ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ:2018年6月

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

先週金曜日、経営協会様のセミナーで講師を務めて参りました。
「社内広報担当者のための企画力養成コース」で、全5時間半の講座です。
当社セミナーに出たことのある方はご存知かもしれませんが、
私たちはインターナルコミュニケーションの問題に対し、
「感情」に目を向けて課題解決することを大切にしています。
ですので、このセミナーでも社員の皆さんの感情にフォーカスする内容で、
ワークショップ形式でお届けしました。
さて、ここでは大雑把に「感情」と書きましたが、
その中には、喜怒哀楽的な感情も含まれますし、欲求というものも含まれます。
さらには、非認知、認知、理解、共感というものを経て
行動へと繋げる道筋も含んでいます。本当に奥が深い。。。


さて、、、金曜日のセミナーでは、最後のまとめの段階で、
全員に1分弱で印象に残ったことや感想を話してもらいました。
すると、かなり多くの人が
「社員の感情に目を向けるということを考えてこなかった。
もっと目を向けたい」と語ってくれました。


きっとそうなのだと思います。
もっと言えば、組織の集団感情に目を向ける以前に、そもそもビジネスシーンでは、
「日常の感情」に目を向け、表立って感情を語り合う習慣がない。

どのようなことかというと、たとえば、、、
あることを巡って、自分は「ちょっとがっかりした」と思っていても、
それを口にしてはいけないと多くの人は思っている。
がっかりして、ツンケンした態度を取ることがNGなのはもちろんだけど、
がっかりしたという気持ちをニュートラルに語ること自体もNG、
そう思っている人が多いように感じます。
感情を感情的に出すことと、言葉を通じて伝えることは別のことで、
私は後者はむしろ健康であるために必要だと思うのですが、
そう考える私は決してマジョリティではない気がします。

しかも、これは職場だけの話ではなく、
友だち関係やコミュニティなどでも同様なのではないでしょうか。
本当はちょっと気分を悪くしているようなときに、
「ごめん、そこまで言わないで」となかなかいうことができませんし、
とある集まりに誘われて、本音では「参加したい気分ではない」時に、
そうとは言わず「先約があって...」と断ったり。
本当の気持ちを言いにくい。これは誰にでもありますね。


私たちは、いったいどうしてそう感じるのか、考えてみました。
確信はありませんが、多少なりとも関係がありそうなことは出てきました。
私たちは子どもの頃から、
感情を出すことは悪いことだと教え込まれてきたからではないか、と。

感情を出すというのは;
・自分中心であり、協調性がないこと
・見苦しいこと
・弱さを出すこと
・子どもっぽいこと
・周囲に波風を立てること

こんなふうに刷り込まれてきた気がします。
だから、最早その刷り込みを疑うことさえしない。
特に一番最後に挙げた「周囲に波風を立てること」という捉え方は、
感情を示すかどうかのみならず、かなりいろいろなところで、
私たちの心を支配している基準になっているような気がします。
だから、感情の話は常に置いていかれる。


でも、感情は本当にワル者なのでしょうか?
感情的に振る舞うことと、
感情を伝えることは別のことです。
感情を伝えることの本質は、「自分」が主語であり、
相手を責めることとは違います。
つまり、本来的には感情自体は否定される必要のないものですし、
それを伝えること自体も否定される必要はないはずです。

感情はワル者でもイイ者でもなく、
自分自身の人間らしさ。
人は、感情によって、思いもよらない力が出たり、
反対に萎えたりします。


組織が社員の感情に目を向けるようになることと、
組織に属する一人一人が自分の感情に蓋をすることなく、
まっすぐに見つめ、自分の感情を大切にすること。
どちらも同時に取り組むべきではないでしょうか。
自分の感情を大切にできない人が他の人の感情を大切にはできませんからね。

今週も素敵な1週間でありますように!

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前回のブログでは組織の中で課題となる「自分ゴト化」と
ワクワクの関係について考えましたが、
今日は純粋に自分のためのワクワクについて考えてみたいと思います。


今日の結論を先に書いてしまいますと、
ワクワクしたいのは自分なのに、
ワクワクに向かうことを邪魔するのも自分だという話です。


まずは私の体験から。
私の場合は「やりたい!」と思うことを発見すると、
その瞬間胸が熱くなって、カラダに力が湧いてくることを感じます。
ココロがうきうきして、らんらんらん♪という気分になります。
だから、これはアタマが計算して望んでいるのではなく、
ココロがやりたいと心底望んでいるのだということがすぐにわかります。


今現在もアート系でワクワクしていることが二つ三つありますし、
ビジネス系でも二つ三つあります。
それだけやりたいことがたくさんあると、
さらにやりたいことが心に舞い降りてきてきたときに、
「ちょっと待って、そんなにたくさんできないんじゃない?」という
内なる声が聞こえてきます。


最近もありました。
実はひと月ほど前に母が他界したのですが、
母の生きっぷりが我が母ながらに素晴らしく、
また入居していた老人ホームのスタッフの対応が
母の人生の最後7カ月を母らしく輝かせてくれました。
ちなみに母はすい臓がんで、余命宣告を受けており、
本人は延命治療はせず、緩和ケアだけを望んでいました。


その施設での7カ月間の母へのケアに対し、
本当にありがとうという感謝の気持ちを示したくて、
私はスタッフにインタビューし、
仕事への思いを綴った本を作って贈ることを思いついたのですが、
その意思表示をするのに、さっきの内なる声が出てきたのです。
「そんなにたくさんできないんじゃない?」
「10月の個展の準備だって、ほとんどできていないよね」
「そんなことをやる時間があったら、遅れている仕事をすべきじゃないの?」
「感謝といったって、そんなことをしても喜んでもらえないんじゃないの?」
「みなさん忙しいのに、そんなことで時間を取られるのは嫌なんじゃないの?」


正直なところ、その声の言うことは正しいです。
いえ、こう言い換えておきましょうか。
その声の言うことは「もっともらしい」と。


確かに私の企画は、母と関わった10数名にインタビューをし、
1名ごとに1000文字弱の記事にするというものなので、
かなりの時間を必要とします。


けれど、果たして1年後にやりたいと思うでしょうか。
答えはNOです。
今、やりたいことなのです。
そして、理由もなくやりたいことなのです。
感謝の気持ちをなぜそこまでして示したいのか、私には理由を言えません。
だからこそ、私は自分が心からやりたがっているとわかりました。
私は自分が聞いた心の声はサボタージュ(言い訳心理)であることを知っていました。


それで私は意を決して施設長に申し出をしました。
結果的には快諾されて、実現することになりました。
するとどうでしょう?
「そんなにたくさんできないんじゃない?」という不安は吹っ飛び、
この人たちと一緒にコトづくりができるというワクワク感の方が
やっぱり強く出てきました。
映画「きっと、うまくいく」ではありませんが、
私は、自分がこれもやり、他のこともやれるということを信じられています。


さて、「サボタージュ」という言葉を聞いて、
さらに調べたくなった方もいるかもしれません。
正確に言うと、「セルフ・サボタージュ」というのかな。
自分を邪魔する存在として「サボター」(心の中の妨害者)とも言うようです。
自分のやりたいことやありたいことに対して、上手な抗弁を言い、
向かいたい方向と反対方向に仕向ける悪魔の囁きをする相手です。
無意識のうちに習慣化した自分の心の動きのパターンだとも言えます。
自分が傷つかないように、リスクから逃げる「生存脳」の働きでもあるようで、
誰の心にも棲んでいます。


コーチの世界的育成組織「CTI」の前CEOシャザド・チャミン著
「スタンフォード大学の超人気講座〜実力を100%発揮する方法」によると、
サボターには次のような10のタイプがあるそうです。
・裁判官
・潔癖性
・八方美人
・優等生
・犠牲者
・理屈屋
・こわがり
・移り気
・仕切り屋
・優柔不断


今回の私のケースは、どうでしょう?
おそらく潔癖性、こわがり、優柔不断が掛け合わさっていたような感じですね。


自分を妨害する最大の相手、それはおそらく自分です。
その存在が自分の中にいることを知っていることは、
自分の行動を選択する上でとても大切ですね。


よろしければ、以前書いたこちらのブログもご参照ください。
「私たちはまだまだ成長できる...という脳科学の話」
https://www.grassroots.co.jp/blog/monolog/2015/09/150914.html


どうぞ素敵な1週間を!

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あなたがもし、インターナルブランディングなどを担う部門にいて、
理念やビジョンの浸透を図る立場にあるとすると、
社員の「自分ゴト化」という課題に直面するのではないでしょうか。
ここを訪れた読者には、そういう立場にある方が少なくないと想像します。


そこで今日は「自分ゴト化」という課題に対するヒントを探していきましょう。


組織の中で「自分ゴト化が必要だ!」と課題意識を持つことはいいことですが、
そもそも自分ゴト化できている状態とはどのような状態なのでしょう?
それを明確に定義しないまま、どうすれば自分ゴト化できるのか、
対策の検討に入ってしまうのは早計かもしれません。


まず、ここでは仮に「自分ゴト化」というものを
ある事柄に対して、社員が主体的に考えている状態、と捉えてみます。


すると今度は、主体的に考えているのがどんな状態か、という疑問が湧いてきます。
主体性とは何かについて調べてみると、、、、
何をやるかが決まっていない状況で、
自分は何をしたいのかを自分で決めて、自ら考え行動すること。あるいは、
自分はこう思うという意思と、こうしたいと行動する態度を持っていること。
ざっくりいうと、そんなふうに定義づけられているようです。


主体性と自主性の違いについても、
何をやるかが決まっている中で人に言われる前に行動を起こすことが自主性、
決まっていない状況で考え行動するのが主体性、とそんな解説が散見されました。


つまり、社員の「自分ゴト化」が必要と叫ばれるのは、
「自分ゴト化」すると行動につながると考えられているからだと思いますが、
「自分ゴト化」の本質、言い換えると、主体性の本質は「やりたい」であって、
義務感にもとづく「やらねばならない」ではないことがわかります。


こう考えてくると、気づくことがあります。


理念やビジョンの浸透の先に期待されるのは、社員の「行動」なわけですが、
社員にとってみると、理念やビジョンは自分で決めたことではないので、
与えられた大枠の中で、自分は「こうありたい」「こうしたい」という意思を持つ
...というのがお約束になります。


このルールは、組織に属する以上、ある意味、当然のものだとも言えますが、
注目したいのは、
このルールに合わせなければならないという意識が強ければ強いほど、
自分に求められる意識や行動を自ら限定的に捉えてしまうかもしれない、ということ。
言い換えると、受け身行動になってしまうのかもしれない、という点です。


どのようなことかというと、、、、
人に力が湧いてくるのは、心のうずきやワクワク感から出発している時です。
ですから、本当に理想なのは、
与えられた大枠の中で、社員が自分のワクワクを見つけ出して、
「こうありたい」「こうしたい」という気持ちが自然と湧いてくる状態になること。


しかし、組織にいるのだから、自分の心のうずきから行動することよりも、
自分の行動を組織のガイドラインに合わせていくことが求められているのだという
意識が強くなると、その人のエネルギーレベルは低くなりますよね。


自分の行動を組織に合わせようとすること自体は間違っているとも、
おかしいとも言えませんが、ちょっとした思い込みが、
自分で自分を元気が出ない方向へと向かわせているとも言えます。
おかしいとも言えないからこそ、難しい問題だとも思います。


責任感や「やらねばならない」という意識が強いと、
その人の毎日の心持ちは、自分より組織というのが常態化されます。
言い換えると、自分の心にあるワクワクに鈍くなります。
与えられた大枠と自分のワクワクを掛け算することができなくなるとも言えます。


社員がこういう心理に陥ってしまうと
計画は形骸化し、誰も自分ごとで捉えない状況に陥ります。
組織としてのエネルギーレベルは相当に低くなりますよね。
それ以上に、気になるのは、社員一人ひとりが、楽しく仕事に取り組めず、
何の成長もやりがいも感じられず、幸福感が低くなってしまうことです。


では、「やらねばならない」発想から転換するには、どうしたらいいのでしょうか。
これだ!という決め手はありませんが、
まずは、一人一人が自分のワクワクに関心を持つことが第一歩かもしれません。
というのは、その人が自分のワクワクに鈍感な状態であったなら、
「こうありたい」「こうしたい」と思えるはずがないからです。
仕事ですから、わかりやすくワクワクするとは限りませんが、
心の中を観察して毎日の中に小さなワクワクを見つけ出し、
ワクワクする時の共通する点を探すと、
組織の中で自分が何をしたいのか、どうすると幸せなのか、
足がかりぐらいはつかめるのではないでしょうか。


そんな提案をあなたから社内に向かって発信してはどうか、というのが
今日の私からあなたへの提案です。


どうぞ素敵な1週間をお過ごしください!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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