ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

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社長の脳みそ整理mono-log モノログ

『社内広報&インターナルコミュニケーション』カテゴリの記事

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ヘアサロンで、雑誌「ELLE」(2015年12月号)を読んでいたら、
「現代人が"テンプレ脳"化する理由」という記事を見つけました。


結婚式で聞かれる「育ててくれてありがとう」という新婦の言葉や、
映画の宣伝文句「全米が泣いた」等に代表されるテンプレート化された言い回し、
さらには、そこに疑問にも思わなくなった思考パターンを指すようです。
「テンプレ脳」という言葉がキャッチーで、興味を引きました。


確かに、常套句や紋切り型表現が多用されていたり、
感動を誘うための決まり言葉がお約束のように使われていると、
辟易することはありますよね。
聞かされる側、読まされる側はそう感じますが、
言う側、書く側がそれを使ってしまうのは、
「想定通りの反応」、つまり「安心」を手に入れたいからなのでしょう。



脳の研究で知られる池谷裕二さんが、その記事でインタビューされています。
紋切り型の表現は、コミュニケーションをスムーズに行うために不可欠なもので、
社会に属している以上、それを手放すことはできないというのが池谷さんの見解。
むしろ歴史の中で残ったすべてのアイデアは紋切り型だとも言えるし、
その膨大なピースの中から、どれかとどれかを組み合わせることで
新しいアイデアが生まれる...、というような内容です。



まあ、これはアイデア論での通説ですし、反論はありませんが、
誰もがそれを器用にできるのか、というとできないのが現実です。
いったい、どうしたらアイデアは出やすくなるのでしょうか?


ちょうど最近、どうしたらイノベーションが生まれるのかが
社内で話題になり、個人の意識、集団の意識、
その両方が影響し合っているという話になりました。


たとえば、誰かの発言に対し、「それは前にやったけど、ダメだった」など、
すぐにネガティブな反応を示すことが許されている職場では、
絶対にイノベーションは生まれないでしょう。
ネガティブ反応を是としている集団意識が、
それなら発言するのはやめようという個人の意識を生んでしまうからです。
つまり、個人頼みでは、解決できそうにありません。



WISDOM「ビジネス教養塾」(09/01/13)に、
《「仕事ができる」を脳科学から考察》と題された池谷さん(前出)の
アイデアに関するインタビューが掲載されていたので、要点を抜き出してみました。


・いいアイデアは、集中している時よりも、意識が分散している時の方が出やすい。
・そのような時、脳は「ゆらぎ」の状態にある。
・お風呂やトイレ、散歩の途中にアイデアが浮かぶのは、このため。
・脳の「ゆらぎ」は、環境によって大きくなったり小さくなったりする。
・私たちのやる気とかモチベーションは、内側から出てくるものではなく、
脳を刺激する環境によってつくられる。


おもしろいと思うのは、アイデアにもやる気にも、
環境による脳への刺激が絡んでいるということ。
思い返せば、たくさん思い当たることがありますよね。


たとえば、、、
一人で考えても、何も出てこないのに、人と会話するとアイデアが出てきたり。
「いいね〜」という誰かの反応がきっかけとなって、会話が盛り上がったり。
ミーティングで座る場所を変えたら、煮詰まっていた状況から脱却できたり。


とあるファッションブランドで社長を務める、
私の友人がこんなことを話してくれました。
「私は、毎朝《ブレンド&リード》と念じてから出社している」と。
《ブレンド&リード》というのはリーダーシップのあり方を示すと同時に、
会議の参加者の発言を上手に拾って、ミックスしながら
一つの方向性へとまとめていくスキルでもあります。
たとえば、「このアイデアのいい点は〜だね」と拾ってもらえるので、
参加者にとっては「安心」できる環境が生まれます。
彼女は、それがいかに重要かがわかっているから、毎朝念じている。さすがです。


まとめます。
アイデアを出しやすくするには、
「安心」、「ゆるさ」、程よい「刺激」を作ること。
加えて、アイデアを出しやすい環境はみんなで作るもの、
予めそう全員で合意しておくことも必要かもしれません。


アイデアが出やすくするためのアイデア、
それを考えるのはリーダーの仕事かもしれませんね。
11月も後半戦。どうぞ良い1週間を!

⚫️大好きだった友だちMさんが残した言葉「NCRWを忘れないで」とは?


「NCRW」。初めてこの言葉を聞いたとき、なんのこっちゃい?と思いました。しかし、今は、リーダーが持つべき素晴らしい哲学だと、私は受け止めています。なぜ、今日、「NCRW」について書こうと思ったのか。それには訳があります。


一昨日の11月3日、私より3つ上の先輩であり、大切な友人のMさんが亡くなりました。その彼が社会に対して伝えたかったメッセージ、それが「NCRW」です。NCRWとは、コーチを養成している世界的組織、CTIが提唱する「コーアクティブ・コーチング(R)」の根底に流れる次のような考え方を表すものです。その考え方とは...


People are ;
Naturally Creative Resourceful and Whole. (NCRW)
人は;
もともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である。


亡くなったMさんは、コーチとして活動している人でした。私が初めて出会ったのは、昨年、2014年4月。1年間のリーダーを対象とした学びの場においてです。しかし、その半年後、Mさんは余命10カ月と医師から診断され、そのことを共に学んでいた私たち仲間に公表しました。ガンでした。結果、診断よりも2カ月長く生き切って、一昨日亡くなったのです。


昨年、Mさんが余命宣告を受けた後、私は彼とメッセージ交換をしました。ゆっくりと飲みながら対談し、最後にお互いが相手にメッセージを贈る、そんな約束での会食でした。事前に私は、彼に対しこのように趣旨を説明しています。

...誰にでも発したいメッセージがあると、私は思っています。誰に向かってかといえば、広くは社会だし、後世の人たちだし、狭く言えば、家族や友達に向けて。私はそれを聞きたいのだけど、そういうと広すぎるので、「私」に向けて、メッセージをほしいです。それは、私以外の人にとっても、きっとメッセージになるはず。...


そんな私の要望に応えてくれて、彼はメッセージをくれました。次の3行に彼の思いが凝縮されています(実際にはさらに多くの言葉があり、内容も複眼的なものでしたが)。

『NCRWと出会って、僕自身が大きく変わった。これを広めることで、人と人のコミュニケーション、人と人の関係が変わるという信念を僕は持っている。社会を良くするためにも、自分や周りの人が幸せであるためにも、NCRWを忘れないでほしい。』


亡くなったMさんは、もともとは厳格な父親でした。しかし、この言葉に出会い、すでに成人していたお子さんとの関係を変えたいと思ったそうです。そして、彼は子どもを変えようとすることをやめ、自分が変わろうと考えました。すると、彼は、その後、どんどん変わっていきました。私が最初に出会った昨年4月、彼の第一印象は、は岩のように頑として動かなそうな、近寄りがたい人物...というものでした。でも、上のメッセージを贈ってもらった昨年11月、彼は相手を包み込むような受容の人になっていました。それ以降、ずっと彼は、自分をオープンにして、その生き様を見せてくれたような気がします。


知り合って1年半の間、Mさんは私に対してNCRWの言葉通りに接してくれました。私が悩んでいるときに、何度も「ありのままのあなたでいいんだよ」と声をかけてくれました。一方で、ある友人は、突き放されて叱られたそうです。突き放されても、愛を感じたそうです。NCRWを握って叱咤激励をしてきたMさん。


もう一度、書きます。
NCRW=人は、もともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である。
それを忘れないでほしいと、私は託されました。



⚫️防衛本能が「NCRW」の敵


さて、、、、
私は、周りの人に対し、NCRWのような考え方、持てているのでしょうか。
あなたはどうですか? そういう考え方をどう思いますか?


たとえば、部下の出した結果が期待を下回ったとき、
「なんでこの程度しかできないんだ? どうして期待に応えてくれないんだ」と
心の中で相手を責めていないでしょうか。
それをきっかけに、相手の力はこんなもんだと決めつけたりしませんか。


たとえば、自分の子どもが親である自分の言うことを聞かないとき、
「困ったものだ、こんなことではこの先が思いやられる。どうしたものか?」と
子どもに不満や不安を抱いて、ついつい言葉に出していないでしょうか?
(私の場合の対象はむしろ親になりますが)


悪気はないのに、デフォルトの私たちは、上のように反応してしまいがちです。なぜか。私たちにとって、「成果が現れない(できない)」のは「恐ろしい」のです。それは防衛本能からくるものです。「恐ろしい」という防衛本能を源にコミュニケーションしようとすると、無意識のうちに相手をコントロールしたくなります。本当に、無意識のうちに、です。しかし、そうすると、相手は期待に応えるどころか、本来持っている力を出し切れず、その力はどんどん弱まってしまいます。


私に限らず、あなたに限らず、私たちは防衛本能に根ざした潜在意識で自分を縛ってしまいがち。その潜在意識は、自分本来の「こうありたい」「こうしたい」を妨害するだけでなく、人との関係の「こうありたい」を阻害します。そして、「こうしたい」「こうありたい」方向にある自分と、それを押しとどめようとする自分との間で葛藤しながら、生きています。本当は安心して人を信頼したいのに、思うようにできなかったり。

ところが、もし相手の想像力、才知、あらゆる潜在能力を信じて、そこに立脚して関係を作ろうとしたなら、いったい何が生まれるでしょうか。
NCRWという言葉は、NCRWで接した関係とそうでない関係とでは、まったく違う結果が生じるはずだ...と教え諭しているのだと思います。



⚫️「あなたはできる!」と「大丈夫?できる?」の違い


相手を信頼する、相手の力を信頼する、いずれも見守る側の心情としては、簡単なことだとは思いません。でも、「あなたはできる!」と信頼から始めるのと、「大丈夫? できる?」と半信半疑で始めるのとでは、その後の関係も変わるし、結果も変わるはずです。というのは、何かを成そうとしたなら、当人がまず「自分はできる」と思えていることが不可欠です。自分が「自分はできる」と思えていないことには、大抵できません。そんな経験、ありますよね。「できるかな?」と不安に思っていたら、案の定舞い上がってできなかった、など。心のあり方が自分のパフォーマンスに大きく関係しますよね。だからこそ、相手に何かを達成してほしいなら、当人に「自分はできる」と思ってもらうことが不可欠なのだから、「大丈夫? できる?」というスタンスで周りが接触していいはずがありません。Mさんが伝えたかったNCRWの本質の第一は、こういった人の能力をいかに高めるかという視点だと思います。でも、私の勝手な解釈では、それだけではなく、もっと大きなものだったと感じます。

たとえば、子どもが生まれてきたその瞬間に、その子の能力がどうであるかなどと無関係に、ただただ生まれてきてくれたことに感謝し、幸せな気持ちになるのではありませんか? 命の尊さに触れると、誰でも敬虔な気持ちになると思います。きっとMさんは、そういうことを悟り、そういう広さでNCRWという哲学を伝えたかったのではないかと、私は解釈しています。


長くなってきました。最後に私の友人、Mさんの思いを、もう一度、書きます。


『NCRW(人は、もともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である)と出会って、僕自身が大きく変わった。これを広めることで、人と人のコミュニケーション、人と人の関係が変わるという信念を僕は持っている。社会を良くするためにも、自分や周りの人が幸せであるためにも、NCRWを忘れないでほしい。』

今回の記事タイトルを見て、「うそ〜ッ!この暑いのに、ありえない!?」
と思いましたよね(笑)
これは、この夏ではなく、今年の1月に実家の母が私に言ったつぶやきです。
今日は、この「やりたくない」という人の心理について考えたいと思います。



母が、「今日はお風呂に入りたくない。明日入るからいいわ」と言った時、
それが続いているようだったので、私は理由を聞きました。
すると、出てくるわ、出てくるわ、8つぐらいの理由を持ち出して、
なぜお風呂に入りたくないのかを説明したのです。


脱衣所が寒くてイヤだ、
バスタブをまたぐ時に膝が痛い、
風呂場で転ぶと怖いから、呼んだら聞こえる場所に誰かにいてほしい、
夜は疲れてしまっているので昼に入りたい、
服を脱ごうとすると腕が痛い、等々。


でも、これらはある意味、母にとっては、全部本当のことでした。
障害を取り除くことで「やりたくない」が「やりたい」に近づきます。


これは、たまたま母の事例ですが、
誰でも、多かれ少なかれ、やらない理由、先延ばしにする理由を見つけて、
やらないことを正当化することがあるのではないでしょうか。
仕事でもありますね。



マーケティングやコミュニケーションの世界では、
人は、読まない、理解しない、信じない、行動しない、
という前提で伝える必要がある...とはよく言われることです。


誰だって、億劫なものは、億劫なのです。
ですから、やらない理由となっているもの(障害)を取り除いたぐらいでは、
やっぱり「やりたい」とはなりません。
自ら進んで行う動機がないからです。
私が母に言ったのは、「入浴すれば、病院の先生を不快にしなくて済む」でした。
ちょっと意地悪ですが、羞恥心という痛みに切り込んで、動機付けにしたのです。



この例は、会話のケースなので、「読まない」という状況は生まれません。
でも、メール、メルマガ、社内報、社内向け資料のコミュニケーションでは、
「行動しない」どころか、「読まない」をクリアしないことには始まりません。
そこで重要なのが、タイトルなんですね。


一般に、人間の行動原則は「痛みを避けて快楽を得る」なので、
読む動機となるものも、大別すれば「快楽」か「痛み」だと言われていますし、
その先にある「ベネフィット」が動機となるという言い方もできます。
facebookで、ついつい読んでしまう「ちょっといい話」系のコンテンツは、
「快楽」系です。人は感動が大好きですなんですね〜


書店に並んでいる本のタイトルも分類すると、こんなふうに分けられます。
★快楽系ベネフィット
・「美人はこれを食べている」
・「人生がときめく片づけの魔法」
★痛み系ベネフィット
・「病気にならない生き方」
・「知らないと恥をかく世界の大問題」



しかし、この実践、そんなに簡単ではありません。
たとえば、先日まで私が書いていた「NVC」に基づく「言葉の壁シリーズ」。
ハウツー系コンテンツに対する皆さんの関心を知りたくて、書いてみましたが、
「読んだよ」のPV数からすると、第1回を除き、あまり好評とは言えませんでした。
原因はいろいろあるかと思いますが、、、、
タイトルから、何を解決するためのコンテンツなのか、
ベネフィットがわからない上に、
「え? なになに?」という興味も持てなかったからではないか...と思っています。
あるいは、そもそも月曜の朝から、こういうハウツーは読みたくない...
というのもあったかもしれません(笑)


そういう意味では、今回も実験です。
月曜日の朝から!「今日はお風呂に入りたくない」というタイトルで、
いったい何割ぐらいの方が読んでくださるでしょうか。
【読んだよクリック数=開封した人数=読んだ人数】ではありませんが、
今号の「読んだよ」クリック実験の結果は今度紹介します。



今週5日(水)は宣伝会議様主催の「インナー広報実践講座」で講師役を務めます。
http://www.sendenkaigi.com/class/detail/inner_communication.php
当社主催セミナーもプラニングしたいのですが、追いついておりません(泣)


8月に入りました。夏休みに入る方も多いことでしょう。
本当に暑い!のですが、お互い熱中症に気をつけて、夏を乗り切りましょう!

リーダーであったり、リーダーの参謀として社内広報に携わっている皆さんは、組織メンバーに「何か」を伝えることに関わっているのではないでしょうか。その「何か」には、継続的な方針や理念的なメッセージもあれば、変更や転換、新規導入に関することもあるでしょう。より刺さる伝え方を常に研究しているのではないでしょうか。


そこで、今日は、ストーリーには人の心を動かす力があり、その構造には、パターンがあるという内容でお届けしたいと思います。


きっかけは、昨日、テレビのレコーダーから番組の録画データを消去していたら、5月頃にNHKで放映された「ハリウッド白熱教室」が録画されていて、何の気なしに観てみたところ、インナー広報はもとよりプレゼンなどでも有効であることがレクチャーされていたので、シェアしたいと思ったからです。
内容は、南カリフォルニア大学/映画芸術学部/ドリュー・キャスパー教授の講座です。全体としてとてもおもしろいものでしたが、ストーリーに関する部分は、言ってみれば定番的な話でもあります。しかし、だからこそ、知っておくべき価値があるのではないでしょうか。


ですが、その前に、、、
そもそも「ストーリー」とは何なのでしょうか? 日本語で言うと、「物語」ですよね。「ストーリー」「物語」の定義って、意外に定説がないんですよ。というか、辞書などで調べれば、それなりの意味が出てきますが、「ストーリー」や「物語」について述べられている時に、意外にその定義が示されていないことが多いのです。


キャスパー教授は、明瞭に「ストーリーの定義とは...」とは語っていません。ちょっと意訳ですが、こんなことを語っています。

私たちの日常は、偶然の出来事で出来ている。
人は、その出来事に、後になって向き合わなくてはらない。それを可能にするのがストーリーである。立ち止まって自分の人生をストーリーの形で回想してみることで、日常や偶然に潜んでいるものを理解することができる。
映画とは、脚本とは、そういうストーリーを与えてくれる。
ストーリーとして語ることで、日常の出来事、習慣に深淵な意味を示すことができる。ストーリーを通じて、悲しみを乗り越えるためのメッセージを伝えることもできる。まず、人生があり、書き手/話し手がそれをストーリーにする。

ストーリーには感情が込められ、ありふれたことの中にある意味や奥深さを伝える。


うーん、残念ながら、決してわかりやすい説明とは言えません。

が、前後の流れから、キャスパー教授が伝えたかったことを推測しながら、私は「ストーリー」というものをこんなふうに定義してみました。



困難に遭遇した主人公の「状況」と「感情」が、訳があって「変化」していく顛末をまとめたお話。

ふう、ようやく本論に入れます。
この定義に基づき、人はどういうストーリーに共感し、感動するのか、キャスパー教授のレクチャーを要約します。

キャスパー教授によれば、満たすべき条件は:
・主人公がいる
・かたき役がいる(一人の人間とは限らず、自然環境や制度なども含まれる)
・対立構造がある
・対立がピークを経て、収束する
私の理解では、かたき役は人の葛藤の根源です。「自分」であってもいいのです。
現に、ヒーロー物でもバットマン、スパイダーマン、表向きの敵以外に、みーんな自分と葛藤しています。それが面白くもあるんですよね。


そして、ストーリーの一番古典的な構造は、3つの段階を経て進みます。
《冒頭》場面設定と主人公の紹介
《中間》主人公とかたき役の対立
《エンディング》物語の結末(達成 OR 挫折)

この直線的な構造は、ギリシャ時代の戯曲にすでに見られ、アリストテレスが解明し、現代の映画(ヒーロー物やアクション物に限らず)にも生きています。


さて、この原理がなぜ仕事などのコミュニケーションでも有効なのかという質問が聞こえてきます。


たとえば、インナー広報で:
「新商品「○○○」を○月○日から販売」
「○○工場が竣工しました」
「新たな人事制度が始まります」といった情報発信をしたとします。
このタイプの発信で伝えるであろうことは、「出来事」や「説明的情報」です。
オープンした/発売した → 出来事
特長は〜/目指すのは〜 → 説明的情報
報道に近い形式の発信です。この形は、90%ストーリーにならないのです。


それに対し、同じ発売の情報でも、
「新『○○○』の誕生秘話〜チーム○○が乗り越えた3つのハードル」。
これは、ストーリーに成り得ます。


営業での提案にも、ストーリーの考え方は応用して使えます。
主人公は見込み客企業。
かたき役は、競合でも良いですし、非効率であったり、高コストであったり、
品質やスピードを危ぶむものであったりして良いのです。
放っておくと、どうなるのか、を見せてもいいですし、
解決すると、どうなるのかと、2つの結末を対比して見せることもできますよね。


社内報などの記事も、プレゼン用のパワポも、
この構造を決める段階で、善し悪しがほぼ8割が決まります。
だから、いきなりパソコンに向かわずに、大きなストーリーを組み立てる、
これが重要です。


なーんて書いていたら、文章講座を開催したくなりました。
はい、近々、どこかでと考えています。

7月も最終週です。どうぞ良い1週間を!

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 最近、社内で議論していることがあります。それは、そもそも「組織内コミュニケーションが良い状態とはどんな状態なのか?」、それをどう定義づけるかについてです。組織内部のコミュニケーションの構造は、組織の中に縦横無尽に張り巡らされた蜘蛛の巣のようなもの。ただし、その中でも理念やビジョン、方針というものは、どっしりと中心に座っている、そんなイメージがあります。「何が」「どうなっていると」「良い状態なのか?」。私が勉強不足なのかもしれませんが、すっきりわかりやすい体系というものにいまだ出会えていません。


 一般に、社内広報部門が担う組織内コミュニケーションは、情報発信的な「1対多」のコミュニケーションを指すことが多いように思います。けれども、組織内コミュニケーションの良い状態というのは、社内広報担当だけで作っているのではなく、1対1のコミュニケーションと、1対多のコミュニケーションの絡み合いの上に成り立っているといっても過言ではありません。ですから、「組織内コミュニケーションが良い状態」を定義づけるときも、1対多のコミュニケーションだけでは規定できず、1対1のコミュニケーションについても触れないのはおかしいのではないか、、、と、私は今、そんな視点からこの問題を眺めています。


 しかし、そもそも「コミュニケーションが良い状態」を普遍的に定義づけることができるのだろうか?という疑問もあります。たとえばですが、ホテルのエレベーターの中。海外に行くと、「Good morning!」とか「Hi」と声をかけられることがあります。でも、日本のホテルでそういう風景はあまり見かけません。どうするとコミュニケーション的に心地よいかの感覚が、そもそも違うからだと思います。だとすると、「絶対的な良い状態」を規定することはできるのでしょうか。これは「幸福とは?」を規定する作業に似ていますね。でも、だとすると、できるのかもしれませんね。


 また、今、企業が人材に求める「コミュニケーション能力」というのも、意外にも曖昧なのではないか?...と、そんなことを思ったり。ロジカルシンキングとか、プレゼンテーションスキルとか、グローバルなコミュニケーション能力などの重要性は誰もが認識しているところではありますが、そもそも何をもってコミュニケーション能力があるというのか、実はすっきりした共通認識はないのだと思います。

 リーダーシップとコミュニケーション能力の関係性についても同様です。当然、関係していると誰もが思っていますが、そもそも広い意味での「コミュニケーション能力」とリーダーの「コミュニケーション能力」は区別されるべきなのかどうか。


 この問題意識は、私自身のもやもやから始まりました。グラスルーツはコミュニケーションの会社。なのに、「コミュニケーションが良い状態」の定義を持たず、お客様ごとに問題の捉え方を変えて行っていいのだろうか、、、と。これは、結構難しい問題で、永久に悩むかもしれません。でも、今の段階で私が思っていることを書くならば、一般論は置いておいて、私たちグラスルーツが描く理想の「コミュニケーション」をまず定義づけるべきなのかな、と、そんなふうに思っています。


いやぁ、「コミュニケーション」というのは、日々耳にする言葉で、わかったような気持ちになりやすい言葉ですが、実はとっても奥が深くて、一言では語れない言葉ですよね。本当は、今日は「わかりあえないことから」(著:平田オリザ)というコミュニケーションに関する本を紹介しようかと思っていたのですが、私の現在地報告というか、問題意識の紹介で終わってしまいました。でも、これ、とても重要なテーマだと思います。お互いにわかったような顔をして「もっとコミュニケーションを図ろう」などと言う前に、そもそもそれが何なのかを議論することが先決なのですよね。その骨太なテーマ(多分、永遠のテーマ)について、私たちグラスルーツは、おごそかに、かつ、熱く語り合える会社でありたいと思いを新たにしました。

岡田准一さん見たさに、今年も観てきました、NHK大河ドラマ! そのドラマ『軍師官兵衛』もそろそろエンディングに向かいつつあります。

が、このドラマ、ビジネスパーソンの多くが観ているはず...と思うのは誤りのようですね。知り合いでもあり、株式会社アタックスの執行役員である北村信貴子さんは、研修会で「NHKの大河ドラマ『軍師官兵衛』を見ている人、手を上げてください」と聞いても、少数の人しか手を挙げないと、今年の8月頃の同社コラムでそのように書いていらっしゃいました。

北村さんは、現代社会は多様性に満ちており、このドラマは観ているはず...と言えるようなものは存在しないので、リーダーである社長は「他から入ってくる情報が霞んでしまうほどの強烈な情報発信力で、組織の中に共通認識を醸成していくということ」が重要だと述べています。(コラムはこちら)

ワタシもまさに同感です。「共通認識」は私の言葉に置き換えると「共通言語」となりますが、共通言語があるのと、ないのとでは、力の出し方が変わります。共通言語があるということは、逐一説明しなくても成立するコミュニティですが、共通言語がなければ、言葉の背景に始まり、その言葉が背負っている意味を説明しないと話を始めることさえできません。

たとえば...、
当社の価値観には「フェアであること」というものがあります。そして、その意味の中には当社固有のものも含まれています。だから、たとえば社内で「それは、フェアじゃない」と言ったとして、それを聞いた人は、その意味が必ずしも辞書通りの意味とは限らないことを知っています。ところが、もし今日入社した新人が「それは、フェアじゃない」と聞いても、恐らく辞書通りに「公明正大ではない」等の意味でだけ捉えるはずです。意味を合わせるには、それなりの時間を使わないとなりませんねね。

さて、北村さんがおっしゃるように、リーダーは共通認識の土壌を築くことを常に意識すべきなのだと思いますが、特に、何か新しいことを始めようとするときには、そもそも共通言語はないので、意識しないわけにはいかないのではないでしょうか。だから、リーダーは言葉を作らなくてはならないし、その言葉を持つことがいかに重要かも認識する必要があります。

『軍師官兵衛』にも出てきますが、信長は、天下統一に際して「天下布武」(てんかふぶ)という言葉を掲げました。「布武」というのは、「七徳の武」(暴を禁じ、戦をやめ、大を保ち、功を定め、民を安んじ、衆を和し、財を豊かにする)を持つ者が天下を治めるに相応しいという意味であったとか。信長の真意が何であれ、信長の「天下布武」は歴史的スローガンの一つと言えます。つまり、信長の時代から(いや、もっと以前でも)、自分のやりたいことやその志の意義を短く言葉にまとめることがいかに大切であるか、歴史のリーダーたちは知ってたのです。そのくらい概念を短い言葉で表すことは大切なんですね。それにしても、漢字四文字で表せるというのは、便利ですね〜 漢字文化圏で暮らす以上、もっと活用した方がいいかもしれません!

次回は、裸の王様化してしまった秀吉について、その「なぜ」について妄想的にアプローチしてみます。私の予想としては、秀吉は「箱に入った」のだということだけ、お伝えしておきます。歴女でもないのに、こんな予告しちゃっていいのかしら...と思いつつ、まーたらーいしゅー!

あなたは、自分の考えを文章などで人に伝えようとした時、どのような手順で考えていますか?


最近、「つまり...」と考えるスキルが、情報発信(特にメッセージ発信)ではとても重要だなと感じます。でも、このスキルを習得するのは、簡単なようで、実はとても難しいですよね。当社の「文章構成力講座」でも、このスキルを磨くための演習を行っていますが、参加者の皆さんからは、重要性を再認識したという感想が多く聞かれます。こうやって毎週ブログを書いているワタシ自身もこの「つまり...」にいつも悩みますし、「ヨシ!」と思って書き終わることは、実はそんなに多くありません。


「つまり」という言葉は、「簡単にまとめると...」「一言で置き換えると...」などの意味ですから、一般的に言えば、「まとめ方が重要」というふうに聞こえるかもしれませんが、ここで言うのは、実はまとめる前の「思考法」としての「つまり...」についてです。


書き言葉であれ、話し言葉であれ、人が何かを発信するのは、発信すること自体が目的ではなく、伝えたい内容を、相手の心に、こちらの意図通りに届けることが目的です。そのためには、自分が伝えたい考えやメッセージは何なのかを明らかにする段階と、それを明らかにした後に、どうしたらわかりやすく相手に伝わるかを考える段階の両方で、「つまり...」とシンプルかつ分かりやすく整理することが必要になります。この2段階に分けてシンプル化する思考法が、何かを発信する時にはとても重要なのですが、実際には言うは易く、行うは難しです。


なぜ、そんなに難しいのでしょう。
まず、最初の「つまり...」の段階(自分の考えを明らかにする段階)で、なかなか考えがクリアにならないからです。自分の頭の中でクリアになっていないものを、相手に分かりやすく伝えるのは不可能です。そして、自分の考えがクリアにならない原因は、2つあります。


第一は、多くの場合、抽象概念のまま考えていることによるもの。たとえば、お客様満足について伝えたいとして、そこで伝えたいお客様満足とは具体的にどんなことなのかを明らかにせずに、ただ単にお客様満足という言葉を使っている。考えの掘り下げ不足から来ると言うこともできます。


第二は、端的なメッセージに落とし込んでいないからです。


仮に自分の考えがクリアになったとして、相手に伝えるための「つまり...」の段階にはどのような問題があるのでしょうか? 最大の問題は、相手の立場に立って「つまり...」と考えなければ、わかりやすく伝わらないのだ、という認識を持っている人が少ない、ということです。認識を持っていないがために、相手の立場に立たず、自分の伝えたい順で伝えてしまうのです。その結果、たとえば、それが何かを伝える前に、なぜそれが重要かを力説してしまう...ということが生じます。


2つの段階に分けて、「つまり...」と考えるクセをつけることで、伝えたいメッセージは届きやすくなります。文章やプレゼン資料の作成時には心がけたいものですね。



PS:友人と共同で、10月13日(月祝)にワークショップを開催します。一言で言えば、独立したばかりのプロコーチ/カウンセラーを対象とした、「自分を伝えるキャッチフレーズづくりワークショップ」です。キャッチフレーズも「つまり...」と絞り込む発想でないとつくれませんね。詳細は「こくちーず」でご案内しています。ご興味がありましたら、ご覧ください。

140714_ladygaga.jpg先日、あるお客様から「ダイバーシティ」の社内広報活動についてご相談をいただき、いろいろ考えるところがありました。

そこで、まず皆さんに質問です。
「ダイバーシティ」と聞いて、その意味をパッと言えますか。もしかしたら、当社のブログ読者は意識が高くて、「『多様性』ってことでしょ?」とか、「これからの経営では、『多様性』を重んじないとダメだという考え方でしょ?」と迷わず思ったかもしれません。
でも、一般的には、まだまだなようです。セルフ・エスティーム研究所が実施した調査(2012年)では、「ダイバーシティーという言葉を聞いたことがあり、意味も理解している」という回答は13.7%だったようです。さすがに、最早2年が経過しているので、もう少し認知度は高まっているかもしれませんが、未だにみんなが知っている状況だとは考えにくいです。

ダイバーシティ&インクルージョンって?

であるにも関わらず、「ダイバーシティ」という概念に加えて、アメリカではまたまた新たな概念が生まれているようです。それは、「ダイバーシティ&インクルージョン」。ダイバーシティでさえ、まだ浸透していないのに...と思いますよね。でも、アメリカではすでにそのように進化しているらしいです。

いったい、インクルージョンとは何なのでしょうか? 比較的わかりやすいと感じたのが、HUMAN VALUE社の解説です。以下、同社サイトからの引用です。

言葉自体の違いをみると、「ダイバーシティ」は人々の差異や違いを意識した言葉であり、「インクルージョン」は一体になるという意味合いの強い言葉である。そして、ダイバーシティは多様性のある状態を作ることに焦点を当てているのに対し、インクルージョンは人々が対等に関わり合いながら、組織に参加している状態を作ることに焦点を当てている。また、ダイバーシティが多様な人が働くことのできる環境を整える考え方に近いのに対し、インクルージョンは1人ひとりが自分らしく組織に参加できる機会を創出し、貢献していると感じることができる日々のマネジメントや文化を作ろうとする発想に基づいている。

「ダイバーシティ&インクルージョン」をワタシなりに意訳すると、「多様な人たちがただ集まっている状況を生み出すことをゴールにするのではなく、多様だからこそ生み出される可能性の広がりを信じて、これをさらに進めよう」ということだと思います。本来のダイバーシティにも、そのような概念は含まれていたとワタシは思っていましたが、言葉の直接的意味から、そこまで広い概念を伝えるのは難しいのかもしれません。ただ、まだ書籍も少なく、一般的な定義はないようです。

で、改めて「ダイバーシティ」。
安倍政権が女性の力を活用すべきと訴えるようになって、それはイコール・ダイバーシティではないにしても、まずはそこを足がかりに、社会の変化がスピードアップしそうなのは良いことだと思います。男性と女性というのは、ほぼみんなが当事者です。そんな基本的な「差」を受容してポジティブに活用できなければ、さらに様々な多様性を受容して、イノベーションにつなげるなんてできないと思います。

もっとシンプルに考えよう!

この「ダイバーシティ」という概念、カタカナで入ってきているだけに、どうも私たちは難しく考えてしまいますが、本当は(多分)コムヅカシク考えてはいけないのですよね。誰もがそれぞれに生きる意味を与えられて天からこの世に送り込まれてきたと考えれば、その力を生かさないのはもったいない。そのくらいシンプルに考えるべきだと思います。

そんなふうに考えていたら、レディー・ガガの曲「Born This Way」の歌詞が、まさにダイバーシティじゃないか!と思ったので紹介します。レディー・ガガは、見た目が斬新すぎて、そちらのイメージの方が強いですが、メッセージの内容やその発進力はリーダーのお手本ですね。東日本大震災の際の行動とメッセージも脱帽ものでした。

さて、同じ「Born This Way」の日本語訳でも、ネット上には様々な人が様々な訳をアップしています。ワタシがお勧めするのは、「おすすめ洋楽&歌詞和訳」さんです。一部抜粋して紹介しますが、全体の詩はリンク先サイト等でご覧ください。

Lady GaGa - Born This Way


My mama told me when I was young
小さい時にママが私に言ったわ
We are all born superstars
私たちみんなスーパースターとして産まれたのって
She rolled my hair and put my lipstick on
彼女は私の髪を巻いて、口紅をつけてくれたわ
In the glass of her boudoir
彼女の寝室の鏡の前で

"There's nothin' wrong with lovin' who you are"
"ありのままの自分を愛することに間違いなんてないわ"
She said, "'Cause He made you perfect, babe"
彼女は言った、"神があなたを完璧にしてくれたから、ベイビー"
"So hold your head up, girl and you you'll go far,
"だから頭をあげなさい、そうすれば遠くに行けるわ"
Listen to me when I say"
"私が話してる時はちゃんと聞きなさい"
(略)

Don't be drag, just be a queen
ダメな人間になるな、クイーンになるのよ
Whether you're broke or evergreen
あなたが一文無しでも、大富豪でも
You're black, white, beige, chola descent
黒人でも、白人でも、黄色人でも、ヒスパニックでも、イタリア系でも
You're lebanese, you're orient
レバノン人でも、東洋人でも
Whether life's disabilities
例え人生が障害に満ちたもので
Left you outcast, bullied or teased
のけ者にされ、いじめられ、からかわれも
Rejoice and love yourself today
今日の自分を楽しみ愛しなさい
'Cause baby, you were born this way
だってベイビー、あなたはそうなるように産まれたのだから

No matter gay, straight or bi
ゲイでも、ストレートでもバイセクシャルでも
lesbian, transgendered life
レズビアンでもトランスジェンダーの人生を送っていても
I'm on the right track, baby
私は正しい道を進んでいるのよ、ベイビー
I was born to survive
生き残るように産まれたの
No matter black, white or beige
例え黒人でも、白人でも黄色人でも
chola or orient made
ヒスパニック系でも東洋系として産まれても
I'm on the right track, baby
私は正しい道を進んでいるのよ、ベイビー
I was born to be brave
私は勇敢に産まれたの

I'm beautiful in my way,
私は私の形で美しい
'Cause God makes no mistakes
だって神が間違いを犯すはずはないから
I'm on the right track, baby
私は正しい道を進んでるいわ、ベイビー
I was born this way
私はこのように産まれたの
(略)

※YouTubeで見る(一応お伝えしますと、ビキニ姿です...)

考えてみれば、男性も女性も関係なく、
あなたもワタシも、誰も彼ももこの世に一人しかいない存在。
あなたにしか、ワタシにしかできないことが、きっとあるはず。
そういうことをお互いに信じ合い、認め合える世の中になるといいですよね。
ワタシもそれを100%体現できているかと言うと、できていないと思います。
だから、まずそういう社会をイメージしてみるというのは大切ではないでしょうか。

では、今週も良い1週間でありますように!

La YAMANO銀座本店

 

先週の火曜日(6/24)、私どものお客様、株式会社ビューティトップヤマノの銀座本店がメディビューティサロン「La YAMANO」としてリニューアルオープンしました。

私たちは、サロンコンセプト策定には携わっていませんが、サロンのお客様像とお客様と接する技術者像について、求める姿を取りまとめるプロジェクトで支援をさせていただきました。専門的な言葉で言えば、ペルソナづくりです。オーナー会長の意向を汲みつつ、幹部の皆さんと議論しながらまとめあげる、そのようなプロジェクトでした。その背景には、美容界のリッツカールトンと言ってもいいくらいの、感動を伴うようなサービスを提供する超一流のサロンを目指す、ということがありました。
ペルソナづくりでは、名前や年齢、職業はもちろん、年収や住まい、ライフスタイルや価値観などを緻密に決めていきます。生活収支なども作成し、消費のスタイルも具体的に描きます。しかし、箇条書きによるまとめ方だけでは臨場感が乏しいため、その人物の生活シーンを描いた「物語」を作成し、よりリアルに感じられるようにします。詳細はお伝えできませんが、顧客ペルソナは広瀬由加子さんという人物です。写真右下の西川店長はその会議のメンバー。会議では、いつもさらっと核心をつく発言をされ、場に対し程よい緊張感を与えてくださっていました。

サロンのコンセプトは、HAIR、SCALP、SKIN、BODY、PHYSICAL、MENTALの6つの分野のトータルなケアを提供する「メディビューティ」。そして、売りの一つが、ヘアケア製品ブランドの「PHYTO」の導入です。「PHYTO」は、フランスのシャトールーにあるPHYTO研究植物園で栽培された安全な植物をもとにつくられており、しかも、一般的なヘアケア製品と異なり、水を極力使わずに製造されているという特徴があります。世界的なブランドにもかかわらず、日本進出は初だそうです。

この日、ワタシが試したのは、『FHYTOポレイン エッセンシャル オイル』を使って入念にヘッドマッサージする「ポレインコース」。ボディやリフレクソロジーなど、カラダをマッサージされるのは基本的には気持ちがいいものですが、頭皮へのオイルマッサージがこれほど気持ちのいいものだとは知りませんでした。FHYTOマスターの深代さんの絶妙な技、ゆったりした空間、エッセンシャルオイルの心地よい香り…。ヘアケアしながら、癒しを満喫した感覚です。しかも、事前、事後のスカルプチェック(モニターで頭皮の状態が確認できます)、これまた説得力ありました。

サイトはこちら。
http://la-yamano.com/
銀座で、しかも、このサービスクオリティで、シャンプー+カット+ブロー+カラーが18,000円はリーズナブルだと思います。ここで紹介したヘッドマッサージのポレインコースは90分で16,000円です。ご興味がありましたら、お試しください。

無事、リーダーシッププログラムの合宿から帰ってきました。今後2度と経験することはないだろうと思うような、一言では語ることにできない大きなインパクトを得ました。自分の軸が一回り太くなったような感覚と、私自身のユニークさへの実感(私だけではありませんが)、それが6日の研修を経て今私の中にある感覚です。

さて、張り切っていきたいところですが、今日はゴールデンウィークの谷間です。通常モードでありつつも、少しリラックスしてしまいますよね。

オススメ映画など、軽い話題を、と思ったのですが、ネタ切れです。そこで、今日は当社スタッフのオススメ本を紹介します。と言っても、このブログのために選んだわけではなく、当社では現在、みんなで読む課題図書を選定中です。インナーコミュニケーションのプロフェッショナルにとって役立ちそうな本を、5つの視点(企画、伝える、書く、聞く、組織)から募りました。中には小説仕立てのものもあります。ワタシが選んだ本も含まれていますが、スタッフが選んだ本も入っています。

で、ワタシが選んだ本の中でも一番のお勧めは「自分の小さな『箱』から脱出する方法」(著:アービンジャー インスティチュート)です。以前、このブログでも紹介しました。この本がおもしろかった理由は、ワタシの人生観の中に「いつまでも成長できる人でありたい」というのがあるからです。「成長が止まる」というのは恐怖でさえある。一方で、ワタシも含めて人は自分が傷つくことを恐れています。傷つくことから出来る限り遠くにいたい。でも、自分が傷つくことを恐れていると、成長はできないんですよね。そんなことを教えてくれる本です。だから、組織内コミュニケーションがどうあるべきかなどと言う前に、自分の成長にとって役立つ本だと言うことができます。で、それがなぜ「インナーコミュニケーション」を考える上で役立つのか、なのですが、それはそういった人の気持ちを知っておかないと的確な発信ができないし、箱から出た人が多い組織を作り上げるべきだと思うからです。ちなみに、この度ワタシが参加した研修「コーアクティブ・リーダーシップ・プログラム」の課題図書にも挙げられていました。ある意味、そのぐらい有名な本です。

「ゴールデンウィーク中にぜひ!」とは言いません。いつか、ふと思い立ったら読んでみてください。

また、その他にも学び多き本はたくさんありますね。ワタシの興味を引いたのは、「伝え方が9割」「あなたの話はなぜ『通じない』のか」「パワー・クェスチョン」「キラー・クェスチョン」「トヨタの育て方」といった辺り。こちらも、ご興味に合致し、なおかつお時間があったなら、ぜひ読んでみてください。

 

※印はストーリー仕立ての作品。

テーマ 書籍名 著者
「企画」
強くなる
考具 ―考えるための道具、持っていますか? 加藤 昌治
佐藤可士和の超整理術 佐藤 可士和
マーケティング企画術 山本 直人
「R25」のつくりかた 藤井 大輔
企画力 嶋 浩一郎
小さな会社のブランド戦略 村尾 隆介
企画力 人間と組織を動かす力 田坂 広志
「伝える」
強くなる
伝え方が9割 佐々木 圭一
コミュニケーション力 斎藤 孝
伝える本 -受け手を動かす言葉の技術- 山本 高史
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン カーマイン・ガロ
一瞬で大切なことを伝える技術 三谷 宏治
「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔 森 達也
あなたの話はなぜ「通じない」のか 山田 ズーニー
「書く」
強くなる
文章力の基本 阿部 紘久
「頭がいい」とは文脈力である 斎藤 孝
きっちり! 恥ずかしくない! 文章が書ける 前田 安正
下町ロケット 池井戸 潤
のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか フランク・ローズ
「超」文章法 野口 悠紀
ボッコちゃん(※) 星 伸一
「聞く」
強くなる
相手が思わず本音をしゃべり出す「3つの質問」 渡瀬 謙
パワー・クエスチョン アンドリュー・ソーベル、ジェロルド・パナス 
キラー・クエスチョン フィル・ マッキニー
聞く力 心をひらく35のヒント 阿川 佐和子
インタビュー術! 永江 朗
人を動かす質問力 谷原 誠
一瞬でYESを引き出す 心理戦略。 Daigo
「組織」
強くなる
行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論 舞田 竜宣
杉山 尚子
自分の小さな「箱」から脱出する方法(※) アービンジャー インスティチュート
組織力を高める 最強の組織 古田 典司
ザ・ファシリテーター(※) 森 時彦
トヨタの育て方 OJTソリューションズ
なぜ会社は変われないのか(※) 柴田 昌治
モチベーションカンパニー
―組織と個人の再生をめざす
モチベーションエンジニアリングのすべて
小笹芳央
もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を読んだら(※)
岩崎 夏海
ザ・チェンジ!
人と職場がガラリと変わる12週間プログラム(※)
門田由貴子
戦略参謀―――経営プロフェッショナルの教科書 稲田 将人


では、どうぞ良い1週間を!

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ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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