ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

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その変化に対応するのは誰なのか?

「結果は出なかったのですが、

最後の最後まで諦めないで走り切るという姿を見せられたと思います。
この4年間は、選手たちと本当に楽しくサッカーを積み上げてこられて、
本当に幸せだったと思います。
スタッフも選手も本当によくやってくれた。誇りに思います」


先日のFIFA女子ワールドカップ・カナダ大会決勝で
2度目の優勝を手にすることができなかった「なでしこジャパン」。
チームを率いる佐々木則夫監督は試合後、こう話しました。


試合終了の笛が鳴った直後は、涙していた選手たちも、
間もなく「私たちはよくやったんだ」という笑顔になり、
お互いを称え合っていました。


私は、佐々木監督がどうやってこのチームを作り上げたのか、
以前からとても興味がありました。
あるインタビュー記事にそのヒントを見つけたので、ご紹介します。


佐々木監督は、2006年に男子チームから
女子チームのコーチに移ったのだそうです。
その時、ものの見方をがらっと変えなければいけないと感じたと言っています。


たとえば、体格のこと。
なでしこジャパンは女子サッカーチームの中で、
世界で一番、平均身長と平均体重が低いチームです。
他国の選手に比べ、手足が長くないということは、
ボールまでのリーチが短く、届きづらい。
普通に考えると、これはプラスの条件ではありません。


でも、リーチはなくても、コンパクトな分、
スライディングしてから立ち上がるスピードが速い。狭いエリアでの動きも機敏。
だから攻撃から守備、守備から攻撃への身体、そして頭の切り替えが実に素早い。
これは武器だ、と。
佐々木監督は今では
「日本の女性は、なんてサッカーに適しているんだ」と思っているのだそうです。


「変化に対応するのは君たちだ。創意工夫をするのは君たちだ」
そう言い続けることで、サッカーをするのは監督ではなく自分たちなんだ、
という考えを浸透させてきたとも監督は言っています。


たとえば、試合中、相手チームの選手交代で、
まだこちらがデータを所有していない
一人のクリエイティブなディフェンダーが入ってくる。
それだけで、ゲーム状況は一変するのだそうです。


そんな時、どうすべきかを考えるのは監督ではなく選手だ、と佐々木監督。
指示を出したくなることもあったのだそうですが、そういう時こそぐっとこらえて、
選手たちの創意工夫に任せてきたのだそうです。


「すると、選手たちの間に『集団知性』と言えるものが芽生えて、
チーム全体の変化への対応力が高まりました」
と佐々木監督は言っています。
千変万化する国際大会での試合を勝ち抜いていけたのは、
そんな力があったからだと確信しているのだそうです。


マイナスと感じることをむしろ武器にして戦ってこられた。
そして、自分たちの工夫で、自分たちがサッカーを進めてきた。
なでしこの選手たちがいつものびのびとプレーできる理由がわかった気がしました。


グローバル化が急速に進んでいるビジネスの世界。
いつ、どんな変化がやってくるかわからない状況で私たちは仕事をしています。
いざという時に、その変化に対応していくのは会社なのか?自分なのか?
その時、私たちは自信を持って、のびのびとプレーできるのか?
普段から準備しておくべきことがあるなあと感じました。

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