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「場」は無言で物語る

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私事で恐縮ですが、ここ最近、病院に入院していた母が退院後に入居する
介護付き老人ホームを探していました。
おかげさまで短期間で良いホームを見つけることができ、
既に本人は無事入居しています。
同時期に複数の施設を見学したり、いくつかの役所を訪ねたり、
病院の方たちと相談するという体験を通じて感じたことがあります。
それは、「場」というのは、無言でいろいろなことを物語るものだ、
ということです。


人と接する中で、何かを感じることはもちろんありますよね。
でも、面談などの形で人と接するよりも前に、
その場に醸し出されている空気を感じることはありませんか?
「カラー」と言ってもいいかもしれません。


なんとなくザワザワしていて落ち着かない感じの場。
静かできれいで、落ち着いているけれど、魂が感じられない場。
訪問している間に、自分の気持ちが滅入ってくるような場。
働く人たちが良いオーラを出している場。
反対に働く人たちの気が良くないと感じられる場。


どんなことからそう感じるのかを一言で言うことはできませんが、
多くの場合、そこに足を踏み入れてから、数分のうちに、
何かを感じ取っていたような気がします。


この行動、家のポストに入っていたDMやチラシを見て、
瞬時に読むか読まないかを判断するのと似ているかもしれません。
人間の感覚は本当に鋭いと思います。


私たちは、いったい何をどう判断しているんでしょう?
その場のインテリアや照明の影響もありますが、それだけではない。
私は、人の心の状態や人が刻んだ軌跡と関係があるような気がします。
最初は直感的に感じるだけですが、
その直感に基づいて、質問などを投げかけていくと、
やっぱり!と思うことも多々ありました。


たとえば、昨年完成したというある施設は、とても新しく、
建物もとてもきれいで、ハードウェア的には快適に過ごせそうな印象がありました。
でも、人影がまばら。よく言えば落ち着いている印象なのですが、
いまひとつ人の温もりや気配が感じられません。


もしかして、人で不足...?


「まあ、この業界はどこも人で不足ですから、その辺はご容赦ください」と
営業担当者。


では、どこもこんな感じなの...?


そこで、仲介会社の人に尋ねてみたら、
案の定、入居者3人に対し介護・看護職員が1人の割合の施設であるとのこと。
この数字自体は法律的には問題ありませんが、
入居者2.5人に対し1人の割合の施設に比べると違いがあるそうです。
やっぱり...。


結局、私が母の入居先に決めたのは、
見学している時にスタッフの方が挨拶や声がけをしてくれた施設です。
廊下にはスタッフ全員の顔写真が飾ってありました。
私がこの施設に決めたのは単に「挨拶をしてくれたから」ではなく、
働いている人たちから感じられるオーラが良かったからです。


その印象通り、施設の営業担当者から「正社員比率が高い」
「資格取得を奨励していて、半数が資格取得者である」
「定着率がよく、5年以上勤めている人が多い」という説明を聞き、
私が最初に感じたことは、こうした話と無関係ではないと思いました。
しかも、介護・看護職員の割合は、入居者2人に対し1人の施設でした。
あくまで解釈ですが、人を大切にする経営思想が根底にあり、
それがスタッフのエンゲージメントにつながり、
場に良い空気を生み出しているのだろうなと、そんな想像までしてしまいました。


実はこの体験、今回母が入院していた病院でも感じたことです。
こちらは、「場」というよりも、「人」の方かもしれませんが、


全体的にとても人当たりが良く、ハートが感じられる病院でした。
たくさんの具体的なエピソードがありますが、長くなるので省きますね。
84歳の母は、ここ10年ぐらいの間にいくつかの病院に入院しているのですが、
病院にもカラーがあるものだと痛感します。
中にはあまりに事務的で、ケンカしそうになった病院もあります(笑
今回の入院先の病院は、きっとしっかりした経営理念や経営思想があり、
それが末端まで浸透していたに違いありません。


「場」にもれ出る何か。
それは何なのでしょうか?
しかも、そこにいる当事者たちは無自覚なのに、相手は感じ取っている。
反対の立場に立ってみると、、、、きゃ〜 コワイ!
うちの会社に漏れ出ているのは、どんなことだろう?
そんなふうに外からの目線に立って、自社を振り返ってみるのも、
時には必要かもしれませんね。


あっという間に9月中旬です。
まずは今日を大切に過ごすことからですね! どうぞ素敵な1週間を〜

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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