです。


つまり、障害がない状態なら、
なおさらわかっちゃうわけですよね。
そのぐらい、人間の基本本能にその能力があるのですね。
人間ってすごいな〜



きっとそれは、私たちが暮らしている生活も同じこと。
自分が相手を心から思いやっている味方であること、
あくまで本音で接し、ごまかしていないこと、
それが、他の人が信じてくれる本質なのだなと思いました。


信じてもらえる人でありたいですね。
今週もいい1週間をお過ごしください!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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