ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

『挑戦・やってみる』カテゴリの記事

  3 ページ / 4 ページ

昨夜、テレビで『クレイジージャーニー』という番組を観ていたら、
山の急斜面をスキーで滑り降りるスキーヤーの方が、
今まで一番ピンチだったのはクレパスに落ちてしまったときで、
しばらく意識を失っていたが、たまたま持っていたノートに状況を書き込んでいたら落ち着いてきて、
だんだん正気に戻ることができた、
と語っていました。


と、ご紹介した例が少々極端な状況のものでしたが、
仕事でもプライベートでも、「書く」ことで解決できることは多いですよね。


ところで、この「書く」という行為ですが、
「書ける」と思っている人は、
それほど多くないようなのです。


ある調査によると、
「書く能力は重要」と思っている人は、
大企業の非管理職で68.4%、管理職で87.5%にのぼりますが、
「書く能力が十分にある」と答えた人は、
非管理職で男性で6.7%、管理職男性で18.8%、
非管理職女性で11.8%、管理職女性で18.8%にとどまりました。


その中には、
「書く」こと自体に苦手意識があって抵抗感がある方も、
「書くことは好きだけれど、文章力がない」と感じている方もいるかもしれません。


よく、「書けるようになるためには、とにかくたくさん書くことだ」という話を聞きます。
確かにそうだと思うのですが、
書くことに抵抗感がある方にとってはハードルが高いですし、
書くことが好きな方にとっても、
仕事以外で書く時間をとるのは難しいかもしれません。


で、見つけました! いい方法を。


文章力向上をテーマに執筆・講演活動を行う山口拓朗さんが紹介している、
「文章を書かずに文章力を鍛える方法」です。


その方法とは、目に入ってくる文章を
「意識的に読む」こと。


たとえば、電車の中吊り、街の看板、飲食店のメニュー、新聞、雑誌などの文章。
これらを、読み流すのではなく、
意識的に読むことで、
文章力が向上するとありました。


山口さんによると、
意識的に読むポイントは以下の10項目。


1.誰に向けて書かれたか?
2.どんな目的で書かれたか?
3.何を伝えたかったか?(最重要メッセージは?)
4.読む人をどういう気持ちにさせようとしたか?
5.どういう展開になっているか?
6.言葉の選び方は適切か?
7.わかりやすく工夫されているか?
8.文章にムダはないか?
9.具体的な言葉を使っているか?
10.ストレスや不快感を感じないか?


これ、すごくいい方法だと思いました。
考えてみると、私もやっています。


中吊りも結構じっくり読んでいるし(変な人に見えているかもしれません)、
ショッピングモールの店内に貼られている案内の文章なんかもちゃんと読んでいます。
そういえば、テレビを観ていても、ナレーションの文章を文字にして聞いています。


あまり意識していませんでしたが、
この方法で、よい文章の型が入っているような気がしますし、
ダメなポイントにも気付けるようになっているように思います。


「普段からそんなことするなんて、リラックスできない」という声も聞こえてきそうですが、
最初はちょっと意識するくらいで十分だと思います。
そのうち、気付いたら家から会社まで移動する間に、たくさんの文章例が頭に入ることになります。


これ、なんだかお得感ありますよね。
書くことに抵抗感がある方も、
こうしてインプットされていけば、
書くハードルが下がるのではないでしょうか。


そういえば、私は先日、マクドナルドの店内に貼られていたコピーを読んで、
「リズムが心地よい文だなあ」と思いました。
最後の一文がいいのかなあ、なんて、
ポテトをつまみながら考えましたよ。

「日本人は不安を感じやすい」なんて言われることがあります。
「挑戦が苦手だ」という言い方をされることもありますね。


私は漠然と、それは教育的なことや環境的なものが影響していると思っていました。


でも、脳科学的に見ると、
「日本人は『遺伝的』に不安を感じやすく、挑戦が苦手」だというのです。
脳内物質を運ぶ「遺伝子」の数に違いがあるからなのだそうです。


幸せホルモンとも言われ、
うつや不眠症とも関係が深いとされる脳内物質「セロトニン」。


セロトニンは、大脳皮質に作用して脳を最適な覚醒状態にしてくれたり、
心のバランスを整えてポジティブで安定した状態に保ったり、
自律神経のバランスを整えるなどの働きを持っています。
つまり、セロトニンの分泌量が少ないと、心が不安定になったりするわけです。


このセロトニンを運ぶのがセロトニントランスポーターと呼ばれる遺伝子です。
この数を決定する遺伝子の組み合わせは、


LL型、LS型、SS型


という3種類の組み合わせで、
それぞれ以下のような特徴を持っているといいます。


LL型...セロトニンが分泌されやすい
LS型...LL型とSS型の中間のセロトニンが分泌される
SS型...セロトニンが分泌されにくい


で、1996年に『サイエンス』に掲載された研究結果によると、
日本人は各型の割合がこうなっています。


日本人
LL型...3%
LS型...32%
SS型...65%


ちなみにアメリカ人はこう。


アメリカ人
LL型...32%
LS型...49%
SS型...19%


こうして数字で見ると、びっくりですね。
日本にSS型が多いのは、日本は自然災害が多い国だからだという話もあります。
不安を感じるとその不安に備えて準備するわけで、準備してきた人たちが残ってきたということですね。
なるほどなあと思いました。


「遺伝子のせい」と言われると、
もうどうしようもないという気がしてきます。
しょうがない。


でも、気づきました。
遺伝子のせい、と思えば、対策を立てる際にポジティブになれるということに。
「不安で、新しいことに挑戦できなかったのは自分が悪い」
と自分を責めていると、なかなか前に進めませんが、
遺伝子のせいならすっきり切り替えて、対策を立てられそうです。


そう考える私は、たぶんLL型3%に入っているかも、と思うぐらいの楽観的な人間です。
「不安を感じにくい=準備しない」で、
数々の「やっちゃった」を経験してきました。
あ、でもこれ、遺伝子のせいならしょうがないですよね!

「ファンタビ、観たい」
息子がそう言いました。


何じゃそりゃ、と思ってよく聞くと、
映画『ファンタスティック・ビースト』のことでした。


何でもかんでも略せばいいってもんじゃありません。
と、まあ、それは置いておいて、
『ファンタスティック・ビースト』と言えば、
あのハリー・ポッターシリーズ完結から5年を経て、
新たに送り出されるシリーズ第一作目とされています。
脚本は原作者であるJ・K・ローリングが手がけています。


先日、そのJ・K・ローリングが2008年にハーバード大学の卒業式で行った
特別講演を聞きました。
彼女が語ったのは「失敗の恩恵」についてです。


ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、
J・K・ローリングがシリーズ第一巻『ハリー・ポッターと賢者の石』を
世に送り出すまでの道のりは苦難の連続でした。
小説のアイディアはそれこそ魔法のように突然浮かんできたと言いますが、
書き上げるまでの間に、離婚、うつ病を経験し、
一時はホームレス一歩手前の生活をしていたと語っています。
彼女はこの日々を「ケタはずれの大失敗」と表現しています。


さて、ハーバードの講演です。
J・K・ローリングは、こう言っています。


「そんな大失敗をしてきた私が、失敗の恩恵について語る理由は、
失敗が不必要なものを削ぎ取るからです。
私は自分以外の何かであるふりをやめ、
自分にとって重要な、唯一の仕事に全精力を傾けました。
私は自由になったのです。
なぜなら、私の最大の恐怖はすでに現実のものとなり、
それでもなお私は生きていて、
愛する娘がいて、
古いタイプライターがあって、
大きなアイディアがあったからです」


彼女は、失敗は自分には強い意志と思っていた以上の自制心があること、
そしてルビーよりずっと価値のある友人たちがいることを教えてくれた、と語っています。


人生は困難で、複雑で、誰も完全にコントロールできない。失敗は避けられない。
でも、だからこそ、
それを知ることで人生を切り抜けることができる、と。


この講演を聞いたとき、私は、毎日なんてくだらないことに悩んでいるんだろう、
という気持ちになりました。
そして何だか勇気がわいてきました。
何か壮大なプランがあるわけではないですが、「やるぞ!」という気持ちになったのです。


少しの失敗なんてなんでもない。
自分にとって大切だと思えることに全力を注ごう!
まずは取り急ぎ、『ファンタスティック・ビースト』観てきます!

リオデジャネイロ五輪が終わり、気がつくともうすぐ9月。
今年もあっという間に夏が終わってしまいます.


さて、卓球女子団体で銅メダルを獲得した、日本代表の伊藤美誠選手。
15歳ながら、インタビューの受け答えが大人びていて、
しっかりした子という印象を持っていました。


先日、そんな伊藤選手についての記事を読みました。
タイトルの一部に「卓球会の革命児」とあります。
読み進めると、伊藤選手が常識を打ち破る、
自由なキャラクターであることがわかってきました。


静岡の小学校を卒業し、大阪で当時立ち上がったばかりの
アカデミーに入った伊藤選手。
指導したコーチがこう語っています。
「ずばぬけて技術があるとか、フットワークがいい、
ということではなかったが、普通の子とはまったく違った」


違っていたのは、たとえばラリーのやり方。
卓球では相手を重んじる風潮があるらしく、
一定のコースでラリーをしている時はコースを変えないのが
暗黙のルールなのだそうです。
ところが、伊藤選手はチャンスがあれば容赦なく決めにいってしまい、
相手は「バカにされている」と泣き出すこともあったのだとか。


合宿中も、「美誠はラリーをしてくれない」と、
一緒に練習をしたがらない子が続出。
しかし、泣き出す子がいても、周りに嫌がられても、
伊藤選手はまったく気にせず、ニコニコ練習を続けたのだそうです。
コーチは注意しようと思ったそうですが、
いやこれがあの子なんだ、と思い直し、周囲には
「あの子はバカにしているのではない。真剣なんだよ」と話したと言います。


コーチの立場に立ってみると、このあたりの見極め、かなり難しいですよね。
注意して、暗黙の了解をしっかり説明し、
周囲のモチベーションが下がらないようにするのか、
多少周囲とは違っても、個性を認めて、そこを伸ばすのか。
伊藤選手の場合は、コーチが個を認めてくれたから成長できた。
女子団体が銅メダルを獲得できたのは、
もちろん本人のすさまじい努力の結果だとは思いますが、
あの時、コーチが「美誠はバカにしているんじゃない。真剣なんだ」
と言ってくれたことが大きいのではないかと思います。


日本では企業内でイノベーションが起きにくいと言われます。
若手が何かおもしろいことを思いついても、
聞き入れる風土がないということも聞かれます。
その理由の一つとして、
企業が社員のパッションをうまく扱えていない、という声があります。
伊藤選手の記事を読んで、ああ「パッション」か、と思いました。
イノベーションを起こすためには、
指導者もプレーヤーも、どちらにもパッションが必要なのですね。


パッション。。。簡単に書きましたが、難しいですよね。
でも、これがないと、今のままでいいやと思ってしまって
先に行こうと思わないのは事実のような気がします。
うーむ、私のパッション、何だろう。。。ああ、長い夜になりそうです。

「Why? Japanese people!」
のフレーズでお馴染みのお笑いタレント、厚切りジェイソンさんは、
IT企業テラスカイの幹部としても活躍するビジネスパーソンでもあります。


ジェイソンさんが、インタビュー記事でこんなことを言っていました。


「日本語を間違えちゃいけないなんて、思ったことがない。
なんで間違えちゃいけないの?」


「完璧な人間なんていないんだから、伝わるまで話し続ければいい。
何だっけ? どう話すんだっけ? 
なんて考えながら黙ってると、バカに見える。
頭に浮かんだことを次々に話すほうが賢く見えるよ」


そんなジェイソンさんが、日本でビジネスをしていて感じる一番の難しさは、
スピードだそうです。


「とにかく遅い! 最初から完璧なものを作ろうとして何年も悩んでる。
そんなに悩んでどうすんの?っていうくらい」


製造業ではそれでよくても、ソフトウェアはさっさと市場に出してみて、
試して、反応見て、修正していくということを繰り返していかないと、
とジェイソンさん。
投資も、最初から100%のリターンを見込めないとゴーサインを出さない
なんてやっていると、世界からどんどん遅れていくと言います。


「お笑いだって同じ。トライして反応みて、直していく。すべては実験です」


なるほど。
間違いの可能性があることがわかっていながらアウトプットする、って、
日本人はなかなか慣れていないように思いますね。
学校で「間違いがないか、しっかり確認してから出しなさい」
とよく言われてきましたが、
テストの見直しと同じようなことが
様々なところで起こっているのかもしれません。


ジェイソンさんの言う通り、完璧な人なんていないし、完璧なものなんてない。
そう思えれば、いろいろなことがスピーディーに進むような気がしてきます。
「ま、こんな感じかな?」に慣れることが必要ですね。

米ドロップボックス社のCEOであるドリュー・ヒューストン氏は、
MITを卒業したばかりの頃、何となくネットを見ていて、
「あなたの人生は30,000日」と書かれたサイトに出会いました。


何となく計算してみると、
すでに30,000日のうちの9,000日を消費していることに気づき、
愕然としたと言います。


「完璧に準備している暇はない!」
心配性で完璧主義者であったヒューストン氏ですが、とにかく行動を開始。
これが後にドロップボックスを立ち上げることにつながります。


この話は、母校MITの卒業式のスピーチでも自身の口から語られています。
彼はこう言っています。


「誰も実際の人生でパーフェクトな成績を収めることはできません。
大学を卒業すれば、学校の成績など関係ないのです。
ビル・ゲイツの最初の会社は、
信号を操作するソフトウェアをつくる仕事をしていました。
スティーブ・ジョブズの最初の会社は、
無料通話ができるプラスチックのホイッスル作りです。
彼らの最初の会社は成功しませんでしたが、
彼らがそんなことを気にしているとは思えません。
これからの人生で失敗したってそんなに大したことではありません。
準備や練習をしている時間はない。とにかく始めることです」。


そうだなあと思いました。
ビジネスを起こす計画でも、新規プロジェクトの計画でも、犬を飼う計画でも、
計画の大小に関わらず、とにかく始めることが大切ですよね。
と思った私は、
何となく頭にあることをちょっとでも前に進めることにしました。
その方法は「人に話す」。


その話題に興味を持ちそうな人に声をかけて、
ご飯を食べながら雑談レベルで話す。
そうすると、いろんな意見をもらえるし、
知り合いにこういう人がいる、なんてことも言ってもらえる。
何より、だいたいの場合、いいね!いいね!で盛り上がる。
かなり進んだ感が生まれます。
何かに取りかかる時に、まず調べもの&計画から入りがちな私には
この方法がよいようです。


さて、皆さんはやろうと思っていて実行できていないこと、ありますか?
自分なりの「始め方」で、少し前に進めてみませんか?

人口約6,000人(2014年9月)、高齢化率45%(2010年)を超える
徳島県神山町という小さな町の「町おこし」を手がけているNPO法人があります。
移住支援や空き家の再生、芸術家の滞在支援などを行う「グリーンバレー」です。


彼らの活動により、1955年から減少し続けていた神山町の社会動態人口は、
初めて増加に。
また、IT企業など10社が神山町にサテライトオフィスを設置するなどの
大きな変化も起きています。


グリーンバレーの理事長である大南さんという方が、
何か新しいことを始める時に必ず出現するアイデアキラーにどう対応するか、
について話している記事をネットで読みました。
なるほどなぁと思ったのでご紹介します。


アイデアキラーとは、過去の失敗を例に挙げながら、
アイデアを破壊する人たちのこと。
誰かが一つアイデアを言うと、
「あなたが言ったことは○年前に出てきている。
あの時は予算が無かったから前に進まなくて、だめだった」などと、
過去の失敗を例に挙げながら、出てくるアイデアを否定していきます。
会合、会社、どこにでもいる、と大南さんは言います。


アイデアキラーが二言目に必ず言う言葉があるそうです。
「難しい」、「無理だ」、「できない」。
会社だとしたら、「俺は聞いていない」「誰が責任をとる?」。
行政だったら「前例がない」。


「前例のないことは時代の歯車を回すチャンスが自分に巡ってきた」
と考えるべきだと大南さんは言っています。
いつか誰かが前例を作っているからだ、と。


さて、アイデアキラーに遭遇したら、どう対処するべきか。
グリーンバレーでは、こういう言葉を使ったそうです。


「できない理由より、できる方法を考えましょう」。


アイデアキラーの意見は、すごく説得力を持つ、と大南さんは言います。
というのは、その場の多くの人が失敗体験を共有しているから。
「ああ、そうでしたね、できなかったですよね」と、
その意見に引っ張られてしまいます。


でも、最初からできないと決めつけると、アイデアはまったく出てこなくなる。
だから、まず、「できる方法を考えてみませんか?」で、その場をポジティブにする。
何か良い方法がないか考えてみるという姿勢で話し合うと、
良いアイデアが次々に出てくるようになると言います。


良いアイデアが出たら、次に使う言葉は「とにかくやってしまおう」。
やってみることによって物事の展開を変える。
そこで、課題や問題をあぶり出していき、
一つひとつ潰していくほうが物事が効率的に動いていくと大南さんは言っています。


この記事を読んで思ったこと。
私はアイデアキラーはいてもいいと思います。
こういうリスクもありますよ、過去にこういうこともありましたよ、
と言ってくれる人は必要だと思うのです。
でも、彼らの「難しいですね」に引っ張られて、
「だよね、じゃ、やめようか」と、なっていては
何も始まらないなあと改めて思いました。


「そうだね。でも、できるかもしれないから、できる方法を考えよう」。
そして、「とにかくやってしまおう」
いい言葉ですねぇ。

先日、テレビで『奇跡のレッスン』という番組を観ました。
フットサル日本代表監督のミゲル・ロドリゴさんが、
とある少年サッカーチームを1週間指導するという内容です。


「中は危ないよ! 外から行って!」
「危ないよ! 失点しちゃうよ!」
「安全第一だよ!」


初日、ミゲルさんが普段のチーム練習を見学していると、
ゲーム練習を行っている子どもたちに、
チームの監督がしきりに「危ない」と叫んでいます。


ピッチの中央付近は人が集まっているので、
中をパスでつなぐとボールを取られて失点する可能性が高くなる。
だから、より安全なサイドを使って攻めろ、と言っているわけです。


この様子を見て、ミゲルさんが言いました。
「スペインでは日本と逆で中から攻めろと言うんです。中からつなげ、と」
敢えて中を攻める。外から攻めるよりもずっと難しい。
それが頭と体のトレーニングにつながるということなのでしょう。


「危ないよ! 失点しちゃうよ!」
という指導は、実は頻繁に耳にします。
少年サッカーの大会に行くと、
多くのチームのコーチが同じような言葉を発しています。
私たち応援サイドにいる保護者も聞き慣れてしまって、
このことを特に気に留めてもいませんでした。


しかし、ミゲルさんの指導を見て、気づきました。
「危ないよ! 失点しちゃうよ!」と言うのは
「失点する可能性のあるプレーはするな」と言うことと一緒。
「ミスするな」と言っていることになります。
「危ない」と言われ続けている子どもたちはミスを恐れて消極的になり、
ミスにつながりそうなことはしなくなるのです。
番組の子どもたちも、常に萎縮している様子でした。


ミゲルさんは、子どもたちに言いました。
「ミスしてもいい。ミスから学べばいい」。
「一番大切なことは、自分で考えることだ。
しかも速く考えること。2秒先を読むマシンを頭に入れろ」。


「ミスしてもいい」と言われた子どもたちは、
徐々に思い切ってプレーするようになりました。
速く考えることにはほとんどの子が慣れておらず、苦戦しているようでしたが、
それでも自分で考えて思い切ってやってみると、ミゲルさんからすごく褒められる。
どんどん自信がつく。
1週間後、子どもたちは全員笑顔でイキイキとプレーできるようになっていました。


番組を観ながら涙を流したり、ため息をつく私の姿を、
我が家の子どもたちは見て見ぬふりをしていましたが、
長男はたぶん私が反省しているのだろうと思ったでしょう。
ミスを咎めず、どんどん挑戦させることで、別人のようになった子どもたち。
大人の責任は大きいです。


気づいたことがあります。
「チャレンジしてみよう」。
スポーツでもビジネスでもよく口にする言葉ですが、
「チャレンジしてみよう」は「ミスしてもいいから」と1セットですね。


そう考えると、ミスを受け入れる覚悟をしっかり持って、
「チャレンジしてみよう」と言っているかどうか不安になってきます。
チャレンジさせて、ミスを咎める。そんなことをしてしまっていないでしょうか。
チャレンジするには勇気と覚悟が必要だと思っていましたが、
それはチャレンジさせる人にも言えることだと思いました。
あー、また反省モードに入ってきました。

「何を作るか」。
これを決めないうちに、急いで料理に取りかかると大抵失敗します。
例えば、こんな感じです。


すごく急いでいる。冷蔵庫から今ある材料を取り出して、
何を作るか考える。でも、時間がない。材料を切る。とりあえず炒める。
この時点で、「あ、炒めるならこの形に切らなきゃよかった」などと思う。
とりあえず、お酒やしょうゆ、みりんを入れてそれなりの味にしようとする。
ここでもまた、「この材料なら中華味にすればよかった」などと思う。
ちょっとオイスターソースを入れてみる。味見。うーん。
ちょっと塩こしょうをしてみる。味見。うーん。


本当は全部捨てて、始めから作り直したほうがいいと思うのだけれど、
もったいないので、絶対そんなことはしません。で、修正を続ける。
できあがった料理は、食べられなくはないけれど、これ何なの?という料理。
和風でも中華風でもない。中途半端な感じ。当然子どもたちからも不評。


先日、原稿を書いている時、私はこれと同じ失敗をしてしまいました。
ここ数週間、私は原稿を通してこれが言いたい、
というものがなかなかありませんでした。
W杯ばかり観ていたせいです(たぶん)。
ただ、取り上げたい題材、キーワードはある。
例えば、「勝利」、「存在感」、「運」、「士気」、「期待」など。
W杯ばかり観ていたせいです(きっと)。


ところが、当然のことながら、題材があったところで、
何を伝えたいかが決まっていないと原稿はまとまりません。
何となく字で埋めて、それらしくはなっても、
「で? 何が言いたいわけ?」となってしまう。


でも、急いでいるし、書いた原稿がもったいないから、
何とかそれを修正して仕上げようとする。
同じ題材から、結論だけ変えてみたり。それを何通りも作ってみたり。
でも、どれも結論が私の意見ではないので、
自分で読み返しても、「...で?」と首を傾げてしまう始末。
なんと私はこれを3日続けました。はあー。


で、どうしたか。
捨てましたよ! 原稿のデータ! きれいさっぱり。
何を伝えたいのかが決まっていないのに、
書き始めたものは、やっぱり形になりにくいです。
これは違う、と思った時点で、
ゼロから始めればよかったとつくづく反省。


もう10年以上前になりますが、
神田うのさんが、パンストなどのレッグウェアやアンダーウェア開発に携わった時の
ドキュメンタリー番組をテレビで観ました。
企業の商品開発の担当者と打ち合わせを繰り返すうのさんが、毎回怒っています。
理由は、サンプルが全くデザイン通りに上がらないから。
「型紙を一から作り直してください! 既存の型紙は捨ててください!」
と、うのさん。
担当者は「わかりました」と言うのですが、
次回の打ち合わせでもまた同じことが繰り返されます。


これは私の想像ですが、
たぶん、現場では「最終的にこれを作るんだ」というところに、
まだ意識が集中しておらず、何とか、あるものをムダなく使おう
というところから抜け出せなかったのではないでしょうか。
それで、「ゼロから作り直さなくても、この型紙はちょっとここだけ直して、
こっちの型紙はここを直せば使えるんじゃないか?」
ということを繰り返してしまった。
人は何とかあるものを使って済ませたい、と思ってしまうものですからね(はい)。


でも「最終的な形が違う」と感じたならば、
やはり新しい物を作り出す決定をしっかりして、
それまでのプロセスを勇気を持って捨てるに限ります。
そうすれば、こうやって新しい原稿が仕上がるわけですから(あー、よかった)!

週末、我が家の子どもたちが通う小学校の運動会がありました。


うちの小学校は、運動会の出し物に騎馬戦や組体操がまだ残っています。
まだ、と言ったのは、騎馬戦も組体操も、
怪我をする子どもが多いという理由で
プログラムから外す学校が増えているからです。


騎馬戦や組体操は、子どもが仲間の手足に乗るため、全員裸足で行います。
さらに、校庭の砂の上で、足に力を入れて踏ん張る必要があるので、
練習段階から足の裏の皮が剥けている子どももいました。
やっている子どもたちは大変だと思います。
でも、見ている私たちにとって、
騎馬戦と組体操はリレーの次に盛り上がるプログラム。
迫力があり、ハラハラする場面もあり、とても見応えがあるからです。
全身砂埃まみれで必死に仲間を支え、頑張る子どもたちの姿は素晴らしかった。
とても感動しました。


「本当にスポーツが好きなんですね。とくにサッカー大好きですよね」。
メルマガで、頻繁にスポーツの話題を取り上げているので、よくこう言われます。
確かに、スポーツは好きですし、
サッカーは、子どもたちがやっていることもあって、よく観戦しています。
でも私は、いわゆるスポーツ好きではないのではないかなあ、と思います。
たぶん私は、単純にスポーツを観戦したいというよりは、
「ガッツ溢れる姿」を見たいのです。
一生懸命、ガッツ溢れるプレーをしている人を見ると、感動するからです。


我が家のマンションの隣には市民グラウンドがあって、
毎週末、野球やサッカーの試合が行われています。
先日、何気なくグラウンドの方を見ると、
『オヤジ』というサッカーチームが練習試合をしていました。
その名の通り、平均年齢40代後半の男性たちのチームです。


そんなわけなので、アスリートのようなスタイルの方は少なく、
お腹周りが少しボリュームのある方が多いのですが、
見ていると、その中でもひと際お腹周りが立派な方が、
ピッチサイドをドリブルでどんどん駆け上がって行きます。
決して猛スピードとは言えないのですが、結構なスピードです。
「おーっ!行けー!」と叫んでしまいました。


残念ながら、その方、ゴール前でディフェンスに抑えられてしまい、
シュートまではいけませんでした。
しかも、接触した勢いで地面を2回転くらい転がってしまいました。
失礼なのですが、地面を転がってしまうくらいの勢いで
プレーするような方には見えなかったので、思わず拍手してしまいました。
まさに、ガッツ溢れるプレー。


気づいたことがあります。
私が、これほどガッツ溢れる姿を見たいと思い、
そして感動してしまう理由は、
たぶん自分自身がガッツ溢れるプレーをしていないからなのです。
知らず知らず、誰からも非難されないように、
無難に、当たり障りなく過ごそうとしているなあ、と思います。
こんなことでは、いかんなあ。
子どもに「あんた、怖がらないで、ガツンと行かなきゃだめだよ!」なんて、
ダメ出ししている場合じゃありません。
大人だから。スポーツをしていないから。そんなことは関係ないかも。
ガッツあるプレー、心がけなくては!

  3 ページ / 4 ページ

これまでの記事

視点発見の旅
メルマガ【開-CAY】お申し込み

ご一緒に「視点発見の旅」へ!
メルマガは「開-CAY」で届きます

詳細を見る >>

「個人情報の取り扱いについて」

このページのトップへ