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立体かフラットか

私のスマートフォンを勝手にいじって、ゲームを始めてしまう次男。
説明も読めないのにどうやって?と思いますが、
教えられたこともないのに、
タップしたり、スワイプしたり、という動作が自然にできるようで、
片っ端からアイコンらしいものをタップしたりしているうちに、
始められてしまうようです。


一方、スマートフォンに変えたら便利そうだ、と思いながらも、
「どこをどうやっていいのかわからない。ボタンもないし、矢印もない」
と言って諦めているのが両親。
一度、私のiPhoneで試したものの、
タップの力加減がわからずに、おかしなことになって、
それ以降、「無理だ」と言っています。


グラフィックデザインの世界では、フラットデザインと呼ばれる
立体的な要素をできるだけ排除したシンプルなデザインに注目が集まっています。
iOS7で採用されているようなデザインです。


一枚の絵として見た時、私個人はフラットデザイン好きです。
シンプルで、フォントもカラーも洗練されていて、カッコイイ。
私がこの業界に入った20数年前にカッコイイとされていた
デザインに近いような気もして、懐かしいような感じもあります。


でも、媒体が紙中心だった昔とは違い、今はネットやスマートフォンがあって、
ユーザーが操作することを前提としたデザインが必要です。
フラットデザインはカッコイイけど、フラットで本当にいいの?
という疑問が湧いてきます。


調べてみると、フラットデザインが注目されているのは、
どうやら制作サイドの事情によるところが大きいようです。


立体的なデザインでは、ユーザーインターフェイス(UI)は、
現実世界にあるものになるべく近づけて作られているため、
例えばメモ用紙のアイコン一つとってみても、本当のメモ用紙に見えるような影、
メモを破った時の紙のちぎれ方が、リアルに作り込まれています。
当然、この作り込みには多くの時間がかかります。
しかも、ユーザーが使用するデバイスが複数になると、
デバイスごとに作り込みが必要となり、制作時間は膨大になっていました。


そのうち、「そもそも2次元で3次元を表現することが本当に必要なのか?」、
「本当に大事なのはUIではなく、コンテンツではないのか?」
という声が上がるようになったようなのです。
シャドウやエンボスなどの立体的なエフェクトを
できるだけ排除したフラットデザインなら、
制作の負担が圧倒的に減り、
デバイスによって見え方が違うという問題に悩まされることも少なくなる。
また、シンプルで洗練されていて、本当の意味でデザインできる
(その分、高いデザインセンスが必要だという声もありますが)
というのも注目が集まる理由の一つみたいです。


もちろん、ユーザーにもメリットはあります。
一つは、画像が多く使用されていないことによるロードの速さ。
また、ガイドがシンプルなので、本来主役であるコンテンツに集中できることも
あげられています。


でも、うちの両親世代は、どこを押せばいいのかますますわからないだろうなあ。
そう思っていたら、ある記事にこんなことが書いてありました。


「フラットデザインはデジタルに慣れている世代には使いやすくなるだろうが、
デジタルに慣れていない世代には注意が必要。
用途やユーザー層を考え、適切なデザインを提供する必要がある」


なるほど。UI のデザインはこれからどんどん進化していくのでしょうね。
立体かフラットかに拘らず、シンプルで誰にとっても使いやすい、
そんな新しいデザインが将来出てくるんだろうなあと思いました。


さて、先週のメルマガでも少しお伝えしましたが、
当社のサイトが新しくなりました。
サイトを訪れてくださる方々に、
私たちのメッセージをよりシンプルにお伝えしたい。
そんな思いからフラットデザインの要素を採用しています。
ぜひご覧くださいませ。

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