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コミュニケーションで襷をつなぐ

お正月の箱根駅伝。


子どもの頃は、正直、何がおもしろいんだろうと思っていました。
毎年、何時間もテレビに向かい、ただ走る人たちを観ている両親は、
単に暇なのかと思っていました。


でも、今はわかります。
駅伝、ドラマですね。


ちょっと目を離すと、
だれかがスパートをかけて、後続の走者を大きく引き離したり、
いつの間にか順位が入れ替わったり。
そのあっという間のアクションが、次の走者に大きな影響を与えます。


そして何と言っても、襷を渡す、
という行為そのものがドラマです。


力を出し切って、倒れこみながら次の走者に襷を渡す選手もいれば、
時間切れで次の走者が出発してしまい、
襷を渡すことができない選手もいます。
今回も、あと数メートルという距離で、
次の選手に襷を渡せず、泣き崩れる選手がいました。
その悔しさを思うと、こちらも涙が出てきます。


さて、今年は原監督率いる青山学院大学が
王者を奪還しましたね。
いやー、すごいです。


原監督は、2004年に青学陸上部の
陸上競技部長距離ブロック監督に就任し、
5年後、33年ぶりに同校を箱根駅伝出場に導きました。
そしてそこから、大学三大駅伝3冠、
箱根駅伝4連覇を達成しましたが、
昨年は、優勝を逃してしまいました。


「青学、弱くなったな」
「テレビに出過ぎなんじゃないの?」
という声を聞きながらも、
監督は今までのスタイルを
変えなかったと雑誌のインタビューで語っています。

今までのスタイルとは、
監督が独裁的にやらないこと。
選手としっかりコミュニケーションをとって、
常に個々の選手の自己ベストの半歩先を一緒に目指すこと。
長期的には長距離陸上界を盛り上げること。
(だからテレビに出ているのだそうです。)


監督に言われたことだけやる人間は、
社会で通用しない、と監督は言います。
青学では、キーワードを与えて、あとは選手に考えさせるそうです。
そうすることで、
一人ひとりが考える力、突破力、計画力、分析力を
つけていくそうです。


私が、おもしろい取り組みだな、と思ったのは、
長年行っているという、
コミュニケーション力をつけるための1分間ショートスピーチ。
毎朝、一人の選手が全部員の前で、
1分間のショートスピーチをするそうです。
起承転結をつけて、最後は陸上競技に落とす、という決まり。
アイドルから入っても、ラグビーから入っても、
何でもいいそうです。


なかなか難しいことをするなあと思いました。
でも、これが得意になると、
ポイントを絞って話すことができるようになりますね。
文章を書くことを考えても、
いいトレーニングだなと思いました。


あ、でも、こうしたトレーニングは
社会人としてやっていくための力に
結びつくのかもしれませんが、
駅伝という競技にどう影響するのでしょうか。
一人で走るし、複数で走りながら
コミュニケーションをとるわけでもないし、、、。


なんて思ったのですが、こういうことなんですね。


選手一人ひとりが、まず自分自身を理解する必要がある。
なぜなら、理解しないと、
自分の強みも弱みもわからず、人間力も技術も伸ばしていけない。
自分自身のことは、
一人で考えていてもわからない。
自分のことを語ったり、
人の意見を聞くことでわかるようになっていく。
だから、コミュニケーションは必須なんです。


さらに、原監督によると、
駅伝は「心の襷リレー」なのだそうです。
心の絆がないチームは、往路で遅れをとったら、
復路で回復できないと監督は言います。


確かにそうだなと思いました。
黙々と自分のことだけ考えて走っていたら
あの本番の力は出ないと思います。
普段からコミュニケーションをとって、
全走者を信頼し、心もつなぐと思っているから、
限界を超える力で走ることができるんですね。


ああ、いいなあ、心の襷をつなぐなんて、、、
いいなあ、青春、、、


さ、私はそろそろ、
コミュニケーションでボールを運ぶスポーツ、
高校サッカー決勝を観ます!

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