意見の本質って?
メルマガもブログも、いつも今回は何を書こうかなと立ち止まる瞬間があります。
その答えがスッと出てくるときもあれば、七転八倒するときもあります。
今回は、どちらかというと、どれを切り捨てるかで悩みました。
最近読んだ、あの本にインスパイアされたことを書こうかなとか、
今、グラスルーツが開発に取り組んでいるDNAのサービスに絡めて、
私が感じている企業経営の問題意識を書こうかなとか...。
まあ、毎回、いろいろ思うわけですね。
でも、今回はそれらはやめにして、意見の本質って何だろう?ということについて、
皆さんと一緒に、考えていきたいと思います。
きっかけは、当社のDNAサービスを開発するプロセスで、
ありたい社会について考え、ありたい自社像について考えたからです。
誰もが自分の意見をフランクに言える社会がいいなーと。
さてさて、「考えることは大事...」。
これは、ビジネスパーソンなら多かれ少なかれ教えられ、認識していると思います。
でも、多くの人は、いつもいつも考える必要に迫られているわけではありません。
そんなに考えなくても、過ぎてしまう日常もある。
「考える」ことについて、必要に迫られる具体的なシーンとしては、
やっぱり意見を求められるときではないでしょうか。
なのですが、この「意見を言う」は結構くせ者で、
何を言うことが意見を言うことなのかを説明できる人は
あまり多くないような気がします。
いえ、もちろんこの問いに対して、
唯一無二の正解があるわけではなく、
各自各様の答えがあってしかるべきですし、
私も今回、この問いと向き合って、初めて自分の考えを整理しました。
昔から、「意見を述べよ」ということは、
イコール「自分の考えを述べよ」というくらいに理解していて、
それで対処できないわけではありませんが、
もっと明瞭に「意見を述べるとは何を述べることなのか」について
この機会に答えを見つけておきたいとそんなふうに思いました。
で、あーだこーだ考えてみて、あえてフレームワーク的に整理してみたのですが、
こんな形、どうでしょう?
ーーー意見を述べるフレームワークーーー
私は、(①ほにゃらら)には、(②ほにゃらら)が大切だと思う。
なぜならば、(③ほにゃらら)だからだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
分解すると、
①は視点
②は主張
③は理由
つまり、意見の発信者は物事をどのアングルから見て、どう思っている、
その理由は何かってことを言えれば、明快な意見になるわけです。
私は意見としてはこの程度で十分だと思っていて、
それを是とするなら、意見の構造って、結構シンプルですね。
難しいと思うのは、案外①番なんですけど。
え? そんなの当たり前じゃん、今さら何言っちゃってんの?と
思われた方もいるかもしれませんし、
全く違う別の視点からそれでは不十分だというご意見をお持ちの方も
いるかもしれません。
それは、それでいいですよね。むしろシェアしていただきたい。
意見の本質、
自分の考えをどうやって整理するか、
あなたは、どう思いますか?
私は、みんながいろんなことで、
いろんな意見を発せられる社会が健康だと思います。
だからこそ、各自が意見を持つということを大切にしたいですね。
2020年もまもなく半年が終わります。
毎日を大切に、毎日をいい時間にするぞ!と思って過ごしたいですね。
今週も、素敵な1週間でありますように!
スキルよりBeing
私の友人に畑中景子さんという人がいます。
昨年まで政府系金融機関で世界を股に掛けて仕事をしていた人で、
今はコーチであり、コーチを育てるコーチでもある。
名門INSEADでMBAも取っちゃうほど、グローバル感覚に溢れた人物です。
私より一回り以上若いですが、話すと楽しいのが魅力。
「スターウォーズ」や「ボヘミアンラプソディ」を一緒に見に行って盛り上がる間柄です。
そんな彼女が、「TOEICではなく、TOEFLを強くススメる理由」と題して、
自分のブログに記事を書いていました。
https://note.cocomichi.club/entry/2020/05/29
彼女の調べによれば「TOEICの受験者数は、世界150ヵ国で年間約700万人、
うち日本が年間266万人(2018年度)。4割弱が日本」だそうです。
ところが、畑中さんのTOEICに対する評価は厳しいものです。以下3行引用。
けれども、関係者の方々には大変失礼ながら、
私の勝手な超個人的経験で言えば、TOEIC対策をしていても、
本当の意味でグローバルに通用する英語は身につかないだろうと思っています。
そして、記事を読みながら、私が特に共感した1行は、
「本当のビジネスは、業務を遂行することではない」です。
つまり、TOEICは、業務時間中に業務を遂行するためのコミュニケーションには
役立つかもしれないが、
それだけではビジネスのパートナーとして一目置かれたり、
ビジネスを創り出すことはできない...というのが彼女の見方です。
彼女の主張の詳細はブログを読んでいただく方がいいと思いますが、
ビジネスでは説明能力も大切だけれど、
それ以上に「あなたはどんな人なのか」が感じられる「雑談」が大事、
なぜなら、誰だって面白い人と仕事をしたいからだ...
という意見に、私は大きく共感しました。
畑中さんの記事の本旨は、それにはTOEFLの方が有効というものですが、
私の本旨はそこにはないので、語学学習に興味のある方は、そちらをご覧ください。
雑談が大事とありましたが、畑中さんの言わんとすることは、
「楽しい会話」とそれに基づく「仲良し関係」が大切...
ということではありません。
一人の人間として、自分の考えを持ち、お互いに伝え合える関係こそが
本当の創造的な仕事を生み出す、ということだと思います。
考えてみれば、これは日本人同士でも同じですね。
私が、人材育成や採用の際に大切だと考えていることと、
畑中さんのグローバルコミュニケーションに関する意見には、共通点がありました。
それは、真に創造的な仕事をするには、
人としてのあり方や関係のあり方が大切だということ。
ところが、若い時にはこんなことを考えがちかもしれません。
早く一人前になりたい。そのためには、スキルを身につけなくては、と。
いえ、もちろんそれが間違っているわけではありません。
でも、本当に強い人、伸びる人は、自分で伸びていく力のある人です。
畑中さんの言葉を借りるなら、ビジネスを創造できる人です。
スキルというのは、経験や知識を通じて獲得した技能です。
が、いくらスキルがあっても、それでカバーできるのは、業務の遂行や対処まで。
それで何がいけないのか?と思われるかもしれませんが、
業務を遂行するのは給料をもらっていれば当たり前であって、
残念ながら大きな価値を生み出しているとは言えません。
スキルがDoingであるとしたら、
仕事の創造/創造的な仕事のために、それ以上に重要なのはBeingです。
というのは、「創造」に向かって自分で伸びていける人は、
自分自身との付き合い方や、他者との関係の築き方がどこか違います。
つまり、人としての「あり方」、「あろうとする考え方」がどこか違う。
波風立てない無難な関係であろうという志向や
防衛的な志向でないためか、会話も表面的で終わりません。
また、自分の未熟さをオープンに受け入れたり、自分の考えをオープンに出すので、
結果的に、入ってくる情報や知識、フィードバックの量が増えますよね。
そうすると、自分を成長させるいい循環が生まれてきます。
しかも、Beingは青天井ですから、どこまでも伸ばせます。
私だってまだまだ発展途上ですからね!! いえ、ホント!
グローバル社会だからこそ、Doing(スキル)よりBeing。
そんなことを考えた週末でした。
どうぞ素敵な1週間をお過ごしください。