ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ:2018年5月

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

日大アメフト部で起きた事件が新聞、テレビを賑わせていますね。
私の周りでもいろいろな反応が起きています。
つい最近は、私の知り合いのF氏がfacebookで
「ITmediaビジネス」に掲載された関係者の発言について、問題提起していました。
その関係者の発言とは、、、
「一流企業の人事担当者たちも内田さんのところでアメフトをやっていたのならば、
主従関係の大切さも身をもって叩き込まれているから安心
という意識を持っている。(略)」というものです。
F氏の指摘は、このご時世に会社と社員が主従関係であると思っているような、
そんな価値観の人事担当者がいる会社で働きたい人はいるだろうか、
そんな企業が一流といえるだろうか、というもの。
私も、同感です。


さて、日大アメフト部の事件について、
多くの人が感じた反発をざっくり言うと、こんなことではないでしょうか?
・監督として、いったいどんな指導をしているんだ?
・勝つためなら何をしてもいいのか?
・日大および内田監督は真実を語り、誠意ある対応をすべきだ!


どれも、もっともですよね。
しかも、遅ればせての会見をした内田監督、
こんな重大な時に、関西学院大学の読み方を間違えるという
失態をしてしまいました。
会見の内容といい、真摯な謝罪と思った人は皆無ではないでしょうか。


また、そういった批判とは別に、アイデンティティ別の批判も起きています。
例えば、、、
・「日大OB」として、情けない
・「アメフトファン」として、悲しい
・「体育会出身者」として、信じられない
・「チームプレーヤー」として、許せない 等


私も、学生時代に運動部(ハンドボール部)に所属していた経験から
「随分と体育会へのイメージを悪くしてくれたものですね...」と
内田さんに言いたいです。


体育会へのイメージというのは、それでなくても歪んでいるのに、
今回の事件はその歪んだイメージを増幅させてしまい、
さらに、それに対して嫌悪感を抱く人を増やしたのではないか、
ということに私は憤りを感じます。
ですので、今日私がこのメルマガを書く動機は、
「体育会」というキーワードを糸口に、
まだまだある「組織」にはびこっているネガティブな常識について、
覆したいですね...という問題意識を共有したいからです。


が、それについて語る前に、
まず「体育会」の定義をはっきりさせておく必要がありますね。
ここでは、「オフィシャルな学生リーグで、勝つことを目的に、
スポーツ部に参加している学生と、
トレーニングという体験を通じて価値観を共有している人たち」としてみました。
つまり、「体育会」の定義を「組織」と考えず、
そこに属する「人」たちとしました。


さて、「体育会」という言葉や、体育会的な人々に対して、
世間にはこんなイメージがあるのではないでしょうか。


・上下関係の折り目が正しく、下は上に従うべきという観念が共有されている。
・フットワークが軽く、思考するよりも行動するタイプである。
・明るくて、声を掛け合い、元気のいいのが基本である。
私はこのような体育会像を「汗臭く、イエスマン型の体育会」と呼んでいます。


この体育会像、私から見るとかなり偏った見方だと感じています。
そのような世界も現にあるようですが、
では、どのくらいそのような組織があるのかといえば、
実際には、1割とか2割りとか、どんなに多くても3割程度なのではないでしょうか。
では、それ以外の体育会はどんな感じなのでしょうか?
実際には多種多様だと思います。
ヒエラルキーの強さだけで見ても、色々あるのが実態ではないでしょうか。


かつて私が属していたハンドボール部は、
とても自由で伸び伸びとした体育会でした。
具体的には、、、
・学年や年齢が違っても、関係はフラットである。
・体も動かすが、頭で勝ちに行く。
・声を出すのは元気の表現ではなく、情報共有のためである。
・個々のプレーについて是と非の評価を、はっきりさせる。
そんな感じです。


私は、これを「知的でクリエイティブな体育会」と呼んでいます。


2月19日のメルマガでも紹介した女子団体パシュートなどもその好例です。
全くもって「汗臭く、イエスマン型の体育会」ではなく、
知的で、クリエイティブな環境の中で試合をしているように見えました。


でも、やっぱり多くの人は、「体育会」と聞くと、
「知的でクリエイティブな体育会」を思い描かず、
「汗臭く、イエスマン型の体育会」を連想するようですね。
もちろん、組織のタイプは二者択一ではなく多種多様ですが。


しかし、ですよ、
監督の言うことに右へ倣えをしているだけで、
オリンピックで勝てると思いますか?
私は、絶対に勝てないと思います。
自分の信念の上に各自の行動がないと、やっぱり勝てませんよね。
これは、体育会だけでなく、企業組織も同じだと思います。
信念を、個々に持つと同時に、組織で持つ。
強い組織であるための絶対条件だと思います。


しかし、実は今、日本列島全体を覆っているのは、
「汗臭く、イエスマン型の体育会」的な組織風土なのかもしれません。
レスリング女子で五輪4連覇した伊調馨選手のパワハラ問題や、
企業の世界で言えば、電通の過労死問題や
神戸製鋼所や三菱自動車などのデータ改ざん問題も、
根っこは「汗臭く、イエスマン型の体育会」的な風土にあると思います。
「上意に対し従順に行動すること」を是とするのが特徴です。


しかも、その価値観、他人事ではなく、私たちの周りに溢れています。
つまり、日大アメフト部問題は、対岸の火事ではない。
そんな思考パターンでみんなが働くと、この先、日本はどうなるでしょうか?
きっと不幸に向かってまっしぐら〜


なんとかして、そんな事態にならないように、食い止めましょう!
そのためにも、お互いにまず、小さなことから変えていきたいですね。


今週も素敵な1週間でありますように!

最近私が気になっている言葉(概念)に「ルーツ(ROOTS)」というのがあります。
なぜ注目するかというと、個人にとっても、
企業にとっても、最近その大切さを実感する機会が多いからです。


「ROOTS」というのは直訳的には「起源」とか「祖先」という意味です。
そう言えば、昔、『ルーツ』というアメリカのドラマがありました。
黒人奴隷になってしまったクンタ・キンテを始祖とする、
親子三代の大河ドラマでした。名作です。
2016年にはリメイクもされているようですね。


私が最近急に「ルーツ」という言葉を意識するようになったのは、
両親の自分史がきっかけでした。
経緯の詳細は敢えてここに書きませんが、
父は父で1冊、母は母で1冊の自分史を作ることになり、
両親の生い立ち、歴史、価値観などを改めて知ることになったんですね。
すると、私自身のアイデンティティが補強されたというか、
彼らの価値観とつながっていることを自覚しました。


例えば研究職だった父は、
人がやっていないことを自分で考えてやること、
それで人の役に立つことをするのが好きだったといい、
母は母で、青春とは心の持ちようなのだから、
生涯青春していたいと言いました。
そうすると私の中に流れているものの源流を感じるわけです。
さらに、もっと私をワクワクさせるのは、ひいお爺さんの話です。
この人は風来坊で、親からも勘当されたそうですが、
国内のみならずシベリアを旅するなど、ヒッピーな人でした。
この話を聞くと、なぜか私はワクワクするんですねー!


つまり、、、、
自分の親や、祖先の話を通じて、自分のルーツを探ることで、
自分のアイデンティティがくっきりはっきりしてきて、
自分の中に受け継がれているものを、改めて実感しました。


私の友人に、コーチングのプロであり、
家系図を書いて、自分や家族と向き合うワークショップをやっている
高橋紀子さんという人がいます。
なんと、戸籍を取り寄せて、家系図を作成するサポートもやっていて、
江戸時代末期のご先祖様と出会うケースもあるのだとか。
彼女によれば、家系分析をしていると、
自分ひとりで創造したと思っているものでも、実は先祖もやっていたり、
反対にネガティブなことも先祖の誰かが同じことで悩んでいたり...
いろいろなことが受け継がれていると感じるそうです。
だからこそ先祖を知ることは自分を知ることになり、
自己理解が深まる...というのが彼女の持論です。
アイデンティティをしっかりとさせる方法として、
こういうやり方はシンプルでいいですね。
https://www.facebook.com/kakeizu.coaching.noriko.takahashi/


さて、組織にとってもルーツを知ることは重要ですよね。


先日、NHK大河ドラマ「西郷どん」を観ていたら、
島津斉彬が西郷吉之助に「今からお前はわしになれ」と言うシーンがありました。
志が受け継がれた瞬間だったと思います。
斉彬の志が、吉之助のルーツになっていますし、
それが歴史を変えようとした薩摩藩士たちのルーツになっています。


今、私の周りでも周年事業で社史を作っているお客様がありますし、
周年事業とは無関係に歴史を紐解くことで
経営の価値観を言語化しようとされているお客様もあります。
志や理念、行動基準というものを共有するには、
会社の歴史、すなわち組織内部にある「物語」がとても重要だということですよね。
周年事業に社史を作るのも一案ですが、
歴史を元に映画や小説を作るのもチャレンジングですね。
いつかやってみたい♪


さ、ゴールデンウィークが終わった1週目です。
今週も素敵な1週間でありますように。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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