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心の中に森を持つ

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1週間ほど前、「森のリトリート(Biz編)」という2泊3日のプログラムに参加してきました。プログラムの概要を一言で言うと、ナビゲーターを含め、グループで原生林に入り、森の中では各自が一人になって過ごし、夜は焚き火を囲んで、その日の自分の体験を語り合う、簡単にいうとそれを3日連続で行うというものです。森の中で自分と対話し、森とも対話し、戻っては人と対話する、この3つの対話がこのプログラムの要になっています。
私が参加しようと思ったのは、一人で森で過ごすということに好奇心を掻き立てられ、滅多にできない体験であることに魅力を感じたからです。それ以上のものは何もなかったのですが、想像していた以上に良い体験となりました。


さて、「森」と聞くと、どんな場所を連想しますか? 白神山地とか屋久島のイメージでしょうか? 巨木が生えていて、木々が鬱蒼と生い茂っている、そんなイメージがありますね。実際に入ってみると、そういう場所ももちろんあるのですが、もっといろんな表情を感じさせます。到底倒れそうにない巨木が倒れて、朽ちていたり。そう、巨木もそうでない木も、案外たくさん倒れていました。台風の影響などもあるのでしょう。ですが、なぜあの木ではなく、この木が倒れたのか。それは神のみぞ知る世界です。「寄らば大樹」という言葉がありますが、「大樹」だから安心とは言えないな...なんて思ったり。
ナビゲーターの山田博さんは「本当にまるで誰かが意図したかのように、うまいこと倒れる」と言い、偏りがないように倒れ、倒れると、また新しい木が育っていく、森全体の循環システムが素晴らしいと話してくれました。


《ゆっくり、静かに、感じる


森での時間は、自分で決めた「自分の場所」で過ごします。土地の傾斜、光の入り加減、木の密集度、木の種類などからしても、森にはいろいろな場所があるので、座ってみては落ち着けるかどうかを判断しながら、場所選びをしました。私が最終的に選んだのは、木はそれほど密集しておらず、開けた印象の場所でした。幹の直径が1メートルほどある木の根元に座り、時には寝っ転がったり、周囲を散策したりしながら、過ごしました。


「このリトリートをより有意義なものにするためのコツは、『ゆっくり、静かに、感じる』です」。
 そう初日に言われましたが、この3つは、都会に住む私たちの暮らしとは正反対の事柄です。森に入ると、自然に五感が活性化されますが、『ゆっくり、静かに、感じる』を意識することで、より一層五感が開きやすくなるのでしょう。しかも、たとえば、ゆっくり歩く時、ただゆっくり歩くのではなく、大地をしっかり踏みしめて、ゆっくり歩きます。そうすると、なぜか身体感覚が活性化する。自分が地球の構成員のひとつだとも感じるから不思議です。


視覚の使い方でも、ワイドアングル・ビジョンを使え、というアドバイスがありました。
「都会で使っている目の使い方は対象を凝視するやり方。ここではソフトフォーカスにして見える範囲を最大化して見るようにする、そうすると感覚が広がって、いろいろなものが見え、感じられるようになる」と。
で、実際に、たとえば両手を正面から徐々に左右に広げていくと、限りなく180度近く見えるんですね。驚きました。


五感が開くとどうなるか?


森の中で『ゆっくり、静かに、感じる』を実践すれば、五感が開く。で、どうなるのか? のんびりリラックスして過ごすので、癒されたり、ストレス解消になるのは、言うまでもありませんが、それ以上の価値がありました。

つまり、どんなことが起きたかというと、、、
まず、五感が開く。すると、自ずと考えるのではなく、感じられるようになり、本能的な直感が働き出します。心にスペースが生まれている状態になり、感覚が研ぎ澄まされているので、いろいろなものが向こうからやってくるように感じます。いろんなものというのは、たとえば想念のようなものだったり、自然が贈ってくれるメッセージであったり、インスピレーションだったり...。


想念というのは、自分が着想して、自分の思考と感情から始まる想像です。自問なども含まれるのかもしれません。普段の私たちもやっていますが、森の中にいるといつも以上に想像力が働く気がします。
自然からのメッセージは、目の前で見たこと/起きたこと(たとえばトンビが頭上で旋回したとか、キツツキが木を叩く音を聞いたなど)が、まるで何かの意図を持って起きたかのように感じ取ること。実際には自分が意味づけしているのですが、そう意味づけした自分を外から眺めてみると、自分の願望を客観視できたりします。
インスピレーションは、なんの脈略も前触れもなく、天から降りてきたようなイメージや概念。。。と、まあ、そんなことが次から次へと心に宿っては去り、宿っては去って行きました。


焚き火をしながら、人の話を聞いてみると、体験自体はそれぞれに違うものの、みんな同じような感覚を得ていることがわかりました。


私の体験を少しだけ、お話しますね。2日目に、とても大きな問いが心に生じて、これに答えを見出せないと、ビジネスを進めることができないと感じました。その問いは、ちょっと哲学的でさえあって、簡単に答えが出せそうには思えませんでした。ところが、インスピレーションを得られ、新しいチャレンジができそうなコンセプトと出会うことができました。最終日、私は森にある約束をしました。その内容は秘密です(笑)


さて、タイトルの「心の中に森を持つ」は、山田博さんが言った言葉です。そういう人を増やすことが、彼の願いだそうです。とかくロジック中心のビジネス現場になりがちですが、『ゆっくり、静かに、感じる』姿勢を持つこと、5分でもいいから、そのような時間を持つことは大切ですよね。落ち葉でいっぱいの森の写真とともに、シェアします。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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