ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

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ちょっとブレた、、、それでいい?

「他人の言うことを聞かないこと」


テレビ番組で「若者へメッセージを」と言われて、こう語ったのは、
先日開かれた第90回アカデミー賞で
日本人初のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した辻一弘さん。


辻さんは、映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』で、
主演のゲイリー・オールドマンを特殊メイクで
見事チャーチルに変身させました。


辻さんが特殊メイクに興味を持ったのは、高校生のとき。
映画雑誌で俳優がメイクによってリンカーン大統領になるプロセスを見て衝撃を受け、
早速自分の顔でリンカーンにトライ。
この仕事をしたい!と強く思ったのだそうです。


どうしたら特殊メイクの仕事につけるのかが知りたかった辻さんは、
いきなり、雑誌でリンカーンのメイクを担当していた特殊メイク界の巨匠、
ディック・スミス氏に手紙を書くことを決意します。
英語があまり得意ではなかったので、
日本語で書いた手紙を高校の英語の先生に翻訳してもらったといいます。
その後は、スミス氏のアドバイスで独学で勉強し、
ある作品をきっかけにハリウッドへ渡ったのだそうです。


これだ!と思ってからの行動の早さとパワーの強さに驚きますよね。
英語の先生も、スミス氏も、辻さんの強い思いに圧倒されたのでしょうね。


さて、冒頭にご紹介した「他人の言うことを聞かないこと」は、
そんな辻さんが若者に送ったメッセージ。
「いろんな人の言うことを取り入れていると、ブレてしまう。
ブレるといいものはできない」と説明していました。


ハリウッド映画の制作現場。
大勢の人があちこちで好き勝手に発言する様子を思い浮かべてしまいます。
ちょっと想像しただけで、ものすごく大変そう!
タイトルは忘れましたが、昔観たコメディ映画がそんな内容でした。
脚本家がいい作品を書いたのですが、
プロデューサーが手を入れ、監督が手を入れ、出演俳優が手を入れ、
最後は全然違う作品になるというもの。
ハリウッドでは、自分を強く持っていないと、
とんでもない結果になってしまいそう。
辻さんは、特殊メイクに出会ってから、
強い思いでブレずにやってきたからこそ、
オスカーを手にすることができたのでしょうね。


考えてみたら、これ、日々の仕事でも同じですね。


たとえば企画を立てる。
実際に動き出すと、いろんな意見が出てきて、ちょこちょこ修正されていく。
そのうちに、企画も自分もブレていることに気づく。
でも、何となくスルーしていたら、大きくブレてしまった。
まずいと思いつつも、場の雰囲気を悪くしたくない、とか、
意見することに疲れてしまった、などの理由で、そのまま終了。
結果、だれもハッピーじゃない。
そんなこと、ないでしょうか。


これを避けるには、やはり企画の立案者が、その都度、
ちょっとずつ調整し、ブレを修正していくしかないですよね。
企画のことを一番よくわかっていて、思い入れが強いのは立案者ですから。


そりゃ、そうなんだけど、、、って思いますよね。
でも、途中で各方面から出てくる意見は、
それぞれの立場で、それぞれのポイントで語られるもの。
企画全体を理解した上での意見ではない場合も多いと思うのです。
なので、もう一度企画の趣旨を説明すると、
「あ、そうなの?」となったりすることもあるのではないでしょうか。


これを日々やるのはパワーが必要ですし、
毎回丁寧に説明しても、うまくいくとは限りません。
ブレたまま終わってしまうこともありますね。
でも、企画者がもういいやと思ってしまったら、それで終わり。
なので、面倒ですが、ちょっとブレたときにちょこちょこ修正する。
これが必要なのだと思います。
大きくブレると修正するのが大変ですから。


ところで、辻さんはこんなことも言っています。
「心の声を聞いて、自分で決めること。
日本人は自分の信じることが苦手。そこは変えたほうがいい」


自分の心の声?
ちゃんと聞いているかなあ、、、。
皆さんの心の声は今、何て言っていますか?

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