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「支える人」に求められることとは?

メルマガのネタを探すために、ネットを彷徨っていたら、
なぜかJAXA(宇宙航空研究開発機構)のサイトに辿り着きました。
どんなキーワードでここに行き着いたんだっけ?
そうそう、「メンタルトレーニング」だ、と思い出したのですが、
サイト内の情報をいろいろ読んでいるうちに、
もっと気になるキーワードを発見しました。
「フォロワーシップ」です。


宇宙飛行士には、そもそも精神的ストレスでパニックにならないような人や、
リーダーシップを発揮できる人が選抜されます。
そういう人材が厳しいトレーニングを経て、より強いメンタリティーを手に入れる。
そんな精鋭の集まりですから、仕事上は何の問題もないように思いますが、
軌道上のミッションの達成には「チーム力」が不可欠。
リーダーは決まっている状況でも、もともとリーダー向きの人の集まりですから、
お互いが足を引っ張ってしまうこともあるというのです。
そこで、重要なことが「フォロワーシップ」をよく理解するということ。
リーダーを支えるためのスキルや心理を学ぶことなのだそうです。


一橋大学大学院商学研究科教授の守島基博さんが、
フォロワーに求められる3つの能力について、こう書いています。


1、 リーダーが語っているビジョンの正しさと実現可能性を評価する能力
守島教授は、これを「自分がついていくべきリーダーを選択する能力」と
言い換えています。


2、 選んだ対象へ意図的に努力を集中する能力
コミットする力。コミットとは自然にできるものではなく、
積極的な努力によって生まれるもの。リーダーが語るビジョンを信じ、
迷わず、ビジョンの実現のために意図的にエネルギーを注ぐことが
必要なのだそうです。


3、 常に批判的にリーダーを評価し続ける能力
え? 2つ目にあげたことと違う、って思いますね。迷わずに信じるって。
教授は、ある意味ではコミットしつつ、同時にそのコミットの正当性を
いつも疑う冷静さだ、と言っています。


フォロワーシップについて多くの観察をしている
米国の経営学者、ウォレン・ベニスは、
「組織が暴走しないために、フォロワーが
リーダーについていく中で常に冷静さを保ち、
疑問や不満、間違いなどをリーダーに対してきちんと伝えて行くことが、
フォロワーシップの根幹だ」と述べているようです。
盲目的についていくのではなく、ついていくコミットをしながらも、
状況を冷静に観察することが必要だということですね。
なるほど、です。


と、ここで、先日ブラジルに出発したザックジャパンを率いる
ザッケローニ監督が、手記の中でこう書いていたのを思い出しました。


「私には、私がどこかで監督の仕事をする時、
喜んでかけつけてくれるイタリア人スタッフたちがいます。
彼らとは長年苦楽をともにしてきました。
私が彼らと仕事をするのは、気心が知れているからだけではありません。
彼らが私のサッカー観を深く理解し、
それを選手に効率よく伝えることができるからです」


「イタリアでは当たり前のことですが、
コーチには黒子に徹する聡明さが必要です。
監督の一番の仕事は決断すること。
コーチングスタッフはその決断をサポートするのが仕事です。
イエスマンを求めているわけでは決してありません。
ミーティングではコーチは私に積極的に意見します。私もしっかり聞きます」


うーん。リーダーだけがリーダーシップを発揮すれば、
組織が成り立つわけではないんですね。
別の見方をすると、どんなにすばらしいリーダーがいても、
フォロワーがフォロワーとしての役割を理解し、実行していなければ、
その組織は機能しているとは言えない、ということになりますね。
フォロワーシップの重要性、改めて理解しました。

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