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「対等」でなくして絆なし〜映画『最強のふたり』を観て

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誰かと深い絆をつくるとき、大切なことは何でしょう? 週末に観た映画が考える材料を与えてくれました。それは、「対等であること」です。

私が観たのは、実話に基づき制作されたフランス映画『最強のふたり』(原題:Intouchables、監督:エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ)です。2011年に公開され、フランスほかヨーロッパ各国で大ヒットした作品で、東京国際映画祭ではグランプリを受賞しています。話題作であるにもかかわらず、ワタシ自身は事前情報がないまま、自宅で観ることになりました。
『最強のふたり』公式サイト: http://saikyo-2.gaga.ne.jp

若干ネタばれになりますが、簡単にあらすじを紹介します(この映画は、多少ストーリーを知ったとしても、感動は変わらない類いの映画ですが、こだわりのある方はご注意ください)。


大富豪フィリップは、趣味のパラグライダーで事故を起こし、首から下が麻痺して動かない身体障害者です。奥さんも亡くし、雇い人に世話をしてもらいながら、養女と共に暮らしています。そんなフィリップの世話人として雇われたのが、スラム街育ちの青年ドリスです。教養はなく、粗暴で、母親との関係も最悪ですが、常に今を楽しんで生きているような人物です。多くの前任者が1週間と続かない中、フィリップは彼には心を開き、笑い合い、二人はやがて無二の親友のような関係になっていきます。


途中、フィリップの友人が、助言をするシーンがあります。ドリスには宝石強盗で服役した前科がある、あの男と関わるのはやめた方がいい、と。すると、フィリップはこう応えます。
「彼だけは、私を『対等』に扱う。大切なのは今だ、彼は今は何の問題もなく頑張って働いてくれている、私はそれで満足だ、話はそれだけか」
フィリップが「対等」と感じるのは、どんなことに対してなのでしょう? 映画の中では、手足が動かないフィリップに対して、ドリスがわざとイタズラをしたり、障害をおちょくるような冗談を言ったりするのですが、言ってる本人はもちろん、言われたフィリップも笑っている。そんなシーンがたくさんありました。確かに、対等だと思っているからこそ、おちょくれるのであって、もし同情していたら、そうはできません。セックスの話でさえも、臆することなく質問するドリスだからこそ、フィリップは心を開いて、率直かつユーモアたっぷりに応えることができたのだと思います。


ドリスに対してはオープンでいられるフィリップでしたが、オープンになりたくても、なれない相手がいました。それは、文通相手のエレオノールという女性です。ドリスの強行によって、電話をし、写真を交換し、やがて面会の日が訪れるのですが、フィリップは身障者である自分に自信が持てず、それを相手に隠していたことから、土壇場で待ち合わせ場所から立ち去ります。ドリスは、そんなフィリップの気持ちに寄り添いつつ、「対等」に扱うことで、「ありのまま」のフィリップでいいのだというメッセージを送り続けるんですね。そして、フィリップは、最後にはありのままの自分をエレオノールに見せられるようになり、やがて二人は結ばれます。


さて、「ありのままでいること」って、案外難しいですよね。
「ありのままでいる」というのは、消極的に言うと、ありのままでいないの反対。つまり、卑屈になって媚び諂ったりしない、思ってもいないことを言ったりしない、横柄になったり自己顕示したりしない、ということ。本当の自分とは違う自分で振る舞わない状態とも言い換えられます。

人の心の中には、自分が期待する自分がいます。この映画を観て、実際の自分と、自分が期待する自分をどれだけ「対等」に扱えるかが、ありのままでいるためには、重要なんじゃないかな、と思いました。自分自身を見下しもせず、自分に驕りもしない、等身大の自分をそのまま見て、そのままで良いと自分が自分を「対等」に扱っている状態。それが、ありのままってことなのだろうな、と。実際の自分を尊重できず、「対等」に扱えない人は、ありのままの自分でいることもできず、ほかの人をも「対等」に扱えないので、絆はつくれない...ということになりと思います。自分自身をそのままで良いと「対等」に扱うことで、自分が一番パワフルな状態になるんだろうな、これが積極的な意味での「ありのままでいる」ってことなんだろうな、、、と、そんなふうに思いました。

当社の行動指針に「フェアであること」が掲げられています。そして、その中には「対等であること」を重んじた姿勢が表現されています。「『対等』でなくして絆なし」ということを、この機会に共有したいなと思いました。
当社行動指針: https://www.grassroots.co.jp/company/philosophy/

読んでいただき、ありがとうございました。今週も良い1週間になりますように!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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