ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

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なぜ、マイケルのステージでファンが失神するのか

歌でも演技でも演奏でも、
人の心をぐっと掴むものと、そうでもないものがあります。


完璧なビブラート、完璧な声量で歌う歌手の歌を聞くと、
「わあ、上手い!」とは思いますが、後に残る感想は「上手かったね」でしょう。
まったく軸がぶれない、完璧な回転をするバレエダンサーの演技も、
「わあ、すごい!」とは思うでしょうが、
「感動したね」とはならないかもしれません。


では、何が人の心を動かすんだろう。


私が心を動かされたものをいくつか思い起こしてみました。
まず、先日引退宣言したフィギュアスケートの高橋大輔選手の演技、
マンボメドレー。
そして、故マイケル・ジャクソンのジャパンツアーでのステージ。


久々にこの2つをYou Tubeで観てみて、あることに気づきました。
それは、「間」と「緩急」、「強弱」です。
高橋選手もマイケルも、「間」の取り方、「緩急」や「強弱」のつけ方が
絶妙なのです。


高橋選手の場合、マンボというジャンルがそもそも強弱がはっきりしているから
ということもあるのですが、
音に合わせてぴたっと動きを止め、視線を落としたかと思うと、
少し間をおいて、ゆっくりと視線を上げ、その視線を流しながら滑らかに動き出す。


このバランスが何とも言えないのです。
観客が「きゃーっ!」と叫んでしまうのもわかります。
先日、テレビで元フィギュアースケーターの八木沼純子さんも言っていました。
「あれは、高橋選手にしかできない。他の選手には絶対にできない演技です」と。


そして、マイケル。ちょっと古い1987年、後楽園球場でのステージですが、
『スタート・サムシング』というとても速いナンバーを
ダンサーと一緒にめまぐるしく踊ります。
時間にして5分以上。
ファンは息もつけず、何とかマイケルについていくという雰囲気です。


が、突然、音楽もダンサーもマイケルもぴたっと止まる。一瞬、静まり返る会場。
あちこちから歓声が聞こえ始める。ステージはまだ止まったまま。
ファンは顔をぐしゃぐしゃにして大声で叫ぶ。そのボリュームが最大になった時、
ダンサーとマイケルはまた激しく踊り始めるのです。
マイケルのステージは度々ファンが失神することで知られていましたが、
改めて映像を観てみると、そうなってしまうのもわかる気がします。


こうして見てみると、「間」や「緩急」、「強弱」を上手にコントロールすることは、
相手の視線や気持ちをぐっと引きつけるためには
なくてはならないものだとわかります。


会話でもそうですね。
「あの人と話しているとおもしろい」と感じる人の話し方には、
この3つの要素が絶妙に含まれています。
反対に、話をしていて「退屈だった」と感じる時は、
相手が同じボリュームで、同じトーンで、
同じ表情でずっと喋り続けていることが多い。


さて、自分はどうでしょう。
私の場合、間は十分に足りてる気がしますが(滑舌が悪いから)、
その間が心を掴む間かと言われれば違う。
緩急と強弱は全然考えていなかった。
表情は。。。
「怒ってるの?」と子どもによく言われるからなあ、という感じです。
ああ、イカンなあ。
皆さんはいかがですか?

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