ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ:2022年10月

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

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いきなりですが、クイズです。
以下に並ぶ6名の方たちに共通することは何でしょう?

三宅一生
野茂英雄
井深大
向井千秋
吉田都
アレサ・フランクリン


(若い方には厳しいかな~? でも20秒ぐらいは考えてみてください笑)



ファッションデザイナー、元プロ野球選手、ソニーの創業者、
元宇宙飛行士、新国立劇場 舞踊芸術監督、シンガーソングライター...。
一見するとつながりがあるように見えませんが、
実は6名は「初」の文字で繋がっています。

今年亡くなったファッションデザイナーの三宅一生さんは、
1973年、日本人として初めてパリ・コレクションに参加した方。
ちなみにニューヨークコレクションだと初は森英恵さん(1965年)です。

野茂英雄さんの初は戦績での偉業。
ロサンゼルス・ドジャースで1995年にデビューし、
ノーヒットノーランを2回達成、
最多奪三振を2回獲得、新人王受賞といずれもアジア人史上初のことでした。

ソニーに「初」はいろいろありますが、
ここではニューヨーク証券取引所に日本企業で初上場したことに注目してみました。
1970年のこと。その時の社長は創業者だった故・井深大さんです。

続く向井千秋さんは、1994年、スペースシャトル・コロンビア号に搭乗した、
日本人女性初(アジア人女性初でもある)の宇宙飛行士。

新国立劇場 舞踊芸術監督として現在活躍されている吉田都さんは、
元は世界的バレリーナであり、イギリスの2つのロイヤルバレエ団で
最高位プリンシパルになった方。日本人女性初の快挙でした(1988年、1995年)。

「クイーン・オブ・ソウル」の異名を持つ故・アレサ・フランクリンさんは、
音楽好きの方ならおなじみ。
1987年、音楽史上初めてロックの殿堂入りした女性シンガーソングライターです。


なぜ、こんなクイズを出したかというと、2022年の今年、
大谷翔平選手の活躍があまりにもすごかったからです。
初の34本の二桁本塁打、15勝の二桁勝利という
ベーブ・ルースの記録を100年ぶりに塗り替える偉業を達成しました。
何事も「初」ってすごいなと思ったからこそ、「初」を成した人に注目してみました。
大谷翔平選手は二刀流という新しい「道」をつくりました。

でも、メジャーリーグへの「道」は野茂やイチローなど、
彼の先輩たちがつくりました。
いえ、野茂でさえ、それ以前に村上雅則という先輩がいたわけです。
そう考えると、誰かが成し遂げた「初」なんとかは、
その前の誰かの「初」なんとかの上にあるんですよね。
一人の人間の歴史は他の誰かの歴史と繋がっているように思えてきます。


なーんて考えて、あれこれ調べていたら、
なんとタイミングよろしく、この秋、日本テレビで
「ファーストペンギン!」というドラマが始まったようですね。
堤 真一さんが出ているので見ちゃおうかな。。。
公式サイトによれば、坪内知佳さんという実在の人物の体験に基づく物語だそうで、
シングルマザーの主人公が、経営難の漁師たちとともに飲食店や消費者に
直接魚を届けるビジネスを立ち上げて奮闘するお話なのだとか。
どんな世界にもいるんですねー 道を切り拓く人が。

今でこそ多少知られるようになったファーストペンギンという言葉
一般には「新しい世界に最初に飛び込む人」「新しいことを最初に始める人」という
意味で使われますが、厳密に言うと、天敵の存在というリスクを知った上で、
勇敢に行動し、先行者利益を得るペンギンのことです。

こう聞くととてもカッコいいのですが、言葉の発祥の背景には
アデリーペンギンという種類のペンギンの存在とその習性があります。
彼らは、海の中に天敵のアザラシがいないか確認するために、
仲間の1羽を海に突き落とし、食われないことを確かめると後に続くらしいです。
考えてみるとずいぶん酷いことをするものです。
でも、もしかしたら仲間の間では英雄になっているのかもしれません(笑)


さて、私たちの仕事。
英雄になろうと思って仕事をしている人なんて、いるのでしょうか。
多くの人は、誰かに喜ばれるのがうれしくて仕事をしているのでは?と思います。
そんな私たちの世界にも、小さな「初」なんとかはあります。

あのお客様を獲得した最初の人。
このやり方を確立した最初の人。
新しいことを導入した最初の人。
意味なく続いていることをやめようと言った最初の人。

こういう人は何かをより良くしたくて、ただそのためにやるのだと思います。
私も、英雄になどにならなくて良いから、そういう人でありたいです。

高村光太郎の代表的な詩「道程」の冒頭にこんな一節があります。
 僕の前に道はない
 僕の後ろに道は出来る

後ろに道がつくれたらいいなと思いませんか?

小さな「初」なんとかをみんなでたくさんたくさんつくることが、
世の中を変えていくことにつながるような気がします。

今週もおつかれさまでした。
良い週末をお過ごしください!!

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仕事において、できることなら「コンフリクト」は避けたい。
大勢の人がそう思っているのではないでしょうか。
やっぱり直訳すると、論争、衝突、争いですから、
悪いイメージを持つ人が多いような気がします。でも、
コンフリクト(conflict ) =活性剤(activator)
と、解釈することもできますよね。

実際、「コンフリクト・マネジメント」といって、
「コンフリクト」を抑え込むのではなく、組織の活性化や成長の機会と捉え、
積極的に受け入れて問題解決を図ろうとする考え方もあります。


会議のファシリテーションを委託される私たちも、
「コンフリクト」を恐れない姿勢、
つまり対立を回避しようとしたり、強権的に結論を出そうとしたりしない姿勢が求められます。
本音で話し合えてこそ、納得度の高い結論が出せると思うからです。


面白い調査結果があります。日本能率協会マネジメントセンターによる
「コンフリクト・マネジメント調査/コンフリクトと多様性」(2016年5月)というレポートの内容です。

まず事前の予備知識として、「コンフリクト」には二種類あることをお伝えしておきます。
一つは仕事内容に関する意見やアイデアの衝突を意味する「タスク・コンフリクト」。
もう一つは人間関係がこじれて生じる衝突「リレーションシップ・コンフリクト」です。

調査によると、タスク・コンフリクトを多く経験している人ほど会社や上司・同僚への職務満足度が高く、
仕事への活力や熱意、没頭の状態を示すエンゲージメントも高いのだそうです。意外ですよね!
反対に、衝突を嫌がって意見を表明しない人、できない人は、会社にも上司・同僚へも不満を感じるようになるといいます。

では、リレーションシップ・コンフリクトについてはどうなのでしょうか?
タスク・コンフリクトの経験とは反対に、多く経験している人ほど満足度が低いそうです。


また皆さんも心当たりがあるかもしれませんが、
コンフリクトが生じている時に、どのように解消するかは企業のカルチャーによって違います。
対立している者同士が、意見の違いを乗り越えて協調できれば良いですが、喧嘩両成敗的に妥協や回避をしたり、
どちらかが強権的でどちらかが服従的になると、状況は収まったかに見えますが、組織の活力は消えてしまいます。

調査では、「協調的文化」「強制的文化」「回避的文化」の3つのカルチャーがコンフリクトや職務満足度、
エンゲージメントにどのような影響を与えているか調べています。
ここでいう文化とは、暗黙知となっている価値観や規範のようなことですね。
それぞれの文化の特徴を整理すると;

(1)協調的文化:コンフリクトに関わる全員の意見や利害を考慮しながらコンフリクトを解消すべきとする文化
(2)強制的文化:個々の社員が自分の意見や利害を押し通すことで、コンフリクトを解消すべきとする文化
(3)回避的文化:できる限りコンフリクトが表面化することを避け、波風を立てずに解消すべきとする文化

(2)番はマウンティングし合うのでしょうか。弱肉強食的なイメージがありますね。
(3)番は「まぁまぁまぁ~」と誰かが間を取り持ったり、もしかしたらそのような事態になる前に、
お互いに意見を飲み込み合うというシーンが浮かんできます。

で、結果はというと、協調的文化の企業で働く社員ほど、職務満足度(会社や上司・同僚への満足度)が高く、
エンゲージメントも高いことがわかりました。
強制的文化は、上司・同僚に対する満足度を下げる一方で、会社に対する満足度はやや改善する傾向にあるそうです。
そりゃあ、社内は常にギスギスしているでしょうから、そうなることは容易に想像できます。

また、回避的文化は上司・同僚への満足度を悪化させる傾向があるそうで、
一見すると対立の少ない働きやすい職場のように見えますが、実態は何も解決されていないわけですから、不満が残るのは当然です。

では、協調的に解決できるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
絶対的な解決策ではありませんが、いくつかヒントはあります。
自分の備忘録のためにも書いておきますね。

1. コンフリクトは有益だというポジティブな共通認識をつくる
2. 一致点と相違点を整理する
3. 共通の目的を見出し、一致点を探す
4. 感情を語っても良いが、感情的にはならない
5. オープンかつフラットに意見を言える場をつくる

まあ、言うは易く、行うは難しですが。。。
1番をお互いに認識して出発するのが、何より大切な気がします。

来週月曜日は体育の日でお休みです。
水木金を元気に過ごしましょう!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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