ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ:2008年4月

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

昨日はお天気がよかったので、駒沢公園界隈まで散歩に行きました。電車やクルマで移動しているだけだとわからない発見があるので、散歩って好きです。久しぶりに歩いてみて驚いたのですが、あの界隈は「わんにゃん天国」なのですね。犬を連れて入れるカフェが多いのはもちろんですが、犬の健康を考えたドッグフードの専門店、ペットのファッションの店、ペット販売の店、迷子犬の里親を探すマッチングの店等々。実際、4?5人に1人の割合というとオーバーかもしれませんが、かなりの割合で犬を連れて歩いている人に出会います。

このように、あるキーワードに特化して商業施設が集積され街が形成されると、それに「期待」をもって集まってくる人たちが生まれ、普通の街ならその店の存在に気づいてもらことさえ難しいのに、そうした特化型の街であれば、目に留まるということが起こるのですね。

ワタシの会社、グラスルーツは青山の骨董通り沿いにありますが、骨董通りもアンティークショップが並ぶ特化型の通りとして、その名前がつきました。(実際には、骨董品を扱う店の数は以前より減ってしまった印象がありますが…。)
こうした例は他にもあります。高級ブランドのフラッグショップが並ぶ銀座はその代表選手ですし、秋葉原、巣鴨、歌舞伎町、新橋なども、絞り込まれた消費者が集まる代表的な街と言って過言ではないでしょう。最近では、新宿3丁目の無国籍化などもおもしろい動向です。

こうした場所に出店すると、同業者(同コンセプトの店)同士の競合は激しいでしょうが、そのエリアは限られたターゲットユーザを吸引する力を持っているので、プラスとマイナスを相殺してもプラスの方が大きいという判断も成り立ちます。プラスのポイントを一言で言えば、店とユーザのマッチングの精度が最初から高いという点です。

渋谷を歩いている1000名の消費者と秋葉原の街を歩いている1000名と、それぞれのその日の目的を比べた場合を想像すればすぐにわかることです。秋葉原に家電やパソコン関連で出店した場合、競合は激しい。でも、店舗の前を通過する人の大半は見込客である。この意味はとても大きいはずです。

と、考えたとき、これをネットに置き換えてみるとどうでしょう。総合的なモールの時代がいつまで続くのだろうかと、そんな疑問が湧いてきます。
アパレル業界では、magaseekやStylife、ZOZOタウンなどの特化型モールが隆盛していますが、こうした動きは他の業種でももっともっと広がって行くのではないかと思います。楽天やYahoo!ショッピングのような総合型のモールがなくなることはないと思いますが、別の勢力が強くなってくることはいくらでも考えられます。そんな時代に備えて、ネット販売のあり方を考えるというのは、今後ますます必要となる視点のような気がします。

あさっての木曜日、ある人材コンサルの会社が新規に立ち上げるWEBマガジン(?)の取材を受けることになりました。テーマは、「人材育成」についてだそうです。
グラスルーツでは、「スキルシート」を使って自分の現在地を確認したり、毎月1回の「水ing」というミーティングの場で自分の体験をみんなと共有したり、小さな企画制作会社でありながらも、それなりに勉強というものに時間を使っています。

中でも特徴的なのは、社内用語で「DM」と呼ばれている「ディレクターミーティング」です。来月後半以降のどこかで1カ月ぐらいかけて行われる予定のプログラムですが、毎年これはイベント的な研修会として、社内でも好評なプログラムとなっています。「ディレクターミーティング」を要約すると、「良いディレクターは(良いディレクションをし、良いクリエイティブを提供するには)、人の話に耳が傾けられると同時に、クリエイティブチームのメンバーに対して苦言を呈することもできなければいけない」という2つの観点から、聞く場・言う場の研修会ということになります。

もう少し具体的に言うと、各自が「自分について意見を聞かせて」と社内の人たちにアポを申し込んで、自分は何を期待されていて、周りからどう評価されており、何がまだ足りないのかを、自分から進んで人から引き出すということをお互いに行う、ということになります。「聞かせて」と申し込む相手は誰でもよく、申し込んだ人は、どんな意見を言われようと、まず聞くことに専念する、これが基本です。反対に申し込まれた相手は、多少手厳しいことでも、敢えて言わなければならない、そんなルール。言う方も、聞く方も、心構えができているせいか、良いコミュニケーションの場になっているようです。

観察していて興味深いと思ったのは、言う側が問題ばかりを指摘するのではなく、ちゃんとワンセットでその人の良い点を伝えてあげている点です(ことさら指導もしていなければ、ルール化もしていないのに)。良い点も認めてもらえていると思えることで、問題点を指摘されても、素直に聞けるのかもしれません。

会社としての「ミソ」は、ノミュニケーションも認めている点。一人当たりいくらまでならOKと予算を決めて、それがお茶だろうが、飲みであろうが、領収書をつけて申請すれば認められる形です。もちろん、レポート提出は必須です。が、だんだんと人数が増えてくると、一人当たりいくらまでとするかは結構悩みます。(これ、本音)

さて、ここで重要なことは、評価というのは、上司だけがするものではないと銘々が自覚することなのです。実際、社会の中での評価というのは、上司だけがしているのではなく、むしろいろいろな人から知らず知らずにされているものです。その相手はお客様、同僚、先輩、上司、協力会社など、さまざまです。企画の質、分析の質、制作の質はもちろんですが、電話の受け答えや会議での発言だって、相手から見られているのだと思います。そして、評価の裏側には、必ずその人に対する期待というものもある。何がどう評価されているのかを知り、自分に何が期待されているかを知るというのは、自分のモチベーションにとっても重要だと思います。そういえば、今月は昇給月ですが、上司の役割は、自分の評価だけで部下を評価せず、周りからの評価に目を向けて、そのバランスを保つことにあると思います。

というわけで、当社のディレクターミーティングは、ワタシが下手な説教をするよりも、自らの気づきを促すという意味で、大いに役立っています。それは、人の成長にとってとても重要ですし、だからこそ、おそらくこのプログラムは好評なのだろうと思います。素直に意見を聞く。そんな姿勢を忘れたくないものですね。

1月に行っていた採用試験(作文)では、4つのテーマの中から好きなものを選んで書いて良いということになっていました。4つの課題とは、「エスキモーに氷を売る方法」「夏」「自分を売り込む広告」「B」です。
4つのテーマの中で一番選択する人が多かったのが、なぜか「エスキモーに氷を売る方法」でした。なぜなのか、この心理分析には興味があります。

類似のタイトル「エスキモーに氷を売る」という本をご存知の方は多いかもしれません。これは、全米バスケットボール協会で観客動員数が最下位だったニュージャージー・ネッツを、27球団中チケット収入伸び率1位に導いたジョン・スポールストラによって書かれたスポーツマーケティングの本でもあり、と、同時にマーケティングにおいて普遍的な(言い換えれば当たり前な)ことを書いた、そこそこ有名な本であると思います。
採用試験で取り上げておきながら無礼な話ですが、ワタシ自身は2週間ほど前の出張の新幹線の中で、遅ればせながらこの本を読んだ次第です。人にもよるのでしょうが、なかなかおもしろかった。

ジョン・スポールストラの考え方とワタシ自身の考え方には共通点もありました。一番身近に感じたのは、「一番近いところから手をつける」という考え方です。とかく「マーケティングのプランを立てる」「販促のプランを立てる」というとき、何かこう大上段に構えてしまって、壮大なプランを描こうとしがちです。既存の顧客とは違う新しいターゲット層を取り込もうと考えてしまったり、とにかく「派手」なことをやらなければいけないような強迫観念に陥ったり。

でも、そもそもマーケティングという知識体系は、最も経費対効果の高い売り方は何かを追求しようということから生まれたのだと思います。だとしたら、一番即効性があり、経費対効果が高いところから手をつけるべきでしょう。その手法としては、今現在のお客様に訴えかける。これがまず第一です。これまでに接触のなかったお客様への案内と、これまでに接触があり、その企業を良いと認めてくださっているお客様への案内とでは、レスポンス率がまったく違うからです。

著者の着眼点は、まさにそういうところにありました。もちろん、それ以外にも彼の優れた点はたくさんあります。商品開発力、発想の柔軟さ、損得勘定のベースとなる数字を捉える力、社内コミュニケーション力、等々。でも、やっぱり一番は、当たり前のことを当たり前にやろうとした姿勢です。当たり前のことが意外にも当たり前にできないのが人間社会なのであって、できるというのはスゴいことだと思うからです。それで、すっかりこの本を持ち上げたい気持ちになりました。

ワタシは、マーケティング嫌いの人にマーケティングの話をするとき、マーケティングは確かに専門的な体系ではあるけれど、本来ちょっと頭のいい人なら知らないうちに自然と考えていることだと話しています。なぜならお金を有効に使い、効率良く成果を出したいと考えるのは、極々自然なことですから。
そんな考えに賛同する人にぜひこの本をおすすめします。
 

 こんにちは。
 なぜか、最近偶然にも「ブランディング」と「カテゴリー」をテーマとする2つの別々の案件に出会いました。2つの案件とは、1つは、不動産関連。もう1つは美容関連です。いずれも、とても明快なコンセプト(特長)を持ちながら、その表現はその良い点を言い当てられてはいませんでした。

 ブランディングにおいて、「カテゴリーNo.1」になることがいかに重要かについては、専門書籍を読んだ方ならご存知だと思いますが、ご存知ない方のためにたとえ話をします。

 かつて、「デザイナーズマンション」という概念が世の中に浸透していなかった頃、デザイン性の高い不動産物件を探すユーザは、「エリア名×予算」等で物件を探し、実際に物件を見に行き、その上でその物件にデザイン性があるかどうかをチェックし、最終的に決定していました。しかし、「デザイナーズマンション」という概念が浸透するに従って、「エリア名×予算×デザイナーズマンション」で物件が検索されるようになりました。

 ブランディングにおけるカテゴリー創出とは、いわばこのようなことです。つまり、「デザイナーズマンション」というような今までなかったカテゴリーを浸透させ、その中でナンバーワンの地位を占める。こうしたことが、重要になるわけです。
 ところが、まだ概念が浸透していない時には、その概念を表す端的な言葉を探し出さねばなりません。なので、「デザイナーズマンション」と同等レベルの言葉として、『この案件では◯○◯を打ち出しましょう』、これが当社の提案の大筋でした。

 このように、これまでのカテゴリーにとらわれるとナンバーワンになれないことも、新たなカテゴリーを見出すことによってナンバーワンになれたりします。自社が勝てるカテゴリーが何であるのか、目を向けてみてはいかがでしょうか。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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