ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

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車のラジオを聴いていたら、ゲストにアンミカさんが出てきて、
彼女監修の「ポジティブ手帳2025」についてトークを展開していました。
ああ、もう手帳が話題の季節なんだな...と思いながら聴いていると、
その手帳には、週次でポジティブワードが紹介されていたり、
心と体を元気にするハウツーが書いてあったりするらしいです。

手帳の内容自体は真っ当で良いものに思えました。
でも、一抹の違和感があって、何だろう?と考えてみたので、
シェアさせてください。


まず、ネーミング。「ポジティブ手帳」...。
Positiveは、積極的、前向き、肯定的という意味ですから、
ポジティブな姿勢、ポジティブな考え方、ポジティブな生き方というのは、
どう転んだって、良いことに違いありません。

しかし、私には、若干「煽り」が入ったワードのように思えてしまいました。
多分「ポジティブ」という語句と世相のようなものが関係しているからでしょう。
社会では鬱などに悩まされている人が増え、
経済環境も良いとはいえないので生きにくい時代です。
夏目漱石ではありませんが、とかくこの世は住みにくいと諦め気分になりがちです。
だからこそ、この「ポジティブ」というワードで先導しようとしているのでしょう。
そう、先導であって、扇動ではないのかもしれませんね。


でも、本当に心が豊かで健康的な状態というのは、
ポジティブであろうと努力することではないと思います。
たとえば、ネガティブ・ケイパビリティという言葉があります。
どうにも答えの出ない、どっちつかずの状況にあっても、
その不安定な状態、懐疑的な気持ちや違和感を抱えた状態に
留まって耐える力を意味します。
決してポジティブであろうと努力するのとは違います。
それは、生きる上での大切な力だという文脈でこの言葉が存在しています。

なので、ネガティブ感情から抜け出したいがために、
ポジティブであろうとすることは、
自分にとっては偽りの状態なので、健康的ではないと思うのです。
ネガティブな自分に気づいたら、それも素直に受け入れて留まる。
一番良くないのは、ネガティブ感情に支配されてしまうことですよね。


というわでけ、ポジティブであろうなどと意識せずに、
普通に暮らしていて満ち足りているのが一番なのではないか、
その状態に呼び名はないのだろうか?...と思って調べてみたら、ありました!
「中庸」(ちゅうよう)と呼ぶらしいです。

この概念はギリシャ哲学や
中国の自然哲学「陰陽道」(おんみょうどう)から生まれ、
日本文化は後者から影響を受けています。
NHK大河ドラマ「光る君へ」に、ユースケ・サンタマリアさん演じる
陰陽師・安倍晴明公が登場していました。
彼が礎にしていた思想が陰陽道です。

いったい「陰陽道」とは何でしょうか?
天地の間には、互いに対立し依存し合いながら、
万物を形成している陰・陽の2種類の気があるとされています。
積極的なものを陽、消極的なものを陰と呼びますが、
陰と陽には、善悪も優劣もありません。
「中庸」というのは、陰にも陽にも偏りすぎず、
何事においても過不足がなく、バランスや調和をとることを意味するそうです。

勝手な解釈ですが、そうであるなら、
ちょっとしたポジティブは中庸にとって普通のこと。
そんな中庸の状態が私は健康的だと思います。
努力しなくても、デフォルトがプチポジティブであるようなイメージです。

あ、でもポジティブ手帳を買うことで、
良い1年を送れそうな気がするならそれもアリですよね。
自分をコントロールできるのは自分だけですから。

いよいよ11月に入ってしまいました。
中庸な1カ月にしたいものですね(笑

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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