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デザインは思想です 〜アップル VS ソニー

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週末、銀座アップルストアで「AppleTV」を、有楽町のビックカメラでSONYの「ブルーレイレコーダー」を買いました。AppleTVはただ単に以前から気になっていたからですが、レコーダーの方は手を打たないと不便だと感じており、その意味で優先順位が上でした。というのは…、ワタシは最近住居を引っ越ししたのですが、以前はケーブルテレビから借りていたセットボックスのレコーダー機能を使って、番組を録画していました。でも引っ越し先はケーブルTVが使えない。つまり解約し機器を返却したためにレコーダーを調達する必要性が生じたのです。

ワタシの録画利用は極めてシンプル。一番は毎日のニュース番組、二番は週1回のNHK大河ドラマ、後は都度都度。ですから、決してヘビーユーザではありません。
結論から言うと、SONYのローエンド商品を購入しました。
ネットワーク機能が充実していて、外出先でもスマホやタブレットからテレビが見られるのだ、というビックカメラの店員の方の説明に、魅力を感じ、決断しました。恐らくSONYとしては、ワールドカップを意識した商品開発なのでしょうね。

家に帰ってきて、早速それぞれをセットアップし、使える状態にしてみました。その過程で、感じたことがありました。それは…

「デザインのSONY」というDNAはどうなっちゃったのか? です。

購入したレコーダーのデザインに不満があったわけではありません。でも、同じ時期に「AppleTV」を購入してみると、両者のモノづくりに対する思想が全く異なると感じました。製品自体は異なるので、ここではパッケージとリモコンを比較してみましょう(写真)。左がSONY、右がAppleです。

まず【パッケージ】の考え方についてです。
SONYのパッケージから感じたのは、単なる輸送のための「器」ということでした。一方、Appleのそれを見て感じたのは、家に持ち帰った人が、箱を開けたときの気持ちを思ってパッケージをつくっているように思える、ということでした。実際に、たとえばコード類の詰め方でさえ、Appleは楽しませてくれます。今回はきれいな円形にまとめられていました。
別に箱の材質が重要なのではありません。SONYのように段ボール素材であっても、十分に魅力的なパッケージ事例は既に世の中にあります。大切なのは、何を伝えたいのかという、根底に流れる思想です。

【リモコン】のデザインはどうでしょうか。
デザインと書きましたが、デザインとはすなわち考え方と同義です。シルバーのボディがいい等、そういうことではありません。
しかし、こうやってリモコン自体を比較してみると、ユーザとメーカーは、かなり乖離しているなと思えてきます。何ができるか、どんな機能があるか、それはユーザにとってはあまり重要でない。むしろ重要なのは、その製品の根幹にある考え方です。それが明快であればあるほど小気味良くおもしろいです。でも「こんなことも、あんなことも、そんなこともできますよ」というアプローチをやめて、「これしかできません。でも、それでこそいいでしょ?」とアプローチすることは、とても勇気が要ります。AppleTVを開発する際も、先にコンセプトを絞り込んだ、と聞いたことがあります。つまり「何を伝えるか」を絞り込んだのです。で、実際今回使ってみて、とても魅力的だと感じました。とてもシンプルな機能で、1万円弱。バリューを感じます。

さて、ここでワタシが書きたいのは、Appleは優れているが、SONYはダメだということではありません。かつて数ある日本メーカーの中でもとりわけデザインで一目置かれていたSONY。「デザインといえばSONY」、そんなずっしりとした存在感がかつてはありました。そのDNAはいったいどこに行ってしまったのか…?ということです。
元来のSONYは、デザイン表現の前にまずデザイン思想を考えるから、ウォークマンなどの優れた商品を生み出してきたのだと思います。デザインを意匠ととらえている人は少なくありませんが、本来は第一に思想です。「〜のためにこれをこうすべきだ」という、そんな価値観や思想の上に成り立ってほしい事柄です。「〜は譲れない」というこだわりと言ってもいいかと思います。

Appleは、スチティーブ・ジョブズが亡くなってから、まだ多くの年月が過ぎたわけではありません。組織は人間がつくっているのですから、Appleといえども、いつかは必ず迷走すると思います。迷走しても原点に戻れる組織。「〜は譲れない」の「〜」の部分のひとつが「デザイン」だという共通理解があり、そこに戻れる組織、結局はそういう組織が強いのでしょうね。

Appleは好きですが、SONYにはもう一度「SONYの時代」を築いてほしいと思います。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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