ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ:2024年7月

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

国旗_s.jpg

パリ・パラオリンピックが始まりました。
日本選手の皆さんにはがんばってほしいですね! 応援しています!

ところで、あなたはスポーツに真剣に取り組んだことはありますか?
「真剣に」と言われると少しひるみますが、私は一応あります。
体格は小柄ですが、若い頃はスポーツウーマンでした。
中学生の時は、陸上部に所属。しかし、全くの「才能なし」。
(まあ、苦節の3年間でもやり続けたことが自信にはなったのかなー)
その後、チームスポーツがやりたくてハンドボールをやりました。
進学校でしたが、高校時代は神奈川県で優勝したこともありました。


スポーツをやって良かった理由の1つは、勝負と向き合う経験ができたことです。
「勝ち」と「負け」。
勝負の相手は、対戦する誰かである前に、大抵は自分です。

私がスポーツを通じて学んだことは、たくさんあるのですが、
その中でも絞り込んで3つ言えと言われたら、次の3点を挙げます。
1・全員が自分の持ち場に「責任」を負ってこそチームが機能すること
2・自分を信じる「メンタル」があってこそ勝てること
3・「頭脳的ながんばり方」をしても、闇雲にやっても負けること


まず「責任」について。
陸上競技は個人競技なので、先輩から叱られることはあまりありません。
でも、チームスポーツであるハンドボールでは、キャッチをミスすると叱られます。
入部して初めて三角パスという練習をしたときの記憶です。
キャッチを何度もしくじって、先輩たちから「キャッチ!」と怒鳴られました。
「ちゃんとキャッチせよ」という意味です。陸上部の時にはなかった経験でした。
チームワークというと、仲良くやっているイメージもありますが、
実はそうではなく、責任の果たし合いの上に成り立っているのだと知りました。

次に「メンタル」について。
いやー これ、説明は要りますまい。
できるかな? 勝てるかな?なんて思って勝てることは絶対にないということです。
入らなかったらどうしようと思って打ったシュートは絶対に入らないです。
シュートは「入れてやる!」と思って打たなければならない。
そのメンタルを養わないと、どんなに練習しても、シュートは入らないのです。

最後に「頭脳的ながんばり方」について。
とかく多くのスポーツは肉体的要素や練習量が勝ち負けに影響しそうに思えます。
でも、それだけが勝負の要因なのかというと、そんなことはありませんよね。
相撲でも、平成で言えば舞の海、令和で言えば炎鵬は小柄な力士の代表格です。
肉体的にも練習量でもハンデがあるとき、考えなければ必ず負けます。
「頭を使って勝て」という先生や先輩たちの教えには一理ありました。


私が学んだ3つ以外にも、勝負で重要なことはあります。
たとえば、「運」と「勘」。
どちらも、とても非科学的な印象がありますが、
私は、ビジネスでもこの2要素はとても重要だと考えています。

そして、「運」も「勘」も、心の「鍛練」の先にあるものではないでしょうか。
「鍛練」というのは、しっかり練習し、自らを鍛えること。
「鍛練」なくして、「運」も「勘」も手に入らないであろう...
という人生観です。

こういうと昭和っぽいですが、「スターウォーズ」のヨーダ的な考え方と言ったら、
少しは自然思想な感じや、禅的なものが伝わるでしょうか?
実際、「スターウォーズ」は仏教的な教訓で溢れています。
仏教では徳を積むことが、自己の成長や他者の幸福につながると考えられています。
私は、「徳」と「運」「勘」は無関係ではないと思っています。
利己的ではなく、他人のことを思う人には勘が開かれるし、
運も与えられるのではないかなー、と。


さて、話を勝負事に戻すと、先日、施設で暮らす96歳になった父に
こんなことを言われました。

「勝負事や賭け事は好きなぐらいでちょうどいい。所詮、人生は勝負事だから」と。

話の発端は、次回来る時に何かしらのゲームを持ってこようと思って、
どんなゲームがいいか、聞いていたときでした。
というのは、父は本来、囲碁が好きなのですが、囲碁は結構時間がかかります。
私自身の時間的負担を減らした上で、父が楽しめることを探りたかったのです。

「対戦ゲームはどう?」と聞いたら、
「勝ち負けは、もうどうでも良いから、そんなに興味はない」と。
でも、その後に言ったのが、上に紹介した台詞だったのです。

父いわく、「人生は『勝負事』とは他人を打ち負かすということではなく、
自分の思うような結果を得るということ。
勝負事が好きな人は、思い通りに行かない時には悔しいと思い、
自分のどこに問題があったのか、次はどうすればいいのかを考える。
勝負事が好きなら、それは苦にならない。
でも、勝負事が嫌いな人は負けは苦だし、負けたときに他人のせいにする。
他人のせいにしている人は、負け癖がつく」。
ちょっと意訳ですが、そういう意味でした。

100%同意ではないけど、自分の人生を他人のせいにはしたくない。
...というところ、私もその血を受け継いでいるなと思いました。

「運」も「勘」も「勝負事」も
結局はどれだけ心を鍛え、心が整っているかに掛かっている気がします。
パリ五輪に出場する選手の皆さんも、
そして、もちろん選手を応援しながら日常に励む私たちも、
自分に負けないように心を整えたいものですね。

はぁ~ でも暑さには負けそうになる...。
今週はもう8月です。
お互いに暑さにめげず、がんばりましょう!

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東京都知事選が終わりました。
感想はいろいろありますが、今日のテーマは政治の話ではありません。
今回は、過去最多の立候補者数だったこともあり、
出馬会見や政見放送、街頭演説動画など、
知事を目指す人たちの声を聞く機会がたくさんありました。
それらを通じて、言葉として違和感があったことがひとつあります。
「立候補させていただく」に代表されるように、
「させていただく」という謙譲表現です。


もちろん尊敬語、謙譲語は難しいし、
私自身も含めて誰でも多少おかしな言葉を使っているので、
完璧であらねばならぬ...などと思ってはいません。

なのですが、「させていただく」という謙譲表現、
政治家の皆さんがやたらに多用するという印象、ありませんか?
そして、その傾向が私たち一般人にも蔓延してきているなーと感じます。


では、なぜ「立候補させていただく」に違和感を覚えたのかと考えてみました。

早速、Google先生に「させていただく 謙譲語」で尋ねてみたところ、
マイナビさんのコンテンツから次のような説明がトップに上がってきました。

ーー以下引用ーー
「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語であり、
「相手からの許可」「恩恵を受ける」という意味が含まれます。
相手の許可を得ていない、得る必要がない、恩恵を受けていない場合には
使用しません。
ーーーーーーーー

なるほどと合点がいきました。
立候補は自分の意思で決めることであり、許可をもらうことではないから、
「立候補させていただく」に違和感を感じたのだと思います。

では、「させていただく」の正しい使い方例には
どのようなものがあるのでしょうか?
以下の5例は、許可と恩恵という観点から正しいと言えそうです。

「〇日の〇時に訪問させていただきます」
「日程の変更をさせていただきます」
「この忘れ物は1カ月後に処分させていただきます」
「(イベント会場で)荷物の中身を点検させていただきます」
「ご提供いただいた写真を使わせていただきます」


しかし、実際に世の中では許可と恩恵とは無関係に
「させていただきます」が使われています。たとえば...

「資料は当日、配布させていただきます」
「(パートナー企業に)明日はお休みさせていただきます」
「報告書は予定通り明日提出させていただきます」
「写真を添付させていただきます」
「私が担当させていただきます」

いやー 使っていますよね。
これは多分、許可・恩恵以外に、意思表示を丁寧に伝える場合に、
「します」→「させてもらいます」→「させていただきます」
になっているのでしょうね。
だとしたら、言葉は生き物だし、
それはそれで別にいいんじゃないのという気にもなってきます(笑


話を戻して、政治家のスピーチの違和感の本質。
許可・恩恵でないことで使われているという以外に、
実はもう一つあって、それは「多用されすぎ」であることと関係あります。
多用されるがあまり、大臣が「指示させていただいた」
「お示しさせていただきます」と言ったりするのも、おかしなことです。


「させていただきます」を多用している人にとっては、
「丁寧に、謙虚に...」という気持ちからなのかもしれませんが、
少し皮肉な見方をすると(すみません、天邪鬼で)、
「丁寧な言葉を使っておく方が、突っ込まれないだろう」とか、
「へりくだっておけば、人は信用してくれるだろう」などと
思っているようにも見えます。
何となく受ける印象として、言葉は上辺だけのもので、
実際には尊大であったり不誠実なのではないか?とか
防衛的な面が現れているだけなのではないか?などと思ったりもします。

「検討させていただく」がその典型ですよね。
そう言ったなら、検討結果を報告する責任があると思うのは私だけでしょうか。

「させていただく」という表現を、必要以上に乱用することを揶揄して、
「させていただく症候群」というのだそうです。

夏休みシーズンを迎えます。
「お休みさせていただく」ではなく、
「休みます」と言うのが普通なことになってほしいですね。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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