呼吸を合わせて、リラックス状態を作る
ぐずっていた子もすぐに眠る~寝かしつけテクニック、
というような番組を以前テレビで見ました。
画面には、ある保育園のお昼寝の時間の様子が映し出されています。
すやすや寝ている子もいるのですが、
泣いてぐずっている子や眠れずに寝返りを打ち続けている子もいます。
先生たちは眠れない子たちの隣で添い寝をし始めました。
すると間もなく、どの子もすーっと眠りに落ちていき、
部屋の中の音は子どもの寝息だけになりました。
画面ではよくわからないのですが、実は、眠らせるテクニックは、
「子どもの呼吸に合わせて呼吸すること」だということでした。
泣いてぐずっている子は少し落ち着かせてから、
その子の呼吸に合わせて先生も息を吸ったり吐いたりする。
それだけで子どもたちは驚くほど心地よくなり、安心して眠くなるらしいのです。
私たちは、動物的な本能から、自分と似たタイプの人を仲間と見なし、
自分とは異なるタイプの人を遠ざける、という話を以前本で読んだことがあります。
タイプというのは、見た目、つまりファッションの趣味などもありますが、
声のトーンや話すテンポ、性格が陰か陽かということも含まれます。
そう考えると、私が長くつき合っている友人たちも、
声のトーンや話すテンポ、考え方が似ている人たちばかりだ
ということに気づきました。
話すテンポが似ているということは、呼吸のテンポも似ているということ。
お互いが安心して心地よく過ごせるように、
どこかで本能的に感知しているんですねえ。
さて、友達づきあいは、同じタイプの人だけでよいとしても、
仕事ではそうはいきません。
明らかに自分と異なるタイプの人が同僚になることも、
上司になることも、クライアントになることもあります。
こんな経験はないでしょうか。
話すテンポが合わず、間が合わないので同時に話し始めてしまって気まずくなる。
相手のトークが早すぎて、思考が追いつかない。もしくは遅すぎてイライラする。
視線を上げるタイミングが合わず、目を見た時に相手が下を向いている。
こんなことでは、お互いが違和感を感じ、どんどん苦手意識が強くなっていきます。
NLP(神経言語プログラミング)というコミュニケーションツールがあります。
この考え方をベースにコミュニケーションのスキルを紹介している
『絶妙な話し方の技術』(橋川硬児 著)という本に、
こんなことが書かれていました。
「自分の話を相手の呼吸に合わせてみよう。
会話のはじめの部分だけを意識的に相手が吐く瞬間に合わせるだけでいい。
難しい場合は、相手が吐くタイミングで相づちを打つことから始めればいい」。
これは専門的にはペーシングという手法のようです。
呼吸や声のトーン、ジェスチャーなどを相手に合わせることで、
お互いがリラックスして落ち着いて話ができる状況を作り出す方法です。
相手に呼吸を合わせる。難しそうですが、やはり効果はありそうですね。
まずは身近な人の呼吸を観察し、
ペーシングの練習をしてみるのがいいかもしれません。
私も早速やってみます!