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それ、先入観かも

体調1メートルのゾウガメが、岡山県の動物園から逃げ出した
というニュースをテレビで観ました。
10日ほど前のことですが、
現在まだ見つかっていないそうで、とても心配です。


実はこのゾウガメ、
7月にも園外に出てしまったらしいのですが、
そのときは200メートルほど離れた市道で
すぐに見つかったのだそうです。


今回の脱走について園長は、
「カメだから遅いだろうという先入観が災いした」
と語っています。


ゾウガメの移動速度は時速1キロメートルとのこと。
数字で見ると、まあそのくらいかな?と思えますが、
実際に動いているところを見ると、
想像よりも速いのかもしれません。
園長も、まさか姿を見失うとは思っていなかったのでしょう。


さて、「先入観」。
辞書で引くと、
「前もって抱いている固定的な観念。
それによって自由な思考が妨げられる場合に言う」
と書かれています。


テレビでもお馴染みの工学博士、武田邦彦さんの著書
『先入観はウソをつく 常識や定説を疑い柔軟な発想を生む方法』によると、
先入観は厄介なものである一方、
脳のパンクを防ぐ役割も果たしているのだとか。
人の脳は、朝起きてから夜寝るまでの間に膨大な情報を脳内で処理し、
選択と決断を繰り返していますが、
先入観があることで脳が容量オーバーしないようになっているのだそうです。
便利なものでもあるので、
脳は先入観を使いたがるのでしょうね。


先入観、どんなものがあるでしょう。
私は、以下のようなものが浮かびました。
「エビやカニを描くときは赤で」、「A型の人は几帳面」、
「関西の人はおもしろい」、「男の子は青、女の子はピンクが好き」など。
間違っているものから、
当てはまるかもしれないけれど当てはまらないものもある、
というものまで、いろいろです。


先入観によって、最初から「そうに違いない」と思っていると、
そうではなかった場合の反応が「えー? ○○なのに?」と、
相手に対して否定的になってしまいがちですよね。
でも、多くの場合、言っている本人は
相手を否定していることに気付かないように思います。


友人のアメリカ人男性は、実際、
「えー? 黒人なのに踊れないの? 歌も苦手なの?」
と何度も言われてきました。
その度にとても嫌な思いをするそうで、
何回かに一度は相手に「嫌な気持ちだ」と打ち明けるそうです。
しかし、そんなとき、大抵相手は驚いた様子で、
「全然そんなつもりはなかった」と言うのだそうです。
否定するつもりなんてないのに、
先入観のせいでそうなっているとしたら、残念ですよね。


前述した工学博士、武田邦彦さんは、
こうした先入観を外すための方法として、
頭の中に「受け入れ箱」と「比較箱」を
イメージすることをすすめています。
「今まで教えられた知識」や「過去に経験した知識」を100%だとしたら、
それを80%くらいにとどめ、
残りの20%のうち10%分を「受け入れ箱」に、
残り10%を「比較箱」に入れられるよう、
要領を空けておくのだそうです。


「受け入れ箱」とは、
相手の意見や見聞きしたことを素直に受け止めて入れる場所。
たとえ自分にとって否定的な意見でも、
また、そんなはずはないと思うようなことであっても、
とにかくいったん箱に入れる。
受け入れ箱に10%要領があると想像すると、
いったん受け入れようという考えになると言います。


「比較箱」とは、
受け入れ箱に一度入ったものを取り出し、比較する場所。
比較箱があることをイメージし、
そこに受け入れ箱から移したことを意識すると、
「あれはどういう意味だったのかな」
と落ち着いて考えやすくなるのだそうです。


先ほどの例で考えると、
「○○くんはピンクが好きなんだって」
→「へえ(と言って受け入れ箱へ)」
(うそ!男の子なのに珍しいね、ではなく)
→(受け入れ箱から比較箱へ移し替える)
→「考えてみたら、ピンクだってかっこいいよな。
ミュージシャンだってサッカー選手だって、ピンクを着ているし」
という感じでしょうか。


武田さんは、「受け入れ箱」を作ったことによって、
相手に対して怒ることがなくなった、と言っています。
さらに、視野が広がり、友人も増えたのだそうです。
そして、「比較箱」を作ったことで、
冷静に判断できるようになり、お金が貯まったとも語っています。


なるほどなあ、と思いました。
オンでもオフでも、あらゆる場面で先入観は働いていますが、
それが先入観であることになかなか気付きにくいですよね。
でも、こうしてビジュアルをイメージすることは、
先入観を取り外すためにとても役立つなあと思いました。
よし、私も早速、いったん見聞きしたことを「受け入れ箱」に入れる準備、
始めようと思います。
いつも自由で、柔軟な発想ができる状態でいたいですもんね。


8月もあと半月。
まだまだ暑いですが、すてきな1週間をお過ごしください。
そして、ゾウガメ、見つかりますように!

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