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この力、問題解決力より重要かもしれない

今日のテーマは先日(7/22)に続き「ネガティブ・ケイパビリティ」です。


この言葉を知ったのは最近ですが、私の意識の中にずっとモヤモヤあり、
初めてこの言葉に触れた時、「なるほど、そういうことか!」とスッキリしました。
「ネガティブ・ケイパビリティ」という能力は、
もしかしたら問題解決力より重要かもしれないと思う今日この頃です。


私の中に、どんなモヤモヤがあったかというと、、、、
たとえば、何か結論を出す必要があることに直面した場合、
当然、答えを出そうと思いますよね。
特に仕事では、早く結論を出せる人/早く解決できる人が優秀、と見なされがちです。
それは、ある面では正しいし、異論はありません。
私自身、どちらかというと決断は早い方だと自負しています。
それでも、こんな視点から違和感がありました。
それを端的に言うと、みんな「答えを得ることを急ぎすぎではないか?」です。


あるいは、こういう言い方もできるかもしれません。
みんな、答えを出すまでの時間に対して、忍耐がなさすぎるのではないか?
早く答えがほしいから、みんな、急いで答えを出そうとする。
そして、忍耐できないでいる自分に気づかず、
早く答えを出すことが良いことだという理由の元に、
急いで答えを出しているのではないか?
そんなふうに思うことがあり、モヤモヤや違和感を感じていました。


なぜそう思うのかと聞かれても、ただの直感としか言えません。
いろいろなシーンで、「この答えを出すのは、そんなに簡単なことではないな...」
と私は直感的に感じるのですが、
簡単に答えを出そうとするアプローチによく出くわします。


おやおや、、、すみません!
今日のテーマに対する問題意識、事前説明が長すぎました。
話を今日のキーワード「ネガティブ・ケイパビリティ」に戻しますね。


「ネガティブ・ケイパビリティ」とは何か?
私は、この言葉とどこで出会ったのか?
まずはそんな話をさせてください。


出会ったのは、こちらの書籍です。最近読みました。
「ネガティブ・ケイパビリティ〜答えの出ない事態に耐える力」
(著:帚木蓬生、刊:朝日選書)
著者は小説家であり、精神科医です。
(ペンネームの読み方が難しいですが、ははきぎ ほうせいと読むようです)
https://www.amazon.co.jp/dp/4022630582/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_AIewDb01XAGYQ


「ネガティブ・ケイパビリティとは?」については、
たくさんの説明が成り立ちますが、著者による端的な表現が、
本書の本文1行目に出てきます。
「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」あるいは
「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、
懐疑の中にいることができる能力」です。
「ネガティブ・ケイパビリティ」で検索すると、
「ネガティブ思考」を肯定するような説明に出会いますが、
私の理解では、そういうことではないと思います。


私がこの言葉の概念に「ほぉー」と思うのは、
一般常識とはちょっと違ったことを言っているからです。
一般的に問題を解決する能力は高い方がいい...という常識があります。
でも、この「ネガティブ・ケイパビリティ」はそうではありません。
即座に解決するよりも、その訳のわからない状況に身を置いて、
佇むことの必要性を言っています。


なぜこの力が必要だと著者は言うのでしょうか。
著者によると、ヒトの脳には「分かろう」とする特性が備わっているので、
分からないものや不可思議なものが放置されていると、
脳は落ち着かなくなり、なんとか分かろうとするのだそうです。
ところが、そこに落とし穴があり、
〈「分かった」つもりの理解が、ごく低い次元にとどまってしまい、
より高次元まで発展しないのです〉と著者は言います。
なるほど! これだと私は思いました。


今日、これを取り上げたかったのは、
この力は、「考えを深める」という行為において、
必要不可欠だと思ったからです。


なので、私なりに、
「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」
というものを、別の言葉で、言い換えてみました。


その1:たとえ不安にかられたとしても、決して焦らずに時間をかけて問題を見極め、
最後の最後にじっくりと答えを出す、そんな能力。
その2:考えるべきことに向き合いながら、頭がパンパンになったとしても、
「もうムリ!」と諦めず、他の答えの可能性がないか、追求し続ける能力。


そんな力と言い換えられます。
簡単にわかったつもりにならずに、考え続ける。
「ネガティブ・ケイパビリティ」という視点で自分を育てていく。
この本はそんな視座を与えてくれました。


お盆明けで今日が初日という方もいらっしゃるかと思います。
今週も素敵な1週間でありますように!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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