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『気持ちの持ち方・考え方』カテゴリの記事

 

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「怒られたことがないし、
自分も怒ったことがない。
怒るってどういうふうにやるんですか?」

と、昔、職場のスタッフに聞かれて、
驚いたことがあります。

雑談で私が子どもの話をしたときだったように
記憶していますが、
真面目に質問をされたことを覚えています。

「怒ってはいけない」という言葉は、
子育てをしているとよく耳にする言葉です。

ママ友との会話でも昔はよく
「ムカっときたけど、こらえた」
「ムカっときそうになったけど
ほかのことを考えて抑えた」
というようなエピソードを聞きました。

この2つ、同じようでいて違います。
前者は、怒りの感情は認めたけど、
怒りを外に出さなかった。
後者は、怒りの感情自体をないものとした。
専門家ではないので、私の感覚ですが、
何となく後者は不健康な感じがします。

ここで、思い出すのが、10年ほど前に公された
『インサイド・ヘッド』という映画。
ピクサーが制作したアニメです。

あることがきっかけで、
主人公の頭の中から「カナシミ」の感情が
いなくなってしまい、
その状況を「ヨロコビ」が
コントロールしようとするが、
うまくできなくて・・・
というストーリー(だったように記憶)。

でも「カナシミ」も「ヨロコビ」も含めて、
すべての感情が集まって
その子をつくっているのだから、
感情を無視するのではなく、
素直に受け入れて、上手につきあっていこう
というメッセージだったと思います。

当時、小学生男子の子育て中だった私は、
日々、いろいろな感情と戦っていたんでしょうか(笑)、
「そうだ、そうだ」と頷きながら、
映画館を後にしたのを覚えています。


さて、近年、ハーバード大学の
意思決定センター(Harvard Dicision Science Lab)
というところが、感情を以下の12種類に分類して
研究を進めているそうです。

ネガティブ感情
・怒り
・イライラ
・悲しみ
・恥
・罪
・不安(恐怖)

ポジティブ感情
・幸せ
・誇り
・安心
・感謝
・希望
・驚き


こうして一覧で見てみると、
自分自身が感じがちな感情と
そうでないものがわかりますね。
最近の自分の行動を振り返って、
あれは自分としてはどんな感情だったのかを
あらためて考えるきっかけにもなりそうです。

で、さらに別の資料なのですが、
いくつかの感情について、
それらが起こるときに、何に注意が向いているかが
書かれているものを見つけました。
これ、すごく興味深いです。


不安
→わからないことに注意が向く

恐怖
→手に負えないことに注意が向く

悲しみ
→無いことに注意が向く

怒り
→大切なものがおびやかされることに注意が向く

喜び
→獲得したことに注意が向く

安らぎ
→満たされていることに注意が向く

参考:鈴木伸一(2016)不安の医学 
第23回 都民講演会より


例えば、怒りを感じたとき、
感情をコントロールするためには、
何に怒りを感じているのかを
冷静に考えるのだと思いますが、
大切なものをおびやかされることに
注意が向いていることがわかれば、
自分にとって今、どんな大切なことが
おびやかされようとしているのか
と考えることができる。
大切だと思っていることを
再認識することにもなります。

私は毎晩のように、
我が家の猫に夜中に起こされていますが、
一晩のうちに何度も起こされると
さすがにムカっときます。

でも、これ、何を大切に思っているか
という発想で考えると、「睡眠」だとわかる。
私はぐっすり眠りたいのだと。
猫はしょうがないのです。夜行性ですし。
2匹いるので盛り上がることもある、と思える。

猫対策という発想から、
睡眠をどうするかという発想になります。
とてもすっきりします
(いやいや、それじゃだめだろ
という気もしますが)。

感情と向き合うこと、
私もまだまだ勉強中ですが、
特定の感情を無視することなく、
これからも、うまくつきあっていきたいと思います!

さて、あっという間に4月。
新社会人かな?と思われるスーツ姿の若者も
目立ちますね。
皆さん、体調に気をつけてまいりましょう!

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インスタで料理動画をよく見ます。

自分から進んで見つけにいっているというよりは、どんどん出てきちゃうので見ているというほうが近いです。

「あ、いいな」と思って保存したりすると、そればかり出てくる。

チーターの赤ちゃん動画にいいねしたら、数日間チーターの赤ちゃんテロくらいの勢いになってしまう、あれです。

そうそう、料理動画の話でした。

見ていて思うのは、皆さんクオリティが高い。
もちろんプロの方もいらっしゃるでしょうが、そうでない方々も料理自体も動画もクオリティがどんどん上がっていく。
これは、ちょっと作ってみましたくらいのレベルのものを気軽に投稿できない雰囲気ですね。

実際、ちょっと作ってみましたの投稿に、盛り付けがよくないだの、

切り方がいまいちのようなコメントがあるのを見ると、閲覧する側の期待も高くなっている様子。

クリエイティブのクオリティってこうして上がっていくんだなあ、すごいなあと思いながらも、

世の中の料理のクオリティが高すぎて、料理から遠のいてしまう人ももしかしたらいるのではという気もしてきました。

そんなある日、noteでこんな発言を見つけました。

「家のチャーハンで、パラパラかどうかなんて悩む必要は全くないわよ。

パラパラは、チャーハンがベロにのっかった一瞬のことでしょう。

多少作り方が違ってたって口の中で合体して、ごっくんしたらみんな一緒よ」

どなたが発したのかとてもわかりやすい。
はい、平野レミさんです。
平野レミさんが、昔、初めて出演したテレビの料理番組でトマトを素手で握りつぶしたら

「下品だ」という抗議の電話が殺到したという話はよく知られています。

レミさんによると、トマトを素手でつぶすのは包丁で切るよりも

断面がギザギザになって味が染み込みやすくなり、なにより簡単だからだそう。

仕事で疲れきっている人が料理の完成度を上げるために

手間をかけすぎて不機嫌になるのはハッピーじゃないとレミさん。

「私が大事にしているのはキッチンから幸せを届けることだから」と語っていました。

確かに。結局、何を大事にするかだなあと思いました。

自分が大切にしたいことを忘れて、

ただ、すべてのプロセスで完成度を上げるような取り組み方になってしまうと、

時間は限られているのだから、疲弊してしまいます。

そういえば「ええ加減でええんです」と土井善晴さんも言っていますね。

一汁三菜にしばられすぎて、つらい思いをしている人もいる。

お味噌汁にどんどん具を入れて、一汁一菜で十分と土井さんは言っています。

細かなことは気にしなくていいと。

「焼き魚をして魚の皮がむけたことを失敗と言う。どこが失敗やねん、と思います。

おにぎりをちゃんと三角に握るとか、ギョウザをきれいに包むとか、別にいらんでしょ。

焼きムラがあってもええんです。その方がおいしい。日本人は、体裁とか均一性を要求しすぎです」

と、インタビュー記事で話していました。

土井善晴さんが大切にしているのは、一生懸命料理するという、そのプロセス。儀式みたいなものかもしれません。

ええ加減というと、適当や手抜きのようなニュアンスですが、そうではなくて、

作り手側の加減でいい。しょうゆ大さじ1なのか1.5なのかは作り手が決めればよい。心がこもっていればいいと。

そうだよなあと思います。

忙しく毎日を過ごしていると、

外から聞こえてくる「こうすべき」「こうあらねばならない」「普通はこうする」に引っ張られてしまうのかもしれません。

それぞれの事情、やり方があっていいはずなのに、

自分にとって大切なものをつい忘れてしまい、外の声に流されてしまう。

料理に限らず、「私は何を大切にしたいのか、そのために何をして、何をしないのか」、

そういうことを考えないといけないなと思いました。

そうこうしている間に、2月が終わっていきます。
私が大切にしたいことは何なのか(笑)。
春がそこまできていますね。体調に気をつけてまいりましょう。

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ドカンこと宮藤官九郎氏が脚本を担当しているドラマ『不適切にもほどがある!』を楽しんで視聴しています。


昭和の中学の体育教師がふとしたことで令和時代にタイムスリップしてしまったら価値観がまったく違って・・・というような話ですが、
社会課題をおもしろおかしく、クドカンならではのトーンで風刺していて、笑いながらも、いろいろと考えてしまう内容です。

我が家の次男が何かと「これだから昭和は」と言ってくることは、このメルマガでも何度か書いているのですが、彼らにとって昭和はどうやらかなり大昔の印象らしいのです。
家の電話しかない、パソコンがない、もちろんインターネットもない。どうやって暮らしていたの?と。

そんな感覚なので、トトロに出てくるようなハンドルをぐるぐる回して通話する電話を私が子ども時代に使っていたと思っていて、 あれはどうやって話すの?と聞いてきたので、さすがにあれほど昔じゃないから使ったことがないと伝えても、ピンときていない。

彼らにとって昭和は昭和。昭和は大昔。まったく違う世界。そこで生きてきた人たちは考え方が全然違う。わからん。大袈裟に言うと、そういう感覚なのかもしれません。

冒頭でふれたクドカンのドラマにこんなシーンがありました。

令和時代にタイムスリップした体育教師が居酒屋に入り、デジタル注文にてこずって炙りシメサバを大量注文。ロボットによって続々とテーブルに届けられ、途方に暮れる彼の横で、真剣な表情でハラスメントの話をしているビジネスマンたち。後輩にハラスメントを訴えられたという男性が、上司たちに何があったのか、何を言ったのかをヒアリングされています。

男性「頑張れと言いました」
上司「それがハラスメントなんです」
男性「頑張れ、も言っちゃいけないんですか?」
話に加わってきた体育教師「じゃ、なんて言えばいいの?」
上司「何も言わない。見守るんです」

正確なセリフではありませんが、そんな展開。
その後、それはおかしいだろうと会話が続くわけですが、私が確かにそうだなあと納得したのは、

「話し合いをしよう。たとえわかり合えなくても、話し合いをしたという履歴は残る」というセリフでした。

昭和と令和の価値観が違い過ぎる。昭和から見ると令和は「うそでしょ?」だし、令和から見ると昭和は「冗談でしょ?漫画?」くらい違う。

そんなに違うんだから、わかり合えるはずがないと思っていたら、お互いがどう感じているか、いつまでたってもまったくわからないということになります。わかり合うというところまで到達しなくても、お互いが自分の考えを言うのはやはり大事だなと思いました。

そんなふうに思って世の中を見渡すと、昭和と令和という構図に限らず、「どうせ、わからんでしょ」と放置していることはたくさんあるのかもしれません。一方的に思い込んでいることがないか、あらためて考えてみようと思いました。

2月もどんどん過ぎていきます。花粉の季節・・・。体調に気をつけてまいりましょう。

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しつこい人。

どういう人でしょうか。

ネットでは、しつこい人の行動として、
こんなものが出てきます。

何度も同じことを聞いてくる。
こちらの温度感を考えない頻度で連絡してくる。
LINEの文章が長い。
とにかく細かい。
おせっかい。
心配性。
自分勝手。
思い込みが強い。

うーん、通常、嫌われてしまう行動ですよね。
エスカレートしてしまうこともありますし。
心理カウンセラーによる
しつこい人の対処法、なんかもあったりして、
しつこくされる人、困っている人が少なくないんだな
と思います。

では、しつこい人はなぜしつこくしちゃうのかを考えてみました。
心配性で気になると確認せずにいられない、とか、
私がやってあげなければという思い込み、なんかもあるでしょうが、
熱量が大きい、ということもありますね。おそらく。
がっと熱が入って、集中してしまう。
で、その熱をわりとずっと保って行動できる、
という人たちなのかと想像します。

しつこいと嫌われるけど、そんなしつこさを
持っていないといけない人たちもいますね。
それが、新しいものをつくりだす人、
大きな物を動かす人、推進していく人たち。

こういう人たちはあっさりするわけにはいきません。
たとえば、イーロン・マスク。
周囲がひいてしまうほどのしつこさでしょうね。
スティーブ・ジョブズもそうだったのではと思います。

『結局、「しつこい人」がすべてを手に入れる』
の著者、伊庭正康氏は、
「しつこさ」はスキルの一つだ、と言っています。

「しつこさというと、具体的な方法論が見えづらく、
根性だの気合いだのといった話になりがちですが、
そうではなくて、しつこさに必要なのは、
ちょっとしたコツを加えること、
いろいろと妄想を膨らませることです。

そして、いいしつこさを発揮するには、
最上位の目標を考えること。
ゴールをぶらさず、いろいろ試してみること。
一つ失敗して終わりではなく、新しいやり方を試して、
諦めずに最上位の目標に向かうこと」

TKKの法則。
これ、伊庭氏による、しつこさを身につける法則です。

T たのしくする
K かんたんにする
K こうかを確認する

確かに。何かを動かしていく人たちの共通点は
簡単に諦めないこと。楽しんで、楽に、
そして、とにかくやり続けることかもしれません。

ビジネスに限らず、ダイエットでも何でも
何かに取り掛かってうまくいかないとき、
足りていないのは「しつこさ」だなあと思いますね。
しつこさにはエネルギーが必要なので、そのエネルギーは
楽しくないと生まれないってことか、と納得しました。

最後に、
しつこい人が、しつこく思われないために、
伊庭氏は「自分軸で勢いよく話す前に、相手の話を聞くこと」
と言っています(笑)。
当たり前ですが、熱が高いと忘れがちなのかもしれませんね。

さあ、12月。今年も残り少ないです。
しつこさをうまくコントロールして行きましょう!



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自分がハンドルを握って車を運転しているときは、
道をしっかり覚えるのに
助手席に乗っていると覚えていないということ、
ないでしょうか。

私はあります。よく、あります。

「こんな道、通ったことある?」
「え? いつも通ってるよ」

自分が運転しないとなると、
途端にお客さま気分になり、全然見ていない(笑)。
なので、助手席に乗っていることが多いルートだと、
道がまったく頭に入っていない。
その後、運転しろと言われても、
どこをどう通ってきた? となります。

これと同じことが起こるのが駐車場。
自分が運転したときは、
「2階のAの23。写真も撮っておこう」
くらい覚える気があるのですが、
家族が運転しているときはちっとも見ていない。
意識してそうしているわけではないんですよ。
ですが、さっさと車から降りて、
買い物に行ってしまう(笑)。
こういうときに家族が駐車位置を忘れると悲惨です。

という話を先日友人にしたら、
「いや、私は心配なので助手席に乗っていても
しっかり見る」
と言っていたので、私の「突然お客さま感覚」は
極端なのかもしれませんが、たぶんこれは、
役割分担意識なのだろうと思います。
リーダーはだれなんだ、っていう。

こう書いていると、
全然協力体制ない人じゃん、私
と思えてきますが(笑)、
ここまで極端ではないとしても、
こういうことは仕事でもあると思うんです。
自分事として主体性を持って取り組んだときは、
視野が広がってさまざまなことを学べたのに、
やらされていると感じるときは学びが少なくて
成長実感がなかった、という経験。
皆さんにもあるのではないでしょうか。

ハーバード・ビジネスレビューの記事に
こんなことが書かれていました。

ビジネスでは、個人、組織の成長のために
「オーナーシップ(当事者意識・自分ごと化)」が
重要だと言われているが、その第一歩は
社員の心理的オーナーシップを高めることだ、と。

心理的オーナーシップというのは、
"アイデアやチームメンバーや製品が
「自分のもの・こと」だという感覚を抱くこと"
だと言います。
それを感じるためには、例えばアイデアを出したり、
何かの名前を決めたり、
オフィスのあるコーナーを
自分の考えで整えたりすることが必要だと。
わかりやすく言うと、
「自分がやった」「自分で決めた」
という感覚を抱くことなのだと思います。

記事には、心理的オーナーシップを強く感じると、
他者に対して協力的になるということが
いくつかの研究でわかった、ともありました。

なるほど、確かにそうですね。
これは自分とは関係がないと思っていると、
自分から動かず、指示を待つ。
でも、少しでも自分と関わりがあることだと感じれば、
主体的に関わるので、協力体制を築こうとする、
ということかもしれません。

ここからわかるのは、
いくら相手に「主体性」や「自律」を求めても、
その相手にとっては、
自分で何も決めていない状態、
つまり心理的オーナーシップがない状態では、
心理的には動きづらいということ。

なるほどなあ、といろいろなことを
振り返ってしまいました。
車の運転も含めて・・・
皆さんはどうでしょうか。
思い当たること、ありますか?

さて、5月が終わります。
早い・・・
気温の変化が激しいですが、
体調を崩さずにまいりましょう。

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自分は今、どこの筋肉を使って動いているのか。

そんなことに興味があります。
こんな話をすると「ほほー、筋肉好きですか?」
と言われたりするんですが、いわゆる筋肉好きというわけではないと思います。
仕組み好きっていうんでしょうか、
これとこれがつながって、
ここに力が加わってるのね、
ということが気になるのです。

今は放送していないみたいですが、
昨年までNHKで放送していた
『筋肉アワー』という番組が好きでした。
筋肉といえばこの人、谷本先生がアスリートや
アーティストなどをゲストに迎え、
「この動きにはこの筋肉が関係しています」
「さすがこの筋肉が発達していますねえ」
などと語り合う番組です。

ショパンコンクールで2位に輝いた
ピアニストの反田恭平さんが
ゲストで出演した回では、
ピアニスト独特の筋肉として、
親指の付け根の筋肉が紹介されていました。
「短母指外転筋」というそうで、
反田さんの親指の付け根は
見たことのないほど盛り上がっていました。
それだけ、親指を細かくコントロールして
動かしているということですね。

短母指外転筋の発達は、
ピアニストならそうなんだろうなと
思えますが、あ、そこもですか?
と思ったのが「広背筋」。背中の筋肉です。
激しい曲を弾くときに必要というのは
わかるのですが、
必ずしも大きな音を出すときでなくても
使うようで、背中から力を伝えると
深い音になるんだとか。
実際、反田さんが深い音を出したいときは、
手が鍵盤を通り越して深いところまで
届くようなイメージで弾くと語っていました。

なるほど! と思って、ピアノを弾くときに
(ねこふんじゃったレベルですが)、
背中を意識して、鍵盤を深く押してみましたが、
あら不思議、深い音になっている(気がする)。
意識すると結果って変わるんだよなあ
と思いました。

そう、これ。
私がここでお話ししたかったのは、
筋肉についてではなくて、
何をやっているかを意識すると変わる、
という話でした。
筋肉話で終わるところだった・・・

意識しないとスルーしちゃうこと、
無意識に行ってしまうことって、
仕事でも結構ありますよね。
ルーティン業務だととくに。

でも、目的を意識したり、
ここを習得しようを意識して動いていると、
今までスルーしていたことが、
インプットされるようになって、
改善策を思いついたり、
いきなりコツを掴んだりするんだと
思うんです。

同じことでも、意識するのと、しないのでは
結果が変わるのだと思います。
意識すれば、習得も早くなるし、
それに伴って成長も早くなりますよね。

WBCの日本優勝で盛り上がる野球界。
野球でも、日々のキャッチボールで
何かを意識して習得しようとしているか、
ただのウォーミングアップで
終わらせているかで、
成長が大きく変わると聞いたことがあります。

元オリックスの選手で、
現在は少年野球チームの監督をしている
筧裕次郎氏は、
「まずは投げるときも受けるときも
一球、一球を意識すること。
そのうち、相手がリリースするときの
僅かな動きの変化がわかるようになり、
投げてくる場所を予測できるようになる」
と話しています。

ほおおー、それはすごい。
キャッチボールでも意識して行っていれば、
そんなこともわかるようになるのかあ、
と思いました。

こんなことを書きながら、
私も、日々スルーしていることあるだろうなと
振り返っている次第。
そこに気づくかどうかで、
成長が変わるんだろうなあ。
伸びしろいっぱいだなあ(ポジティブ)。

桜もだんだんと咲いてきましたね。
今週も残り、がんばってまいりましょう。

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30年ほど前のこと。
勤めていた会社を辞めてNYに移り住んだ私は、週に何度か旅行会社でエアラインの予約をするアルバイトをしていました。

当時、その会社は受付スタッフも募集していて
毎日のように数人が面接に来ていました。

アメリカだからなのか、その会社の特徴だったのか、その場で即採用され、翌日にはだれかが 受付に座っていました。

だれかが、と言ったのは、
受付ブースに座る人がころころ変わっていたからです。

「あれ? 昨日は女の子じゃなかった?
今日は男性が座ってるね」

「あれ? 先週いた子は?」

という感じで、どんどん人が入れ替わる。

ある日、その理由を採用担当のマネージャーに聞いてみると、応募してきた本人は面接で「できる」「経験がある」と言うが、やらせてみるとできないことが多いから、だそう。

例えば「パソコンの知識はエクセレントだ」と言ってくるが、実際にはまったくタイプできない人もいるらしく、そうなると、「はい、あなた、もう帰って」となる、と。

でもそんなことは日常茶飯事なようで、彼女は「困るわよねー」と笑顔で去っていきました。

びっくりしました。
だって、すぐにバレることじゃないですか。
実際できないんだから。
しかも、バレたときに「ウソつきましたね」となって、かなり恥ずかしいですよね。

しかし、それをアメリカ人の友達に言ったところ、それはウソではなく、セルフ・プロデュースだと言われました。
「私だって、エクセレント・オーガナイズ・スキルと書く」と。

彼女は、片付けがまったくできなかったので、
「ウソでしょ!」って思いましたが、
なるほど、そういうものなのかと思いました。

自分のスキルを正直に伝えるどころか、
「それほどでもないです」と
低めに言ってしまうことの多い日本人と、
少しでもできれば(ほとんどできなくても)
エクセレントだと表現し、自分を最大限に売り込むアメリカ人。文化の違い、考え方の違いを目の当たりにしました。

考えてみると、私たち日本人は、セルフ・プロデュースにあまり縁がないですよね。

でも、これは「ハッタリ」ってことだろうなと思いました。

私の古くからの友人に、学生の頃、ほとんど泳げなかったのに水泳コーチのバイトに申し込み、泳力テストで溺れかけたものの、採用されたという女性がいます。

彼女は、
「水泳コーチのバイトをする、背中が美しい女子大生」
になると決めていたらしいのです。

泳げないのになぜ採用されたかというと、
コーチたちが、溺れかけても泳ぎ続ける彼女の必死さに胸を打たれ、
「私たちがあなたに泳ぎを教えます」となったのだとか(彼女談)

そんなバカな、と聞いた時は思いましたが、
実際に泳ぎを覚え、美しい背中になった彼女を見て、こういう人もいるのかと感心しました。

彼女はその後も、ほとんどできないのに
何かに応募しては、面接で
「実はこれは今はあまりできないのですが、
こういうことならできます!」
などと自分を売り込み、いろいろなことを実現させてきました。

彼女のアクションはいつも
「なりたい自分をイメージ」、
次に「ハッタリ」、そして「実現」でした。
今思うと、実現に向かうために、
ハッタリで自分にプレッシャーをかけていたのだろうなと思います

そういえば、以前、テレビで林修先生がカリスさんというAI研究者をインタビューする番組を観たのですが、カリスさんもこう言っていました。

ぼくは人生を生き抜く上でハッタリが一番大事だと思っています。
ハッタリをかまし続けると実績も後からついてきます」

カリスさんは韓国出身で、16歳で東大に合格したことで話題になった人。 現在は医療AIを扱う企業のCEO補佐として医療AIの研究開発をしています。

「思い込みが大事なんです。自分は特別と思っていない人は、特別にはなれないので」
とカリスさん。
なるほどなあ、と思うと同時に、今の日本、こういう人が必要なんだろうなと思いました。

「いやいや、そんな私なんてそれほどでもないです」

みたいな人ばかりだと勢いがなくなるばかり。
「ハッタリ」をかける人も必要だし、それを受ける側も「ハッタリ」ウェルカム! くらいの心構えが必要なのかもしれません。

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社外のパートナーさんと、
あるプロジェクトの打ち合わせを
オンラインで行っていたときのこと。

本題が終わり、雑談しながら、
オンライン会議ツールの
バーチャル背景をいじっていたら、
宇宙船の操縦席に自分が座っているような
背景になりました。
窓の外は宇宙。惑星も見えます。

「いいですね、これ!」と言いながら、
3人の参加者全員が同じ背景をセットしたところ、
一気に、連帯感がアップ!

設定が宇宙なだけに、壮大なミッションを
遂行しているような気持ちになり、
「地球のために、一緒に戦いましょう!」などと
お互いを励まし合いながら、会議を終えました。
背景を一緒にしただけであれほど
モチベーションが上がるとは!
新しい発見でした。


企業がオンライン会議のバーチャル背景を
自社のロゴカラーで統一したり、
自社商品の画像を組み込むなどの
取り組みをよく目にします。

私は今まで、それは主に社外への宣伝が
目的なのだと思っていました。
もちろんそれもあるのでしょうが、
今回の体験で、
メンバー間の連帯感を強める
役割もあるのだと気づきました。

改めて考えてみると、
ユニフォームの役割ってそれですよね。
「私たちはOne Teamである」ということを
見える形にしている。
つながりを見せているんだなと感じました。

中学校や高校の部活時代を思い返してみると、
同じ色・形のユニフォームや
ウィンドブレーカーに袖を通すことで、
確かに「私たち、同じ仲間だよね」を
感じていたような気がします。

ドレス効果という心理学用語があるそうです。
身にまとった服装に人格を合わせることだそうで、
たとえば警官のユニフォームを着ると、
とたんに正義感のある言動や行動が
増えるなどの現象を指すようです。

会社のロゴ入りのユニフォームを着ると、
会社の一員としての意識が高まるというのは、
こういう心理的な効果の結果なのですね。
そしてそこから、連帯感や一体感が
生まれてくるのかもしれませんね。


あれ? ということは、「おそろい」の
ファッションって、一体感がほしい!とか、
一体感を演出したい! という
深層心理の表れなのでしょうか。

いまだかつて「おそろい」の服を着たいと
思ったことがないですが、
それは私が一体感を欲していなかった
ということなのかな...(苦笑)。
まじめに分析したことはありませんが、
実に興味深いと思いました。

ちなみに、おそろいのファッションは、
今はリンクコーデと呼ぶそうで、
20代の男子が読む雑誌の調査では、
リンクコーデをしたことがある人は
男女とも約5割。
リンクコーデに興味がある人は
男女とも約9割に達しています。
(FINE BOYS調査)

9割!

時代は連帯感や一体感を求めているのかな。
これもまた実に興味深い!

早いもので2月もあと少し。
まだまだ寒いですが、
体調に気をつけてまいりましょう。

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先日、家事をしながらテレビのトーク番組を見ていたら、
企業のまじめな会議にギャルを送り込む
「ギャル式ブレスト」というサービスを
提供しているという女性が登場しました。

なに、なに、それは!
強く興味を引かれ、完全に手を止めて
じっくり見てしまいました。

自身もギャルだったと語るその女性は大学生。
中学生までは優等生で、
高校は、ほとんどの生徒が東大を目指すような
地元の進学校に入学したらしいのですが、
突如、何のために勉強するのかわからなくなり、中退。
ふらふらしていたときに、
たまたま遭遇したギャル同士の闘争(笑)を見て、
エネルギーの強さと素直さに圧倒され、
憧れてギャルになったのだとか。

その後、少し落ち着き、ギャルから離れて
大学に進学するも、やはりギャルのパワーが忘れられず、
ギャルが持つ、まっすぐで熱いエネルギーが
今の日本に求められていると考え、
ギャル式ブレストというアイデアに
たどり着いたのだそうです。

番組では、老舗文具メーカーで実際に行われた
オンラインでのギャル式ブレストの様子も
取り上げられていました。

会議に参加する先方社員のニックネームを
ギャルが決めるところからスタート。
忖度一切なし。もちろんタメ口。
最初は戸惑っていた男性社員たち(実は社長も出席)も
リラックスして発言し、
最後は全員笑顔で終了していました。

会社員とギャルのブレスト、機能するの?
と思っちゃいますが、
参加した社員からは
「とにかく自己肯定感が上がった」
「商品の機能ばかりにフォーカスしていたが、
文房具はエモいという発言が多く、
ユーザーの感情や思いも大切だと思った」
という感想が。
いやあ、とてもおもしろいと思いました。


世の中、自分の意見が言えない会議、
少なくないと思います。
言ったらばかにされるんじゃないか、
おまえが言うなと思われるんじゃないか、
いやな思いをするなら黙っていよう。
そんなメンバーが集まって会議をしても
いいアイデアが出るわけがありません。

会議で発言できないということは、
たぶん日頃もそんなに自由に発言できる
雰囲気ではないのだと思います。
そういう社風だと、会議のメンバーが
数名変わったくらいでは、雰囲気は変わらない。
ギャルがとんでもない角度から、
本音をズドーンとぶつけるくらいの
インパクトがないと、
チェンジできないのかもしれません。

番組を見終わって、ちょっと感動してしまった私は
このサービスについてさらに調べました。

ギャル式ブレストのバリューは次の2点だそうです。
(サイトから引用)

1― ギャルがぶっちゃけた意見をくれます。
彼女たちの先入観のなさから新しい発想が生まれます。
また忖度なく彼女たちの感性で感じたことを
そのままフィードバックしてくれます。

2― ぶっちゃけられる環境を作ります。
ギャルの空気感に飲み込まれることで、
ギャルだけでなく、
周囲もぶっちゃけられるようになり、
アイデアを出せる環境を作ります。

社内のメンバーじゃない、
コンサルタントなど企業の人でもない、
ギャルという完全に別世界の
立ち位置にいるからこそ、
その場をフラットにできる。
企業側の参加者も、スーツを着た人に言われると
カチンとくるようなことでも、
ギャルに言われると「仕方ないな」と
感じるでしょうから、
一見、ふざけたサービスのようですが、
このサービス、機能するだろうなと思います。


ところで、ここ数年で「心理的安全性」というワードを
よく耳にするようになりました。
1999年にこの概念を提唱したハーバード大学の
エイミー・C・エドモンドソン教授によると、
チームの心理的安全性とは、
「チームの中で対人関係におけるリスクをとっても
大丈夫だという、チームメンバーに共有される信念のこと」。
つまり、
「このチームは、恐怖や不安を感じることなく
発言し合える、とメンバーが思える状態のこと」です。
心理的安全性が高いチームは、
メンバー同士がコミュニケーションをとって助け合い、
高いパフォーマンスを発揮すると言われます。

エン・ジャパンが実施した
職場でのコミュニケーションに関する調査によると、
職場でのコミュニケーションが取れているか
という問いに、
「どちらかといえば取れていない」と回答した人が27%
「取れていない」とした人が9%いました。
そして「どちらかといえば取れていない」と
回答した人の8割、「取れていない」とした人の9割が
「職場に心理的安全性がない」と答えています。

企業が元気になり、日本が元気になるためには、
場の心理的安全性が高いことが必須。
未来の明るい日本のために、
ギャル式ブレストのギャルたちには
ますますがんばってもらいたいと思いました。

今週もあと少し。
元気にまいりましょう。

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「人間の行う仕事の約半分が機械に奪われる」

英オックスフォード大学のオズボーン准教授が
そんな内容の論文を発表して
世の中を騒がせたのが8年前。
AI時代を生き抜くために必要な力として
「創造力」が挙げられるようになりました。

アドビが2020年に日本の高校生1200人を対象に
行った調査によると、「自分には創造力がある」と
答えた生徒は55%。「創造力がない」(45%)を
少し上回っています。

創造力をどう捉えているかという問いでは、
「自分らしい個性を自由に表現する力」(63%)
「芸術性の高いものを生み出す力」(46%)
「何もないところから新しいものを生み出す力」(46%)
「育った環境や努力によって培われるもの」(45%)
という回答でした。

SNSで写真や動画を日常的にアップしている
彼らなので、自分には創造力があると
感じている人はもっと多いのかと思ったのですが、
それほどでもなく、
「自分には創造力がない」が45%かあ。
うーむ、「ある」と答えた人が半数を超えたとはいえ、
半数近くの高校生が「創造力がない」と
感じているとは、なんとも残念だなあと思います。
だって、まだ高校生ですよ。

さらに残念だと思ったのは、「ない」と答えた人が
創造力に対する自信を失ったきっかけが
小学校高学年の図画工作の時間や
中学校の美術の時間にあると答えていること。
とくに中学校の美術の時間に自信を失ったと
回答した人が多く、そう感じた理由として
「成績が悪かった」
「周りの人より下手だった」
「アイデアが浮かばなかった」
との声があがっています。

生徒の創造力を伸ばすべき美術の授業が
逆に創造力を失わせてしまっているのは、
悲しいなあと思います。


これは私の想像ですが、
小学校のとくに低学年くらいまでは、
どんな絵を描いても、先生が褒めてくれると思うのです。
「わあ、大胆でいいね」とか「個性的でいいね」とか。

でも、中学校になると内申点というものがあるので、
学校側がおおらかに成績をつけなくなります。
生徒も、おかしな絵を描いて成績を落としたくないから
自由に描かない。
お手本のように、すごくきれいに描ける人、
テストの点数が高い人が良い成績をとるので、
それができない人は自信を失うことに
なるのではないでしょうか。

さらに厄介なのは、
ここでいったん苦手意識が芽生えると、
それ以降もずっと苦手と思い込んでしまうこと。
芸術系のものはとくに苦手意識が
刷り込まれやすいように思います。

創造力は、単に絵をうまく描く力ではなく、
ビジネスのあらゆるところで
必要になってくる力。
創造力がないと思い込んでしまうのは
とてももったいないと思います。

なんて書きながら思ったことは、
小・中学校で感じた苦手は
実は苦手じゃないのかも?ということ。
成績や評価を気にして苦手と思い込んだり、
嫌いになったもの、案外あるのかもしれません。

伸び伸びと自由にやってみたら、
苦手と思っていたことでも案外楽しめたり、
むしろ好きと思える可能性もありますね。

2022年、スタートしたばかりです。
皆さんは今年、どんなことにトライしますか?

 

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