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『育成・成長』カテゴリの記事

 

作家の辻仁成氏のブログが好きで、よく読んでいます。


息子さんが我が家の長男と同学年であり、
パリでの子育ての話、教育の話、料理の話がすごく興味深いのです。


辻氏は小説家やミュージシャン、映画監督など、
いくつもの顔を持っていますが、
ここ数年注目されているのは、やはり料理人としての顔。
今では高校生になった息子さんのために
辻氏が作り続けてきた料理の数々は、
『パリのムスコめし』という料理本にもなりました。


しかし、辻氏、
昔から料理が得意だったわけではありませんでした。
7年前、突然息子さんと2人家族に
なってしまったときは、
毎日ハンバーガーを食べていたとか。
パリでどうやって2人で生きていくのか、
途方に暮れていましたが、
ある日、なんとか家の中を明るくしなくてはいけない、
という思いで、食卓から元気にすることを決意。
キッチンに立つようになったのだそうです。


辻氏のブログには、その日作った料理が
紹介されていることが多いのですが、これがすごいレベル。
簡単なフランス料理、和食はもちろん、
デザートまで軽々作っています。
フルーツタルトやショートケーキ、
バケットまで焼いてしまう。
オリジナルのレシピも多く、
料理歴7~8年でこんなに自由自在に
料理ができるなんて、びっくりです。


これは私の勝手な推測ですが、
辻氏のように料理がどんどん上手くなる人、
しかもオリジナルレシピを考案できる人は、
料理中、見えていないところで
自分が何をしているのかをつかむ力があるのだと思うのです。


どういうことかというと、
たとえば、レシピをただ追っているだけだと、
酒大さじ2、みりん大さじ2、しょうゆ大さじ1.5を
単純に計って入れているだけなのですが、
何をしているのかをつかむのが早い人は、
ここですでに割合の法則を理解している。
さらに、それぞれの調味料がどんな役目を
果たしているのかも、おそらく理解している。
そこがわかると、たぶん別の料理にも
応用できるようになると思うのです。


辻氏は、たぶん、そんな要領で、
フランス料理も、デザートも、
調味料のだいたいの割合や役目、
それらを使うとどんなできあがりになるのかを
感覚的に把握されたのではないでしょうか。


これは料理に限ったことではありません。
たとえば、スポーツでも同じことが言えます。
スポーツの上達が速い人も、
直接、見えていないところで
自分が何をしているか、気づいているのだと思います。
見えているところではラケットに
ボールを当てているだけなのですが、
実は重心の移動がポイントだと気づいている、とか。


何年か前、雑誌のインタビューで
当時のレノボの社長、留目氏が、
「物事の本質をつかむには、因果関係を見極めて、
何をどうすればどんな結果が出るのかを
理解することが必要だ」と言っていました。
料理もスポーツも、ほかのことも、
たぶん、上達が速いということは
本質をつかんでいるということなんだろうなと思います。


なんて書きながら、いろいろ考えてみると、
毎日取り組んでいる様々な物事の中にも、
見えていないことがたくさんあるような気がしてきます。
そこを見ようとしたら、
今まで「作業」と思って淡々とこなしていたことが、
突然そうじゃなくなり、飛躍的に上達したりして・・・
ちょっと楽しくなってきたので、
身の回りの「見えていないこと」、見つけてみたいと思います。

「自分で考えて動いてごらん」


小学生スポーツの現場でよく聞かれる声かけです。
我が家の次男が所属するサッカーチームでも、
コーチがよくこの言葉を口にしています。


言われたことだけをやることに慣れると、
言われないと何もできなくなる。
だから、「自分で考える」。
大事なことです。


ところが、次男のチームを見ていると、
「自分で考えろ」と言われても、動けない子が多いように思います。
それは、指示に慣れてしまったから、
という理由もあるかもしれませんが、
考えろと言われても何を考えるのかわからないからなんだろうな、
と私は思います。


考えるためには、少なくとも考えるベースになる、
基本情報がないといけないのだと思います。
サッカーで言えば、
サッカーの基本的なプレーの仕方です。
それがないのではないかなと思うのです。


そんな基本的なこと、教えるものじゃない。
テレビでサッカー観ていればわかるでしょ!
と、コーチたちは思っているかもしれません。
確かに、強豪チームに所属する選手たちや、
サッカーが大好きで向上心がある子たちは
言われなくても試合を分析したりしているかもしれませんが、
残念ながら、サッカーチームに所属していても、
普段から自主的にサッカーを観ていない子も
多いのではないかと思います。


つまり観察不足なのではないかと思うのです。
観察しないから、情報が不足する。
そこから知識を身につけられない。
そんな状態なのに、
自分で考えて動けと言われるから、ただ焦る。
そんなところなのかな、と思います。


そう考えてみると、子どもたちだけでなく、
大人も同じような問題を抱えているのかもしれません。


ミュージシャンの細野晴臣氏は、
一人で答えを出す前に、周りに目を向けることを促しています。


「今の時代は、あなたはどう考えるか、
あなたは何を選ぶか、といった自分の意思を
絶え間なく問われている。
でも、それはなかなか息苦しい。
個人だけで答えを出すことは、
地域や家族といった社会的な価値観から
切り離され、個人が点としてしか存在できなくなるから」


「すでにある伝統は、
みんなが長い年月を掛けて作り上げてきたもの。
だから、あらゆる英知が蓄えられている。
それを学び把握してから、自分のありようを
決めてもいいんじゃないですか」


うーん、確かにそうですねえ。
職場でも家庭でも、
個人の考え、個人の発想を急いで求めない。
求められる方も、焦って答えを出さず、
まず周りを観察することから始める。
そんな余裕を持つことも必要だなと思いました。

日々、目にしたり、耳にしたりする事がらについて、
「あ、これはこういうことなのかも」
と気づいたり、それがヒントになって、
アイデアを思いつくことがあります。


私の場合は、思いつくと言っても、
とても小さなことだったりするのですが、
これが起こると、とにかく誰かに言いたくて
たまらなくなります。


たいてい仕事以外の作業をしている時間、
つまり料理中だったり、掃除中だったり、
に思いつくので、話す相手は家族です。
ああ、また始まったか、という顔をしますが、
聞いてくれて、質問してくれたりします。
ありがたい。


どうして自分はすぐに人に話したくなるのか、
先日、改めて考えてみました。


考えてみてわかったことは、
私が考えたことを相手にもおもしろいと思ってもらいたい、
という欲求はあまりないこと。
どちらかというと、話しながら自分の考えを整理したり、
違う視点から何かを言ってもらって、
理解を深めようとしていることに気づきました。
と書いていると、なんとも自分勝手だということに
気づいたりもするわけです。


こうしてメルマガを書く作業も実は
考えを整理することにとても役立っています。
書きながら、「なるほど」とか
「それは違うなあ」などと呟き、
飼い猫にじっと見つめられることもしばしば。
自分の中の新たな視点に気づくこともあります。


パリで暮らす、作家の辻仁成氏は、
フランスの大学でよく講義をするそうです。
何を話すかは前もって決めず、
当日その場の雰囲気を感じてから
話し始めるというからすごい。
最近は、イナルコ大学という外国語大学で
日本語を専攻する学性に、
小説とは何かという話をしたそうですが、
小説をどう捉えているかを話しながら、
自分はこんなことを考えているんだと
気づいて苦笑したと言っています。


『アウトプット大全』の著者で精神科医の
樺沢紫苑氏がこんなことを言っています。


インプットは自己満足、
アウトプットは自己成長。


インプットとアウトプットの黄金比は3:7で、
インプットの後、いかに多くアウトプットするかが
記憶や知識を定着させるために大事なのだそうです。


アウトプットとは、「話す」「書く」「行動する」。
これらは運動神経と筋肉を使った「運動」で、
運動で得られた情報は小脳、海馬を経て、
大脳連合野という場所に蓄積されます。
このプロセスが知識を定着させることに
つながると樺沢氏は言っています。


なるほど。アウトプットは運動。
インプットとの違いがよくわかりました。


アウトプットのうち、
すぐにできそうなのは、「書く」ですね。
読んだ本や観た映画、聞いた話、
考えたことなどをすぐにメモしたり、
SNSで呟くのもいいかもしれません。


ただ、知識を深めるという意味では、
やはり「話す」もして、意見交換をしたい。
身近にすぐに話せる人がいない場合は、
話せる人に会いに行ってもいいですね。
それが「行動」というアウトプットにも
つながると樺沢氏も言っています。


さて、4月。東京は桜も満開になりました。
今週もすてきな1週間を。

こんな記事を見つけました。


自分は褒められて伸びるタイプだと思うか?
という調査に72.8%が「はい」と回答。
その理由は、
「褒められるとテンションが上がるから」
「褒められるとやる気が出るから」
「へこみやすく、立ち直りが遅いから」
「プレッシャーに弱いから」など


一方、「いいえ」と答えた27.2%の理由は、
「叱られて多少プレッシャーを
感じたほうがいいから」
「褒められると気が緩むから」
「気付かない部分を指摘してほしいから」
「あまり人の評価は気にしないから」など


これ、私は回答するのが難しいと思いました。
私の答えは、褒められても叱られても、
伸びないときは伸びないし、
伸びるときは伸びる。
なぜなら、結局は自分の力だから。
こういう考えの場合は、
「いいえ」にするんでしょうか。。。


今は「褒めて伸ばす」子育てや
育成の仕方が一般的ですね。
で、こういった記事の多くは、
「褒める」か「叱る」か、
の比較で書かれていることが多いです。
どうしてこの2種類なのかな。


私は、先ほども書きましたが、
人が成長するときは結局は自分の力で伸びていくと思うので、
褒めて伸ばそうとか叱って伸ばそうとか、
あまり思いたくないです、個人的に。
そして、そうされたくもないです。
褒められるのが嫌いとか、叱られたくないというわけでは全くなくて、
「伸ばそう」部分がしっくりこないのかもしれません。
面倒臭いタイプですね。


とくに、「褒める」は、考える前に言ってしまった、
ということであってほしいと思います。
思わず出てしまう「すごいね!」のように。
なので、相手が不自然に褒めようと
していたり、お世辞を言っていたりすると、
ムムム?と警戒してしまいます。


そんなことを考えていたら、
アドラーのこんな言葉を見つけました。
「ごほうびやほめ言葉につられて、
私たちの言う通りの行動を取る人が
いたとしたら、
その人は自分の意思で行動しているのではありません」


アドラー心理学では、人を育てるのは、
「褒める」ことでも「叱る」ことでもなく、
「勇気づける」ことだと言っています。
上からの評価である「褒める」ではなく、
横からの「勇気づけ」。
それは「感謝」である、と。


「感謝」、なるほどなあと思いました。
やはりコントロールが見え隠れしない
純粋な気持ち、それが背中を押すんですね。


私は個人的に「応援」も
勇気づけだなと思いました。
見返りを求めない、素直な「がんばれ」。
相手の調子が悪くても、
それを責めたりしない、
変わらない「応援」です。


以前、みうらじゅん氏がインタビュー記事で、
娘の大ファンであると語っていました。
娘さんが生まれたときから大ファンだそうで、
ファンだから「好きです」を繰り返し、
応援し続けているのだそうです。
娘はぼくにとってのスター。
スターはファンに対して、気軽に、
私も大好きです、などとは言わないので、
娘が何も返してこないのは当然。
そんなことは求めていない、と。
いい親だなあと思いました。


会社で、「応援する」というワードは
あまり使わないですし、
「ファンです」は確実に怪しまれますが、
純粋な気持ちから出る言葉や行動は
やはり勇気を与えるなと改めて感じました。

今年の4月に社会人になった世代は、「フルゆとり世代」と呼ばれています。
唯一、小学校入学から高校卒業まで「ゆとり教育」を受けた若者たちです。
青年期にはスマホがあった世代のため、スマホネイティブとも呼ばれています。


私が、「フルゆとり」という言葉から受ける印象は、
「かなりマイペースでガツガツしていない、
どちらかというと消極的で、ゆったりした人たち」というところですが、
実際のところはどうなのでしょうか。
新入社員研修を手がける株式会社ファーストキャリアが行った
「新卒・若手層育成研究所」調査レポートを見てみました。


調査結果によると、今年の新入社員は、
「積極的で活発な社員」なのだそうです。
過去5年のアンケートでは、新入社員の行動特性として、
「まじめ・素直」「周囲との関係性を築くことが早い」「集団では出過ぎない」という
「おとなしくて同調性重視」の傾向が多く見受けられましたが、
今年は「自分の考えを持ち、積極的で発言力がある」
「自分の考えに合致しないことに関しては、時に排他的になる」との回答が増加。
新たに「積極的で自分基準重視」の傾向が加わったことで、
これまでの「おとなしくて同調性重視」の傾向を持つ新入社員との
二極化が進んでいると捉えられる、とまとめられています。


回答をもう少し詳しく見てみました。
注目したのは、本人たちが意識しているプラス面の項目です。
1位「コミュニケーション能力が高い」(60%)
2位「向上心、積極性が高い」(42%)


一方で、マイナス面の項目は、
1位「主体性がない、積極性にかける」(46%)
2位「控え目でおとなしい、内向的、周りに流される」(33%)


むむ? プラス面の裏返しのような項目です。
これはどういうことなのか。私なりに考えてみました。そして、
これは「自分で考えることに慣れていない」ということなのかも、と思い至りました。


気づいたときにはスマホがあった世代ですから、
SNSの影響もあって、外に向かって積極的に自分をアピールするのは得意。
だから、コミュニケーション能力が高いにはイエスだし、
向上心、積極性もイエス。ノリがいいとも言えますね。
でも、いざ職場でのリアルなコミュニケーションとなると、
ノリでは行けないので、どうしていいかわからなくなる。
考えることに慣れておらず、自分の考えがまとまっていないので、
控えめで内向的になってしまう、というところなのかもしれません。


と、偉そうに言ってみましたが、
この世代は「フルゆとり」なんて言われているので、興味深く語られるだけで、
新入社員が「考えることに慣れていない」のは当然では?
と、これを書きながら思ってきました。


私は、バブル崩壊直後に社会に出ましたが、
まだまだバブル世代の若者だったことと、
入社した会社が自由な社風だったこともあり、
今考えるとゾッとするほど生意気な新入社員でした。
勢いだけで、考えなんて全然なかったと思います。
考えている風には振る舞っていましたが(汗)。


では、「考える」とはどういうことなのでしょう。


『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか』の著者であり、
現在は子育てをする保護者向けだけでなく、社会人向けの研修も行う石田勝紀氏によると、
「考える」状況になるのは、以下のいずれかのことをしているときだと言います。


「自分の言葉で語れること(What)」
「疑問に思うこと(Why)」
「手段や方法を思いつくこと(How)」


職場よりの言葉に置き換えると、
「課題は何か?(What)」
「なぜそうなのか?(Why)」
「ではどうすればいいのか?(How)」


どうでしょうか? 
そう言われてみると考えているとはいえないかも、なんてこともありそうです。
さて、指導する立場に立ったとき、注意すべきことがあると石田氏は言っています。
それは、「アウトプットの質を問うと台無しになる」ということ。
「質問をして、相手が答えられなくてもいい」ということを知っておくことだそうです。


確かに、「考える」と「考えたことをまとめて説明する」は、別のスキルです。
考えることを始めたばかりの人に、
「説明できないのは、考えていない証拠だ!」などと言うと、
うまく説明することに意識が向いてしまい、考えることをやめてしまいます。
これは、子どもにも、大人にも言えることですね。


ちなみに、前述した調査で、「フルゆとり」世代が職場に望むことの上位が
「実践の機会を与えてほしい」(52%)と
「自ら考える機会を提供してほしい」(50%)でした。
考えさせようと思っていたのに、どんどん考えなくなってきた、
なんてことのないように注意したいものです。

映画『グレイテスト・ショーマン』の挿入歌
『This Is Me』を歌って話題になった歌手の
キアラ・セトルさんが来日していました。


『This Is Me』は2018年ゴールデングローブ賞ベストオリジナルソング部門を受賞し、
さらにアカデミー賞のベストオリジナルソング部門にもノミネートされた曲。
来日中に出演したいくつかのテレビ番組では、
キアラさんの圧巻のパフォーマンスが観られました。


『グレイテスト・ショーマン』は、
19世紀に実在したP・T・バーナムという興行師の半生を描いた映画です。


彼は、さまざまな個性を持ちながら、
目立たない場所で暮らしていた人たちにスポットを当て、
誰も見たことがないショーを創り上げます。
『This Is Me』は、ショーに抜擢された彼らが
「これが、私」と訴える曲です。


キアラさんが、映画の出演者の前で初めてこの曲を歌ったときの映像が
「ビハインドストーリー」として残っています。


心の誇りは失わない
居場所はきっとあるはず
輝く私たちのために
言葉の刃で傷つけるなら
洪水を起こして溺れさせる
私には勇気がある
傷もあるけれど
ありのままでいる
これが私


『This Is Me』の歌詞の重さに押し潰されそうになり、
みんなの前で歌うのが怖かったというキアラさん。
自信を持って歌い上げているように見えますが、
実は歌いながらも震えが止まりません。


そんな彼女が思わず差し出した手を、
主演のヒュー・ジャックマンが涙を浮かべながら握り返し、
会場全体のボルテージが一気に上がる様子はとても感動的で、
何度観ても涙が出てきます。


さて先日、長男の中学校の先生がこう言いました。
「この学校の子どもたちは、自己肯定感の数値がとても低い。
なので、彼らが自信を持てるような声かけをお願いします」


あー、もったいない。情けない。 
そんな複雑な感情になりました。


これから未来を作っていく子どもたちが
自信をなくしてしまっているなんて、もったいない。
そして、彼らがそうなってしまうのは、
大人の接し方や社会の受け入れ方が影響しているだろうと思うから、
情けない、、、。


2014年に内閣府が実施した、意識調査があります。
対象は、日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者です。
(ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、スウェーデン、韓国)
これによると、「自己肯定感」の観点では、
「自分自身に満足しているか?」の質問に対して、
「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と回答した者は、
日本以外の6か国は70~80%だったのに対して、
日本は4割強で最も低い結果でした。


この結果は若者に限ったことではありません。
世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップ社が、
2017年に実施した従業員のエンゲージメント調査では、
日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことがわかりました。
米国の32%と比べて、大幅に低く、
調査した139カ国中132位と最下位クラスでした。


ベストセラー『最強の働き方』『一流の育て方』の著者
ムーギー・キム氏がトークイベントで
自己肯定感の基本についてこう語っています。


「自己肯定感が高いビジネスリーダーたちの話を聞いていくと、
ある共通する項目があることに気づきました。
それは、
『自分軸で生きている』『自分の価値観で生きている』ということです」


何ができるかではなく、何がしたいか。
自分の価値観で、自分で選ばなくては、
モチベーションは上がらず、
自己肯定感は高まらない。
モチベーションに必要なことはオーナーシップだとキム氏は言います。


なるほど、そうだなと思いました。
「できそうだからやる」「言われたからやる」
「与えられたからやる」には限界があるなあと。
うまくいっているときはいいですが、
困難にぶつかったとき、
自分以外の何かのせいにしてしまうだろうな、と思います。
一方、「自分で選んだ」「自分の意思でやっている」と思えている、
自分軸で生きている人はやはり強い。
スポーツのチームや、企業レベルで考えると、
とんでもないパワーの違いです。


では、自分軸で生きるためには何をすればいいか。
そんなことを考えていたら、普段何気なく口にしてしまいそうな言葉に、
自分軸で考えることを否定するような発言が結構あることに気付きました。
たとえば、「いいから、とにかく言われた通りにやる」とか
「そんなこと無理。できるわけないよ」とか、、、。


他者に対しても、自分に対しても、そんな発言をしていたら、
自己肯定感は上がらない。
This Is Meなんて言えるはずがないと思います。
なので、まずは日々の言葉や行動の一つひとつを
もっと意識しなくてはなと思いました。

『失敗図鑑』という本を買いました。


この本には、ライト兄弟や夏目漱石、アインシュタインなどの「成功した」人たちが、
過去にいかに失敗してきたか、が書かれています。
イラストが多く、おもしろく編集されていて、
我が家の次男が喜んで読んでいます。
本当は長男が暇つぶしに読んでくれればと思ったのですが、
次男が読み終わったら、回してもらおう、、、。


なぜ、この本を買ったかというと、こんなことがあったからです。


半年ほど前でしょうか。
長男が「明日、中学校で枕草子の暗唱テストがある」
と教えてくれました。


聞くと、完璧に暗唱できたら合格、
少しでも間違えるとマイナスポイントがつくと言います。
息子は『冬』まで暗唱できるまであと一歩というところで、
なかなか完璧にならないと言い、
「だから『春』しか暗唱しない。みんなそうしてる」と呟きました。


「え? ちょっと間違えても全部暗唱するより、
一部だけでも正確に暗唱することが求められてるの?」
びっくりしてそう聞き返すと、「そうだよ」と。
あーあ、チャレンジしない若者養成か?、、、と、がっかり。


考えてみれば、
「失敗はどんどんしよう」とか「失敗から成功が生まれる」
などという言葉、ビジネスのサイトや本ではよく目にしますが、
実際はそんなに耳にしません。
むしろ、「ミスのないように!」は
毎日のように聞こえてくるように思いました。


東京理科大学大学院イノベーション研究科の高橋克徳教授によると、
日本人の若い世代(29歳以下)が
世界の中で突出して自分から踏み出していくことや、
リスクがあってもチャレンジすることに対して
慎重になっているのだそうです。


世界価値観調査を見ると、
「新たなアイデアを考え出すこと、創造的であること、
自分のやり方でできることが重要だ」という質問に、
60カ国平均が78.9%であるのに対し、
日本の29歳以下は45.9%しか肯定的な回答をしておらず、
「冒険することやリスクを冒すこと、刺激的な生活をすることは重要だ」
という質問には60カ国平均が62.3%に対して、
日本の29歳以下はわずか22.8%だと高橋教授は指摘します。


内閣府が出している「子ども・若者白書 平成26年版」でも
同じ傾向が見られるそうで、
日本の20代若者たちが特に、
ほかの国の若者たちよりも、自分の長所が見えず、
うまくいくかわからないことには意欲的に取り組めないと感じ、
未来は変えられないと悲観的になっていることがわかるのだそうです。


はぁ、、、とても残念でもったいない!
だって、若い世代が勝手にこういう思考になってしまうわけじゃないですもんね。
私も含め、周囲の大人や環境がそうしてしまっているのだと思います。
たまに「チャレンジしろ」と言いながらも、
無意識にチャレンジさせていない、、、。


では、大人が若い世代にチャレンジさせないのはなぜなのでしょう。


先ほどの世界価値観調査を見ると、創造的で自己主導的であることも、
冒険的でチャレンジすることも、年齢を重ねるほど
さらに肯定派の割合が減っていることがわかると高橋教授は言っています。


「新たなアイデアを考え出すこと、創造的であること、
自分のやり方でできることが重要だ」という質問については、
29歳以下で45.9%が肯定していますが、
30~49歳では37.8%、50歳以上では30.9%。
「冒険することやリスクを冒すこと、刺激的な生活をすることは重要だ」
という質問も、29歳以下で肯定しているのが22.6%に対し、
30~49歳では8.4%、50歳以上では5.6%と極端に低い数値なのです。


つまり、「最近の若手は自分から踏み出さない」「チャレンジをしない」と
言っている先輩世代、
上司世代ほど、実は自分から踏み出さず、
チャレンジを嫌っているのです。


お笑い芸人で、東工大の非常勤講師も務めるパトリック・ハーランさんが
ブログでこんなことを言っています。


「日本には『失敗が許されない空気』があるのではないでしょうか。
僕が日本で暮らしていて感じるのは『世間の目』の厳しさで。
特に失敗をおかした時の『世間の目』は他の国よりずっと厳しいと思う」


「アメリカでも失敗や間違いをおかした時には叩かれますし、
メディアも厳しく追及します。
でも半年くらい経ったら、周りは忘れていることが多いし、
本人も復活して、ちゃっかり再スタートしていたりする」


「日本人は和を保つことを優先し、周囲に迷惑をかけないよう、
自制して生きている気がします。
気を遣うのは素晴らしいことだけど、
『迷惑センサー』が敏感すぎて、
皆、どこかびくびくしながら暮らしていると思うこともある。
自分の立場をわきまえるあまり、
行動範囲を自分で狭めてしまっていると感じることもあります」


なるほど。「迷惑センサー」。
確かに、考えてみたら「迷惑」というレベルではないことも、
大げさに捉えられていることが少なくない気がしますし、
そもそも、実際に「迷惑」かかってないよね?と思うこともありますね。


うーん、、、、。
もっと寛容になりたいですね、人にも、自分にも。
完璧じゃなくたっていい。
いつもデキる人でなくてもいい。
いつもいい人でなくてもいい。
私たち大人がそう思えないと、若い世代もなかなか変わっていけませんね。

どうやらパソコンで映画が観られるらしい。
そう知った次男が先日、 私のパソコンを覗き込みながら、
『カンフーパンダ』が観たいと言いました。
2008年に公開された、
ドリームワークスによる長編アニメーションです。


どれどれと、私も一緒に観ましたが、
この映画、教えが多い、とてもいい映画でした。
今回はちょっとそのお話をしたいと思います。


ストーリーは
「怪物が牢獄を逃げ出して、この谷に向かってくる」
という導師の予言から始まります。
導師は谷で一番の賢者です。


早速、村では怪物と戦う「竜の戦士」選びが始まります。
どんなに強い戦士が選ばれるのかと思いきや、
導師が指さした先に立っていたのは、
ずんぐりむっくりのジャイアントパンダでした。


このパンダ、カンフーへの憧れが人一倍強く、
知識はオタク級。でも経験はゼロ。
おまけに、いつもふざけていて、
かなりのおっちょこちょい。
そして食べるのが大好きときています。
その様子に、竜の戦士に期待していただれもが困惑してしまいます。


まもなく導師の弟子である老師が、
パンダの修行を試みましたが、
想像通り、初級の訓練もこなせません。
修行が進むにつれ、始めは竜の戦士に選ばれたことを喜んでいたパンダも、
次第に自信を失っていきました。


そうこうしているうちに、
本当に怪物が牢獄を逃げ出し、
谷に向かってきます。


慌てる老師に、導師はこう言います。


「怪物が向かってきているとは悪い知らせです。
君が竜の戦士を信じないならば」


「あのパンダは竜の戦士ではありません!怪物は倒せません!」
そう訴える老師に導師は続けます。


「このままでは君もあのパンダも運命を全うできません。きっと倒せます。
君が心から導いて、育ててやって、信じてやれば。ただ、ただ信じるのです」


考え直した老師は、
翌日からパンダの修行を再開します。
ほかのマスターたちとは違う、
食べるのが大好きなパンダに合った修行を。パンダを信じて。


いい話ですねえ。
この後、パンダがどうなったかについては、
だいたい想像できるかと思いますが、
気になる方はぜひ映画でチェックしてください。


さて、この映画を見終わって感じたことは、
「信じ合っていない関係は何も生み出さない。
でも、信じ合っている関係が生み出すパワーは大きい」
ということ。
「教える側が心から信じてあげないと、相手も自信を持つことができない」
ということです。


パンダの台詞に、
「今さらできると言われてもできっこないよ。
今まで一度も僕のことを信用しなかったじゃないか!」
というものがありました。
パンダを信じると決めた老師が修行を再開しようとしたときのことです。


そりゃ、そうですよね。
今まで自分のことを疑っていて、
ため息ばかりついていた人の言葉なんて、
耳に入らないというより、
耳に入れたくないと思ってしまうでしょう。


こういうこと、職場でも家庭でも、よく起こっているのだと思います。
改めて、信じることって難しいけれど、本当に大切だと思いました。
ああ、耳が痛い。


来週は4月です。
桜の季節、新たな出会いがありそうですね。

「慶応に受かったら、
キラキラした友だちがいっぱいできるし、
アナウンサーにだってなれるかもしれないよ!」


「君って天才だよね。よくこんな発想ができるな」


塾の講師からこんな声かけをされ、
成績学年ビリの女子高校生が俄然やる気になって
どんどん勉強し、最終的に偏差値を40上げて慶応に受かった実話は、
『ビリギャル』として映画化もされ、話題になりました。


この塾講師、坪田信貴さんが書いた
『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』を読んでみました。
坪田さんの指導のモットーは「子別」。
子どものタイプを9つに分け、それぞれのタイプにぴったり合った対応をして、
やる気を引き出しています。


映画の主人公になったビリギャル、さやかは、
典型的な「楽天家タイプ」でした。


坪田さんによると、楽天家タイプは、
「好奇心旺盛で、楽しいことが大好き」
「失敗しても立ち直りが早い」
「発想力が豊かで、多彩なアイデアが出てくる」
一方で「長時間集中するのが苦手でつめが甘い」
「逃げ道があると楽な方へ逃げようとする」
などの特徴があるそうで、
このタイプをやる気にさせるには
「とにかく明るい未来を描かせる」
ことが必要だといいます。


「慶応に受かったら、キラキラした友だちがいっぱいできるし~」
という声かけがまさにそれで、
「君、このままじゃ何にもなれないよ」
といった否定的な声かけを一番嫌うそうです。


でも、「慶応に受かったら、キラキラした友だちがいっぱいできるし~」が全く響かず、
逆に怒り出すタイプの子もいます。
それが「完璧主義タイプ」。


理想、やりたいことがはっきりしていて、
そこに一切の無駄なく進んで行きたい彼らに、
半ば夢物語のような未来を提示しても
「バカにするな」と思われるだけだといいます。
このタイプをやる気にさせるには、
本人の理想を正確に把握し、
そこに到達するための道筋作り(本人がすでに作っている)を一緒に確認し、
実行できるよう助言するくらいがいいそうです。


私は、自分は「楽天家タイプ」だという認識があり、
この本に掲載されていた、
自分のタイプを知るためのテストでも、
思い切り「楽天家タイプ」と判定されたのですが、
確かに、暗い未来は思い描きませんし、
「このままだと。。。」というトーンの話をされると、
とたんに逃げ出したくなります(現実逃避しているとも言えますね)。


『なぜ、あなたの話はつまらないのか?』と
『「あなたの話は断然おもしろい」と言われるために』
というタイトルの本が2冊あったとしたら、
迷わず後者を選ぶタイプです。


ちなみにアマゾンのビジネス書カテゴリーで、
「あなたは」という言葉が含まれるタイトルを検索してみたら、
『なぜ、あなたは○○○ではないのか?』のような表現がどんどん出てきました。
そうか、こっちのほうが刺さるんだなあと思いました。


話を戻します。
そう、タイプです。
タイプによって響く言葉が違うんですよね。
わかっているのですが、日常生活では忘れてしまう。
周囲の人についつい同じような声かけをして、
相手が思ったように反応してくれないとムッとしたりしてしまいます。
しっかり相手のことを見ていなかったなと反省しました。


皆さんの周りにもさまざまなタイプがいると思います。
その方たち、やる気に満ちているでしょうか?
こちらの対応を少し変えて、それぞれのやる気をもっと引き出せたら、
すごいパワーになると思いませんか?
なんて考えていると、わくわくしてきますね(楽天家タイプ的思考)。


今週もすてきな1週間でありますように!

先日、中学校の先生からこんなことを聞きました。
「最近の子どもたちは、思ったことをすぐに口に出す。何でも聞いてくる」


あ、うちの子どもたちだけじゃないんだ、と思いました。


たとえば怒られている時。
私が子どもの頃は、
(相手が怒っているんだから、ここはお説教が終わるまで黙っておこう)
などと思って、訳がわからなくても聞いているふりをしたりしていましたが、
彼らはそんなことはしません。


「じゃ、○○なときはどうするの?」
「でもさ、それはわかったんだけど、○○はだめなの?」
「○○なときだってあるじゃん」


屁理屈を言うな!と言いたくなりますが、屁理屈でもなかったりします。
ただ、やはり、この場はまず相手の話を聞いておこう、という考えがない。
幼稚園児か!と突っ込みたくなることもありますが、
あきらめて徹底的に疑問に答えていくしかありません。


元ヤクルトスワローズの古田敦也さんが
マネジメントを語っているインタビュー記事にこんなことが書いてありました。


「最近の若い子は、インターネットなどで知識を得ているので、
『この練習に意味があるんですか?』
『ダルビッシュはこう言ってますが?』
なんて平気で聞いてくる。自分の意見があるんですよ。
そんな彼らに、『とにかく走っとけ』と言っても、なかなか理解されません。
ただ、いったん納得すると本当に一生懸命努力します」


なるほどなあ、と思いました。しっかり納得したいんですね。
うちの小中学生も、野球選手もそうなのですから、
若い世代に共通する現象なのだと思いました。


それにしても、指導者は大変です。
一人ひとり個性が違うのですから、納得させるのは簡単ではありません。
古田さんは、相手がどのような考えを持っていて、
どんな人に憧れているのかをおさえておくことが大事だと言っています。
そうすると、相手に刺さるアドバイスができるのだそうです。


そのために、彼らのフィールドに下りて、
コミュニケーションをとることを心掛けていたと言います。


「ヤクルトには娯楽室にゲーム専用のテレビがあったんです。
当時はサッカーゲームが流行っていたんですが、そこで選手と一緒にプレイしました。
すると、マウンドでは『はい』しか言わない選手が、
『おらおら、逃げんのか?』とか言ってくる。
びっくりして、『俺に言ってるの?』と聞きたくなったりしますけど(笑)」


ゲームをしながら、野球の話をし、
相手の考えを聞くのは、大変効果があったそうです。


こうして相手の思考を知り、こいつにはイチローだなと思う選手には
「イチローが言ってたよ」と言うと、
途端に素直になって言うことを聞いてくれることも多かったとか。
古田が言っている、、、で、納得してほしいところですよね。監督は大変です。


スポーツの現場に限らず、
今の指導者は相手にしっかり納得して動いてもらうために、
相当努力しなくちゃいけないようです。
でも、考えてみると、わかったふりをしてとりあえず動く人より、
納得するまでに時間はかかるけれども、いったん納得すると、
一生懸命努力してくれる人のほうが頼りがいがありますね。


よーし、今週もがんばりましょう!

 

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