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コンペのあり方を考える(2)?発注先を人材採用試験のようにと考えると良いかもしれない

 前回、企画コンペが増えているが、開催側にコンペ上手な企業が少なく、コンペ参加企業のモチベーションを下げている場合があることに目が向けられていないという趣旨のことを書きました。

 この原因は、「コンペは参加企業にとって先行投資である」という認識が主催する企業の担当者サイドの間で弱いためではないかという気がします。200万円の仕事をするとして、20万円の利益のためにいくら投資すべきか、という問題が参加企業側にはあるのですが、それが意外に理解されていないのかもしれません。もし20万円投資して最大利益が20万円であるなら、本来その投資はバカげています。もちろん、どの企業も、その先の関係性で生まれる利益を加味して判断を行っているはずですが、まず単純な構図として、「20万円投資して最大利益が20万円」のコンペが行われていることに、日本全体の経済感覚がどこか狂っていると感じてしまいます。
 しかし、現在の不況を考えると、みんなが「仕方ない」と受け止めています。ワタシ自身、エラそうなことを書いていますが、この点は悩みの種であって、「おかしい」「狂っている」では済まない、悩ましいテーマだと思っています。
(誤解を生んだかもしれないので、補足しますと、発注金額の桁が重要なのではありません。たとえ発注金額が30万円でも、利益が正当公正に出る仕事はありますから)

 ワタシがこれから書くことはモラトリアムすぎるのかもしれませんが、敢てひとつの提案をします。
 工業製品など製造分野の発注先選定と異なり、コミュニケーション分野の発注先選定では、もう少しパートナー選定という視点を加味した方がいいのではないでしょうか。案件ベースで、一案件ごとにより安くより良いものをという考え方をすることが間違っているとは思いませんが、コミュニケーション分野の施策、そしてその過程で必要となるツールの開発というのは、PDCAで育てていく性格のものだと考えます。
 たとえていうなら、コミュニケーション分野の発注先を選定することは、社員を採用するのと極めて近いのです。
 社員の採用というのは、企業にとっては発注先選定以上に重い選択なわけですが、その際に重視される共通事項は、恐らく潜在能力も含めた能力であったり、それを裏付けるための経験であったり、企業文化と個人の価値観のマッチングであったり、です。それらを、履歴書と採用試験と面接で読み解き、発注先選定などよりよほど重い決断であるのに、決断を下しているわけです。

 価値観のマッチングは特に重要です。ワタシたちも仕事をしているときに、自分たちの強みも活かせて、お客様との相性が良いと感じることもあれば、期待されていることと、自分たちの本来の良さがかみ合っておらず、マッチングが悪いと感じることもあります。後者の場合は、双方にとってハッピーではありません。

 能力をさぐるために企画コンペを開催することは採用試験でいう作文試験のようなものですから良いとして、でも作文試験の前に価値観が一致しているかを判断することがコミュニケーション分野の発注先選定では重要ではないかと感じます。それがズレているのならどんなに能力がどんなにあっても満足できる結果には至らないからです。
 わかりやすく例えると、ブレイン志向(あるいは付加価値志向)の会社に低価格志向は合わないですし、低価格を売りにしている会社にブレインを求めたら合いません。両方が不幸になります。そういった交通整理がないまま行うコンペは、非効率ですし、誰も幸せになりません。

 コンペの前に、マッチングフィルターに掛ける。これを提案したいのですが、みなさん、どう思われますか?

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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