賛否両論の「ALS アイス・バケツ・チャレンジ」に参加してみて
「ALS アイス・バケツ・チャレンジ」に対する世の中の声は、日に日に変化していて、ポジティブな発信が一段落したと思ったら、ネガティブな発信が増え、さらに、それに対する反論も出て来て、現在は全体としては二分されている印象です。
初期の頃と違って、今は少し抑圧的なムードが漂い始めている感じがします。賛同を示したい人もいるでしょうに、叩かれたくないから賛同の声を挙げられないというようなムード...です。
そんな中、昨日、私にバトンが回ってきて、結論から言うと、昨日の朝、家のベランダで水をかぶってYouTubeにアップしました。
有名人の間のチャリティという認識の方が強かったので、それまでは単なる社会現象としてしか見ていませんでした。だから、一昨日には傍観者としてこのプログラムに関するブログ記事を書いていました。言ってみれば、他人事だったのです。でも、自分にバトンが回ってくると、いろいろ考えました。というか、実は考えるのをやめようと思ったという方が近いです。自分の心の声に耳を傾けて、直感に従おうと思ったのです。
私に、このバトンを回したのは、5年前までプロデューサーとして当社に在籍していて、現在はWEBの世界でマルチに活躍しているWhizzoプロダクションの佐藤新一さんです。彼からメールで打診され、OKしたとき、このプログラムについては知っていましたが、社会の温度感(ネガティブムードが始まっていたこと)についてはそれほどキャッチできていませんでした。ですので、こういうバカバカしい方法で、なおかつ資金集めに効力のある方法を考えた人はすごいと思っていましたし、バカバカしさと真面目さのミックスされた感じが「粋」に思えて、深く考えずに引き受けたのです。
ところが、その直後の知人との会食で、みんながネガティブな反応を示しているのを目の当たりにしました。深く議論をしたわけではないので、その意見の細かなニュアンスはわかりませんが、感じたのは「ムードへの嫌悪感」ではないかと思います。
しかし、ネガティブ反応はそれだけではありませんでした。とても親しい友達に「やろうと思う」という話をしたときも、反対されました。悪ふざけに見えると思っている人が多いから、わざわざそこに身を置くことはない、と。
それらの空気を知って、一瞬、私の気持ちが揺らいだのは事実です。どんな心理に襲われたかというと、一言で言えば「人からどう思われるだろうか。批判されるのが怖い...」というものでした。。
まもなく、私は自分に腹が立ってきました。というのは、本質はとてもシンプルなことのはずなのです。《あなたは、ALS患者とそれを取り巻く状況に対し、改善を目指して応援したいですか、それともそんなことに関心がないですか》、それだけです。応援したいと思うなら、この機会に自分のできることをすればいい。ただ、それだけ。反対に応援することに関心がないなら、何もせずに無関心でいれば良いだけです。
一瞬、気持ちの揺らいだ私を押しとどめるものは、何だったのでしょう。怒りの感情を引き起こした源は、何だったのでしょう。恐らくALS患者のアンソニー君の映像に心が動いたのです。インパクトがあまりにも大きかった。彼が向き合っている病気と死への恐怖。そういう患者さんがたくさんいると思ったら、自分も勇気を出して、応援している気持ちを送りたくなりました。それが水をかぶることにした一番の理由です。
氷水を浴びることに意味があると考えるのも自分、ないと考えるのも自分。強制的だと言う人もいますが、それは「された」という感じ方をしただけで、実際はすべてが自分次第、私次第だと思いました。私の仲間たちの間で「ソースを送る」という言葉があります。ニュアンスとしては、自分が出し得るあらゆるものを入れ込んで念じる、祈る、応援する、という感じでしょうか。そんな気持ちで、このプログラムに参加しました。自分を見つめたり、いろいろなことに思いを馳せることができた良い機会でした。ワタシに振った佐藤さんも、ご自身のブログで総括していました。めっちゃ、共感したのでリンクを張らせていただきます。
さて、前日のブログに書いたように、批判している人たちの理由は様々です。理由のひとつに、チャリティなのに次の人を指名することは強制力があって、良くないという意見もあるようでした。ワタシは、24時間以内に指名を受けてくれそうな人を探すことも困難だったので、広く呼びかけは行いましたが、映像の中で特定の誰かを指名することはしませんでした。
ワタシの呼びかけに対し、冷凍食品宅配で知られる株式会社シュガーレディ本社の佐藤社長をはじめ、facebookで繋がっている友人たちが応えてくれました。すでに寄付をされた方、水をかぶる意思表示をしてくださった方、いろいろです。
支援をしたい方は、24時間にとらわれる必要はないし、100ドルである必要もないし、氷水にもこだわる必要はないと思います。もっといえば、ALSではない難病に目を向けるのもいいかもしれませんね。ワタシのバトンを受け取ってくださる方は継続募集中です! 反対に支援したくない人は、無関心でいるに止めていただきたいです。それによって、集まる寄付の金額が変わるからです。
賛否両論の「ALS アイス・バケツ・チャレンジ」。あなたはどう思いますか?
ALS アイス・バケツ・チャレンジ
氷水を頭からかぶる...。
それは「ALS Ice Bucket Challenge」というプログラム。超訳ですが、「ALS:氷水のバケツにあなたも挑戦!」というような企画で、本旨が何かと言えば、ALS患者を支援するチャリティです。
プログラムを始めたのは、米マサチューセッツ州在住のALS患者、ピート・フレイツ氏。
一般社団法人END ALS
ウィキペディア
今のところ、多くの著名人は、氷水をかぶることを選択し、証拠としてというべきか、キャンペーンをもり立てるためというべきか、はたまた自分の知名度を上 げるためかはともかく、水をかぶったときの映像をYouTubeに流しています。想像ですが、きっと同時に寄付も行っていると思います。
結果、短期間で大きな金額が集まり、募金活動としては成功したと言えますが、しかし、話題になればなるほど、批判する人も出て来て、現在は賛否両論です。
反対意見の人の反対理由は、さまざまです。ざっと次のような意見が多いと思われます。
・チャリティなのだから指名して強制するようなしくみは問題だ。
これらの意見は意見で、わからないではありません。
まだあまり知られていないのに、実はすごく深刻な病気について、ユニークな発想で社会に認知させ、資金を集めようとした発想を否定するのは、ワタシは違うなと思います。
さて、それはそれとして、募金活動自体はオーソドックスでパッとしなくても、活動自体が立派で、応援したくなるものが世界にはたくさんあります。ワタシは、以下の団体をささやかに応援しています。
賛否両論ありますけどね、ワタシは自分の心の声に従ってやります、静かに
台北のマッサージ師が本気を出したわけ
先週は休暇をいただき、台湾に行ってきました。
本題の前に、ひとつリコメンドさせていただくと、、、、
で、いざマッサージが始まってみると、、、、友達が受けているオマケのはずのマッサージが、結構長いのです。時折「イタタタ...」という声がしてきますが、 全体として満足げな気配。後で聞くと、具合が悪かったところが、随分楽になったそうです。当初2時間の約束だったサービスなのに、終わってみると、約2時 間半が経過していました。もちろん、料金はそのままです。
なぜ、彼はオマケのサービスだったのに、そこまで真剣に施術してくれたのでしょうか。店内が空いていたからでしょうか。翌日、全身マッサージに来てほしいと期待したからでしょうか。でも、そこまで過剰サービスをする必要はありません。
ここからは、あくまでワタシの想像です。彼は、お客さんのカラダに悪いところを見つけたら直したくなってしまう、言い換えれば、彼にとって、ソリューショ ンを提供せずお客さんを帰すことはありえないのだと思います。そして、それは、プロマッサージ師としての彼の「サガ(気質)」や「信念」によるものだと思 うのです。計算してそうしているのではなく、当然のこととして身に付いているのだ、と。だから、彼は迷わずにそうした。それをしない理由があるとすれば、 店内が混雑している時だけです。
もちろん、これはワタシが勝手に創り出した物語にすぎないのかもしれません。でも、それが思い込みだったにせよ、誰かが損得勘定で動いているのではなく、使命感で人のために動いているように見える時、人は感動するものなのだと思います。
さて、このような対応をされ、感動すると、サービスを受けた側はどんな心理になるのでしょうか。ワタシが思うに、「何かお返しをしたくなる」。相手の純粋 な気持ちを感じ取り、それに感動し、何かしらの返礼をしたい気持ちになるのですね。ここで紹介したエピソードはワタシの体験ではありませんが、ワタシ自身 もとても満足したので、何か返したい気持ちを抱いているのだと思います。このブログで紹介することは、ワタシにとって返礼の形だとも言えます。
経済的には30分のコスト高。でも、それが、結果的に信頼の獲得や、ひいてはお客様の獲得につながっているように見えました。それも、無意識に。いや〜、学ぶものが多いな。ちなみに、このマッサージ店の名前は「家楽養生館」。長安東路二段にあるエヴァー航空(長栄航空)の並び、左隣2軒目です。台北に行かれる機会のある方は一度訪れてみてください。
関係性に注目するシステムコーチング、いいかも!
さて、、、
人は、自分自身に繰り返して起きる出来事(本当は抜け出したいこと)に対し、得てして自分個人に問題があると考えるそうですが、実は両親や祖父母、兄弟姉 妹や親戚の影響を受けていることが多いそうです。「自分に問題がある」という意識は、人を抑圧するだけでなく、孤独な心理に押しやります。ひとりで抱え込 まずに、家族や家系に目を向けることで、原因が自分だけにあるのではないということが分かり、問題を捉える視点が変わるのだそうです。なんだかわかるよう な気がします。
ちょっと視点は違いますが、先週、ある人と新しいプロジェクトに取り組むに際して、システムコーチングを受けてみました。システムコーチングで具体的に何 をするのかについて、ここでは詳しくは紹介しませんが、端的に言うと、コーチの力を借りて、お互いの世界をビジュアライズ(視覚化)するということを行い ました。
で、どうだったか。。。一言で言えば、とってもナイスな体験をさせていただきました! セッションを通じて、普通の会話では得られないような、その人を知 る体験ができて、とても有意義でした。セッションでは、お互いが生きている世界や空間をビジュアライズします。と、聞いてもわかりませんよね。コーチや相 手の質問に答える形でマイワールドを表現していくのですが、これが、ホントに面白い体験でした。
何が良かったかといえば、、、、
人が自分のアイデンティティを知る。
8月も半分が過ぎました。
こころは不思議〜苦手な相手が好きになる
先週、ちょっと変わった体験をしました。あるコミュニティで知り合ったある人から飲みに行こうと誘われました。それだけなら、珍しい体験ではありません が、誘われたメールには、「自分は、まゆに苦手意識があると感じている。でも、決してまゆを嫌いなわけではない」というようなことが書かれていました。ま ゆというのはワタシのことです。このような誘い方について、普通なら驚くのかもしれませんが、その人とは、ちょうどその直前に、恊働関係という視点での リーダーシップのあり方を学んだ間柄だったので、それほど驚きませんでした。しかも、ワタシもその人に対して、ある種の苦手意識があったので、お互い様だ と感じました。
誘いを受けてから、飲みに行った時点までの出来事を通して、自分の心の動きを見ていくと、人のこころは不思議なものだなと痛感します。そして、それはすで に心理学などで言われていることとほぼ一致しています。後付けですが、そんな視点で自己分析してみたらおもしろかったので、シェアします。
まず、誘いを受けた時点で、心理的には単純にうれしくなっていました。誘い言葉でいえば、「苦手意識がある」という部分よりも、「決して嫌いなわけではな い」という部分を大きく受け取って、うれしくなっていたのです。苦手意識があっても、本人が書いているように、本当に嫌いなら誘わないと思ったので、好意 の表現と受け止めました。
相手は気をつかって「別の仲間も誘ってもいいかもしれない」と言ってくれたのですが、それは(あなた次第だけれど、どうですか?)という意味だと受け止め ました。なので、ワタシは「サシ飲み希望」で返信しました。好意を示してくれた相手に、ワタシも好意を示したかったからです。思えば「好意の返報性」とい うのは、こういうことだと思います。「好意の返報性」というのは、自分に好意を示してくれる相手に好意を持つ心理のことです。ワタシの苦手意識は、すでに 好意に傾いていたのです。
「飲む」という共通目的ができると、当日までに小さな接触が複数回ありました。そんな小さな接触も、親しみ度に影響を与えます。今まで以上に、その人の facebookの投稿を読むようになりました。いやいや、こんなところに「単純接触の効果」って現れるのですね。人は、接触回数が多い相手に対し、単純 に好意を抱くそうです。ワタシのこのケースでも当てはまる気がします。実際に会う当日よりも前に、ワタシの中では苦手意識の大半が消え失せていたような気 がするのです。
で、いざ飲みの場では、あっと言う間に意気投合してしまい、普通なら話しにくいような話、たとえば自分のコンプレックスだとか、今抱えている悩みといった 話題も、お互い自然に話すことができました。また相手の話に対して、自分が感じたこと、思ったことを率直に語ることに抵抗がなく、実際に語り合えたと思い ます。お互いに狙ってやったということでは決してなかったのですが、やっぱり人は素直に自分をさらけ出されると、話がしやすくなり、信頼も高まるものです ね。心理学でいう「自己開示の法則」は、私たち二人の飲みの場でも働いていたのです。計算づくで自己開示した風な振る舞いの人は、ちょっと品がない感じが しますが、その人と親しくなりたいという心からの願いがあると、どちらからともなく、ガードを下げて、自然に話せるのだと感じました。おもしろいものです ね。
ところで、その人はなぜ、どんなことでワタシに苦手意識を持ったのかを聞いてみました。そうしたら、やっぱり予想通りでした。最初の頃のワタシの印象で苦 手意識を持ったのだとか。一番最初の印象は、そのくらい重要なのですよね。今回のように親しくなる機会がなかったなら、相手の中のワタシのイメージは今で も変わっていなかったかもしれません。だから、きっかけを作っていただいたことに、とても感謝しています。
でも、結果オーライですよね。心理学的には「ゲイン・ロス効果」と言って、最初の印象が悪く、後の印象が良いと、むしろ評価は「より」上がるそうです(ホ ント? ホントのようです)。幸運にもと言うべきか、不幸にもと言うべきか、多くの人に言われるのですが、ワタシの第一印象はとっつきにくいそうで、どち らかといえば、いつもこのパターンです。そして、大抵の場合、後になって「もっと話しにくい人だと思っていた」と打ち明けられます。今回も、多分、結果的 にアフターの方が良かったと思ってくれたと、思いっきり信じています(笑)
さて、本日配信の「人の心を掴むには? 〜テクニックの前に大切なこと」と題した当社メルマガで、阿部が『夏休み集中 跳び箱&鉄棒教室』の先生の話を紹介していました。人の心を掴んだ事例の紹介です。メルマガの最後にこんなくだりがありました。
ビジネス書コーナーに行くと、
人の心を掴むテクニックを紹介している本がたくさん並んでいます。
でも、テクニックの前に、まず自分が周囲の人にどんな印象を与えているかを
知ることがやはり大事だよなあと改めて思いました。
今日、ワタシは心理学的な知見と自分の体験を結びつけてこのブログを書きましたが、これはあくまで後付け。もしワタシが心理学的知識に基づいて「〜効果を 起こすためには...」と計算づくで行動していたら、ちょっとイヤな感じのヤツですよね。 阿部の言う通り、大切なのは、テクニックではありません。相手とつ ながりたいという真摯な思い、それに基づいて行動するから、それが伝わるのだと思います。
苦手だなと思っていても、好意を示されると、こちらも好きになってしまう経験、反対に、当初は苦手だと思っていたのに、好意を示したら、相手からも好意を 示されたという経験は、今回が初めてではありません。だからこそ、むしろこちらから苦手な相手に対して、まず「興味を持って」飛び込んでみることが大切な のかもしれませんね。そうすると、必ず何かが変わるので。今回は、改めて苦手だからといって逃げないことの大切さを、相手から学びました。良い体験、良い ひとときでした。