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『気持ちの持ち方・考え方』カテゴリの記事

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ドラマ『下町ロケット』の新シリーズが放送されています。


このドラマは、優れた技術力を持つ小さな町工場「佃製作所」が、
大企業の圧力に屈することなく、力を合わせて前進する物語。
池井戸潤氏による大人気作品です。


大企業からの執拗な嫌がらせ。次から次へと襲ってくる苦難。
悪い人がとことん悪くて、正義がとことん美しい。
前作に続き、やはり引き込まれてしまいます。


さて、『下町ロケット』で起こる様々な出来事の根底には、
大企業の「小さな町工場のくせに生意気な!
技術力なんて大したことないだろう!
俺たちに勝てるわけがないんだ!
という気持ちがあります。


「妬み」「嫉妬」です。


そう捉えると「佃製作所の高い技術が羨ましい。
社員が社長を信頼し、全力でものづくりに励んでいる環境が羨ましい。
自分は大企業で人間関係に悩み、いつも何かを我慢して過ごしているのに!」
と言い換えられるかもしれません。


そして、こうした「妬み」や「嫉妬」は、
多かれ少なかれ、私たちの職場にも存在しています。


陸上自衛隊の心理幹部として長年カウンセリングを行ってきた
カウンセラーの下園壮太氏によると、
「妬み」や「嫉妬」という感情は本能であり、
「期待」と「比較」という原始のころからの本能的なプログラムから
成り立っているのだそうです。


「期待」のプログラムとは、
自分のパフォーマンスに対する報酬を予測するもの。
この木に登ればこのくらいの木の実がとれた、という
過去の経験と照らし合わせ、予測より実際の収穫が少なければ、
別の場所に行く、自分の技を高める、といった対処につなげることができます。
そして「比較」のプログラムは、グループで同じ労働をしたとき、
自分の「取り分」は人と比べてどうかを常にチェックするプログラム。


人は、こうした期待と比較のプログラムによって自分の状況を見定めていて、
おかしいときには「妬み」「嫉妬」というアラームが発動するように
できているのだそうです。そして、このアラームにより、
自分のパフォーマンスを高める行動が生まれるのだといいます。
つまり、本来はプラスに働く感情なんですね。


ではなぜ現代では、妬みがマイナスに捉えられるのか。


大きな要因の一つは「情報過多」だと下園氏は指摘しています。
成長の目標として役立てられない「理想の人物像」を描いてしまい、
それを自信喪失の材料にしてしまうことが多いのだとか。
いったん自信を失うと、人はそれ以上自信を失うことを恐れて
自分を守ろうとし、その結果、周囲を責めるようになるのだそうです。


「自分の置かれた環境の不憫さをあげつらう」
「恵まれているのに不平不満を言う」
「その人なりによくできているのに、自信を持つことができない」
「ライバルを妬んでばかりで自分は行動しない」


まさに、『下町ロケット』です。


では、どうすれば、このつらい状況から脱することができるのか。
下園氏は「意識を向ける方向性を変えていく」ことが必要になると言います。


具体的には、まず「妬みの感情を認めてしまうこと」。紙に書き出すなどして、
「何を妬んでいるのか」を冷静に分析することが第一歩だそうです。
その上で現状と向き合い、
「こうなりたいな」と思うイメージをしっかり描き直す。
そこから、努力できそうなポイントを探していき、
最終的に行動につなげていくのだそうです。


「妬み」や「嫉妬」は人間に備わっている自然な感情。
だから、それを感じたときは気持ちを無視するのではなく、
向き合うことが必要なんですね。『下町ロケット』で考えると、
「佃製作所、羨ましいぞー!」と認めてしまえば
ドロドロの嫌がらせに発展しないということです。
いや、そうなるとドラマになりませんね。。。

「エモーションとファンクションの分離が
うまくいかないことが多い」


こう言っていたのは、岡田武史さん。
先日終了したサッカーW杯開幕前のトーク番組での発言です。


岡田元代表監督は、
日本ではエモーション(感情)とファンクション(機能)を
ごっちゃにしてしまいがち、と語っていました。


たとえば、
監督の戦術や選手起用の仕方が気に入らない、
あの監督は好きじゃない、
あの監督が率いる日本代表チームは応援しない、
というようなことだといいます。


アルゼンチンなどの南米のチームも、
監督に対して国民はめちゃくちゃ批判したり、意見したりしますが、
だからと言って自国の代表チームを応援しないなんてことはない、と。
それとこれとは別だ、と言っていました。


なるほどなあ、と思いました。


これ、普段の暮らしの中でもよくあることなのではないでしょうか。


たとえば、部下の仕事の仕方に問題がある。
そのことだけにフォーカスして対処すればいいのに、
あいつはダメだ、と人格まで否定してしまう。


上司のやり方に同意できない。
そのことについて意見して、対処するべきなのに、
上司の人柄そのものが嫌いになる。
だから、あの上司には協力しない。


なんだか、ドラマのシーンみたいですが、
実際にあることですよね。


そう考えていくと、「機能」と「感情」を区別するって、
結構難しいのかもしれません。


これと似たようなことに、
「事実」と「感情」の混同もありますね。


元NHKキャスターで、スピーチコンサルタントの矢野香さんが、
企業実務に関する記事の中で
「伝わるプレゼンは、事実と感情を混同させないこと」と言っています。


矢野さんによると、
表現は、話の内容に関する「言語表現」と、
表情や声の高さ・大きさなどによる「非言語表現」で構成されていて、
言語表現では、「事実のみを話す」ことがとても重要なのだそうです。


たとえば、次の例文。
どの部分が「事実のみ」から逸脱しているでしょうか。


「最近、社内の幅広い世代の社員より挙がっていたたくさんの意見を参考に、
新しい経理管理システムを導入しました。
システム構築にはおよそ2年もの月日がかかりましたが、
やっと完成し、かなり良いものになりました」


矢野さんは、事実のみの内容にするためには、
「約、この頃、最近、およそ」などの「ぼかしの言葉」と、
「やっと、ようやく、かなり」などの「評価の言葉」を
削除しなくてはならないと説明しています。


とくに、「評価の言葉」には感情が含まれているので、
ビジネスの現場では、
オフィシャルな発言だと受け取られにくいといいます。


先ほどの例文から「ぼかしの言葉」と「評価の言葉」を削除し、
適当な言葉に置き換えた例がこちら。


「3年前から、社内の20~40代の社員より挙がっていた203件の意見を参考に、
新しい経理管理システムを導入しました。
システム構築には1年10カ月の月日がかかりましたが、
このたび完成しました」


ポイントは、
ぼかしの言葉の部分に正確な数字や固有名詞を入れ、
評価の言葉も正確な数字に置き換え、
「かなり良いものになりました」部分は感情が入った感想なので、とること。


どうしても感想を言いたいときは、
「担当者としては、かなり良いものになったと自負しております」など、
担当者個人の感情だということを明確にすることが重要だそうです。


うーん、これはビジネスシーンのみならず、
どんな場面でも必要なスキルですね。
私は、事実と感情、普段だいぶ混同しているかも、、、。
でも、これがわかっていると、
話の内容をすっきり整理できそうな気がしてきました!
みなさんは、いかがですか?

「他人の言うことを聞かないこと」


テレビ番組で「若者へメッセージを」と言われて、こう語ったのは、
先日開かれた第90回アカデミー賞で
日本人初のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した辻一弘さん。


辻さんは、映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』で、
主演のゲイリー・オールドマンを特殊メイクで
見事チャーチルに変身させました。


辻さんが特殊メイクに興味を持ったのは、高校生のとき。
映画雑誌で俳優がメイクによってリンカーン大統領になるプロセスを見て衝撃を受け、
早速自分の顔でリンカーンにトライ。
この仕事をしたい!と強く思ったのだそうです。


どうしたら特殊メイクの仕事につけるのかが知りたかった辻さんは、
いきなり、雑誌でリンカーンのメイクを担当していた特殊メイク界の巨匠、
ディック・スミス氏に手紙を書くことを決意します。
英語があまり得意ではなかったので、
日本語で書いた手紙を高校の英語の先生に翻訳してもらったといいます。
その後は、スミス氏のアドバイスで独学で勉強し、
ある作品をきっかけにハリウッドへ渡ったのだそうです。


これだ!と思ってからの行動の早さとパワーの強さに驚きますよね。
英語の先生も、スミス氏も、辻さんの強い思いに圧倒されたのでしょうね。


さて、冒頭にご紹介した「他人の言うことを聞かないこと」は、
そんな辻さんが若者に送ったメッセージ。
「いろんな人の言うことを取り入れていると、ブレてしまう。
ブレるといいものはできない」と説明していました。


ハリウッド映画の制作現場。
大勢の人があちこちで好き勝手に発言する様子を思い浮かべてしまいます。
ちょっと想像しただけで、ものすごく大変そう!
タイトルは忘れましたが、昔観たコメディ映画がそんな内容でした。
脚本家がいい作品を書いたのですが、
プロデューサーが手を入れ、監督が手を入れ、出演俳優が手を入れ、
最後は全然違う作品になるというもの。
ハリウッドでは、自分を強く持っていないと、
とんでもない結果になってしまいそう。
辻さんは、特殊メイクに出会ってから、
強い思いでブレずにやってきたからこそ、
オスカーを手にすることができたのでしょうね。


考えてみたら、これ、日々の仕事でも同じですね。


たとえば企画を立てる。
実際に動き出すと、いろんな意見が出てきて、ちょこちょこ修正されていく。
そのうちに、企画も自分もブレていることに気づく。
でも、何となくスルーしていたら、大きくブレてしまった。
まずいと思いつつも、場の雰囲気を悪くしたくない、とか、
意見することに疲れてしまった、などの理由で、そのまま終了。
結果、だれもハッピーじゃない。
そんなこと、ないでしょうか。


これを避けるには、やはり企画の立案者が、その都度、
ちょっとずつ調整し、ブレを修正していくしかないですよね。
企画のことを一番よくわかっていて、思い入れが強いのは立案者ですから。


そりゃ、そうなんだけど、、、って思いますよね。
でも、途中で各方面から出てくる意見は、
それぞれの立場で、それぞれのポイントで語られるもの。
企画全体を理解した上での意見ではない場合も多いと思うのです。
なので、もう一度企画の趣旨を説明すると、
「あ、そうなの?」となったりすることもあるのではないでしょうか。


これを日々やるのはパワーが必要ですし、
毎回丁寧に説明しても、うまくいくとは限りません。
ブレたまま終わってしまうこともありますね。
でも、企画者がもういいやと思ってしまったら、それで終わり。
なので、面倒ですが、ちょっとブレたときにちょこちょこ修正する。
これが必要なのだと思います。
大きくブレると修正するのが大変ですから。


ところで、辻さんはこんなことも言っています。
「心の声を聞いて、自分で決めること。
日本人は自分の信じることが苦手。そこは変えたほうがいい」


自分の心の声?
ちゃんと聞いているかなあ、、、。
皆さんの心の声は今、何て言っていますか?

「ぼくには、ゆずるは止められない」


2014年、フィギュアスケート・グランプリシリーズ練習時、
羽生結弦選手は、氷上で他国の選手にぶつかり、
頭に怪我を負ったにもかかわらず、その後本番に出場。
無事にスケーティングできたものの、
コーチであるブライアン・オーサー氏は、記者から
「安全を考えたら、出場すべきではなかったのでは?」
と聞かれ、こう答えました。


今回の五輪は、昨年11月の故障が原因で氷上練習はほとんどできず、
ほぼぶっつけ本番の出場。
当初、羽生選手が計画した本番のプログラムには、
さまざまな4回転ジャンプがこれでもかと詰め込まれていました。
ブライアンコーチは、新しい4回転ジャンプも含んだプログラムには
反対していたようでした。
羽生選手のジャンプは他の選手とは比べ物にならないくらい美しく、
完璧なので、3回転でも高得点をもらえる。
だから、失敗せず、
着実に点数がとれるプログラムにしたかったらしいのです。


でも、羽生結弦選手は自分ができると信じていることを
やらないで終わらせることができない選手。
結局、昨年の怪我の原因になった4回転ルッツは飛ばないことで同意を得たものの、
ほかの4回転は詰めこまれたまま。


オーサーコーチは、
あるインタビューで羽生選手についてこう語っています。


「彼はまだ若い。彼の目的は『進化』することなのだ。
そして信じられないくらいメンタルが強い。
ぼくは彼を引き止めることはしない」


そして、今回の五輪。見事に金メダルです。


すごいですよね。
あの状態から、本当に1位。
強い、強いメンタルです。
受賞後のインタビューでコーチも言っていましたね。
「信じられないくらい心が強い。ほかの惑星から来たみたいだ」って。


『エリート・マインド「勝ち抜く力」』の著者、
行動心理学者のスタン・ビーチャム博士は、
「勝ち抜く力」について、著書のなかでこう言っています。


「パフォーマンスのうち、
何%がメンタルで何%がフィジカルか、という議論があるが、
私は100%メンタルだと思っている」


それは、こういうことらしいです。


「心は意識と無意識という2つの大きなカテゴリーに分かれていて、
無意識は潜在的な信念、「自分が真実だと思い込んでいること」の住処。
無意識が人の体を支配している時間は、
全体の90~95%に及ぶと考えられている。
この無意識のコントロールこそ勝敗を分ける鍵である」


で、信念というのは、
本当は家族や周囲の人から植え付けられたものであることも多い。
だから、今持っている信念を疑って、
新しい信念を作ってもいいいのだ、と言っています。


たとえば、親から「~ちゃんは、運動は得意じゃないけど、お絵描きは得意ね」
と言われ続けていたら、そう思いこんでしまう、ということなんです。
信念は無意識だから、ほとんどの時間、自分は運動が苦手でお絵描きは得意、
と思って生活することになる。
すると、運動の時間はやる気がなく、
お絵描きの時間はイキイキすることになります。
パフォーマンスは100%メンタルって、そういうことなんですね、、、


そう考えると、羽生選手は、
「自分はできる。自分は絶対王者だ」という思いが
信じられないくらい強いんでしょうね。
「ジャンプが飛べないかもしれない」なんて1%でも思ったら、
飛べないですもんね。
「できる」「2連覇する」と信じるから、実現できるわけです。


ビーチャム博士は言っています。


「ごく普通の人間でも一流になれる」と。


みなさんは、自分が「苦手」と思っていること、ありますか?
それ、もしかしたら周囲に植え付けられた思い込みかもしれません。
「得意」と思ってやってみたら、結構うまくできるかもしれませんし、
そのためのトレーニングをしたら、とんでもなく成長できるかもしれません。
何だか、やる気になってきますね。

リフレーミングという心理学用語があります。
いつもと違う見方や新しい見方で、
あることを捉え直すことを指します。
子育て本でもよく目にする言葉です。


人は、他人の長所よりも、短所のほうに目が行きがち。
いったんできていないところに着目してしまうと、
できていないことばかり目についてしまい、
その人のいいところが見えなくなってきます。
そこで、リフレーミングが必要になるのです。


以下は、ある小学6年生のグループが、
短所を長所にリフレーミングした例です。


うるさい→元気、明るい
おとなしい→人の話をよく聞く
あきらめがはやい→切り替えがはやい
集中力が続かない→いろんな発想が浮かぶ
心配性→確実
しつこい→粘り強い


すごい!
こんなに柔軟にリフレーミングできたら、すごくすてきです。


星槎大学大学院教育実践研究科准教授の阿部利彦さんは、
著書の中でこう語っています。


「リフレーミングは心のストライクゾーンを広げてくれる」


相手もいいところを見つけてもらうことで前向きになれ、
こちらも相手の見方が変わることでイライラすることが減って、成長できる。
親子でも夫婦でも上司・部下でも、そんな関係になれたらいいですよね。


さて、リフレーミングするときに邪魔になるもの、
それは「決めつけ」です。
主婦なのに、主婦だから、おじさんなのに、おじさんだから、、、。
世の中、さまざまな決めつけがあります。
「ゆとり」もその一つです。


職場でも、コミュニケーションが取りづらいなどで、
何かと話題にのぼってしまう「ゆとり」。
私は、バブル崩壊直後に社会人になっているので、
全然ゆとり世代ではないですが、何か悪いことがあるときに限って、
「しょうがないね、ゆとりだし」、
「わかり合えないでしょ、ゆとりだもん」などと、
世代を原因にしてしまう風潮はよくないよなあと思います。
何かがうまくいったときに、
「お、さすがゆとり!」とはあまりならないですしね。
これ、ゆとり世代にしてみたら、いやですよね。


ゆとり世代は、このことをどう思っているのだろうと考えていたら、
いい本を見つけました。
マエケンこと、前田健太投手の
『ゆとりの美学。力を抜くこと、サボることを恐れない』です。


マエケンは現在、MLBのロサンゼルス・ドジャーズの投手。
野球界ではスーパースターの一人です。
88年生まれで、ゆとり世代のど真ん中ですが、
野球一筋でやってきたので、世間が言う「ゆとり」イメージとは無縁。
ゆとり世代だと一括りにされたくないという気持ちがある、と語っています。


で、こうも言っているのです。


「ゆとりという言葉だけで捉えてしまえば、今の時代なら、
やる気がない、とネガティブなイメージを持つ人が多いかもしれませんが、
本来ゆとりは、余裕がある、窮屈ではない、という状態。
前向きなイメージが数多く含まれています」


「僕自身、心に余白を持ちながら野球に取り組むことで、
少なからず結果を残せてきたと断言できます」


そんなマエケン、投手であれば誰もが行うと思われる
「投げ込み」をしないのだそうです。


理由は、投げ込みをしたからといってスタミナが養われるわけではないし、
むしろ、年齢を重ねるたびに肩が消耗していくから。
単に前例に従ってばかりでうまくなるわけがない、とも考えているそうです。


野球界の指導者は、昔ながらの方法を大切にする人が多そう。
(↑わ、これ、思い込み、決めつけですね、、、)
実際、コーチ陣と意見が合わず、
とにかくやれと言われたこともあったようですが、
その場合は、投げ込み以外のことを誰よりも一生懸命やって、
投げ込みをしない理由を聞いてもらえる状態にしたと言っています。


妥協しない。
しっかりした理由があって「やらない」を選んでいるのだから、
まずはその理由をわかってもらいたい、というわけです。


これ、職場に置き換えてみたら、どうでしょう。
ゆとり世代であるだけで、
「まったく、ゆとりはサボってばかり」で終わらせること、ないでしょうか。
やることにも、やらないことにも、ちゃんと理由がある。
部下は「サボっている」のではなく
「もっといい考えを思いついた」のかもしれません。


ゆとり世代に限らず、一括りにして決めつけてしまうと、
悪いところがさらに目につくことになり、
リフレーミングもうまくいかなくなってしまいます。
一人ひとりを見て、コミュニケーションをとり、
成長し合える関係を作りたいですね。

陸上の桐生祥秀選手がゲストコーチとして指導する
かけっこイベントに次男が当選し、週末、参加してきました。
応募者4400人から選ばれた200人に入ったらしく、ラッキーでした!


とはいえ、200人も参加するのだから、
桐生選手はステージで少し指導するくらいだろうと予想していました。
ところがご本人、さらっと登場し、
参加者の目の前ですべてのトレーニングの見本を見せてくれました。
子どもたちと一緒に走ったり、話しかけてくれたり、とっても親切。
100mを9秒98で走る人の動きを、じっくり観察することができました。


それにしても、コンマ何秒を縮めるために、
トレーニングを重ねる陸上競技、
チームスポーツの経験しかない私から見ると、
とても気が遠くなりそうな世界です。
試合で勝った、負けたがなく、ただタイムがシビアで出るのですから。
完全に自分との戦いですよね。
解説者の為末大さんも、以前テレビで、
陸上競技は練習した成果が出るのが1年後だったりするので、
自分を信じて我慢してトレーニングを続けなければいけないと語っていました。


ところが桐生選手、かけっこイベントで、
「陸上はタイムが出るので自分が成長していることがわかって楽しい」
と話していました。小学校の頃はサッカーをしていたそうなのですが、
サッカーでは自分がうまくなっているのかどうかを感じることが難しい、と。
なるほど、そんな考えもあるんだなあ。
楽しいと感じているから強いんだな、と思いました。


リオ五輪で桐生選手らが男子400メートルリレーで銀メダルをとったとき、
私は大興奮しました。
陸上のトラック競技で日本人が銀メダルをとるなんて、
人類最速の世界に日本人が入っていくなんて、信じられない思いでした。
翌年、桐生選手が9秒98というタイムを出したときは、
これは本当にすごいことになっていく!とドキドキしました。


為末さんはこう解説していました。


「すべてのスポーツで、日本選手というのは、
フィジカルが弱い、だから技術を鍛えるんだと言われてきたが、
これだけ身体能力が影響する陸上100メートルで9秒が出ると、
日本人はフィジカルが弱い、って思い込みは捨てた方がいいんじゃないか。
それ自体がただの思い込みだったのではないか」


世界最速の男、ウサイン・ボルトも昨年来日した際に
「多くの日本人選手から自信を感じた。おそらく2年で10秒を切るだろう」
と語っていました。
桐生選手が9秒台を出したのはその4日後でした。


思い込みを捨てて、自信を持つ。そして楽しむ。
この力はやはり偉大なんですね。
これを実行するのは決して簡単なことではないですが、
どんな世界にいても通じることだなと思います。


さて、東京五輪もすぐそこ。
桐生選手のほかにも9秒台を狙う日本人選手が何人もいます。
人類最速の舞台、今からワクワクしてきます!

思いがけず、子猫をもらいました。


突然のことだったので、我が家はまったく猫仕様になっていません。
棚の上、キッチンのカウンター、
登ってもらっちゃ困るなあと思う場所がいっぱいです。
まあ、でも子猫だし、そんなに高いところには登らないだろう
と思っていました。


ところが、子猫は、初日こそ不安そうに鳴いていたものの、
2日目からは一人(一匹?)大運動会で、
猛ダッシュでいろいろなところに上ったり、噛んだり、ひっかいたり。
キッチンカウンターにもソファをつたっていとも簡単に登ってきました。


なんとかしないとなあ、と思い、ネットで
「猫、キッチン、侵入防止」と調べたら、
たくさんの画像がヒット。カウンターを囲むように柵、
さらにキッチンの入口にも高い柵を設けている例も紹介されていました。
その流れで、ソファを爪研ぎでボロボロにされないようカバーをした例を見たり。


しばらく検索していて、ふと思いました。
「あれ? ちょっと違うかも」と。
猫の行動を制限するより、
猫が登ってきてもいいようにしたほうがいいと思ったのです。
自由な動物なんだから、自由にさせてあげようと思えてきました。


そう思ったら、キッチンカウンターに登るよりも、
猫が楽しく感じる段差を作ってあげたら?などというアイデアも浮かんできました。
すると、ソファで爪研ぎをしている子猫の姿が健気に見えるようにもなってきて。。。
見方を変えると、感じることも変わるんですね。


ちょっと、いや、かなり飛躍しますが、それで思い出したのが、
以前読んだ『クリエイティブ・マインドセット』に書かれていたMRIの話です。


MRIでの検査が必要な子どもにとって、
あの機械は見た目も音もとても怖く、
泣いて暴れてじっとしていられない子には、
鎮静剤を打っていたといいます。


その状況を知った開発者は、
外側を宇宙船のようにペイントした子ども用のMRIを開発。
検査時、子どもには「宇宙船に乗るよ」と話し、
「ブーン」という音が鳴るときは、
「さあ、超音速に入るよ、じっとして」と声をかけることで、
子どもが落ち着き、検査がスムーズに進むようになったというのです。
検査時の鎮静剤の使用も減り、
満足度は90%に達したと書かれていました。
見方を変えると、大きなことも解決できるのだなあと思った例です。


見方を変えることで、
より良い解決策が思い浮かぶということ、
実はたくさんあるのだと思います。
ただ、この「見方を変える」が、難しい。なかなか急にはできません。
なので、電車の中や歩いているとき、仕事中など、
普段から、見方を変えることにトライしておきたいですよね。
私の場合は、求められていなくても、
勝手に「これ、こう見ると、こうだよなあ」と思ったりして、
これまた勝手に「ねえ、ねえ、いいと思わない?」と、
周囲に報告しております。


今週もすてきな1週間を。

体調1メートルのゾウガメが、岡山県の動物園から逃げ出した
というニュースをテレビで観ました。
10日ほど前のことですが、
現在まだ見つかっていないそうで、とても心配です。


実はこのゾウガメ、
7月にも園外に出てしまったらしいのですが、
そのときは200メートルほど離れた市道で
すぐに見つかったのだそうです。


今回の脱走について園長は、
「カメだから遅いだろうという先入観が災いした」
と語っています。


ゾウガメの移動速度は時速1キロメートルとのこと。
数字で見ると、まあそのくらいかな?と思えますが、
実際に動いているところを見ると、
想像よりも速いのかもしれません。
園長も、まさか姿を見失うとは思っていなかったのでしょう。


さて、「先入観」。
辞書で引くと、
「前もって抱いている固定的な観念。
それによって自由な思考が妨げられる場合に言う」
と書かれています。


テレビでもお馴染みの工学博士、武田邦彦さんの著書
『先入観はウソをつく 常識や定説を疑い柔軟な発想を生む方法』によると、
先入観は厄介なものである一方、
脳のパンクを防ぐ役割も果たしているのだとか。
人の脳は、朝起きてから夜寝るまでの間に膨大な情報を脳内で処理し、
選択と決断を繰り返していますが、
先入観があることで脳が容量オーバーしないようになっているのだそうです。
便利なものでもあるので、
脳は先入観を使いたがるのでしょうね。


先入観、どんなものがあるでしょう。
私は、以下のようなものが浮かびました。
「エビやカニを描くときは赤で」、「A型の人は几帳面」、
「関西の人はおもしろい」、「男の子は青、女の子はピンクが好き」など。
間違っているものから、
当てはまるかもしれないけれど当てはまらないものもある、
というものまで、いろいろです。


先入観によって、最初から「そうに違いない」と思っていると、
そうではなかった場合の反応が「えー? ○○なのに?」と、
相手に対して否定的になってしまいがちですよね。
でも、多くの場合、言っている本人は
相手を否定していることに気付かないように思います。


友人のアメリカ人男性は、実際、
「えー? 黒人なのに踊れないの? 歌も苦手なの?」
と何度も言われてきました。
その度にとても嫌な思いをするそうで、
何回かに一度は相手に「嫌な気持ちだ」と打ち明けるそうです。
しかし、そんなとき、大抵相手は驚いた様子で、
「全然そんなつもりはなかった」と言うのだそうです。
否定するつもりなんてないのに、
先入観のせいでそうなっているとしたら、残念ですよね。


前述した工学博士、武田邦彦さんは、
こうした先入観を外すための方法として、
頭の中に「受け入れ箱」と「比較箱」を
イメージすることをすすめています。
「今まで教えられた知識」や「過去に経験した知識」を100%だとしたら、
それを80%くらいにとどめ、
残りの20%のうち10%分を「受け入れ箱」に、
残り10%を「比較箱」に入れられるよう、
要領を空けておくのだそうです。


「受け入れ箱」とは、
相手の意見や見聞きしたことを素直に受け止めて入れる場所。
たとえ自分にとって否定的な意見でも、
また、そんなはずはないと思うようなことであっても、
とにかくいったん箱に入れる。
受け入れ箱に10%要領があると想像すると、
いったん受け入れようという考えになると言います。


「比較箱」とは、
受け入れ箱に一度入ったものを取り出し、比較する場所。
比較箱があることをイメージし、
そこに受け入れ箱から移したことを意識すると、
「あれはどういう意味だったのかな」
と落ち着いて考えやすくなるのだそうです。


先ほどの例で考えると、
「○○くんはピンクが好きなんだって」
→「へえ(と言って受け入れ箱へ)」
(うそ!男の子なのに珍しいね、ではなく)
→(受け入れ箱から比較箱へ移し替える)
→「考えてみたら、ピンクだってかっこいいよな。
ミュージシャンだってサッカー選手だって、ピンクを着ているし」
という感じでしょうか。


武田さんは、「受け入れ箱」を作ったことによって、
相手に対して怒ることがなくなった、と言っています。
さらに、視野が広がり、友人も増えたのだそうです。
そして、「比較箱」を作ったことで、
冷静に判断できるようになり、お金が貯まったとも語っています。


なるほどなあ、と思いました。
オンでもオフでも、あらゆる場面で先入観は働いていますが、
それが先入観であることになかなか気付きにくいですよね。
でも、こうしてビジュアルをイメージすることは、
先入観を取り外すためにとても役立つなあと思いました。
よし、私も早速、いったん見聞きしたことを「受け入れ箱」に入れる準備、
始めようと思います。
いつも自由で、柔軟な発想ができる状態でいたいですもんね。


8月もあと半月。
まだまだ暑いですが、すてきな1週間をお過ごしください。
そして、ゾウガメ、見つかりますように!

「苦しいときは笑ってごらん」
これは松岡修造さんの言葉。


そうだ、そうだ、その通り。
と思う一方で、
えー、でも苦しいときに笑うのは難しいなあ。
と思ったり、
そもそも笑ったら本当に楽しくなるのかなあ。
なんて思ってしまったりもします。


先日読んだ本『脳には妙なクセがある』にこんなことが書いてありました。


「笑顔に似た表情をつくると、
ドーパミン系の神経活動が変化することが研究でわかっている。
ドーパミンは脳の報酬系、つまり快楽に関係した神経伝達物質。
このことから楽しいから笑顔をつくるというより、
笑顔をつくるから楽しくなるという逆因果が脳にあることがわかる」


おおー、なるほど!

ということは、松岡修造さんが言っている通りなんだ!
そう思って読み進めると、
「笑顔をつくると楽しくなる」がわかる、おもしろい実験も紹介されていました。


箸を2通りの方法で口にくわえ、同じマンガを読んで、
おもしろい、楽しいと思ったら、ポイントをつけていく実験です。


一つの方法は、箸を横にくわえる。
箸を横にくわえたときの表情は、表情筋の使い方が笑顔と似ているらしく、
決して笑っているわけではないのですが、強制的に笑顔に似た表情になるとのこと。


もう一方は、箸を縦にくわえる。
こうすると、沈鬱の表情になるそうです。


結果は、箸を横にくわえた方法のほうが高ポイント。
笑顔に似た表情をつくると、楽しく感じるというのは本当なんですね。


よし!
反抗期真っ最中の中学生の影響で、沈鬱の表情になりがちな我が家ですが、
がんばって笑顔つくってみます!


皆さまも笑顔の1週間をお過ごしくださいませ。

私がよくアイデアを思いつく場所は、お風呂です。
とくに、新コーナーのタイトルや新媒体の媒体名などを
よくお風呂で思いつきます。
パソコンの画面を見つめて考えることもしますが、
そうしている時には「これだ」というものはほとんど頭に浮かびません。


先日読んだ本、『脳には妙なクセがある』(池谷裕二著)にこんなことが書いてありました。
「アイデアをひらめいたり、創意工夫に満ちた着想を得るためには
『王道』があると言われています。
英国の社会学者グレアム・ウォーラスによれば、
それは4つのステップからなります。


① 課題に直面する
② 課題を放置することを決断する
③ 休止期間を置く
④ 解決策をふと思いつく


おおー、これは私がとっている行動そのままじゃないですか。
最近の例をお話しすると、


① 課題に直面する
 会社でタイトルを考えるが思いつかない。
 電車で考えるがやはり思いつかない。
 家でパソコンを開いたが、やはり思いつかない。
② 課題を放置することを決断する
 「だめだ!もう、休憩!」。
③ 休止期間を置く
 ソファでグダグダしているうちに寝てしまう。
 がばっと起きて、そのままお風呂に入る。
④ 解決策をふと思いつく
 シャンプーしている時に、ふとひらめく。


この4つのステップのうち、とくに重要なのが
③ の「休止期間を置く」だそうで、
これは「怠惰思考」と呼ばれる行為なのだそうです。
怠惰と言われると、何だか怠けているような気がしてきますが、
創造のためには熟成期間が必須なのだそうです。


会議室のテーブルを囲みながらのアイデア会議。
意見が活発に出るようならいいですが、
全員が眉間にしわを寄せて黙ってしまったら、
思いきって「課題を放置する決断をする」→「休止期間を置く」
のステップに踏み切ったほうがいいのかもしれません。

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