ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

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急に寒くなってきましたね。

寒くなると増すのが食欲。
秋は何もかもおいしい。
あれもこれも食べたい。
好きなだけ食べても太らなかった
あの頃に戻りたい。
そう願っても戻れるわけはないので、
あれこれ食べたいなら、その分、
運動するしかありません。

そんなわけで、自宅でも無理なく続けられそうな
筋トレメニューをネットで眺めていたのですが、
そうこうしているうちに、気づきました。

この「無理なく」というのが、いかんのだと。

無理のない、ちっともつらくないエクササイズを
無理のない回数こなしたところで、
筋トレにはならないと知ったのです。

フィジカルトレーナーの
中野ジェームズ修一氏はこう言っています。

「筋肉は、同じ負荷を与え続けると
そのレベルに慣れてしまい、
それ以上成長しなくなるという特性があります。
常に、ややきついと感じる運動レベルが
筋力アップにつながるのです」

極端に言うと、楽ちんエクササイズを
100回やるよりも、きついと感じるメニューを
10回やるほうが筋トレにつながる。
つまり、負荷が必要だということです。

負荷・・・。
ですよね。そりゃ、そうだ。
きつさなくして成長なし。
これは筋トレに限った話じゃないですね。

ゲームでも、仕事でも、何でもそうですが、
最初は難しい、つらいと感じるレベルに
挑戦しているうちに、スキルが上がって、
クリアできるようになる。
自分にとって無理のない、
楽ちんと感じることを長く続けても、
成長にはつながらないんですよね・・・。
No pain, no gainってよく言いますしね。

と、こういうことを言うと、
「昭和の教育か!」
というツッコミをうちの次男なんかはしてきます。
苦労っぽいニュアンスが出てくると、
とたんに「はいはい、昭和」で片付けたがる。
まあ、おそらく、成長に負荷が必要なことは
本人もわかっているのだと思いますが、
直視したくないので、そういうリアクションに
なっているのだろうと思って、見ています(笑)。

さて、日本能率協会マネジメントセンターが行った
「イマドキ若手社員の仕事に対する意識調査2020」
(2019~2020年の新入社員、
その育成にかかわった上司、計1502人が対象)
を見ると、
若手社員の特徴は以下のようにまとめられています。

「自分のことを認めてくれる環境で、
無理なく、無駄なく成長したい」

なるほど。成長意欲はあるし、認められたい。
しかし無理や無駄はNGなんですね。

無理を避けるのは、慣れないことをして
失敗したくないからですよね。
無駄も、一見、失敗と関係ないようですが、
効率的にやりたいというのは
正解とわかっていることをやりたいということで、
やはり失敗するのがいやなのかなと思います。

失敗を避けるのは、他人からの評価が
気になるからでしょうか。
同調査では「他人からの評価が気になる」人が
8割に達しています。
ここが高いのは、彼らがSNS世代だからですね、
おそらく。
「いいね」がつくか、つかないか。
無意識かもしれませんが、
どこかでそんなことを気にするのかもしれません。

でも、やはり、誰からも何にも言われない、なんて
非現実的。
みんながみんないいことしか言わないのは
むしろ嘘っぽいですね。

漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、
荒木飛呂彦氏は、著書『荒木飛呂彦の漫画術』で
こんなことを言っています。

ぼくがデビューした頃は厳しい編集者が大勢いて、
彼らは、漫画を持ち込む新人に対して
「プライドを傷つけないようにしよう」とか
「気持ちを思いやる」なんてことは全く考えず、
プロに徹する仕事人として、厳しいことを
ズケズケ言ってきました。でも、好きというだけで
漫画を描いていたぼくが王道に目覚めたのは
彼らのおかげです。

編集者の厳しいフィードバックがあるから、
クリアしようと挑戦して、レベルアップする。
あのジョジョだって
そうして生まれてきているんですね。

そういえば、漫画の話ばかりで恐縮ですが、
『進撃の巨人』の作者、諫山創氏も、
最初は編集者から「線が汚い」と言われ、
デビューが決まってからも練習し続けた
という記事を読みました。
諫山氏は、売れっ子になってからも、
ポジティブなコメントはうれしいが、
参考にならないと言って、
自ら進んで否定的なコメントを
探しにいっているとか。ストイックですね・・・。

いずれにしても、負荷がかかり、
乗り越えるというプロセスがないと、
こうした大作は生まれないのだなということを
改めて感じますよね。

成長には負荷が必要。
筋肉の成長にも負荷が必要。

最近はエスカレーターではなく階段を使っていますよ!
(小さな負荷から始めております)

11月もあっという間に過ぎていきます。
健康に気をつけてまいりましょう。

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言葉で確認し合っていたのに、
お互いが思い描いていることが違った
という経験はないでしょうか。
実は、制作の世界ではよく起こることです。

「クールなイメージにしたい」
というリクエストがあったとします。
でも、この「クール」、
人によって捉え方が違います。

ごちゃごちゃしていない、すっきりした
デザインを指している人もいれば、
寒色系のカラーリングのことだけを
指している人もいる。

同じものを見ても、
「それは私の中ではクールではなく
洗練されているというワードが近い」とか、
「クールというより、
すっきりしたという表現のほうが
合ってますよね」とか。

もっと怪しいのは「かわいい」。
さまざまなシーンで「かわいい」を使う日本人。
「かわいいデザイン」で思い浮かぶイメージは、
「クール」よりも一致していないのではないでしょうか。
ピンクや薄いブルーなどの
パステルカラーを思い浮かべる人もいれば、
かわいいキャラクターを想像する人もいる。
人によっては「え? それ、かわいい?」
というものを想像する人も。

それくらい、言葉からイメージするものは
案外異なっています。
なので、「かわいい」なら
何的なかわいいなのか、言葉を補いつつ、
イメージを細分化していくことが必要。
「たとえば、こういうこと」と
お互いのイメージを一致させておかないと、
「求めていたのはそれじゃない」
ということが起こってしまいます。

そしてこれは、制作現場に限らず、
さまざまなシーンで起こること。
採用活動などでもありがちですね。

先日、ある人事系のサイトで、
人材コンサルタントの曽和利光氏が
「コミュニケーション能力」
について解説している記事を目にしました。

採用の場でよく耳にする
「コミュニケーション能力」。
昨年、帝国データバンクが行った
「企業が求める人材像アンケート」でも
1位でした。
しかし、この「コミュニケーション能力」
というワードもまた、捉え方がいろいろ。
さまざまな立場の人と会話する力?
相手の気持ちを察する力?
傾聴力? 説明力?など、
いろいろ思い浮かびますよね。

記事中で、曽和氏は
企業の人事部や経営者が求める
「コミュニケーション能力」とは、
次の4つを指すことが多いと言っています。

一つは「読み取り力」。
曖昧な情報を受け取った際に、
それを概念化できる力。

二つ目は「表現力」。
ある概念を具体的に表現して
相手にイメージさせる力。
たとえば比喩などを交えて、
わかりやすく説明できる力など。

三つ目が「論理的思考力」。
自分が思っていることをわかりやすく、
筋道を立てて話せる力。また、
人の話を筋道立てて聞き、理解する力。

最後が「発想力」。
一見すると違うもの同士に共通点を見つけたり、
AとBを組み合わせればCが生み出せる
ことに気づく力。

どうでしょう。
思っていた中身と違う・・・となりませんか?
コミュニケーション能力とは
「コミュニケーション」というワードから、
さまざまな立場の人と会話することができ、
意思疎通できる能力
さらに言うと、そうすることで
物事を前に進められるようにする能力
とざっくり捉えがちですが、
それをするために必要なことは何かを考えると、
結局、上記の4つになるということが多い
ということなんだろうなと思いました。

コミュニケーション能力がある人を採用したい
などと言って、解釈がふわっとしたままだと、
明るく、活発で、スムーズに受け答えする人、
みたいな人を採用しそうですよね・・・。
それでいい場合ももちろんあるでしょうが、
よく話し合ってみたら、そうじゃなかった
ということも起こりそうです。
コミュニケーション能力に限らず、
そのワードが具体的に何を指すのか、
細分化して把握することが必要だなと
改めて思いました。

さあ、11月です。
今年もあと2カ月(えーっ!!!)。
いきなり寒くなりましたが、
体調に気をつけてまいりましょう。

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先週末、近所の高校の文化祭に行ってきました。

軽音部に所属する次男の演奏を
こっそり聴くため
(来なくていいと言われましたが)、
そして、近所の子どもたちの
成長ぶりを見るためです(親戚目線)。

さて、文化祭で半日くらい過ごして、
改めて気づいたことがあります。
それは、「魅せるって簡単にできることじゃない」
ということです。

たとえば、軽音部のライブ。

次男のバンドもそうでしたが、1年生のライブは、
とりあえず一生懸命やってみます、という感じ。
一人ひとりは頑張って演奏しているのですが、
バンドとしてはイマイチまとまっていない印象。
観客が入れ替わっていないのに、
突然演奏を始めてみたり、
変なタイミングで突然曲名を叫んでしまい、
観客が「あ・・イ、イエーイ」となったり。
とにかく自分の演奏のことで頭がいっぱいの様子で、
それが何とも微笑ましく、見守っていました。

ところが、これが2、3年生になると、
出てくるんですねえ、魅せるボーカルがいる、
カリスマバンドが。

ライブのとりを務めていたので、
3年生の、それも一番うまいバンドなんでしょう。

そのバンドの演奏を聴くために
教室に集まったのはほぼ男子生徒。

ボーカルの男子がマイクの前に立ち、
「こんにちは。きょうは・・・曲、変更します」

ザワザワ。

「リクエスト多かった・・・あれ、やります」

おおおー(ザワザワがエスカレート)。

「○○○○(曲名)!」

ヴォォォォォォォォォーー!
(会場熱狂。とともに演奏始まる)

パンク調の曲だったので、
観客の男子生徒、総ジャンプ。
カリスマ発見!と思いました。

後から振り返ってみると、
もちろんボーカルの声も良かったし、
バンドもうまかったのですが、何より、
彼は魅せ方を知っていたなあと思いました。
立ち方、歌い方、そして絶妙にタメをつくるMC。
あれは、自分視点だけではなく、観客視点が
ないとできないことだと気づきました。
どう見せると、観客が盛り上がるか、
観客目線で自分を見ることができている。

私たちは、普段の仕事の中で、
お客様、エンドユーザー、社内のメンバー、
協力会社など、さまざまな他者の視点に
立つ必要があります。
相手によって求めていることが異なりますから、
相手視点に立って、どうすれば伝わるか、
コミュニケーションの方法を
変えていかなくてはなりません。
そうした他者を意識する土台みたいなものが、
高校生の終わりくらいから
築かれていくのかもしれないと思いました。

エリクソンという心理学者が提唱した
「ライフサイクル論」という理論があります。
発達段階を8つに分け、それぞれの段階での
発達課題とそれに相対する葛藤「心理社会的危機」を示したものです。
(参照:https://39mag.benesse.ne.jp/kosodate/learning/content/?id=113347

これによると、13~22歳頃は青年期にあたり、
発達課題は「アイデンティティの確立」、
心理社会的危機は「役割の混乱」です。

「自分は何者?」「存在意義は?」
といった疑問を持ち、さまざまな体験から
「これが私なんだ」というアイデンティティを
確立する時期。これがうまくいかないと、
「自分の役割」がわからなくなり、
混乱してしまうのだそうです。

ちなみに、同理論によると、青年期の次は
22~40歳頃の成人期。
ここでの課題は「親密性」、危機は「孤独」。
友だちや同僚、人生のパートナーなど、
他者と関係を構築するステージです。

つまり、他者を意識して関係を構築するのは、
発達理論的には成人期に入ってから。
高校生が自分視点でいっぱいなのは
考えてみれば当然か。
むしろ、あのカリスマボーカルは高3にしては
珍しいのだなあ(ますますカリスマだ)と
改めて感じました。

と同時に、こんなことも思いました。
アイデンティティの確立ができていないと、
他者視点を得ることも、他者との関係構築も
難しいのだ、と。

アイデンティティの確立ってどういう状態?
と思いますが、「自分はこういう人。これでいい」
と思えることというのが私の解釈。
自分で自分を認めるということでしょうか。

そのためには、これまた個人的解釈ですが、
とにかくやりたいと思ったことをどんどん
やってみることが必要なのではないでしょうか。
ベクトルを100%自分に向ける時期を過ごす。
どっぷり浸かることが重要だと感じます。
自分のことがわからないまま、
他者の視点に立ったり、関係を構築するのは、
かなり難しいことですから。

朝晩、少し涼しくなりましたね。
今週も残り、体調に気をつけてまいりましょう。

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先週末、地域の夏祭りの手伝いをしました。

自治会のイベント担当が力を合わせ、
生ビールと焼きそばを提供した2日間。
私は、ひたすら焼きそばをパック詰めしました。
だんだんとリズム良く、うまく詰められるように
なるのが楽しくて、一緒にパック詰めしていた
同じマンションの人たちと掛け声をかけながら、
暑い中でもノリノリで作業できました。

地域の行事に参加する一番の楽しみは、
やはり住人との雑談です。

私が住むマンションは、周囲に自然が多いこと、
小中学校が近いことから子育て世代が多く、
我が家の子どもたちが小学生だった頃は、
マンション中、子どもだらけと言っていいほどでした。
今は子どもが独立した世帯が多くなりましたが、
それでも新たに入居してきた子育て世代もいて、
学校の登下校時には子どもたちの
元気な声が響いています。
なので、自治会の行事に参加すると、
20代と思われる人から70代、80代くらいまで、
全世代が集合します。

お祭りの準備をしながら雑談をすると、
いろいろな情報が飛び交います。

このあたりで初夏にカブトムシが見つけられる場所、
学校のPTA事情、街の拓ストーリー、
迷い猫情報、タヌキ出現情報、さらに、
働く人たちのリモートワーク事情など。

保護者としては、子育てや学校の情報を入手する
チャンスですし、働く立場で考えると、
ある意味、異業種交流会のような場でもありますから、
役立つ情報が入手できます。

Shirabeeが2020年に、
全国の10代から60代の男女1789人に行った
インターネット調査によると、
「雑談が苦手」とした人は44.4%でした。

年代別にみると、苦手度が一番高かったのは、
20代男性。「友だちとはいくらでも雑談できるが、
初対面や目上の人には何を話していいか
わからない」という声が紹介されていました。

友だちと延々と話せるのは、
話題に共通項があることと、
すでにノリが共有できているからだと思うのですが、
雑談のパターンがその一つだけだから
困るのでしょうね、おそらく。
共通項がない場合の雑談の機会が
単純に少ないのかなと想像します。

その点、地域行事へ参加すると
世代をこえて会話ができますし、なんといっても、
独特なジョークも含めた、いろいろなパターンの
会話にふれることができます。

昔は、お正月に親戚が大勢集まる場所に行って、
酔っ払ったおじさんのあまりおもしろくない(笑)
ジョークを聞いたり、おばさんたちのおしゃべり
を聞いたりする機会があったので、
自然と、いろいろな人との会話のパターンが
身についたのだと思うのですが、
今はそんなチャンス、滅多にありません。

地域行事、とくに夏祭りのような行事は
オープンな雰囲気の中、
明るく、適度に酔った人たちと会話できる場。
ああ、こうやって話しかけるんだなとか、
こんな冗談が飛び交うんだな、
ということを知ったり、
その冗談を他の人がどうあしらうのかを
見たりできる大変いい機会です。

そういえば、我が地域の夏祭りは
現金ではなく金券での販売だったのですが、
焼きそばの販売を手伝っていた
20代と思われる住人女性が、
買いに来たおそらく70代の男性の
「金券はないかもしれないけど、
銀券は持っているかもなあ」のジョークに対応できず、
「銀券ですか・・・。あの・・・金券を
買ってきていただけますか?」と言い、
「金券が金色だともっとわかりやすいけどねえ」
にさらに混乱し、
とうとう男性が「ぼく、冗談を言っています」と
打ち明けるシーンを目撃しました。

その後、「冗談だったんですね」と笑い合って
ハッピーに終わったようでしたが、
来年以降も引き続き行事に参加すれば、そのうち
「銀券ならあります」
「じゃ、銀券でいっちゃいましょうか!」
くらいのやりとりになるのかもしれません。
場数って大事ですね。

こうして考えてみると、
リモートワークが多くなって、雑談が減った今、
何気ない、なんでもない会話をする機会が
すごく少なくなっているように思います。
地域行事は、運営側の負担がありますので
催は簡単ではないですが、
住民同士が協力し合って、さまざまな世代が参加し、
会話する機会を増やせればいいなと思いました。

まだまだ暑いですが、
日が暮れるのが早くなりました。
秋がそこまで来ていますね。
体調に気をつけてまいりましょう。

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先日、テレビをつけたら、ニュース番組で
安住紳一郎アナと脚本家の三谷幸喜さんが
会話していました。

いつも思いますが、安住アナの
対応力・反応力はすばらしい。
「うまいなあ」と呟いてしまいます。

この日は、「夏休みに入ると
アウトドアで過ごすことが多くなるから
危険生物に注意しよう」
というテーマで展されていて、
安住アナはフリップを見せながら
「クラゲに刺されるとPGAという物質が
体内に入る。納豆にはPGAが多く含まれるから、
クラゲに刺された人は納豆アレルギーに
なりやすい。そして納豆アレルギーを持つ
サーファーが多いというデータがある」
ということを説明していました。

すると、すかさず
「ぼくはどちらかというと
サーファーアレルギーです」と三谷氏。
安住アナは落ち着いてフリップを置き、
三谷氏に体を向けてこう言いました。
「ほお、おもしろそうな話ですね」。

いや、この切り返し。やっぱり、うまい。

三谷氏のポジションは、以前はたけし氏でした。
たけし氏との生放送でのやりとりは
アナウンサーにとって相当ハードルが高そう。
しかし何かのインタビューで安住アナは、
「台本があって予定通りに進む番組が多い中、
たけしさんとのやりとりは予定通りに行かない。
それが刺激になっている。
視聴者も楽しんでいるのではないか」
と語っていました。

むしろ何が起きるのか楽しみ、という姿勢。
変化球をどこから投げ込まれるのか
ワクワクというところでしょうか。

安住アナの会話のコツ、
どこかに書かれてないのかな。
気になってネットを検索していたら、本を発見。
齋藤孝氏と安住アナの共著『話すチカラ』。
早速、読んでみました。

この本、安住アナが相当勉強していることが
わかる内容でした。当然ですが、プロだなあと。
アナウンサーという仕事に誇りを持って、
話し方、情報のインプット・アウトプットの仕方、
声の調整など、基本をしっかり行い、
日々自分に厳しいダメ出しをしながら
対応力を磨いていることがわかりました。

アスリートでも音楽家でも、
トップにいる人たちは基礎をおろそかにしない。
当たり前のように基本を繰り返し、
その上で、プラスのトレーニングをする。
そういうことだよなあ。

さて、コツの話でした。
変化球に対するズバリのコツは
書かれていませんでしたが、紹介されていた
大事な基本の話し方からいくつかお伝えします。

一つは、「15秒以内で話す」。
人の集中力は15秒も持たないらしく、
15秒以上同じ話をしないのが鉄則なのだとか。

もし30秒あったら、15秒が2セットあると
考えて話題を展するのだそうです。
45秒であれば「序破急」の3分割。
60秒だと「起承転結」の4分割で組み立てる。

これはびっくり。初めて聞きました。
15秒なんてあっという間なのに思いましたが、
よく考えてみると、15秒ってそんなに短くない。
だから15秒以上同じ話をするということは、
「えー、そうですね、あれは昨日でしたか、
あれ、一昨日だったかな、車で出かけたんですけど・・・」
みたいな、まどろっこしいことになります。
なるほど、15秒を意識すると、
何か説明するときもいいテンポになりそうです。

もう一つ。「語尾に曖昧な言葉を使わない」
「~と思います」と話を曖昧にする語尾に
要注意とのこと。

たとえば、リポーターが食べるロケで
「では~を食べてみたいと思います」
と言うシーン、よく見ます。
でも「思います」はその人の心の動きであって、
あなたの心の動きはいいから、
さっさとリポートして思うと安住アナ。
さらに、責任の所在も曖昧になると。

電車のホームでは「ドアが閉まります」という
アナウンスが流れるのが通常ですが、
独自の哲学がある京急電鉄は
「ドアを閉めます」と言うのだそうで、
そこには、「私の責任でドアを閉めます。
はさまれないように注意してください」という
責任のニュアンスがあると言っています。

ああ、これ。ありますね、あります。
言い切ることに慣れていないのと、
なんとなく柔らかくしたいという意識が
働いてしまう。
相手に何か指摘する際に、配慮から
敢えて使うこともありますね。
ただ、「~と思います」表現は多用していると、
慣れてしまう。そのうち、意識もしなくなる。
普段から、場の状況をしっかり把握し、
自分が使う言葉にもっと意識を向けなくては
と感じました。

最後にもう一つ、
「抽象・具体、ワイド・ナローを意識」。

話をするときには、ときに具体的に、ナローに
寄って表現すると、伝わりやすいとのこと。
たとえば、「飛行機で羽田から鹿児島に飛んだ」
よりも、
「羽田空港の13番搭乗口から飛行機で~」
と言えば、具体的なイメージを伝えやすいと。

なるほど。だれかと話していて、
ぐんと引き込まれるときは、
頭の中でシーンをイメージができるからですね。
これは書くときも同じです。
ただ、ずっと詳しい描写を続けるのもしつこい。
使い分けが重要ということでしょう。

長くなってきました。
同書、ほかにもためになるコツが
安住アナ、斎藤先生それぞれの視点で
書かれています。興味のある方はぜひどうぞ。

さあ、来週は8月。暑すぎますね。
体調整えてまいりましょう。

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自分がハンドルを握って車を運転しているときは、
道をしっかり覚えるのに
助手席に乗っていると覚えていないということ、
ないでしょうか。

私はあります。よく、あります。

「こんな道、通ったことある?」
「え? いつも通ってるよ」

自分が運転しないとなると、
途端にお客さま気分になり、全然見ていない(笑)。
なので、助手席に乗っていることが多いルートだと、
道がまったく頭に入っていない。
その後、運転しろと言われても、
どこをどう通ってきた? となります。

これと同じことが起こるのが駐車場。
自分が運転したときは、
「2階のAの23。写真も撮っておこう」
くらい覚える気があるのですが、
家族が運転しているときはちっとも見ていない。
意識してそうしているわけではないんですよ。
ですが、さっさと車から降りて、
買い物に行ってしまう(笑)。
こういうときに家族が駐車位置を忘れると悲惨です。

という話を先日友人にしたら、
「いや、私は心配なので助手席に乗っていても
しっかり見る」
と言っていたので、私の「突然お客さま感覚」は
極端なのかもしれませんが、たぶんこれは、
役割分担意識なのだろうと思います。
リーダーはだれなんだ、っていう。

こう書いていると、
全然協力体制ない人じゃん、私
と思えてきますが(笑)、
ここまで極端ではないとしても、
こういうことは仕事でもあると思うんです。
自分事として主体性を持って取り組んだときは、
視野が広がってさまざまなことを学べたのに、
やらされていると感じるときは学びが少なくて
成長実感がなかった、という経験。
皆さんにもあるのではないでしょうか。

ハーバード・ビジネスレビューの記事に
こんなことが書かれていました。

ビジネスでは、個人、組織の成長のために
「オーナーシップ(当事者意識・自分ごと化)」が
重要だと言われているが、その第一歩は
社員の心理的オーナーシップを高めることだ、と。

心理的オーナーシップというのは、
"アイデアやチームメンバーや製品が
「自分のもの・こと」だという感覚を抱くこと"
だと言います。
それを感じるためには、例えばアイデアを出したり、
何かの名前を決めたり、
オフィスのあるコーナーを
自分の考えで整えたりすることが必要だと。
わかりやすく言うと、
「自分がやった」「自分で決めた」
という感覚を抱くことなのだと思います。

記事には、心理的オーナーシップを強く感じると、
他者に対して協力的になるということが
いくつかの研究でわかった、ともありました。

なるほど、確かにそうですね。
これは自分とは関係がないと思っていると、
自分から動かず、指示を待つ。
でも、少しでも自分と関わりがあることだと感じれば、
主体的に関わるので、協力体制を築こうとする、
ということかもしれません。

ここからわかるのは、
いくら相手に「主体性」や「自律」を求めても、
その相手にとっては、
自分で何も決めていない状態、
つまり心理的オーナーシップがない状態では、
心理的には動きづらいということ。

なるほどなあ、といろいろなことを
振り返ってしまいました。
車の運転も含めて・・・
皆さんはどうでしょうか。
思い当たること、ありますか?

さて、5月が終わります。
早い・・・
気温の変化が激しいですが、
体調を崩さずにまいりましょう。

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「買い物リストに・・・えーと・・・」
「何を追加しますか?」
「コーヒーです。コーヒー追加して」
「コーヒーを買い物リストに追加しました」
「ありがとさん」
「ごめんなさい。わかりませんでした」

私と我が家のアレクサの会話です。

我が家のアレクサは、5~6年ほど前に購入したもの。
主に買い物リストへの追加くらいの使用なので、
ほとんど話しかけることはありません。

世代が前のものだからなのか、
私があまり話かけないことで学習が進んでいないのか
わからないのですが、
会話が少し複雑になると成立しないことがあります。
何かを聞き間違えて、突然音楽を流し始めたり、
全然関係ないことを説明し始めたりもします。

でも私は別に気にならない、というか、
アレクサが質問を勘違いした回答をしたり、
おや?と思う音楽を流したりしても
イライラしたりはしません。
気になるのはむしろ、アレクサがよく
「ごめんなさい」ということです。

私が常にアレクサを叱っているわけじゃないんですよ。
たとえば、アレクサが突然音楽を流し始めたとき、
「アレクサ、もう大丈夫、やめて」と言うと、
あっさり無言でやめてくれることもあるのですが、
「ごめんなさい、よくわかりませんでした」
と返ってくることがあって、
その「ごめんなさい」が気になるのです。

わからなかったんだから
「ごめんなさい」をつけるのは当たり前でしょう、
という意見もあると思うのですが、
わからないくらいで謝らなくていい、って
思ってしまうんですよね。
「ごめんなさい」言い過ぎじゃない?と。

あ、ただ、もしこれが自動運転のAIだったら、
そりゃ、いかんですね。
「ごめんなさい、わかりませんでした」とか言われても、
「おい!」ってなりますね。命がかかっていますから。

そうか。相手をどんな存在としてみているかで
期待する対応が変わるってことですね、これは。

私にとってのアレクサは、私の代わりに
買い物メモを書いてくれる気が利く女性
(女性の声なので)。
キッチンの近くに置いてあるので、
片手にフライパン、片手に菜箸という状況でも、
「買い物リストに、みりん追加しておいて」と言えば
追加してくれる。なんとすばらしい。
うちの息子なんて「あとで、自分でやれば?」
とか言ってきますよ。
ありがたく思っているので、
「ごめんなさい」に違和感を覚えるんですね。

これが、もし、
「私は、あなたを優秀なアシスタントとして
迎え入れました。よろしく頼みます」
と思っていたら、
期待するレベルが高いわけですから、
「わからないじゃないだろう!」
となるかもしれませんよね。
ユーザー的にはこっちのほうが
多いのかもしれません。


いきなり開発目線に立ちますが、
いろんなユーザーがいて、
怒る人も少なくないでしょうから、
うまくいかない状況のときの
アレクサが発するセンテンスに
「ごめんなさい」をつけるのは当然ですね。
そしてこれ、世の中のカスタマーサービスの
マニュアルと一緒ですよね。

私、お客様対応で、
「申し訳ありません」を言われるのも気になります。
いや、全然怒ってないんですけど、と。

たとえば、先日、スーパーの棚から
商品がざざーっと落ちていて、
こりゃ知らせてあげねばならん、と思い知らせたら
「申し訳ありません」と言われ、むむ?と思いました。
私は「財布、落ちましたよ」と同じ感覚だったので。
でも、きっと、
「商品をきれいに陳列していないとは何事だ!」って
怒る人がいるから、「申し訳ありません」って
言うことになっているんでしょうね。
大変だなあ、ほんとに。


いやあ、アレクサなどのAIも含め、
ユーザーへの対応は、
なかなか奥が深いテーマです。
我が家の息子たちを見ていても思いますが、
彼らが望んでいる人間関係は、
私の時代とは違い、ずっとフラット。
ユーザーが相手とどういう関係を築きたいかで、
今後、AIが発する会話や世の中のお客様対応が
変化するのかもしれません。
そう考えると興味深いですね。

個人的には、
AIの人格を選べたらいいなと思います。
仲間モード
反抗期モード とか。どうでしょう。

さて、ゴールデンウィークも終わり、
気づくと5月も2週目が終わる・・・
週末に向けて、元気にまいりましょう!

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自分は今、どこの筋肉を使って動いているのか。

そんなことに興味があります。
こんな話をすると「ほほー、筋肉好きですか?」
と言われたりするんですが、いわゆる筋肉好きというわけではないと思います。
仕組み好きっていうんでしょうか、
これとこれがつながって、
ここに力が加わってるのね、
ということが気になるのです。

今は放送していないみたいですが、
昨年までNHKで放送していた
『筋肉アワー』という番組が好きでした。
筋肉といえばこの人、谷本先生がアスリートや
アーティストなどをゲストに迎え、
「この動きにはこの筋肉が関係しています」
「さすがこの筋肉が発達していますねえ」
などと語り合う番組です。

ショパンコンクールで2位に輝いた
ピアニストの反田恭平さんが
ゲストで出演した回では、
ピアニスト独特の筋肉として、
親指の付け根の筋肉が紹介されていました。
「短母指外転筋」というそうで、
反田さんの親指の付け根は
見たことのないほど盛り上がっていました。
それだけ、親指を細かくコントロールして
動かしているということですね。

短母指外転筋の発達は、
ピアニストならそうなんだろうなと
思えますが、あ、そこもですか?
と思ったのが「広背筋」。背中の筋肉です。
激しい曲を弾くときに必要というのは
わかるのですが、
必ずしも大きな音を出すときでなくても
使うようで、背中から力を伝えると
深い音になるんだとか。
実際、反田さんが深い音を出したいときは、
手が鍵盤を通り越して深いところまで
届くようなイメージで弾くと語っていました。

なるほど! と思って、ピアノを弾くときに
(ねこふんじゃったレベルですが)、
背中を意識して、鍵盤を深く押してみましたが、
あら不思議、深い音になっている(気がする)。
意識すると結果って変わるんだよなあ
と思いました。

そう、これ。
私がここでお話ししたかったのは、
筋肉についてではなくて、
何をやっているかを意識すると変わる、
という話でした。
筋肉話で終わるところだった・・・

意識しないとスルーしちゃうこと、
無意識に行ってしまうことって、
仕事でも結構ありますよね。
ルーティン業務だととくに。

でも、目的を意識したり、
ここを習得しようを意識して動いていると、
今までスルーしていたことが、
インプットされるようになって、
改善策を思いついたり、
いきなりコツを掴んだりするんだと
思うんです。

同じことでも、意識するのと、しないのでは
結果が変わるのだと思います。
意識すれば、習得も早くなるし、
それに伴って成長も早くなりますよね。

WBCの日本優勝で盛り上がる野球界。
野球でも、日々のキャッチボールで
何かを意識して習得しようとしているか、
ただのウォーミングアップで
終わらせているかで、
成長が大きく変わると聞いたことがあります。

元オリックスの選手で、
現在は少年野球チームの監督をしている
筧裕次郎氏は、
「まずは投げるときも受けるときも
一球、一球を意識すること。
そのうち、相手がリリースするときの
僅かな動きの変化がわかるようになり、
投げてくる場所を予測できるようになる」
と話しています。

ほおおー、それはすごい。
キャッチボールでも意識して行っていれば、
そんなこともわかるようになるのかあ、
と思いました。

こんなことを書きながら、
私も、日々スルーしていることあるだろうなと
振り返っている次第。
そこに気づくかどうかで、
成長が変わるんだろうなあ。
伸びしろいっぱいだなあ(ポジティブ)。

桜もだんだんと咲いてきましたね。
今週も残り、がんばってまいりましょう。

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少し前、都内の大手スーパーが新業態として
青果店をオープンしたというニュースに
目が留まりました。

青果店? 咄嗟に頭の中で想像したのは、
リッチなフルーツパーラー的なお店。
旬の果物を贅沢に使ったパフェが
3千円近くするような店です。

どれどれ、と、詳細ページにアクセスしたところ、
そこに掲載されていた写真は、いわゆる八百屋さん。
サザエさんに出てきそうな、
昭和テイストの小さな店でした。
なぜ、今?

記事を読んでみると、そのスーパー、
もとは青果店だったそうです。
規模が大きくなり、スーパーという業態になっても、
「野菜と果物なら私たちにお任せください」
という思いは変わらず、
「原点に戻って、一人ひとりのお客様の顔を見て、
商品の良さを伝えたい」
という思いから、新業態の出店を決めたと
書かれていました。

お客様から意見をすぐに聞けるというのが
小さな店のメリットだと、
記事中でプロジェクトのオーナーは語ります。

「昨日の◯○、少しかたかったわよ」
などの声をすぐに吸い上げられ、
売り場ですぐにフォローできる。
仕入れ情報はもちろん、
料理の仕方のアドバイスもできる。
そうしたやりとりを通して、
顧客との信頼関係を築くとのこと。

確かに、この店は店員がとても詳しい、
丁寧に説明してくれる、しかもおいしい、
となればファンになりますよね。
八百屋業態のほうのファンが増えれば、
スーパーのほうも好感度が上がる。
なるほど、原点に帰った
ブランディングなのだなと思いました。

ここで思い出したのが、
以前どこかで目にした、
青森の「ポップごと売っている本屋さん」のこと。
青森県八戸市にある小さな書店なのですが、
ここでは数年前から、
店を訪れた人に本の内容、
魅力をわかりやすく伝えられるよう、
手描きポップを制作。
ある時、「おすすめを教えてください」と
お客さんに聞かれた店員さんが、
おすすめポイントをあらかじめ書こう!
と思ったのがきっかけだったそうです。

ポップは徐々に評判になり、
Twitterで噂が広がって、
やがて「ポップごと売ってほしい」
という声が相次ぐように。
今では普段あまり出ないような本も、
ポップをつけると売れていくそうです。

ポップを担当している店員さんが、
きちんと本の内容を読み込み、
「こういう人に読んでもらいたい」
というところまで考えて、その魅力を
的確にポップで表現できているからこその
現象ですよね。

昔ながらの手法なのかもしれませんが、
考えてみると、とても高度な宣伝方法。
だれにでもできることじゃないなあ。

そういえば、
今のような音楽配信サービスがなかった頃、
タワーレコードなどの
CDショップで買物をするとき、
かなりあてにしていたのが
店員さんが書く手書きポップ。
ポップを読んで、フムフム言いながら
CDを手にとっていたのでした。

人気CDの視聴コーナーは
いくつかあったものの、
すぐに聴けない時代だったし、
ネットがない時代だったので
ポップの情報が頼り。
(ものすごく大昔に感じますけど、
そんなに前でもないんですよねえ)

すごく音楽に詳しいスタッフさんが
ジャンルごとにいて、
しっかり刺さるコメントを工夫して
書いているんだろうなあと思っていました。
久しくショップに足を運んでいませんが、
今でもあるのでしょうか。
今思うと、あのポップ、
店のファン作りの柱でもあったのでしょうね。

さて、こうして書いてきて感じたことは2つ。

1つ目は、当たり前ですが、やはり、
自分たちが扱っている商品のことは
知らなくちゃいけないな、ということ。

ネットで購入者自身が調べるのが
前提のような世の中ですが、
商品にしろ、サービスにしろ、
それを扱っている側が顧客よりも知らない、
ということはよろしくないなと思いました。
知らないと責任を持っておすすめできない
→あまり売る気にならない、
ということにもなりますよね。
逆に、扱う人たちがもっと興味や関心を持てば、
それだけ意見交換が活発になり、
質の向上につながるのではと思ったりもします。

2つ目は、ブランディングって、
やはり顧客視点に立たなければ
成り立たないなあということです。
自分たちの商品がこんなにいいです!
ということをかっこよく伝えても、
刺さらなくては意味がない。

冒頭であげた八百屋さんであれば、
目の前のお客さんを見て、
例えば高齢の方には柔らかくて
調理しやすいものをすすめたり、
忙しい人には日持ちするものを
すすめたりできる。
そのくらいの気持ちで、
そのくらいの解像度で、
私たちも商品やサービスを使う人のことを
想像することが大事なんだろうなと感じます。
ネットでググることが当たり前の社会で
暮らしているからこそ、
人の温度を感じられるコミュニケーションが
注目されるのだと思いました。

さーて、W杯も終わり、
アルゼンチンも優勝し、
寝不足がやっと解消されてきたと思ったら、もう年末・・・。
今年もあっという間に終わっていきます。
ひいい~。

今年もメルマガをお読みいただき、ありがとうございました。
後半、配信が滞りがちになり大変失礼しました。
来年はがんばります!

皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。

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9月の下旬。
日曜日の午後だったと思うのですが、
夏っぽいものを食べる最後のチャンス!と思って、
ご近所にあるチェーン店のカフェに行きました。
食べたかったのは、
夏っぽいパフェ系のものだったのですが、
私の体内時計というか体内カレンダーが
1ヶ月ほどずれていたようで、
すっかり秋メニューになっていました。
季節が巡るスピードが年々早くなるのを何とかしたい・・・

ということは置いておいて、
テーブルにつくと、柱の張り紙に目がとまりました。
そして次の瞬間、「残念・・・」と
つぶやいてしまいました。
紙に書かれていたのは、

日頃から、勉強している学生さんについて、
大変多くの苦情をいただいている。
たくさんのお客様にご迷惑をおかけしている。
そこで、当店では学生の勉強利用を一切禁止とする。
勉強している学生を見たらお知らせください。

みたいなことでした。

いや、わかります。
ノートや参考書を広げて、
一杯の飲み物で長時間利用されると、
店としても売り上げが立たないし、
テーブルを占領されると他のお客様が座れない。
苦情も出る。
「あんたたち、家で勉強しなさい!」って
思いますよね。
ときにはカップルで仲良く話しながら、
長時間勉強している子たちもいるので、
「おいおい、何だよ」と言いたくなるのもわかるのです。

でも、学生の勉強は一切禁止!というのは、
なんとも悲しいなあと思うのです。
だって、勉強してるんですよ。
トランプしているわけではなく。

たとえば、
日曜日は勉強利用はダメ、とか、
何時から何時まではダメ、とか、
そういうことでもよかったのでは? と思います。
「そんな、簡単に言いますけどね・・」と
お店の方に言われちゃいそうですが、
学生の勉強利用は一切禁止です!って発表されると、
そういう企業姿勢なんだなあと
受け取ってしまうわけです。

調べてみたら、このチェーンに限らず、
学生の勉強利用を禁止するカフェ、
少なくないみたいですね。
学生の勉強利用について怒っている人のほうが多そうだな。
まあ、そうか・・・
私も、夏っぽいパフェを食べる最後のチャンスに
まったく座れなかったら、
もしかしたら怒ったのかもしれないです。

しかし、若者に勉強してもらわなくていいのでしょうか。

日本は世界に類を見ない超高齢社会です。
おまけに少子化もぐんぐん進んでおり、
2045年には65歳以上の人口が全体の約37%、
15歳未満の人口は約11%という比率に。
1人の高齢者を1.4人の生産年齢人口(15~64歳)で
支えるという社会になるのです。

つまり、目の前の学生さんが、
面倒を見てくれる人なのです。
すみませんね、頑張って勉強してください、
という気分になってしまいます。
あめちゃんあげたい感じ。

数日前、英国の教育誌が
世界大学ランキングを発表しました。
研究内容や論文の引用回数、
国際性などの指標をもとにランキングしているようです。
気になる結果は、

1位がオックスフォード大(英)
2位 ハーバード大(米)
3位 ケンブリッジ大(英)、スタンフォード大(米)
5位 マサチューセッツ工科大(米)

アジアの大学で最も順位が高かったのは、
16位の精華大(中国)、
次いで17位が北京大(中国)
19位にシンガポール国立大がランクしています。

日本の大学は39位に東京大学、
68位に京都大学が入りましたが、
いずれも前回よりも順位を落としています。
一方、中国は100位以内に入った7校中5校が
順位を上げているとのこと。
研究の質は着実にアメリカに追いつきつつあるとされています。

先日、読んだ本にはこんなことが書いてありました。
グローバル企業の日本支社での採用には、
たくさんのアジア人がエントリーしてくる。
彼らは、母国語はもちろん、日本語も英語も流暢で
成績も優秀なので、おのずと日本人の採用数が減少してしまうと。

高齢化社会だし、国際競争は激しくなるしで、
学生さん、大変です。
もっと勉強しなくちゃいけないのです。
カフェから締め出さなくてもいいんじゃないかなあ。

じっと張り紙を見つめながら、
そんなことを考えた日曜日の午後。
夏のパフェは食べられませんでしたが、
秋のパフェは食べました。

コートが必要な季節になってきました。
体調に気をつけてまいりましょう。

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