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先日、久々に「記憶スケッチ」という遊びをしました。
消しゴム版画家だったナンシー関さんが
20年以上前に流行らせたもので、
与えられたお題の絵を、
頭の中の記憶イメージだけを頼りに
紙に描いてみるというシンプルな遊びです。

お題はそんなに複雑なものではないのです。
頭の中にぱっとイメージできるもの。
たとえば、パンダとかパイナップル、
ちょっと難しいところで、スフィンクスとか。

どれも、頭の中ではわりと鮮明にイメージできます。
パンダのイメージもちゃんとあるし、
スフィンクスだって、あの独特の目を
ちゃんと想像できます。

でもですね、描いてみると、かなり描けないのです。
パンダは、あれ?どこが黒くてどこが白いの?レベル。
スフィンクスにいたっては、これ何?というくらいのヒドさ...。

頭の中ではわりと鮮明に描けているのに、絵にできない。
調べてみると、脳は、私たちの想像よりも
遥かにラフにイメージを捉えていることがわかりました。

どのくらいざっくりかというと、
「パンダは白黒で、耳があって、丸っこくて、足が4本」くらい。
よっぽどじっくり見て、細部をインプットしない限り、
耳が丸いとか、どこで白黒が分かれているかなどの細部は
そもそも記憶されないのだそうです。

それなのに、「全体を捉えられている! 」
と勘違いしてしまうんですねえ。

ちなみに、脳が、細部を気にせずに
ざっくり把握を行っている理由は、
「省エネ運転」をしたいからだそうです。

脳内のイメージをうまく描き出せない理由は
ほかにもあるようで、それは、
脳の中で「視覚イメージ」を司る部位と、
手を動かす「運動指令」を司る部位が異なっているから。
さらに、それらの部位をつなぐ「翻訳」も必要だからだそう。

視覚イメージを司る場所は、視覚野と呼ばれる後頭葉で
ここは目から入った情報を処理するだけでなく、
目をつぶって何かを思い浮かべるときにも活動。

運動指令を出す場所は一次運動野である前頭葉で
これら視覚野と一次運動野をつなぐのが 空間認知の司令塔、頭頂葉。
ここが、視覚野にある「イメージ」と、
運動野の「動き」を橋渡ししているようです。

つまり、この3つがうまく連携し合っていないと絵が描けない。
イメージで絵を描くってこんなにも複雑なことだったのですね。

では、イメージだけで
スラスラと描ける人は何が違うのか、というと、
見る、描くを何度も繰り返しているということ。

描いてみて、うまくいかなければもう一度観察して、また描く。
この繰り返しの中で、視覚イメージと手の動きが
「手続き記憶」として定着し、
意識しなくても指が自然に動くようになるのだそうです。

自転車に乗るときに「ええと、まず右足をペダルに乗せて...」
なんて考えないのと同じですね。

さらに興味深いことは、最初の観察のコツ。
絵が描ける人は、全体がどんな形の組み合わせになっているのかを
見ているらしいのです。
目とか耳とか、いきなり細部を観察しようとしていない。
たとえばパンダは、おもちのような3つの楕円の組み合わせ、
牛は横に長い大きな長方形の体と、
小さな逆三角形の頭といった具合です。

そうかあ、デッサンってこういうことなんだなあ。

とここまできて思ったことは、
これは仕事でも一緒だということ。

最初からいきなり細部を意識してアウトプットしようとしても
うまくいきませんよね。
まず、全体の構造を捉えてイメージし、アウトプットしてみる。
そして、足りなかったところを再度観察し、またアウトプット。
これを繰り返すことで、上達していくのだと思いました。

記憶スケッチ、結構、奥深い遊びでした。
皆さんも、この機会にパンダ、ぜひ描いてみてください。
意外な発見があるかもしれません。

さて、3月。
花粉に負けず、まいりましょう!

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