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何でもこなせる人がいい?

先日、『アルティメットスパイダーマン・ウェブウォーリアーズ』
というアニメ番組をテレビで観ました。
私が観た回は、主人公スパイダーマンが、ヒーローとして成長するために、
アベンジャーズの一員になるという内容でした。


キャプテンアメリカ、ファルコン、アイアンマン、ハルクなどのヒーローたちに
スパイダーマンが加わった映像を見て、
「こんなバラエティに富んだメンバーでチームがまとまるのかしら」
と心配になりましたが、彼らのチームワークは最高。
私は、それぞれのヒーローの強みと弱みがはっきりしているから
助け合えるんだろうなあと思いながら観ていました。


かなり前のことになりますが、あるテレビ番組を観て、
これと同じことを感じました。
昨年のサッカーW杯後、Jリーグの関係者たちが、
「日本はなぜ試合を決めきれないのか」というようなことを討論していた番組です。
出演者は「決めきれないのは、決めきるストライカーが少ないからであって、
そういう選手の特性である突出した個は海外には多いが、日本では育たない」
と言っていました。


確かに、海外のチームでストライカーの役割を担っている選手には
「突出した個」、つまり「なんなんだ、この選手は!」と
言ってしまいたくなるような個性的な人が多いと思います。
彼らは、「俺が決める!」という意識が高いので、
時には「なんじゃ、そりゃ!」と思えるような、
普通ではないプレーをしてゴールに迫って行きます。
そして、決めてしまうのです。


番組の出演者たちは、日本でこうした突出した個が育たないのは、
育成の基準に問題があるからだと言っていました。
サッカーをやっている子どもたちの中から、
将来性のある子を選んでいく時の基準が、
日本では「平均的に何でもできること」であるからだそうなのです。


ドリブル、シュート、ディフェンス、走力など、
あらゆる項目においてバランスがいい子が選ばれるのが日本。
劣っている項目もあるし、個が強すぎてクセがあるが、
ある項目だけはずば抜けてすごいという子が選ばれるのが
海外だということでした。


なるほどなと思いました。
「うまい」イコール「強い」では必ずしもありません。
ある水準以上に何でも平均的にこなせる選手が集まったチームは、
うまいけれども、強いかと言ったらそうではないことが多い。
「うまいチーム」が「強いチーム」になるためには、
「アベンジャーズ」のように、
個々のメンバーの強みと弱みがはっきりしていることが
むしろ必要なのだと思います。
そのほうがチームとしてのバランスがとりやすく、
お互いをフォローしやすいからです。


仕事でプロジェクトチームを組む時、あるいは採用などの時、
あらゆる項目で平均的な能力を持っている「普通の人」を
無難に選んでしまってはいないでしょうか。
その人がチームに加わった時、そのチームはどんなバランスになるのか。
それで勢いのあるチームになるのか。
そんな見方が普段も必要だなと思いました。

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