ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

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『育成・成長』カテゴリの記事

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「慶応に受かったら、
キラキラした友だちがいっぱいできるし、
アナウンサーにだってなれるかもしれないよ!」


「君って天才だよね。よくこんな発想ができるな」


塾の講師からこんな声かけをされ、
成績学年ビリの女子高校生が俄然やる気になって
どんどん勉強し、最終的に偏差値を40上げて慶応に受かった実話は、
『ビリギャル』として映画化もされ、話題になりました。


この塾講師、坪田信貴さんが書いた
『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』を読んでみました。
坪田さんの指導のモットーは「子別」。
子どものタイプを9つに分け、それぞれのタイプにぴったり合った対応をして、
やる気を引き出しています。


映画の主人公になったビリギャル、さやかは、
典型的な「楽天家タイプ」でした。


坪田さんによると、楽天家タイプは、
「好奇心旺盛で、楽しいことが大好き」
「失敗しても立ち直りが早い」
「発想力が豊かで、多彩なアイデアが出てくる」
一方で「長時間集中するのが苦手でつめが甘い」
「逃げ道があると楽な方へ逃げようとする」
などの特徴があるそうで、
このタイプをやる気にさせるには
「とにかく明るい未来を描かせる」
ことが必要だといいます。


「慶応に受かったら、キラキラした友だちがいっぱいできるし~」
という声かけがまさにそれで、
「君、このままじゃ何にもなれないよ」
といった否定的な声かけを一番嫌うそうです。


でも、「慶応に受かったら、キラキラした友だちがいっぱいできるし~」が全く響かず、
逆に怒り出すタイプの子もいます。
それが「完璧主義タイプ」。


理想、やりたいことがはっきりしていて、
そこに一切の無駄なく進んで行きたい彼らに、
半ば夢物語のような未来を提示しても
「バカにするな」と思われるだけだといいます。
このタイプをやる気にさせるには、
本人の理想を正確に把握し、
そこに到達するための道筋作り(本人がすでに作っている)を一緒に確認し、
実行できるよう助言するくらいがいいそうです。


私は、自分は「楽天家タイプ」だという認識があり、
この本に掲載されていた、
自分のタイプを知るためのテストでも、
思い切り「楽天家タイプ」と判定されたのですが、
確かに、暗い未来は思い描きませんし、
「このままだと。。。」というトーンの話をされると、
とたんに逃げ出したくなります(現実逃避しているとも言えますね)。


『なぜ、あなたの話はつまらないのか?』と
『「あなたの話は断然おもしろい」と言われるために』
というタイトルの本が2冊あったとしたら、
迷わず後者を選ぶタイプです。


ちなみにアマゾンのビジネス書カテゴリーで、
「あなたは」という言葉が含まれるタイトルを検索してみたら、
『なぜ、あなたは○○○ではないのか?』のような表現がどんどん出てきました。
そうか、こっちのほうが刺さるんだなあと思いました。


話を戻します。
そう、タイプです。
タイプによって響く言葉が違うんですよね。
わかっているのですが、日常生活では忘れてしまう。
周囲の人についつい同じような声かけをして、
相手が思ったように反応してくれないとムッとしたりしてしまいます。
しっかり相手のことを見ていなかったなと反省しました。


皆さんの周りにもさまざまなタイプがいると思います。
その方たち、やる気に満ちているでしょうか?
こちらの対応を少し変えて、それぞれのやる気をもっと引き出せたら、
すごいパワーになると思いませんか?
なんて考えていると、わくわくしてきますね(楽天家タイプ的思考)。


今週もすてきな1週間でありますように!

先日、中学校の先生からこんなことを聞きました。
「最近の子どもたちは、思ったことをすぐに口に出す。何でも聞いてくる」


あ、うちの子どもたちだけじゃないんだ、と思いました。


たとえば怒られている時。
私が子どもの頃は、
(相手が怒っているんだから、ここはお説教が終わるまで黙っておこう)
などと思って、訳がわからなくても聞いているふりをしたりしていましたが、
彼らはそんなことはしません。


「じゃ、○○なときはどうするの?」
「でもさ、それはわかったんだけど、○○はだめなの?」
「○○なときだってあるじゃん」


屁理屈を言うな!と言いたくなりますが、屁理屈でもなかったりします。
ただ、やはり、この場はまず相手の話を聞いておこう、という考えがない。
幼稚園児か!と突っ込みたくなることもありますが、
あきらめて徹底的に疑問に答えていくしかありません。


元ヤクルトスワローズの古田敦也さんが
マネジメントを語っているインタビュー記事にこんなことが書いてありました。


「最近の若い子は、インターネットなどで知識を得ているので、
『この練習に意味があるんですか?』
『ダルビッシュはこう言ってますが?』
なんて平気で聞いてくる。自分の意見があるんですよ。
そんな彼らに、『とにかく走っとけ』と言っても、なかなか理解されません。
ただ、いったん納得すると本当に一生懸命努力します」


なるほどなあ、と思いました。しっかり納得したいんですね。
うちの小中学生も、野球選手もそうなのですから、
若い世代に共通する現象なのだと思いました。


それにしても、指導者は大変です。
一人ひとり個性が違うのですから、納得させるのは簡単ではありません。
古田さんは、相手がどのような考えを持っていて、
どんな人に憧れているのかをおさえておくことが大事だと言っています。
そうすると、相手に刺さるアドバイスができるのだそうです。


そのために、彼らのフィールドに下りて、
コミュニケーションをとることを心掛けていたと言います。


「ヤクルトには娯楽室にゲーム専用のテレビがあったんです。
当時はサッカーゲームが流行っていたんですが、そこで選手と一緒にプレイしました。
すると、マウンドでは『はい』しか言わない選手が、
『おらおら、逃げんのか?』とか言ってくる。
びっくりして、『俺に言ってるの?』と聞きたくなったりしますけど(笑)」


ゲームをしながら、野球の話をし、
相手の考えを聞くのは、大変効果があったそうです。


こうして相手の思考を知り、こいつにはイチローだなと思う選手には
「イチローが言ってたよ」と言うと、
途端に素直になって言うことを聞いてくれることも多かったとか。
古田が言っている、、、で、納得してほしいところですよね。監督は大変です。


スポーツの現場に限らず、
今の指導者は相手にしっかり納得して動いてもらうために、
相当努力しなくちゃいけないようです。
でも、考えてみると、わかったふりをしてとりあえず動く人より、
納得するまでに時間はかかるけれども、いったん納得すると、
一生懸命努力してくれる人のほうが頼りがいがありますね。


よーし、今週もがんばりましょう!

連日、熱戦が繰り広げられる甲子園球場。
今年、3年ぶり21回目の出場を果たした和歌山県の強豪、
智弁和歌山の高嶋仁監督が、昨年の指導者講習会でこんなことを言っていました。


「指導者がどんなに熱い思いを持っていても、一方通行では意味がない」。


高嶋監督は甲子園最多63勝を記録した監督として知られていますが、
監督を始めた頃は、生徒に練習をボイコットされたことがあったのだそうです。


当時、監督を務めていたのは奈良の智弁学園。
強豪校3校が甲子園出場を競っていた時代、
ここに食い込むためには倍の練習が必要だと感じ、
選手に相当厳しい練習を課していたと言います。


全員ついてきている。
自分の厳しい指導方法を信じていたある日のボイコット。
主将に呼び出され、聞かれたのは、なぜこんな厳しい練習をしているのか。


「自分が甲子園に出場した時の、あの特別な感動を皆にも味合わせてあげたい」。


監督自身の思い、考えをしっかり話すと、主将がこう言ったのだそうです。


「監督の思いはわかりました。明日からついていきます」。


指導者がどんなに選手のためを思っていても、
それが伝わっていなければ意味がない。
選手たち自身が自分たちが成長するための練習だと思わなければ続かない。
それを思い知った出来事だったと言います。


その後、生徒と心を交わすことを意識して猛練習を重ね、
後に春の甲子園初出場を決めた時、
開会式で入場してくる選手たちを見て、号泣してしまったと監督は話しています。


高校野球の指導において最も大切なことの一つは、
「選手たち自らの気づきを促すこと。
自分たちに何が足りていないかに気づいて、本気で練習する。
これを選手たちが自分たちで始めなくてはならない。
この状況を作ること」と、高嶋監督。


「この状況を作るためには、監督の声かけも重要。
以前、自分が四国遍路を行った時、
歩き通しで足がパンパンになり、歩けなくなったが、
励ましの言葉をかけられ、そこから5キロも歩くことができた。
この時の経験は野球指導でも生きている」


やらされていると感じていては、いつまでも自分ごとにならない。
自分ごとにならなければ、いつまでも前には進まない。
これは、私たち大人も一緒です。


そんな仕事のヒントが実はたくさん詰まっている高校野球。
甲子園の暑い夏はまだまだ続きます。

皆さん、楽しいGWをお過ごしになったでしょうか?


私はほとんどを息子たちのサッカー試合観戦に費やしました。
試合は負けてばかりでしたが、
がんばって走り回る子どもたちからエネルギーをもらったような気がします。


さて、サッカーを観ていると、
コーチがこんなことを言っているのをよく耳にします。


「そっちじゃないだろ」
「なんで、できないかなぁ」


こういう声が発せられるのは、
コーチが思っていた方向に選手が蹴らなかった時、
何度も指示したことができなかった時、などです。


以前、次男のスクールにブラジル人コーチが1年間来てくれたことがありました。
そのコーチが、こんなことを言っていました。


「日本の指導者は、悪いところばかり指摘する。
ブラジルでは逆によかったところを指摘する。
悪かったところを指摘しなくてはいけない時は、
どうしてできなかったのかを聞くより、次はどうしたらいいかを聞く方がいい」。


日本人は家庭でも学校でもダメ出しされながら育ってきているケースが多いので、
ダメなところに目がいってしまうのは、ある程度は仕方がないと思います。
でも、言われる選手の立場で考えると、
声かけ後の反応が大きく違ってくることは想像できます。
「なんでできなかったの?」と聞かれると、
否定されていると受け取るので、顔は下を向いたまま。
「次はどうすればうまく行くかな?」と言われると、
顔が自然に上がるのではないでしょうか。


これは子どもに限ったことではありません。


『死ぬ気で働くリーダーにだけ人はついてくる』の著者、早川勝さんは、
著書の中で「部下が失敗した時に、なぜ、なんで、と追いつめるな」
と言っています。
リーダーの立場では、なぜをクリアにすることが
改善につながると思うかもしれないが、
部下にとっては、イライラしている上司から
責め立てられているとしか感じないので、
どんどん萎縮していくだけだ、と。


「どうして、失敗したんだ。何が原因だったんだ」というかわりに、
「今回のことで気づいたことは何だ?」
「今回のようなことを起こさないためには、どんな取り組みが必要だろう?」
「次回はどんな戦略で目標達成を目指す?」
など、未来にベクトルを向けた改善策を引き出す質問にしよう
と早川さんは言います。


がっかりして、下を向いてしまった顔をすぐに自分の力で上げるのは難しい。
これは子どもも大人も同じだと思います。
でも、希望やワクワクする思いがあれば、上を向くことができそうです。
失敗があっても、指導するほうもされるほうも一緒に上を向いて行ける、
そんなコミュニケーションが必要だなあと思いました。

「自分の価値観に合った会社で働きたい」47%
「自分の仕事が好きな理由は、同僚やクライアントとの関係が良いから」43%
「自分の仕事が好きな理由は、上司との関係が良いから」13%
「仕事で一番不満に感じることは、成長する機会の欠如」55%
「自分の仕事が好きな理由は、給料が高いから」6%
「もっと仕事に満足するためには、公正な給料が必要」10%


これは、世界40カ国に拠点を持つ、アメリカのエグゼクティブ・サーチ会社
コーン・フェリー社が、世界中の350人の総合職を対象に行った調査結果です。


この「金銭的な条件よりも、自分のやりたいことをよい雰囲気の中でできるか」を
重視する傾向を受けて、同社のコンサルタントはこう言っています。


「たとえばインセンティブですが、目標達成に対するご褒美として、
金銭的な報奨を第一に考えることは、必ずしも正解ではないかもしれません。
なぜなら、それがよい社員に長く働いてもらうことにはつながらないからです」


そこで、同社は、経営者やリーダーに
以下の4つのポイントに注目してもらいたいとしています。


(1)「社員が誇りに思える雇用主であるかどうか」
雇用主は「どのような点でこの会社は特別なのか」、
「この会社で働く価値は何なのか」という
会社のミッションを1文か2文で社員に対して
簡潔に説明できなくてはならない。
さらに重要なことは、雇用主の行動や決断がミッションにのっとっていること。


(2)「進歩、向上への明確な道が示されているか」
年に数回個人面談を行って、
社員が将来何を望んでいるかを知らなくてはならない。
それに伴って、トレーニングプログラムを作ったり、
社外のトレーニングに通わせたり、メンターを作ったり、
何が提供できるかを考える。


(3)「同僚との関係がうまくいっているか」
新しいスタッフを入れる時も、新しくチームを組む時も、
それでうまくいくかどうかを考える。
また、例えば、心地よい休憩場所を作ったり、イベントを企画したり、
楽しく仕事をするための工夫をする。


(4)「上司と良好な関係が築けているか」
正直に話し合える関係を作れていなければならない。
部下を観察し、普段から良いコミュニケーションをとる。


いかがでしょう。


「えーっ! 手取り足取りじゃないか!」
「学校じゃないんだから! 子どもじゃあるまいし!」


なんていう声も聞こえてきそうですが、この記事を読んで改めて感じたのは、
人材育成は子育てそのものだなあということです。
日頃からしっかりコミュニケーションを取り、困っている時は手を差し伸べ、
楽しい時には一緒に喜び、さりげなく成長を助ける。
家の方針を子どもにしっかり説明できて、
その方針にのっとって、叱ったり、褒めたりができる。
ここが揺らぐと、子どもはすぐに迷うし、親を疑いますから。。。。。


職場でも、家庭でも、人が育つ時に必要なことは一緒だなあとつくづく思いました。

少し前のことになりますが、
『はじめてのおつかい』というテレビ番組を観ていた時のことです。
お父さんが、4歳の女の子に、近所のショッピングモールで
妹のおむつと哺乳瓶などを買ってくるように頼もうとしていました。
おつかいに一人で言ったことがない子どもに
「行ってくる」と言わせるのは大変です。
お父さんは、朝からいろいろと計画し、
女の子が「うん、行ってくる」と言うことができるよう準備しています。


さて、いよいよ買い物の時間。
お父さんが「あれ? おむつがない。哺乳瓶も新しくしなくちゃいけない」などと、
緊急事態を装い、お姉ちゃんが買ってきてくれるととても助かる、と伝えます。
女の子は最初はぐずぐずしていましたが、しばらくすると、
とてもしっかりしたお姉ちゃんの顔で「じゃあ、行ってくる」と答えました。


番組的には、よしOK!
しかし、お父さん、たぶん娘がわりとあっさり「行く」と答えたために、
心配になってしまったのでしょう。
父「え? ほんとに大丈夫?」
娘「うん!」
父「ほんと? 一人で行けるの?」
ここで、ナレーションが入ります。
「あー、お父さん、もう確認しちゃだめですよ。
何度も確認すると不安になるんですから」
案の定、娘は次の瞬間、「やっぱり行けないー」と大泣きしてしまいました。


私は、この様子を観ていて「なるほどー」と思いました。
何度も確認されると不安になる。
これは、子どもも大人も同じですね。
何か新しいことにチャレンジする人は、もちろん不安だらけです。
だからこそ、覚悟を決めたらすぐにゴーしたい。
何度も「大丈夫か?」、「本当に大丈夫なんだな」などと言われたら、
信頼されていないという気持ちが大きくなり、
せっかく前に出した足を引っ込めたくなってしまいます。


だから、チャレンジさせる人は、「やってもらう」と決めたら、
「頼りにしているから頑張れ」という気持ちを伝え、
後はタイミング良く送り出すだけでいいんですよね。
ついつい不安になってしまいますが、何度も確認するのはNGなんです。


日経ビズアカデミーのサイトで、ある課長から寄せられた
「部下に仕事を任せられない」という悩みに、
柳原達宏さんというコーチの方がこんなアドバイスをしています。


「上司が仕事への慎重さから不安を感じていても、
部下自身は『いよいよ出番が回ってきた』と、
任された仕事にやる気を感じていることが多いのです。
課長が見極めるべきは、しっかりこなせる能力を持っているのかよりも、
自分からやろうとしている意欲が部下にあるかです」。


柳原さんが、意欲を感じ、仕事を任せようと思う時の目安は次の3つだそうです。


1、言っていることと行動が一致し始める
2、感謝の言葉を多く口にするようになる
3、自分の意見をはっきり言うようになる


なるほど、「能力があるか」より「意欲があるか」。
皆さんはいかがでしょうか。「人に何かを任せる」ポイントはどんなことですか?

「いろいろなところで部下を褒めろと教えられますが、
今の部下は褒められるほどの実力もないし、成果も上げない。
これでどうやって褒めたらいいんですか」


「本当に褒めないと育たないんでしょうか。
私は褒められて育った記憶なんてないんですが」


部下の育成研修などで話をすると、40歳以降の管理職や責任者の多くが
こうした悩みを打ち明けてきます、と言うのは、
『人の心を打つトーク術』の著者であり、
教育プログラムのコンサルティングを行う
株式会社マイルストーン代表の水野浩志さん。


一方、30代の管理職や責任者からは、
「どうしても部下を叱れないんです。厳しくしろと言われるんですが。
叱らないと本当に育たないんでしょうか。
私なら叱られたらやる気をなくすんですけど」
と言った悩みを聞かされるのだそうです。


水野さんは、「褒められない」人にも、「叱れない」人にも、
こう言うのだそうです。
「褒めなくても、叱らなくてもいいですよ。
褒めても、叱っても、部下は育たないですから」。


水野さんがそう思うのは、
自身が褒められても、叱られても育たなかった経験を
持っているからだと言います。
子どもの頃、元気でやんちゃで、生意気でわがままで、
そのくせ線が細く、傷つきやすかったという水野さん。
水野さんには、周囲の大人たちがハラハラ、イライラしながら、
時に褒めたり、時に叱ったりすることで、
何とか自分を上手く扱おうとしていることが透けて見えて、
誰の言うこともきちんと聞かなかったのだそうです。


そんな水野さんが、「この人の言うことは聞こう」
と思った人に出会ったのが高校1年の時。
当時の担任の先生でした。
「この先生は他の大人とは違う」と水野さんはすぐに感じたのだそうです。
その先生は、敢えて褒めることも叱ることもしなかったそうです。
でも、ただただ、よく自分のことを見てくれていて、受け止めてくれた。
そして、変化を起こしたところにはすぐに気づき、認めてくれたと言います。


育成には、褒めたり叱ったりする前に
「受け止める心構えと言葉」と「認める心構えと言葉」が
必要だと水野さんは言います。


部下が現在どんな状態であっても、たとえ自分と違った考え方であっても、
一度「受け止める」こと。
その上で、よく観察する。そして変化が起きたら「認める」。
これを繰り返すことで、無理に褒めたり叱ったりしなくても、
人は育つのだそうです。


大いに納得です。
でも、受け止めるとか認めるって実際にどうやってやるんだろう...
と、私のように思ってしまった方は、
「自分に向けての言葉づかいを変える」と効果があるのだそうです。


たとえば水野さんの場合、自分の考えと違うことを言われた時、
「それは違う」と言うのが癖だったそうなのですが、
この言葉を言いそうになった時は
「なるほどね」と言い換えるようにしたのだそうです。
言葉を言い換えることを繰り返し続けると、
意識的にも相手を受け止められるようになっていくのだといいます。


ふいに口をついて出てしまう言葉、ありますよね...。
私はとりあえず、自分がよく言ってしまう言葉を
メモすることから始めてみようと思います!

先日読んだ本にこんなことが書いてありました。


「人にはそれぞれのプロセスがあって、本人が変わろうと思う時、
変わる準備ができた時に、変わっていくもの。
人はそれぞれのタイミングでしか変わらない。
人を変えることはできません」


本のタイトルは、『「怒り」がスーッと消える本』。
対人関係療法が専門の精神科医、水島広子さんの本です。


なぜ、この本を手に取ったかというと、
常日頃から、自分は「怒りやすい」と思っているからです。


主に子どものことですが、すぐにカチンとくるわけです。
カチンときても、ニコニコして怒りを表に出さないのは体に悪そうなので、
「最初から怒りを感じない」ということができればどんなにいいだろう、
そう思っているのです。


冒頭でご紹介した内容は、本の中で
改めて「そうだ、そうだ」と納得した部分ですが、
でも、なぜ、「人は変えられない」ということに、自分は強く反応したのか?
考えているうちに気づきました。
どうやら私は、子どもに「変わること」を望んでいて、
私の怒りは、そこに原因があるようなのです。


そう簡単に人は変わらないのはわかっています。
ましてや、人にうるさく言われたら、
変わろうと思っていたとしても、変われないですよね。
わかっているんです。でも、心のどこかで
「○○であってほしい」という期待が常にあるんでしょうね。
だから、期待とずれた行動をとられたときに、カチンとくる。


期待する→期待通りに動いてくれない→フィードバックする
→また期待する→期待通りに動いてくれない
この繰り返しは、お互いかなりストレスがたまります。
職場でもよく起こりますよね。


そこで、「人はそれぞれのタイミングでしか変わらない」です。
はい、わかりました。人は変わらない。
じゃ、どうする?
期待しなきゃいいってこと? 変わるのを待つってこと?
とりあえず今は諦めろってこと?
そんな悠長なことは言っていられないという場合がほとんどだと思います。


本にはこうありました。


「人は基本的に前進する生き物なので、環境さえ整えば変わっていきます。
人を変えることはできませんが、
人が変わりやすい環境を作ることはできるのです」


いやー、反省。
怒られる人の立場で考えてみると、
その人は決して怒られたまま(今のまま)でいいと思っているわけではない。
何とかしなくちゃいけないと思っているが、やり方がわからない。できない。
こういう場合は少なくないだろうなあと思いました。


とりあえず私は「子どもが変わりやすい環境作り」、頑張ってみようと思います。
怒らない生活、やってくるといいのですが。

次男のサッカーのコーチがこんなことを言っていました。


「僕、小学校6年生までドイツにいたんですよ。
日本に帰る事になった時、
日本のチームでは僕が一番上手いんだろうと思ってたんですよ。
だって、ドイツでサッカーやってきたんだから。
でも、チームに入ったらなんと一番下手だったんです。
周りの上手さにびっくりしました」


コーチによると、日本の小学生のテクニックはとても高度なんだそうです。
「練習内容がテクニック重視なんです。たとえば、リフティング100回やって、
なんてドイツで言われたことなかったですから」


へえ、そうなのか、と思っていると、
「でも、中高生になると、ドイツの選手の方が断然上手いです」とコーチ。
「どうしてなんですか?」と尋ねると、
「うーん、単純にドイツの選手のほうが
サッカーが楽しいと思っているからなんじゃないですか?
日本の中高のサッカーは枠にはめられて、窮屈な感じがするっていうか」
すると、他のコーチも横から言いました。
「ですよね。楽しいのは小学生までですね」


と、ここで思い出しました。
先日、全米オープン優勝まであと一歩というところで
惜しくも敗れたテニスの錦織選手。
錦織選手は13歳の時に日本を離れ、アメリカのテニスアカデミーに留学しています。
小学校を卒業したばかりの息子を
アメリカに送ったご両親の思いをある記事で読みました。


「日本では、テクニックはつくかもしれないし、上手くなるかもしれないが、
個性が潰れてしまって、楽しくなくなるのではないかと思った」


その記事には、日本のスポーツ界には、
「枠にはめず、選手の個性を伸ばす指導者は多くない」とありました。
多くの指導者は、選手が自分の理解を超えることをした時、
焦って自分のやり方に引き戻そうとする、と。


これは私の考えですが、こういう場合、
指導者が感じるのは「恐怖」なのではないでしょうか。
上下関係が狂ってしまうのではないか、という恐怖です。
動物の本能なのかもしれません。
立場が脅かされそうになるから、「私が上なんだ」という態度を示したくて、
無意識に自分の枠にはめようとする。
スポーツの現場に限らず、ビジネスでも子育てでも、
同じようなことが起こりますね。


あまり意識したことはありませんでしたが、
「上下」という図式、日常のあらゆるところにあることに気づきます。
ここから外れてみると、いろいろなことが見えてくるのかもしれません。

我が家の小学生たちは、夏休み中です。
午前中に勉強や外遊びを終えてしまうと、
午後は必ず「ゲームやっていい?」と聞いてきます。
「ダメ」と言うと、部屋の中でボールを蹴り始めるし、
「じゃあ、ちょっとならいいよ」と曖昧な返事をすると、
ずっとゲームを離さない毎日。
静かに本でも読んでくれるといいのですが、そうしてくれる気配がありません。


そこで、無理矢理外出する予定を入れてしまおうと考え、
先日メルマガでお話しした跳び箱&鉄棒教室以外にも、チャレンジサッカー教室、
科学実験教室など、いろいろな短期教室に参加してみました。


短い期間にいろいろな先生たちを見てきた中で感じたのは、
先生たちの印象が、大きく分けると2種類に分けられるということ。
「ちゃんと教えてくれる人」と「ちょっと適当な感じのする人」です
(あー、勝手なことを言ってすみません、先生方)。


あるサッカースクールでは、
若くて、元気一杯のコーチが2人担当してくださいましたが、
スクール終了時に私が抱いた感想は
「コーチたち早く帰りたかったんだろうな」です。
つまり「ちょっと適当な感じのする人」に分類されてしまいました。


別のサッカースクールでは、
とっても早口で指示が聞き取りにくい方がコーチでしたが、
こちらの印象は「ちゃんと教えてくれる人」でした。


それにしても、なぜ印象が分かれてしまうのか。
それぞれ、そう思わせてしまう行動があるのかも。
よく思い返してみて、気づきました。
「声かけ」の仕方が違うのです。


若い2人のコーチのほうは、大きな声で元気に話すのですが、
子どもたちに声をかけたのは、どんなトレーニングをするか、
どんなふうにゲームをするかの説明だけ。
トレーニング中やゲーム中は、全体的に声をかけた程度で、
子ども一人ひとりのプレーに対して何かを言うことはあまりなく、
黙っている間は時計を何度も見ていました。


一方、早口のコーチは、トレーニング中もゲーム中も
「今のナイス」、「あー、今のはちょっと強すぎた」、
「おしい」、「いいねえ」など、短い声かけを頻繁にしていました。


「短い声かけを頻繁に」。
これだな、と思いました。
声かけが頻繁にあると生徒たちはイキイキします。
声かけが少ないと、生徒たちは自分のプレーがいいのか悪いのかわからないため、
戸惑いながら続けることになってしまう。
その結果、見ている保護者は、「あ、ちゃんと教えてくれているな」と思ったり、
「なんだかなあ」と思ったりしてしまいます。


「短い」ということもポイントです。
声かけが「長い」と、プレーが一度止まります。
長いほうがしっかり説明してくれると思ってしまいますが、
これが何度も続くとどうでしょう。
だんだんお説教の色が濃くなってきて、
生徒たちは、やる気がなくなってくるのではないでしょうか。
「やっていることのリズムを乱さない、短い声かけ」。
これがいいのだと思います。


と、ここまで書いて、これは職場や家庭でも同じだなと思えてきました。
例えば職場。
上司から何にも声かけがないと期待されていないと感じ、
何度もじっくりフィードバックされると今度は信頼されていないと感じる。
短い声かけが頻繁にあると「ちゃんと見てくれている」と感じ、やる気が起きる。
どうでしょうか。


こうして原稿をまとめながら、この状況を家庭に置き換えて、
私、すでに反省モードに突入してきました。
じっくりフィードバックしちゃってるかもなあ。それも頻繁に。
夏休み後半は、「短い声かけ」心がけたいと思います。。。。

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