ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ:2014年11月

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

以前、アルピニストの野口健さんのインタビューを読んでいたら、
こんなことが書いてありました。


「今やヒマラヤでもネットが見られる時代なので、
今までシェルパの経験と勘に頼っていた天気予報も、ネットでわかるようになった。
すごく便利になったが、いつもネットの情報が正しいとは限らない。
シェルパの勘のほうが正しいことがある。
天気がどう変わるかを知るには、やっぱり空を見上げたり、
風を感じたりしなくてはならない」


天気が知りたいのに、空を見上げずにパソコンを見る。
これ、やってしまいますね。とにかく、ネットを見ようとしてしまう。
たとえば、木の葉の色が知りたいのに、外に出ずにネットで調べたり、
会社ですぐそばに座っている人とのコミュニケーションで悩んでいるのに、
その人のところへ行かずにネットで解決法を見たり...。


画面を見れば、膨大な情報に瞬時にアクセスできる。
その情報を取り入れるためのメソッドやスキルもたくさん用意されています。
ものすごく便利です。でも、一方で失っていくものもありますね。


たとえば、観察力。よく見たり、聞いたり、触れたりしているでしょうか。
思考力。じっくり考えて自分の考えをまとめること、しているでしょうか。
経験。実際に体を動かして、試してみているでしょうか。
直感。将棋棋士の羽生義治氏は、直感は何もないところから湧き出るものではない、
と言っています。思考と経験の積み重ねから生まれるものだ、と。
思考と経験の蓄積がないと、直感は鈍る一方です。


なんてことを考えていたら、ある歌を思い出しました。
TOKIOの『雨傘』という曲です。


「待って、鼻を利かせなよ
今宵は雨だろう
傘くらい携えて行け
怖いことは流されること
五官があるだろう
何より頼ればいいのに」


うーん。
観察したり、じっくり考えたり、判断したりすることは、
今の時代は意識的にやる必要があるのかもしれません。


直感が必要な場面で、もたもたせずにシャキーンと決められるよう、
普段から鍛えておかなくちゃいけないなと改めて思いました。

「いろいろなところで部下を褒めろと教えられますが、
今の部下は褒められるほどの実力もないし、成果も上げない。
これでどうやって褒めたらいいんですか」


「本当に褒めないと育たないんでしょうか。
私は褒められて育った記憶なんてないんですが」


部下の育成研修などで話をすると、40歳以降の管理職や責任者の多くが
こうした悩みを打ち明けてきます、と言うのは、
『人の心を打つトーク術』の著者であり、
教育プログラムのコンサルティングを行う
株式会社マイルストーン代表の水野浩志さん。


一方、30代の管理職や責任者からは、
「どうしても部下を叱れないんです。厳しくしろと言われるんですが。
叱らないと本当に育たないんでしょうか。
私なら叱られたらやる気をなくすんですけど」
と言った悩みを聞かされるのだそうです。


水野さんは、「褒められない」人にも、「叱れない」人にも、
こう言うのだそうです。
「褒めなくても、叱らなくてもいいですよ。
褒めても、叱っても、部下は育たないですから」。


水野さんがそう思うのは、
自身が褒められても、叱られても育たなかった経験を
持っているからだと言います。
子どもの頃、元気でやんちゃで、生意気でわがままで、
そのくせ線が細く、傷つきやすかったという水野さん。
水野さんには、周囲の大人たちがハラハラ、イライラしながら、
時に褒めたり、時に叱ったりすることで、
何とか自分を上手く扱おうとしていることが透けて見えて、
誰の言うこともきちんと聞かなかったのだそうです。


そんな水野さんが、「この人の言うことは聞こう」
と思った人に出会ったのが高校1年の時。
当時の担任の先生でした。
「この先生は他の大人とは違う」と水野さんはすぐに感じたのだそうです。
その先生は、敢えて褒めることも叱ることもしなかったそうです。
でも、ただただ、よく自分のことを見てくれていて、受け止めてくれた。
そして、変化を起こしたところにはすぐに気づき、認めてくれたと言います。


育成には、褒めたり叱ったりする前に
「受け止める心構えと言葉」と「認める心構えと言葉」が
必要だと水野さんは言います。


部下が現在どんな状態であっても、たとえ自分と違った考え方であっても、
一度「受け止める」こと。
その上で、よく観察する。そして変化が起きたら「認める」。
これを繰り返すことで、無理に褒めたり叱ったりしなくても、
人は育つのだそうです。


大いに納得です。
でも、受け止めるとか認めるって実際にどうやってやるんだろう...
と、私のように思ってしまった方は、
「自分に向けての言葉づかいを変える」と効果があるのだそうです。


たとえば水野さんの場合、自分の考えと違うことを言われた時、
「それは違う」と言うのが癖だったそうなのですが、
この言葉を言いそうになった時は
「なるほどね」と言い換えるようにしたのだそうです。
言葉を言い換えることを繰り返し続けると、
意識的にも相手を受け止められるようになっていくのだといいます。


ふいに口をついて出てしまう言葉、ありますよね...。
私はとりあえず、自分がよく言ってしまう言葉を
メモすることから始めてみようと思います!

歌でも演技でも演奏でも、
人の心をぐっと掴むものと、そうでもないものがあります。


完璧なビブラート、完璧な声量で歌う歌手の歌を聞くと、
「わあ、上手い!」とは思いますが、後に残る感想は「上手かったね」でしょう。
まったく軸がぶれない、完璧な回転をするバレエダンサーの演技も、
「わあ、すごい!」とは思うでしょうが、
「感動したね」とはならないかもしれません。


では、何が人の心を動かすんだろう。


私が心を動かされたものをいくつか思い起こしてみました。
まず、先日引退宣言したフィギュアスケートの高橋大輔選手の演技、
マンボメドレー。
そして、故マイケル・ジャクソンのジャパンツアーでのステージ。


久々にこの2つをYou Tubeで観てみて、あることに気づきました。
それは、「間」と「緩急」、「強弱」です。
高橋選手もマイケルも、「間」の取り方、「緩急」や「強弱」のつけ方が
絶妙なのです。


高橋選手の場合、マンボというジャンルがそもそも強弱がはっきりしているから
ということもあるのですが、
音に合わせてぴたっと動きを止め、視線を落としたかと思うと、
少し間をおいて、ゆっくりと視線を上げ、その視線を流しながら滑らかに動き出す。


このバランスが何とも言えないのです。
観客が「きゃーっ!」と叫んでしまうのもわかります。
先日、テレビで元フィギュアースケーターの八木沼純子さんも言っていました。
「あれは、高橋選手にしかできない。他の選手には絶対にできない演技です」と。


そして、マイケル。ちょっと古い1987年、後楽園球場でのステージですが、
『スタート・サムシング』というとても速いナンバーを
ダンサーと一緒にめまぐるしく踊ります。
時間にして5分以上。
ファンは息もつけず、何とかマイケルについていくという雰囲気です。


が、突然、音楽もダンサーもマイケルもぴたっと止まる。一瞬、静まり返る会場。
あちこちから歓声が聞こえ始める。ステージはまだ止まったまま。
ファンは顔をぐしゃぐしゃにして大声で叫ぶ。そのボリュームが最大になった時、
ダンサーとマイケルはまた激しく踊り始めるのです。
マイケルのステージは度々ファンが失神することで知られていましたが、
改めて映像を観てみると、そうなってしまうのもわかる気がします。


こうして見てみると、「間」や「緩急」、「強弱」を上手にコントロールすることは、
相手の視線や気持ちをぐっと引きつけるためには
なくてはならないものだとわかります。


会話でもそうですね。
「あの人と話しているとおもしろい」と感じる人の話し方には、
この3つの要素が絶妙に含まれています。
反対に、話をしていて「退屈だった」と感じる時は、
相手が同じボリュームで、同じトーンで、
同じ表情でずっと喋り続けていることが多い。


さて、自分はどうでしょう。
私の場合、間は十分に足りてる気がしますが(滑舌が悪いから)、
その間が心を掴む間かと言われれば違う。
緩急と強弱は全然考えていなかった。
表情は。。。
「怒ってるの?」と子どもによく言われるからなあ、という感じです。
ああ、イカンなあ。
皆さんはいかがですか?

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