覚えてもらえるその名前、ワンワードの強み
オノです。こんにちは。
前回は、「一般名詞×一般名詞」でつくられた名前の場合の、覚えにくさについて書きました。
では、一般名詞は、そんなにダメなのでしょうか。そんなことはありません。「アップル」や「Yahoo!」、「Amazon.com」が一般名詞であるように、一般名詞でも優れたブランド名はたくさんあります。しかし、良い名前の多くは、「一般名詞×一般名詞」ではなく、ただ1つの「一般名詞」です。
しかも、同じように優れた一般名詞の名前でも、方向性には2通りあるようです。一つは、上に挙げた「アップル」「Yahoo!」「Amazon.com」のように、本来のサービスとは関係ない「意外性」のある一般名詞を採用するという方向性。もう一つは、「価格.com」や「お名前.com」のように、サービスそれ自体をワンワードで表すという方向性です。
前者は、そのブランドの文化や理念を訴求するのに有効で、それによって他社との違いが伝わります。
しかし、もしその名前と理念が不一致であったなら? 友だちのようなコンピュータという理念を大切にしたアップルだからこそ、「アップル」という名前は生きるのですし、「Amazon.com」ほど取り扱う商品の種類が豊富でなかったなら、密林のジャングルの奥深さを感じさせるこの名前は生きなかったはずです。
一方、ストレートにサービスの機能を訴求する後者は、今まで認識されていなかったジャンルがあることを気づかせたり、そのカテゴリーでナンバーワンといった印象を与える上で有効だと言えます。
いずれにしても、ワンワードの一般名詞の良さは、「覚えやすい」こと。名前の一番の役割は識別ですから、一般名詞一語の名前はあなどれません。
【今日の問いかけ】
一般名詞1語の名前と2語の名前、どちらが好きですか?