「自分をチームに合わせる」はチームのためになる?
ドイツのサッカーリーグ、ブンデスリーガ。
そこで現在、得点ランキング1位に輝いているのが岡崎慎司選手です。
6試合終えて、5得点。ものすごい数字です。
どのくらいすごいのかというと、
たとえばスペインリーグのネイマール選手が現在6試合で7得点、
メッシ選手が7試合で6得点です。
岡崎選手は、ネイマール、メッシとほぼ同じような勢いで得点しているのです。
岡崎選手がゴールを量産するようになったのは昨シーズンからです。
それまでは2シーズン半戦って10得点という数字でした。
1シーズンの試合数が34なので、85試合で10得点。
ここから今の成績を考えると、何かが劇的に変化したと思わずにはいられません。
「やはり得意なことに集中しようと思ったんです。
そして自分をチームに合わせることをやめたんです」。
インタビューで岡崎選手は好調の理由をこう分析しています。
所属チームが変わったことや監督が変わったことが理由だと思っていたら、
それは一番の理由ではないと言うのです。
なかなか結果を出せずにいた頃の岡崎選手は、
いろいろ器用にこなせる選手になろうとしていたのだそうです。
それが監督とチームが求めていることであったし、
そうすることでチームのためになると考えていたと言います。
しかし、うまくいかない。すべてが中途半端になってしまう。
そんなある日、改めて自分が何をやりたいのか、何が得意なのかを考え直し、
こう思ったのだそうです。
「自分は器用ではない。あれもこれもできない。
自分がしたいのは、ひらすらゴールに向かうこと。無我夢中で得点することだ」と。
「おもしろいのは、自分がゴールを目指すことに徹したら、
周りが合わせてくれるようになったことです。
こいつはゴールに向かう奴だと認識されたんでしょうね」。
「それまでは自分がチームに合わせようとしていた。
そうしないといけないと思い込んでいた。
でも、周りから見ると、何をしたい奴なのかわからなかったと思います。
だから結果としてチームのためになっていなかった」。
チームに合わせるのをやめて、自分の得意なことに集中したら、
チームが合わせてくれるようになった。
おもしろいなと思いました。
他のメンバー視点で見ると、
「ゴールする」という役割が明確になったことで、
それ以外のことをフォローしやすくなったのかもしれません。
結果を出すチームというのは、
そういったことがきちんと行われているのだろうなと思いました。
自分の得意なことって何だろう。得意なことで力を発揮できているだろうか。
メンバーは何が得意だろう。フォローはできているだろうか。
会社や家庭での役割、考えてみたくなりました。