ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ:2016年11月

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

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最近よく考えること、
それはどうしたら最大限に創造的かつ協働的なプロセスをつくれるか、です。
もし、そのプロセスをモデル化できたら、
お互いにストレスがなくなるし、組織としての生産性も高まります。
個人と組織の学習能力も高まるかもしれません。
うーむ、素晴らしい社会ができるかも...。
私のライフワーク的テーマの一つです。


結論的なことは何もありませんが、
考えを進める足がかりとして、
今日は「ブレスト」を題材にしたいと思います。


「ブレスト」と略されるいわゆる「ブレーンストーミング」、
あなたも参加したことがあるのではないでしょうか。
なかったとしても、アイデアを出し合う場であることはご存知だと思います。
今や「Brainstorming」という単語になっていますが、
「Brain(脳)のStorming(嵐)」とは、すごい単語ですね。


うちの会社でも、「ブレスト」と呼んだり、「アイデア会議」と呼んだり、
表現は様々ですが、そのようなミーティングは日常的に行っています。
私もメンバーの一員として参加することもあれば、
自分がリーダーのプロジェクトに参加協力を求めることもあります。
しかし、、、


「ブレスト」はもっと進化すべきと感じているのも事実。
これまでの慣習に縛られない「ブレスト」のあり方、
あるいはこれまでの「ブレスト」とはイメージが違うような
「ブレスト」以上に創造的で協働的になれるミーティングのあり方が
あるのではないか、それが私の今の問題意識です。


早稲田大学ビジネススクール准教授/入山章栄さんが
日経ビジネスに書かれた連載記事(2014年4月30日〜)によると、
「アイデア出しが目的のはずのブレストが、アイデアを出すのに効率が悪い」ことは
すでに研究結果として明らかなようです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140425/263513/
具体的には、5人が顔を突き合わせてブレストするのと、
5人が個別にアイデアを出して最後にアイデアを足し合わせるのとを比較すると、
後者の方がバラエティ豊かなアイデアが出やすいそうです。


主な原因は、
・「他者への気兼ね」があること、
・「集団で話すときは思考が止まりがち」であることなど。
同感です。


私が感じる「ブレスト」の問題点は;


第一に、本来は合意形成の手段ではないのに、
「ブレスト」の場にそのような役割を担わせてしまっていること。
オレンジジュースやアップルジュースをつくるよりも、
ミックスジュースをつくることが合意形成には重要だし、
複合的に考えられた分、思考が深い...という
そんな思い込みがあるのではないか、ということです。


第二に、人にとって、本当はピンと来ないものはピンと来ないわけです。
これまでの「ブレスト」では、
ピンと来ていなくても膨らませる姿勢が求められているような強迫観念があり、
ピンと来ていない人が無理して膨らませて、
第一次発言者が汲み取ってほしかったイメージが汲み取られない...
あるいは、「ピンと来ない」と勇気を出していったものの、その後もその罪悪感が付きまとったり...
そんな場になりやすいことです。


この二番目について、もう少し書きますね。
「ブレスト」で起きるのは、
「あ、これは素晴らしいアイデアかも」と思ったり、
あるいは「これは、役に立ちそうな視点かもしれない」と思って発言した人がいると同時に、
それを聞いて「どうもピンと来ないな」と思った人や、
「ああどうしよう、自分にはアイデアが出ない」と思っている人が、
同時に存在しているという事実です。
しかも、自分が発言している状況と聞いている状況の両方が起きるので、
銘々がどの心理にもなりうる。
「ブレスト」にはそういう心理と状況変化が常にあるのではないでしょうか。
その中でもピンと来ないことについては、もうどうしようもありません。


なぜ、そうなるのか?
これは、人と人のバックグラウンドがそもそも違うから起きることです。
誰かが、どんなにユニークなコンセプトについて発言しても、
最初の段階で周りの人はそれを理解できません。
そのアイデアがユニークであっても、なくても、
過去の体験が異なれば、1つの単語から膨らむイメージや
その単語が持っている概念自体も違います。
だから、即座にイメージを共有できないのは当然のことです。


つまり、「ブレスト」において「ピンと来ない」状況を打破するためのノウハウや
そのためのプロセスはまだ確立されておらず、それが「ブレスト」の限界になっていると感じます。
しかも、通常の「ブレスト」ではアイデアの質よりも量を追求するのが基本なので、
「ピンと来ない」状況を解決しようとしたら、
当然、量の追求はできなくなるというジレンマがあります。
加えて、ではせっかく出されたアイデアが量を出すことを追求するあまりに、
出しっぱなし、すなわち「ピンと来ない」人が多いままに済ましてしまっていいのか、
というジレンマもあります。


さて、そんな問題にさらされている「ブレスト」ですが、
「ブレスト」にはメリットもあります。前出・入山さんは、
組織に重要なのは、組織の誰が何を知っているか(トランザクティブ・メモリー)、
組織としてどんな価値基準を持っているのか(メンタルモデル)を
全員が知っていることであるとし、
「ブレスト」にはそれらを高めるメリットがあると言っています。


創造的なアイデアを協働して出しやすくする方法やプロセス。
それは大いに研究の余地がありますね。
今の「ブレストのここがおかしい」から始め、
どうすると協働してアイデアを構想レベルに高めることができるのか、
まだまだ工夫の余地がたくさんありそうです。


この続き、また書きますね。
では、良い一週間をお過ごしください。

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週末、録画していた「オリンピックコンサート2016」(NHK)を観ました。
感動のシーンの数々が、クラシック音楽とともに流れていくシンプルな構成。
選手たちの表情にあった緊張と安堵の対比が興味深く、
彼らが感じていたプレッシャーに思いを馳せながら観ました。


スポーツ選手の試合前後のコメントは、
プレッシャーに絡んだものであることが少なくありません。
よく聞くのは「プレッシャーを楽しみます...」というようなものです。
それだけ心理面が結果に大きく影響するということなのでしょう。


さて、私たちも普段の仕事の中で、
プレッシャーにさらされることがありますよね。
あなたご自身はどのように対処していますか?


いつもの仕事、いつものルーティーンをこなすだけなら、
人はそれほどプレッシャーを感じませんが、
経験のないことをする時や、
やったことがあることでも、スケジュールがタイトな時、あるいは
普段以上の成果を出すことが求められる時などに、
自信が揺らぎ、不安に苛まれ、
緊張感が高まって、プレッシャーを感じます。


私たちのような企画職がプレッシャーを感じると、どうなるか。
締め切り、すなわち持てる時間に対して、こんな心理になりがちです。


(1)「できるだろうか...」という気持ちが押し寄せてきて、
「できませんでした、とは言えないぞ」と思い、
とりあえず形を整えて落ち着きたい...という心理が働く。


(2)形を整えるには、資料に何を盛り込むべきかと考え始め、
それを埋めることで、安心を得ようとする。


つまり、アウトプットできないことを恐れるあまりに、
「本質を考える」という最も重要なプロセスをおざなりにし、
「形を整える」ことに時間を使い始めます。
何かしらのアウトプットがあれば、自分の体面を保てる...
そんな意識に支配され始めるからです。


しかし、形を整えただけのものは、
やっぱり形を整えただけにしか見えないんですね〜
しかも、自分の可能性を100%出し切っていないので、
せっかくのチャレンジ、せっかくの成長機会は台無しになります。


しかも、自分の心理状態を自分で把握することは、意外に難しい。
自分に不安があることを自覚しないと、
自分の心が自分の成長を妨げることになりかねません。
若い時には特にそうですから、
上司も、そんな部下の心持ちを掴むことが大切なんでしょうね。


パフォーマンスを上げ、才能を発揮するために、
プレッシャーをコントロールすることは、とても重要です。
しかも、プレッシャーはキャリアや経験、年齢とは無関係にやってきます。
もちろん、私もプレッシャーを感じることがあります。


では、私たちはどのようにプレッシャーと付き合ったらいいのでしょうか。
私自身が心がけているのは...


(1)焦る時ほど、「しっかり考える」。急がば回れを意識する。
(2)その状況と自分に合った思考法や発想法は何かを先に考える。
(3)体をリラックスさせると同時に、しっかり立つ足の感覚を味わう。
(4)多忙で混乱しているなら、状況やToDoを整理する。
(5)プレッシャーに支配されていないか、セルフチェックする。


...と、こんなことを意識的にやっています。
ですから、部下がプレッシャーを感じている時も、
上のようなアドバイスをしている気がします。


ですが、、、昔、、、たとえば学生時代は、
めちゃめちゃプレッシャーに弱かった〜(笑)
ここで点を入れねばという時に限って、シュートをはずすとか。。(溜息)
「入らなかったらどうしよう」という気持ちでシュートを打って、
得点できることはまずありません。


仕事も同じだと思います。
今でも「できるだろうか?」という気持ちが頭をよぎることはあるのですが、
昔と違って、コントロールできるようになりました。
だからこそ大切だと思うのは、プレッシャーへの意識的なトレーニングです。


プレッシャーというのは、自分の中にあるものであって、外にあるものではない。
だからこそ、自分次第なのですよね。
ま、言うのは簡単、実行は難しいという類のことかもしれませんが。
あなたは、自分が感じるプレッシャーをどのようにコントロールしていますか?
また、プレッシャーを感じている部下をどうやって伸ばしますか?
よろしければ、ぜひ聞かせてください。


さ、今週もいい1週間にしましょうね〜!

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週末の土日は、石川県に旅してきました。
恩師を含め、学生時代のハンドボール部の仲間との気のおけない旅。めっちゃ楽しかった!
なので、冒頭の画像は今回のブログ内容とはまったく関係ありませんが、
砂浜を車で走る「千里浜なぎさドライブウェイ」ではしゃいでいる写真をシェアさせていただき、
動画はお休みします。


さて、本題。
今日は、「意見に対し真摯でいることの大切さ」をテーマに
私の気づきをシェアさせてください。


こんなシーン、あなたの日常生活でもありませんか?


ーーーー
提案者 Aさん「○○をやってみてたらいいんじゃない?」
受け手 Bさん「うーん、でも○○の問題があって、○○だから、
それはむずかしいんだよね...」
ーーーー


もちろん、AさんとBさんの関係性によって、
ここまでタメグチではないかもしれません。
ま、そこは状況ごとに違うとして、、、
あなたがAさんのように提案したのに、
Bさんのような反応が返ってきたときに感じること、
私も含め、多くの人が十分想像できます。


自分の提案は受け止めてもらえずに、
それをできない理由を挙げられた。
多分そう感じますよね。


私たちは、Aさんの気持ちはわかる。
なのに、自分がBさんのような行動をしていることがあることに、
実は気づいていない。それが私の今回の気づきです。


かくいう私も、Aさんのような行動を取ったら、
Bさんのような反応に合ったことがあり、
残念な気持ちになった記憶があります。
ですが、今回このブログを書こうと思ったきっかけは、
私自身もBさんのような反応をすることがあるにもかかわらず、
自分がそれに無自覚であったり、鈍感であることに最近気づいたからです。


つまり、人から提案されたのに、
自分が何かしらの理由を設けて、その提案を退けているときに、
退けているという自覚や、その提案をしてくれた人の思いを汲み取る配慮に欠けている時がある、
自分が退ける反応をしたとさえ自覚していないことがある、

と、最近気づく出来事がありました。


きっかけは、、、
私にはとても濃い関係の仲間たちがいるのですが、
最近、その仲間の何人かがfacebookで私の仕事を発展させるためには、
「システムコーチングを取り入れたらどうか」と助言してくれたんですね。
で、私は、ちょっとウダウダと言い訳を言って、Yesと言わなかったわけです。
すぐには取り組みたくない理由、
少し様子をみたい理由を言った。
「ありがとう」「そうだね」と受け止める前に、
できない理由を言ったわけです。


で、仲間というのはありがたいもので、
その直後に会食した仲間から、こんなフィードバックがありました。
あのように返されると、人は自分の助言が否定されたように感じるものだ、と。
このケースのことだけでなく、リーダーはもっと意見を受け入れる姿勢を持たないと
いけないのではないか、と。

いや、恥ずかしながら、私のちょっとした反応が、
そのようなインパクトを与えていたということに、
私自身は気づいていなかったし、
自分の提案が退けられた場合には「ああ、受け入れられなかった」と感じるのに、
自分が提案を退けた場合には、
退けたことに自分が無自覚であることがわかったんですね。
仲間がアラートを鳴らしてくれなかったら、
多分、私は気づけませんでした。
そういう意味では、とても怖いなと感じました。


自分はわかっているから、できている、
これって大間違い!
そういう気づきを得たので、ここでシェアさせていただきました。
あなたは、誰かの提案を大切に扱っていますか?
受け止める前に、できない理由を語っていませんか?
提案してくれた相手を寂しい気持ちにさせていませんか?


私自身、このことがわかったからといって、できるようになるわけではありませんが、
そういうことに自覚的になることはとても大切だと思います。


私にその気づきを与えてくれた友人たちに感謝を込めて、
このブログを書きました。
参考になれば、幸いです。


では、素敵な1週間をお過ごしください!

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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