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心がザワッとしたっていい

次男が図書館から『十五少年漂流記』を借りてきたので、
一緒に読んでいます。
SFの父とも呼ばれたジュール・ヴェルヌが1888年に発表した作品。
15人の少年が無人島に流れ着き、力を合わせて暮らしていく話です。
小さい頃、秘密基地作りが大好きだった私も大好きな作品でした。


さて、本の中に、大きなウミガメを捕まえる場面があります。
少年たちがみんなで協力してどうにか捕え、
そこから20キロ以上の肉をとることができて、
船の食料がだいぶ助かった、と書かれています。


ここで我が家の次男は「え? 食べるんだ」と、
ちょっとびっくりしながら言いました。
確かに、ウミガメは助けなくてはならない、
保護しなくてはならないというテレビ番組や本をよく目にするので、
驚きなのかもしれません。
無人島に流れ着いたんだから、
食料にできるものは何でも捕まえなくてはならない状況なのだ、
と説明しました。


これをきっかけに、
今の子どもたちが観るアニメや本の内容について考えていて、
気づいたことがありました。
それは、今は「それはちょっとひどい」と思ったり、悲しい思いをしたり、
怒りの感情が芽生えるような内容のものがほとんどないなあ、
ということです。


私が子どもの頃は、世界名作劇場というテレビアニメがあって、
『フランダースの犬』や『母をたずねて三千里』などが放送されていました。
いじわるな大人がたくさん出てきて、主人公がかわいそうで、
毎週観終わった後に胸がザワザワして眠れませんでした。


今、そういう思いをするような内容はあまり見かけませんね。
子どもの教育に適していないと思われているのか、
勉強不足でよくわからず申し訳ないのですが、
私は、楽しくて前向きになる話ばかりじゃなくていいのではないかなあ、
というより、悲しんだり怒ったりする感情がわいてくる内容も、
心を育てる意味で必要なのではないかと思ってしまいます。
(あ、描写が残酷なアニメは流行っていますね、、、。
 感情のバランスがどうなってしまうのだろうとちょっと心配になります)


以前、20代の女性と話していたら、
「怒るのが苦手。怒るってどうするのかわからない」と言っていました。
怒るという感情自体がとても嫌、だから感情的にならないようにしている、
という話も聞きました。


楽しい感情はマル、悲しみや怒りの感情はバツ。
そんなふうに思っていると、健康に過ごせなくなりそうです。
悲しいときには悲しみ、ムッとしたときには怒る。
心がいつも穏やかでなくてもいい。ザワッとしたっていい。
そう思います。
2015年に公開されたアニメ『インサイド・ヘッド』も、そんな内容でしたね。


なんて言っていますが、我が家は、
反抗期少年との戦いで心がザワッとし過ぎる毎日。
でも、これも健全なことだなあと思って今年も幸せに過ごすことにします!

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