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「リトル・ミー(ME)」、いますか?

テレビをつけたら、元サッカー日本代表の
本田圭佑選手が出演している炭酸飲料のCMが
流れていました。
本田選手と一緒にリトル本田も出演していて、
久しぶりで、懐かしくなりました。


リトル本田が有名になったのは、本田選手が
イタリアのACミランに入団した2014年。
入団会見で、記者から
「なぜ、ミランを選びましたか?」と聞かれ、
本田選手は
「自分の心の中のリトル本田に聞いてみた。
彼は『ミランでプレーしたい』と言いました」
と答えました。


マスコミは、彼のユニークな回答を
一斉に取り上げ、一時、日本では、
「リトル本田」を笑いのネタにするような風潮もありました。
しかし、この「リトル本田に聞いてみた」
という言動は、実は本田選手が
「メタ認知」ができているということを示していたのです。


メタという言葉には
「高次な」という意味があります。
「メタ認知」は、あるものを一つ上の視点から客観的に見ること。
自分自身を客観視する能力としても使われ、
ビジネスやスポーツ、教育の分野などで注目されています。
本田選手は「リトル本田」を通して、
自分の行動を冷静に見つめ、分析していたのです。


一流のスポーツ選手は
総じてメタ認知能力が高いと言われますが、
中でもよく知られていたのがイチロー選手です。


イチロー選手は、
「自分が何をどう感じて、どのように打てているかを説明できた時、
超一流の仲間入りができた」
という名言を残しています。
これはメタ認知ができていなければ、生まれていなかった言葉でもあります。


では、反対にメタ認知をしないと、どんなことが起こるのでしょう。


「ダニング=クルーガー効果」
という現象があります。
2人の心理学者がアメリカのコーネル大学で
行った研究で知られるようになりました。


心理学者の茂木健一郎氏は、
「ダニング=クルーガー効果」を
次のように説明しています。


能力の低い人は自分のレベルを
正しく評価できない。
能力の低い人は他人のスキルも
正しく評価できない。
よって、能力の低い人は自分を過大評価する。


研究では、ある試験のあとに、
自分がどの程度の成績かを評価させる実験が行われました。
すると、下位4分の1にいる人は
「かなりできたので上位を狙える」と答え、
上位にいる人ほど「もっと成績を上げる努力が必要」
と謙虚な答えが返ってきたのだそうです。


茂木氏は、これがまさに、
ダニング=クルーガー効果の好例であり、
脳が持つ特定の思考癖を表していると言っています。


なんだか、ちょっと耳が痛いような気もしますが、
でも確かにそうですね、、、
勉強でも、仕事でも、スポーツでも、
自分のどこに問題があって、
どうすれば良くなるのか、
わかっている人は、伸びていきます。
でも、自分の問題に気づくことすらできないと、
成長することもできません。


でも、ご安心を。
メタ認知の能力は高められるそうです。


トレーニングとしてよく取り上げられているのは、
自分が考えていることを紙に書くことです。
え、それだけ? と拍子抜けしてしまいそうですが、
書くだけで終わらせるのではなく、
後から客観的な視点で読み返すことで
「自分はこんなふうに考えたんだ」
と、気づくことが重要なのだそうです。


何か悩みがあるのであれば、
相談する自分とアドバイスする自分の2役を
紙上で会話させる方法も有効だそう。
悩む自分「~で悩んでいる」
アドバイスする自分「なぜ、そう思ってるの?」
というふうに。
もうこれ、リトル本田ですよね。


こうしたトレーニングで
客観視する癖がついてくると、
自然にメタ認知能力は高まっていくそう。
そして、メタ認知ができると、
成長スピードはぐんと上がります。


皆さんは自分の中の「リトル・ミー(ME)」と、
どんな会話をしますか?

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