批判があるのは「新しい」証拠

今回は「批判がなければ、
新しいことに挑戦しているとは言えない」という話です。
夏にプリントパンツを制作してからというもの、
私は、すっかりパンツづくりにハマっています。
洋服づくりと言いたいのですが、
パンツしか制作したことがなく、
しかもゴムパンツしか縫ったことがないので、
残念ながら、パンツづくりというレベルでも
ありません。
なぜ、こんなにハマっているかというと、
それはズバリ、満足度が高いからです。
まず、気に入った型紙があれば、
布を変えるだけでどんどん制作できる。
これ、想像以上に満たされます。
次に、布選び。これがまた楽しすぎるのです。
最近は、近所の手芸屋さんでは物足りなくなり、
布問屋が集まる日暮里まで足を運んで、
すてきな生地に目を輝かせています。
先日は、色合わせがとてもクールな
ツイード生地を見つけ、
「ああ、この生地でシャネルジャケットを
つくったら、すてきだろうなあ」と、
イメージを膨らませました。
襟がない、クルーネックの
カーディガンのようなジャケットですが、
ボタンやあしらいがゴージャスな、
あのツイードジャケットです。
ええ、縫ったことがあるのは
ゴムパンツのみです。
イメージは大事です。
さて、ツイード生地。
今では普通に女性のファッションに
使用されていますが、
ココ・シャネルが、女性の外出着としての
ジャケットに採用するまでは、
ツイードは、猟師や農民などが着用する
作業着の布だったようです。
後に、乗馬やポロなどの、
貴族のスポーツ着としても使用されるように
なったようですが、いずれにしても、
アウトドア着で、主に男性用でした。
シャネルは、コルセットでウエストを細く絞り、
ボリュームたっぷりのスカートを履くという
当時の女性のファッションを嫌い、
「もっと機能的で、自由に動ける、それでいて
エレガントな女性服をつくりたい」と、
動きやすさからツイードを用い、
ジャケットを制作しました。
デザインのモチーフは軍服だそうで、
ポケットを多くつけ、
ハンドバックを開かなくても、
ポケットから口紅やペンを取り出せるように
したのだとか。
当然、ファッション界からは批判が相次ぎました。
「パリのファッション界に田舎の野暮ったさを
持ち込んだ」
「洗練さのかけらもない」と。
しかし、シャネルは、
「みんなが批判するなら、それは私が
今までにない新しい価値を作っている証拠だ」
と、今度は裏糸にシルクの糸を使用したり、
何色もの色を入れるなどの改良を加え、
美しい布を完成させました。
着やすく、動きやすく、美しいジャケットは、
瞬く間に女性を虜にし、
ツイードは女性のファッションとして
定着していったのだそうです。
新しいことに挑戦し、新しい価値を生み出すとき、
「何それ」「それはおかしい」
という批判や困惑の声が上がるのは当然。
それに怯むことなく、
むしろそんな声をエネルギーにする。
挑戦には、そんな覚悟とパワー、
そしてなによりも
「実現させたい!」という
強い想いが必要ですね。
2026年、皆さんはどんなことに挑戦しますか?
本年もグラスルーツのメルマガ・ブログを
どうぞよろしくお願いいたします。
