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こころは不思議〜苦手な相手が好きになる

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先週、ちょっと変わった体験をしました。あるコミュニティで知り合ったある人から飲みに行こうと誘われました。それだけなら、珍しい体験ではありません が、誘われたメールには、「自分は、まゆに苦手意識があると感じている。でも、決してまゆを嫌いなわけではない」というようなことが書かれていました。ま ゆというのはワタシのことです。このような誘い方について、普通なら驚くのかもしれませんが、その人とは、ちょうどその直前に、恊働関係という視点での リーダーシップのあり方を学んだ間柄だったので、それほど驚きませんでした。しかも、ワタシもその人に対して、ある種の苦手意識があったので、お互い様だ と感じました。

誘いを受けてから、飲みに行った時点までの出来事を通して、自分の心の動きを見ていくと、人のこころは不思議なものだなと痛感します。そして、それはすで に心理学などで言われていることとほぼ一致しています。後付けですが、そんな視点で自己分析してみたらおもしろかったので、シェアします。

まず、誘いを受けた時点で、心理的には単純にうれしくなっていました。誘い言葉でいえば、「苦手意識がある」という部分よりも、「決して嫌いなわけではな い」という部分を大きく受け取って、うれしくなっていたのです。苦手意識があっても、本人が書いているように、本当に嫌いなら誘わないと思ったので、好意 の表現と受け止めました。

相手は気をつかって「別の仲間も誘ってもいいかもしれない」と言ってくれたのですが、それは(あなた次第だけれど、どうですか?)という意味だと受け止め ました。なので、ワタシは「サシ飲み希望」で返信しました。好意を示してくれた相手に、ワタシも好意を示したかったからです。思えば「好意の返報性」とい うのは、こういうことだと思います。「好意の返報性」というのは、自分に好意を示してくれる相手に好意を持つ心理のことです。ワタシの苦手意識は、すでに 好意に傾いていたのです。

「飲む」という共通目的ができると、当日までに小さな接触が複数回ありました。そんな小さな接触も、親しみ度に影響を与えます。今まで以上に、その人の facebookの投稿を読むようになりました。いやいや、こんなところに「単純接触の効果」って現れるのですね。人は、接触回数が多い相手に対し、単純 に好意を抱くそうです。ワタシのこのケースでも当てはまる気がします。実際に会う当日よりも前に、ワタシの中では苦手意識の大半が消え失せていたような気 がするのです。

で、いざ飲みの場では、あっと言う間に意気投合してしまい、普通なら話しにくいような話、たとえば自分のコンプレックスだとか、今抱えている悩みといった 話題も、お互い自然に話すことができました。また相手の話に対して、自分が感じたこと、思ったことを率直に語ることに抵抗がなく、実際に語り合えたと思い ます。お互いに狙ってやったということでは決してなかったのですが、やっぱり人は素直に自分をさらけ出されると、話がしやすくなり、信頼も高まるものです ね。心理学でいう「自己開示の法則」は、私たち二人の飲みの場でも働いていたのです。計算づくで自己開示した風な振る舞いの人は、ちょっと品がない感じが しますが、その人と親しくなりたいという心からの願いがあると、どちらからともなく、ガードを下げて、自然に話せるのだと感じました。おもしろいものです ね。

ところで、その人はなぜ、どんなことでワタシに苦手意識を持ったのかを聞いてみました。そうしたら、やっぱり予想通りでした。最初の頃のワタシの印象で苦 手意識を持ったのだとか。一番最初の印象は、そのくらい重要なのですよね。今回のように親しくなる機会がなかったなら、相手の中のワタシのイメージは今で も変わっていなかったかもしれません。だから、きっかけを作っていただいたことに、とても感謝しています。

でも、結果オーライですよね。心理学的には「ゲイン・ロス効果」と言って、最初の印象が悪く、後の印象が良いと、むしろ評価は「より」上がるそうです(ホ ント? ホントのようです)。幸運にもと言うべきか、不幸にもと言うべきか、多くの人に言われるのですが、ワタシの第一印象はとっつきにくいそうで、どち らかといえば、いつもこのパターンです。そして、大抵の場合、後になって「もっと話しにくい人だと思っていた」と打ち明けられます。今回も、多分、結果的 にアフターの方が良かったと思ってくれたと、思いっきり信じています(笑)

さて、本日配信の「人の心を掴むには? 〜テクニックの前に大切なこと」と題した当社メルマガで、阿部が『夏休み集中 跳び箱&鉄棒教室』の先生の話を紹介していました。人の心を掴んだ事例の紹介です。メルマガの最後にこんなくだりがありました。

ビジネス書コーナーに行くと、
人の心を掴むテクニックを紹介している本がたくさん並んでいます。
でも、テクニックの前に、まず自分が周囲の人にどんな印象を与えているかを
知ることがやはり大事だよなあと改めて思いました。

今日、ワタシは心理学的な知見と自分の体験を結びつけてこのブログを書きましたが、これはあくまで後付け。もしワタシが心理学的知識に基づいて「〜効果を 起こすためには...」と計算づくで行動していたら、ちょっとイヤな感じのヤツですよね。 阿部の言う通り、大切なのは、テクニックではありません。相手とつ ながりたいという真摯な思い、それに基づいて行動するから、それが伝わるのだと思います。

苦手だなと思っていても、好意を示されると、こちらも好きになってしまう経験、反対に、当初は苦手だと思っていたのに、好意を示したら、相手からも好意を 示されたという経験は、今回が初めてではありません。だからこそ、むしろこちらから苦手な相手に対して、まず「興味を持って」飛び込んでみることが大切な のかもしれませんね。そうすると、必ず何かが変わるので。今回は、改めて苦手だからといって逃げないことの大切さを、相手から学びました。良い体験、良い ひとときでした。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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