ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

会話.png

Xを見ていたら、タイムラインに中野信子さんの著書「エレガントな毒の吐き方」の
広告らしきものが流れて来て、版元の日経BPの記事をふむふむと読みました。
私は、別に「毒の吐き方」には興味はありませんでしたが、
「脳科学と京都人に学ぶ『言いにくいことを賢く伝える』技術」というサブタイトルを含め、
「エレガントに伝える」「京都人」に興味を持ち、ついつい読んでしまいました。

いえ、読んだのは本書ではなく、記事の方です。
発売は、2023年5月なので、新刊というわけではありませんが、10万部を突破しているらしいです。
読者はどこに惹かれて読むのだろう? 
もし「毒の吐き方」だとしたら、いやな世の中ですね。
でも、「言いにくいことを伝える」は、もしかしたら多くの人の関心事かもしれません。


私にも、月に何度かは言いにくいことを伝えるシーンがあります。
プライベートと仕事の両方を合わせてです。
そこで、今回は、人はなぜ「言いにくいことを伝える」ときに悩むのか、
どうしたら少しでも悩まなくて済むのか、
我が身を振り返りながら考えてみたいと思います。


人が「言いにくいことを伝える」には、いろいろな葛藤がありますが、
大別すると、次の2つではないでしょうか。
第一は、そもそも思っていることを伝えるべきなのかどうか。
第二は、伝えた方が良いと思っても、いったいどう伝えたら良いのか。

でも、自分が当事者で悩んでいるときは、こんなふうには整理されません。
ちなみに私自身は、伝えるべきかどうかについては、
大抵は野生的本能で「伝えるべき」「伝える必要はない」と判断することが多いです。
でも、伝えるべき理由については、結構考えます。


さて、まず葛藤の第一。
思っていることを伝えるべきかどうかで、なぜ人は悩むのでしょうか。
原因はいろいろ考えられます。
【結果が不安】それを言って、相手が分かってくれるかどうか、分からない。
 →理解されないと、相手の気分を害するだけで、人間関係が悪くなるかもしれない。
【目的が不安】こんなことを思う自分は、人間が小さいだけなのではないか。
 →伝える目的はエゴなのか、関係維持のためなのか、何なのか、自分でもよく分からない。
【感情と理性の線引き(目的の揺れ)】
 →自分の感情的なエゴから伝えたいわけではないと思ったとしても、
  感情が混じってしまい、考えが整理できない。

ほかにもあるかもしれません。
ここでは私の経験から自分の心理を分析して整理してみましたが、
実際に何かに直面したときに、即座に自分の気持ちを客観視できるかというと、
どうでしょう? 案外難しいような気がします。


第二に、伝えた方が良いと思ってもどう伝えたらいいかで、なぜ悩むのか。
これについて、私は、ほぼ上の第一の原因が影響していると思います。
が、それを含め、次の2つに注目したいと思います。

1つは、【目的の不明瞭さ】からくるものです。
そりゃそうですよね、何のために伝えるのかによって、
伝えるときのスタンスが変わり、伝える中身も伝え方も変わりますから。
そもそもなぜ自分は伝えたいのかで揺れているにも関わらず、
どう伝えようと考え出すから、分からなくなるのは当然です。

もう1つの原因は、仮に目的が明瞭だったとしても、
【伝えるスタンス】が定まらないと、中身や伝え方が決まらないからです。
仮にですよ、相手に自分の非を認めてもらいたいというのが目的だったとして、
コテンパンにやり込めたいというスタンスでいくのか、
分かってくれれば良いというスタンスでいくのかによって、
伝え方は大きく変わります。

一刀両断には言えませんが、多くの場合、目的が不明瞭だからこそ、スタンスも決まらず、
どう伝えたら良いか、悩むのだと思います。


さて、私自身は「言いにくいことを伝える」について次のように考えています。
伝えるというのは、とても面倒で、エネルギーのいる行為です。
ということは、関係を維持したり、向上させたり、
何らかの共通目的を達成したりするというような、ポジティブな目的でない限り、
そこにエネルギーを使うことは人生の無駄遣いに思えます。
どうでもいいことのために、自分の時間やエネルギーを使う必要はないな、と。
もっといえば、どうでもいいことであるなら、悩まずに喧嘩腰で臨んでも良いなと思ったりします(笑


反対に、目的を関係の維持・向上だと思ったら、
相手をやり込める必要はないと分かります。
思いを伝え合うときに私が大切にしたいのは、
まず自分の発言に責任を持つことです。
そのためには、自分の感じたことを感じたこととしていうこと。
感じたことは私の主観であって、客観的事実ではないのですから、
「あなたはこうだ」とあたかも事実であるような評価・断定をしない姿勢を大切にしたい。
自分の発言が主観であることを表現するには、自分主語で伝えることが大切だと思っています。

あなたのここが良くないではなく、自分はこう感じたよ、と。
そのスタンスを持つことで、相手を責めるスタンスではなくなります。
すると、自分の気持ちもラクになります。
そして、相手も人間ですから、自覚していることもあれば、無自覚なこともある。
たまたまその日の気分で起きてしまったこともある。
感じた私の心だって、日々揺れているはずです。
そして、お互いを尊重する気持ちが根底にあれば、
言いにくいことを言ったあとも、お互いに「そういうことだったんだね」
「そういうこともあるよね」と受け入れられる気がします。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

社長メッセージを見る >>

これまでの記事

視点発見の旅
メルマガ【開-CAY】お申し込み

ご一緒に「視点発見の旅」へ!
メルマガは「開-CAY」で届きます

詳細を見る >>

「個人情報の取り扱いについて」

このページのトップへ