メンタルが9割
すでに先週23日から始まっている東京オリンピック。
たくさんの感動に直面し、私はもう何度も泣いています。
そして、改めて感じたのは、
アスリートたちは、私たちが思っている以上に
さまざまな「苦しみ」と向き合って、
コロナによる1年延期はもちろんですが、
うまく行かない、結果が出せるだろうかなど、
さらに、オリンピック開催への反対ムードは、
私たちは、オリンピックに出るぐらいの選手なら「常に前向き」
というイメージを抱きがちですが、みんな人の子なんですよね。
さらに競技の当日のメンタルが、
改めて痛感します。
たとえば、金メダルを取った柔道男子73キロ級の大野将平選手。
「自分の中でも感じたことのない恐怖の中で戦っていた」
テニスで残念ながら3回戦敗退した大阪なおみ選手は
「プレッシャーにはもう慣れてもいいはずだけど、
少なくとも1回戦負けでなくて良かった」と語りました。
スポーツをやった経験のある人なら、
メンタルがいかに結果に影響を与えるか、
メンタルにもいろいろな側面がありますが、その1つが「集中」。
私の自分の体験をシェアすると、
ハンドボールでシュートを打ちながら、
一瞬でも「入るかな?」と思ったら、ほぼ間違いなく入りません。
ゴルフも同じです。
しかも、これはスポーツだけではありません。
先日、私が通っている音楽のレッスンスタジオで、
私が習っているのはドラムなのですが、
叩きながら「あ、ここ間違えたらイヤだな」と思ったら、
幸い、発表会当日は、全集中で臨み、
つまり、「できるかな」「できないとイヤだな」
集中できていないということなんですよね。
没我の境地でいると、できる。不思議。
そして、「自分はできる」というイメージを持つことも、
きっと、
ところで、卓球の男女ダブルスで、水谷・
何度も絶体絶命のピンチに陥りながらも、
その姿に、人の持つ素晴らしい力を感じたのは、
さて、スポーツ選手のこういった粘り勝ちを目の当たりにすると、
「レジリエンス」という言葉を思い出します。
その言葉、直訳は「回復力」「復元力」「弾力性」などですが、
要は、ストレスがかかっても元に戻ることのできる「
せっかくなので、選手たちの強さにあやかって、
レジリエンス研究、しちゃいますか!?
レジリエンスを成り立たせる要素は、厳密に言えば、
研究者によって見解が違っています。
でも、大筋で集約すると、この5つかな...
それぞれの要素に関連するアスリートたちの発言(
併せて取り上げておきます。まるで、読んだよ大特集ですな(笑)
その1:感情・情動コントロール力
自分の感情や行動をコントロールできること。
- こんなところで泣いてしまっている時点でまだまだ(萱和磨・
体操) - 卓球以外でも強くなった(伊藤美誠・卓球)
- 悔しい思いをしたぶん、もっと強い気持ちで練習に取り組める(
桃田賢斗・バドミントン)
その2:「自己効力感」
端的に言えば、自信。達成経験やポジティブな自己認識から
「自分なら出来る、きっとうまくいく」と自分の可能性を信じる力
- 持っている力を100%出し切ることができれば、
夢だった決勝進出も現実的になってくる(山懸亮太・陸上) - やっていて感じるのは、まだまだ自分は成長できるなということ(
羽生結弦・フィギュアスケート)
その3:「自尊感情」
他人と比較することなく、自分自身を価値ある者だ、
自分自身を好きだと感じられること。
- どんなに打ちのめされても、心底、体操が好き(内村航平・体操)
- 何回もミスして、何回も成長して。それが自分らしい(小出未来・
水球)
その4:「良い人間関係」
人と信頼関係を築ける力
- 康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない(松田丈志・水泳)
- 内村さんから電話をもらった。
ケガをして3日後くらいにいきなり電話が来て『大丈夫? 気持ちを切らさなかったら絶対に戻って来られる』 という言葉をもらって頑張ろうと思った(北園丈琉・体操)
その5:「楽観性」
未来に対して絶望せず、どうにかなると思える力。
- 神様が何か気づかせてくれるタイミングかな、と考えるタイプ。
けがとかについては基本ネガティブじゃない(上野由岐子・ ソフトボール) - 神様は乗り越えられない試練は与えない(池江璃花子・水泳)
最後の「楽観性」で、「神様」という存在を使って、
今直面している苦難を受け入れようとしている人は少なくないよう
私は、仕事がうまく行く/行かない、仕事で成長する/しないも、
結局、「メンタルが9割」なんじゃないかなと思います。
あなたは、どう思いますか?
さ、この夏も、このオリンピックも、もう2度と来ない。
選手たちを応援しながら、残る7月を元気に過ごしましょう!
「引き出しが少ない」という悩みへのヒント
いろいろな場面で若い人と話をしているときに、
「自分はまだ引き出しが少ない」
そこで今日は、「引き出しが少ない」というのは、
無垢な気持ちになって、一緒に考えて行きましょう。
まず、人が「自分は引き出しが少ない」と語る時、
いったい、その人は何をもってそう語っているのでしょうか。
すべてとは言いませんが、一つには「自分は経験が少ない」
「引き出し」という言葉を使っている人が多い印象を受けます。
しかし、率直に言って、「引き出し」と「経験」
では、「引き出し」とは何なのか。
定義するのは難しいですが、敢えて言語化するなら、
こういうことではないでしょうか?
人生における「引き出し」とは、
これまでの体験から学習したパターンの集積地。
「引き出しが多い人」とは、
現在得た体験を過去の体験と結びつけ、
「こういう時にはこうすればいい」とパターン認識できる人。
正しいかどうかは別にして、私にはそう思えます。
実は、これ、実体験から来るものです。
人に何かを教えようとすると、学習能力が高い人と、
そうでもない人がいることがわかります。
学習能力が高い人の共通点は、
今、目の前にあるA2という出来事の共通点を見つけ出し、
「こういう時には、こうする」
「こういうことは、こういう時に有効」
という法則を見つけて行動するのが上手な人なんですよね。
反対に、自称「引き出しが少ない人」は、それが苦手な人、
もしくはそうやって引き出しに整理していくのだと知らない人だと
これをパターン認識と言いますよね。
AI(人工知能)なども、
すでにハリウッドでは、映画の脚本のパターン研究によって、
シナリオをAIに描かせようという実験も進んでいるようです。
たとえば、「イベントを告知する文章を書く」
前回、上司のチェックを受けたら、「開催日時は必須」
「肝心の日時が抜けている」と指摘されたとします。
そうしたら、「イベント告知→開催日時は必須」
次にイベント告知文を作る機会があったなら、
ところが、学習しようという意識が低いと、
この例などは、多くの人がパターンを認識しやすく、
現実的には物事はもっと複雑です。
中期経営計画の説明をするときも、
イベントの説明をするときも、
というパターン認識に基づいて、
実際、そう聞いて、共通点を言えますか?
答え合わせをしておきましょう。ジャジャジャーン♪
それは、2W1H。
What:それは何か?
Why: なぜ行うのか、なぜそれが重要なのか?
How: どのように行うのか、その結果どうなることを目指すのか?
...の3点です。
「5W1Hではないの?」と思われたなら、
上の2W1Hはほぼ同じことです。
When(いつ)Where(どこで)Who(だれが)
Whom(誰に)までが、Whatに入るからです。
では、第2問(笑)!
あらゆる企画の目的を定めるときに、明らかにすべき点がある...
その共通点を言えますか?
それは、Before(現状)とAfter(改善後/実施後)
ところが、多くの場合、そのように目的を定めていません。
つまり、
でも、目的を明らかにするときは、
BeforeとAfterを明確にするとパターン認識すれば、
こういったパターン認識、言い換えれば法則の発見を
省力化するためにあるのが、フレームワークなわけです。
でも、
フレームワークがなぜ存在するのかも理解できません。
というわけで、本日の私の仮説は、引き出し≠経験ではなく、
引き出し=パターン認識ではないか...ということなんですが、
あなたはどう思いますか?
7月ももう半分。気温の変化に気をつけてお過ごしください。