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言語化で勝つ

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「ボランチは言語化がマスト」

先日、元Jリーガーの鈴木啓太氏のYouTubeに
ゲストとして出演していた元川崎フロンターレの中村憲剛氏が、
「ボランチに必要なことは?」と聞かれて、そう答えていました。

ボランチというのは、サッカーにおける中盤のポジションのことで、
司令塔とも言われる役割を担う場所。中村憲剛氏は、
川崎フロンターレ入団2年目から、
引退する2020年までボランチを務め、
何度もチームのJ1優勝に貢献してきました。

ボランチ、司令塔と一口に言っても、
選手のタイプやチームの戦術によって、
仕事の内容はいろいろあるようで、攻撃寄りのボランチもあれば、
守備的なボランチもいるようですが、
攻撃重視の憲剛氏が考える理想のボランチは、
「試合の流れを読むことができ、攻撃をコントロールして、
試合を決定づけることができ、
さらに相手の狙いを透かすことができるボランチ」
だと語っていました。

私なりに解釈すると、相手の狙いが読めて、
そこから試合の流れが読めて、
それによって自分のチームの攻撃をコントロールして、
試合を決定づける攻撃につなげられる、ということなんですかね。

いや、そんなことできたらすごくないですか?
と思うほど、求めている能力高いですよね。
憲剛氏がこれを理想としてプレーしていたからこそ、
フロンターレの強さがあったのだなと納得しました
(2017年、2018年、2020年、2021年はリーグ優勝しています)。


さて、そんな憲剛氏が
ボランチに不可欠な能力として挙げたのが、
冒頭でご紹介した「言語化」でした。

一瞬、「え? そうなの?」と思える意外な回答ですが、
よく考えてみると、ピッチに立っている11人の
メンバー全員が同じことを考えていないと、
まとまったプレーができないわけで、
司令を与えているのがボランチであること、
言葉でしか考えを伝えることができないことを考えると
(プレーの阿吽の呼吸というのもあるのかもしれませんが)、
確かに、とも思えます。

チームスポーツにおける言葉の重要性については、
箱根駅伝の常勝校、青山学院大学 陸上競技部長距離ブロックの
原監督もインタビューで語っていました。

原監督は、駅伝はチームスポーツだと話しています。
チームで戦う限り、全員が同じ思いを共有しなくてはならず、
メンバー一人ひとりが自分の言葉で自分の思いを語ることができ、
相手の言葉に耳を傾けることができること、
そして納得いくまで話し合うことができることが非常に重要で、
そのために必要な能力が言語力だと話しています。

青学ではスカウトの時に自分自身のことを
しっかり語れる選手であるかどうかを見ていると
以前どこかで読みましたが、なるほどなあと思いました。

eスポーツの世界でも、東大卒のプロゲーマーとして注目されている、
ときどさんという人が、「本当に苦しいときに強いのは、
『センスがいい人』よりも『言語化できる人』」と語っています。

本当にゲームが強い人というのは感覚に頼っているように見えて、
そうではない、と。
トップゲーマーに必要なのは「言語化」であって、
その理由は、言語化することで自分のプレーを客観的に振り返り、
次に生かしているから。
敵の、生まれつきのセンスと思えるようなプレーも言語化することで、
論理的に整理し、分析することができると言っています。

共通認識を作ったり、自分自身や相手の理解を深めたりできる「言語」。
言語化は、スポーツの世界でもビジネスの世界でも、
日常生活でも必要なことだなと改めて感じました。
そのためには、なんとなく言葉を選んで使用するのではなく、
言葉への感度を高め、しっかり選んで使うことが
大切だと言えそうですね。


今週も今日で終わり。暑さに負けずにまいりましょう。

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