ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ:2020年9月

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

あなたは人の、あるいは自分の、「OS」について考えたことがありますか?
本来、OSとえば、Windowsの「Windows 10」、Macの「Catalina」のような
コンピュータのオペレーティングシステムですが、
それになぞらえて、今日は、人のOSとそのバージョンアップについて、
ヒントを探ってみたいと思います。


当社では、スタッフに対して成長には「スキル」より「OS」の方が大切だと
伝えています。
スキルというのは、OSの上で動くアプリケーションのようなものだからです。
といっても、では「人のOSとは何か?」と聞かれると、説明は簡単ではありません。


OSはパフォーマンスを左右するものだと考えると、
パフォーマンスを生み出すのは第一に思考と行動です。
思考が行動を作り、行動が思考を作ると言われるように、
パフォーマンスを高めるには、行動はもちろん重要ですが、
思考の質を高めることが必要です。


思考という言葉には「理」のイメージがありますが、
一方で、仕事でパフォーマンスの高い人は、
人間力のようなものを持っていることが多いのではないでしょうか。
これは、どちらかというと「感」のイメージですよね。
相手の気持ちを汲み取ったり、
場に起きていることを感じ取ったり、
人の気持ちに対してだけでなく、自分の気持ちにも素直であったり。。。
これらは、理屈というよりも、五感や感受性に寄るところが大きいですよね。


で、今、「理」と「感」を分けられるかのような書き方をしました。
一般に、しばしばこの二つはあたかも別のことのように扱われることが多いです。
でも、ふとこんな考えが浮かんできました。
本当にそうだろうか?と。
理的なこと、感的なことは確かに別々に存在しているような感じがしますが、
実は、その間はむしろ密接に連携し合っているもので、
明確には分かれていないのなのではないか、
むしろ人間の「理」の力と「感」の力は一体のもので、
1つのシステムとして、インプットとアウトプットを行なっているに違いない、と。


まあ、これ、専門家の誰それによれば...というような根拠もなく書いていますので、
真に受けないでくださいね。


ただ、こう考えると、まんざらウソでもないと思えるような...。
たとえば、目の前の誰かが、大笑いしながら、何かを話していたとします。
笑っているという表情の情報は目から入り、話す内容は耳から入ります。
この人が本当に楽しくて笑っているのか、
お愛想のためにウソっぽく笑っているのか、
あるいは、威圧するために笑っているのかは、
大抵の場合、人間の動物的感覚で何秒もかからずにわかります。
しかも、そこに至る過程の情報を理解していれば、
動物的感覚から得た情報に加え、分析的な思考が働き、笑いの真意がわかります。
「理」の力と「感」の力は一体的なもの...と思ったのは、そういうことからです。


そういう意味で、人のOSのバージョンアップを図るには、
思考の習慣を変える、思考の質を変える、
広い意味で感覚感度を高めるなどが役立ちそうですが、
抽象的にそんなことを言われても、何のヒントにもなりませんよね。


そこで、私の個人的な意見がお役に立つとも思いませんが、
OSを高めるためのアイデアをもう少し具体的に書いてみることにします。
私は「自分が『わかったか』どうかへの感度」を高めることは、
OSの質を高める上で効果があるのではないかと考えています。
自分自身の理解の状況さえ自覚できない時に、
他人のことなどわかるわけがない、というのがその理由です。


あなたは、自分の「わかった」と「わからない」の
その感覚をどのくらい意識していますか?
同じ「わからない」であっても、
経験を積むと、自分の抱く疑問点は明瞭になりますが、
若くて経験の浅い段階では、その感覚がぼんやりしがちです。
自分が、わかっているのか、わかっていないのか、わからないという感覚。
わからないことはわかっても、何がわからないのかわからないという感覚。
そんな状況に陥るのではないでしょうか。


「わかった」が成立する1つの基本パターンに、
こうだから、こうで、だからこう、なので、こう...というように、
前と後ろの関連がわかって、全体がわかるというものがあります。
ここで「わかった」感覚を支えるポイントは2つです。
・前後のつながりがわかる
・そのつながりに基づく全体像がわかる
そのパターンで「わかった」経験を重ねていくと、
段々自分がわかっている/いないに自覚的になれます。


さて、「自分が『わかったか』どうか」にアンテナを張ることも重要ですが、
「『わかったつもり』になっていないか」というアンテナを張ることは、
もっと重要だと思います。


「わかった」と思えた時、人はすっきりしています。
「わからない」と思う時、人はもやもやし、疑問が湧きます。
でも、その中間に「わかったつもり」というやっかいな状態が存在しています。
教育の専門家である西林克彦氏は、
その著書「わかったつもり〜読解力がつかない本当の原因」の中で、
「わかったつもり」というのは、
・わからない点はなかった
・自分のわかり方に、さして不満はない
・それほどはっきりした「よりわかりたいという欲求」はない
...と思っている時に起きると言います。


「わかったつもり」でいる時、その人はその状態に満足しているので、
それ以上に知りたいという欲求が起きません。
そのような状態の人に、さらにわかってもらうように上司として指導する場合、
上手な問いかけが必要ですが、そもそも本人が知りたいと思っていないので、
風穴を開けるのは簡単ではありません。
もちろん、これは上司の立場も同じです。
書いている私だって、「わかったつもり」に陥ることがあります。
でも、「わかった」「わからない」「わかったつもり」があることを、
みんなが知ってさえいれば、もう少しオープンに話せそうです。


2020年もあと3カ月。。。。
今週が素晴らしい1週間でありますように!

200914note.jpg

実は最近、本当は別の調べものをしていたのに、あちこちのサイトを巡るうち、
「メモの取り方」に関し、二人の人物が同じような意見を発しているのを目にしました。
それは、「メモを取る目的」についてです。
私自身あまり深く考えたことはなかったので、
シェアさせてください。


私が注目した二人というのは、
メンタリストDaiGoさんと、SHOWROOMの社長である前田裕二さんです。
前田さんは、2018年に「メモの魔力」(幻冬舎)という本を、
DaiGoさんは、2019年に「人生を変える記録の力」(実務教育出版)という
本を執筆しています。


私は、これらの書籍を読んでいませんが、
本の内容に関するインタビュー記事やYoutubeを見てみると、
前田さんは、「知的生産を目的にしたメモ」
DaiGoさんは、「創造につながるノート」
というような表現で、メモを取ることの目的を語っています。


メモの語源は「memorandum」(備忘録)であるように、
情報を記録するという目的でメモを取る人が多いのではないでしょうか。
ですから、多くの人がメモと聞いて思い浮かべるのは、
話を聞いたり、何かをインプットするシーン...なのかもしれません。
でも、二人のメモの捉え方はそうではありません。
何かを生み出すためには考えることが必要で、
そのためにメモをする...と捉えています。


私自身は、記録するという意味でのメモの活用はもちろんしていますが、
記録という視点でのメモ取りは、決して上手ではありません。
一方で、何かを生み出し、何かについて考えを深めるために、
自分たちの思考を言語化したり、
概念を図解化したりすることは日常的に行っています。
私の感覚では、メモしているというよりも、
書きながら整理しているという感覚なのですが、
これ、偶然にも前田さんのやっていることと、とても似ていました。


前田さんがメモを取る上で重視している思考フローは、
3つの段階に分かれています。
1. ファクトを正しく知る
2. 抽象化する
3. アクションに転用する


それによってファクト(事実)がアイデアに変わるといいます。
「アクションに転用する」という表現は前田さん特有のものですが、
私流の表現で言えば、ほかのことにも「応用できるようにする」ということです。


ですが、今日、取り上げたい1番のポイントはそこではなく、
「抽象化」というアプローチについてです。
抽象化とは、ある一つの体験を通して、そこから何が言えるのか、
自分なりの教訓を導き出すことと言い換えてもいいかもしれません。


ところが、この「抽象化」というアプローチ、
ひと手間あるので、結構面倒でもあります。
似たような結果と原因の例を洗い出してみて、
それらの共通点を探り出し、パターンを見つけ出す。
こんなことを根気よく考え続けるわけです。


この作業を興味があるからという理由で続けられるというのは、
言ってみれば、かなりのオタクです。
何オタクかといえば、「思考整理オタク」。
かくいう私も、その一翼を担っているのかも(笑)


しかも、自分一人の頭の中が整理できたからといって、
そこに価値はなく、関係者の頭の中を、
合意形成しながら一緒に整理できて初めて価値になります。
なので、私の中で最も有効なメモ帳は「ホワイトボード」です。


さて、前田さんやDaiGoさんの、創造的であるためのメモという話、
どう思いましたか?
何かを創造しようとしたら、その前段階として、
インプット内容を書いて整理するということは不可欠だといえそうですが、
無駄な作業に思えて必要ないと考えてしまう人や、
抽象的な概念で話されることが苦手という人もいます。
そのような相手にメモする大切さをどう伝えるかは、工夫が必要ですね。


考えを整理し、創造するためにメモを作る。
このプロセスをあなたはどう考えましたか?


9月に入ったと思ったら、もう後半。
やりたいことをやり切ったと思える秋にしたいですねー
どうぞ素敵な1週間をお過ごしください!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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