明日、宣伝会議「インナー広報セミナー」に登壇します
タイトル通り、明日は、宣伝会議さん主催の「インナー広報セミナー」に登壇します。実は、9月にも講演依頼をいただき、ほぼ同様の内容でセミナーを行いました。それが、オッホン、好評だったために、さらに1時間プラスして枠を設けてくださったので、全体で5時間になりました。その意味では前回よりも、多少内容が広がっています。
参加者が増えても増えなくても、当社の実利にはあまり関係ありません。それでも「同志を増やしたい」という思いがあるので、多くの方に聴いていただきたいですね。
と、まあ、そんな思いについて、今回は書かせていただきます。
日本の多くの企業では、人事異動があります。ですから、社内広報担当として、専門知識を身につけるというよりも、「社内事情に明るくなること」を期待され、それを生かして次の部門で力を発揮してほしい…、そんな位置づけで赴任される人が多いというのが、ワタシの印象です。それ自体を否定するつもりはありません。
でも、それだと社内広報担当者になっても、どんなことに、どんな意識で取り組んだらいいのか、わかりませんよね。ワタシは社内広報スタッフは重要な経営スタッフだと思っているので、たとえ人事異動を前提とした数年間の業務であろうとも、もう少しまっとうに取り組んでほしいですし、それができれば、日本企業はもっと成長できると考えています。
というのは、つまるところ社内広報の仕事は、社員感情を変える仕事、ネガティブ感情をポジティブ感情に変える仕事だとワタシは思っており、企業の成長にとって、いかにネガティブ感情を減らし、ポジティブ感情を増やすか、これこそ至上命題ではないかと考えているからです。
それなのに、社内広報について、学ぶ機会はとても少ないです。当社セミナー参加者からも、「社内広報を勉強する機会がなさすぎる」「社内報セミナーなどはあるが、撮影の仕方などの前にもっと本質的なことを知りたい」等の声があります。
今、ワタシがここで言えることは、そうした声に応えるために、少しでも有益なコンテンツを提供したいと思うこと。目下、計画中の無料メール講座を、一刻も早く立ち上げなければと思いを新たにしています。
無料メール講座に全部は反映できませんが、明日の講座で話す内容のエッセンスが含まれるのは間違いありません。明日の講座の概要をお伝えします。自分で言うのもなんですが、かなり濃厚です。座学とワークという構成ですが、座学の中にもミニワークがたくさん入るイメージで構成してます。
社員感情に刺さる!戦略的企画術
「面白かったよ!」「役に立ったよ!」と言われる社内報をつくる
Part1 社内広報の仕事を再点検しよう
・社内広報の役割
・解決すべき問題はどこに?
・ありたい姿を明らかに
Part2 「感情」からアプローチする問題解決とは?
・社員が行動するってどういうこと?
・感情を考えた社内広報、考えない社内広報
・「感情」を知ろう
・社内広報でできること、できないこと
・欲求にリンクさせるとポジティブ感情が生まれる
Part3 ワーク〜感情マッピング〜
・ワークの前提条件
・社員の気持ちを書き出そう
・何のために分類するのか
・分類の仕方を考える
・社員の気持ちを大きく分類する
・社員の気持ちをさらに分類する
Part4 コンテンツ企画の立て方&ワーク
・読んでもらえる企画のコツ〜ターゲットとメリット
・記憶に残る企画のコツ〜メッセージ、読後感
・事例紹介
・企画のブレない軸をつくろう〜マインドセット
PART4の事例紹介では、ご許可をいただきましたので、アサヒビール様、アサヒ飲料様の事例を紹介させていただきます。
組織の問題の多くは感情から生まれてきます。心理に強くなる、これは社内広報担当に限らず、どの部門のリーダーにも必要な事柄です。
今回のセミナーは社内広報担当向けですが、5月頃でしょうか、リーダー向けのインナーコミュニケーションセミナーを当社で開催する予定です。その他、社内報の制作実務セミナーもこの春から開催します。併せてご期待ください!
また、サイトリニューアルに併せて、何とか春にはメール講座を開設したいと思っています。あー、やること満載〜
2月の最終週です。元気に笑顔で行きましょう!
国名・国旗を変更する勇気〜カザフスタンとニュージーランドの動きから
いよいよソチオリンピックも後半に入ってきました。ワタシは、ついつい深夜まで、日本選手の活躍を見てしまいます。羽生選手の金メダル、葛西選手の銀メダル。いずれも快挙でしたね。本当に素晴らしい。今週は、19日と20日の深夜に女子フィギュアスケートがあります。浅田選手は、6種類の3回転ジャンプを8回行うという女子の中では「神の領域」とも言えるような構成でチャレンジするという話もあるようです。ぜひベストを尽くしてほしいものです。
さて、先週、日経の一面「春秋」を読んでいたら、カザフスタンのナザルバエフ大統領が国名の変更を、ニュージーランドのキー首相が国旗変更を提案していると書かれていました。国名の変更はもちろん、国旗の変更も、実施すれば歴史に残る出来事になるでしょうね。それを言い出すとは、両国の首脳とも勇気があるなと思います。
それにしても、おもしろいのはその変更理由に共通点がある、ということ。
カザフスタンのナザルバエフ大統領は、「スタン」で終わる国がいくつもある中で、「スタン」のついた現在の国名では特徴が感じられずに、魅力が伝わらないと考えているようです。確かに、中央アジアには、「スタン」のつく国がたくさんあります。調べてみたら、「〜スタン」というのは「(〜民族)の土地」を意味するペルシア語で、旧ソ連時代にカザフスタンも含め「スタン」がつかなかった国々が、ソ連崩壊後に名称を変更したようです。
ソ連時代 ソ連崩壊後
カザフ共和国 → カザフスタン共和国
タジク共和国 → タジキスタン共和国
ウズベク共和国 → ウズベキスタン共和国
キルギス共和国 → キルギスタン共和国 → キルギス共和国
トルクメン共和国 → トルクメニスタン
確かに、これだけあるとイメージがだぶりますね。「モンゴルは末尾に『スタン』とついていないから外国人に魅力的なのだ」と大統領は提案理由について説明した(らしい)と書かれていました。そして、候補名は「カザフエリ」。カザフ語でカザフ人の土地の意味だそうで、カザフスタンと意味自体はまったく同じ。でも、その音からして、何だか個性豊かな魅力的な国に感じるから不思議です。
一方のニュージーランド。国旗のデザインがオーストラリアと識別しにくいことを変更の理由に挙げているようです。実際に見比べてみると間違い探しをさせられているような気分になります。イギリスに占領されていた時代には、両国は1つの連邦と見なされていましたが、イギリスから独立するときに別々の国になりました。しかし、国旗は占領当時のままとしたために、イギリスの影響を受けた国旗がそのまま残ったようです。(ニュージーランドの国旗を見る)(オーストラリアの国旗を見る)
これを企業に置き換えると、国名変更は社名変更、国旗変更はシンボルマーク変更でしょうか。
いずれも自分たちらしさや自国認識/自社認識に深く関わると同時に、外に向かって魅力を伝え、他と区別して覚えてもらう上で重要な要素ですね。改めて「アイデンティティ」の重要性を痛感しました。
読まれるための法則
ソチオリンピックが開幕しました。すがすがしい演技で私たちを魅了した上村愛子選手。心から「ありがとう」と「おつかれさまでした」を申し上げたいですね。
さて、オリンピックで、安倍総理が開会式に出席し、欧米の各国首脳は欠席しました。メッセージの中身は違うものの、それぞれにメッセージだなと思いましたので、今日は「メッセージ」について考えます。
「メッセージ」。
話す言葉、文字で発する言葉、行動。すべてメッセージになりえますね。ここでいうメッセージとは、自分が相手に一番伝えたいことです。でも、私たちは「今、自分のしている一つひとつのことがメッセージである」ということを忘れがちです。ワタシ自身も例外ではなく、時々、話した直後に社員からこんなことを言われます。
「今、その話を持ち出した、その意図は何ですか?」
「そうだった、そうだった。それはね…」
恐ろしいですね。普段は、話が蛇行しがちな実家の母に対して「いったい何がいいたいのか、早く結論を言ってよ」などとエラそうに言っていますが、何のことはない、ワタシも似たようなことをしてしまっています。
この例のように、社員が尋ねてくれた場合は、まだ修復できますが、そうでなかったら…。相手は、その背景にある意図がつかめず、「この人、何を言いたかったのだろう?」という疑問で終わってしまうんですね。
話し言葉もそうですが、書き言葉ではさらにメッセージが重要になります。反応に合わせて、補足することができないからです。
書き言葉でメッセージがわかりにくくなる場合の一番多いパターンは「情報は盛りだくさん。でも一番、言いたいことは何?」というようなケースです。パワポのプレゼン資料などでも、しばしば見かけます。主な原因としては、次の3つのようなことがあるのではないでしょうか。
【1】そもそもメッセージが必要であると自覚していない。
【2】アレもコレも伝えたいという思いが強すぎて、詰め込み過ぎてしまう。
【3】文章力や構成力がないため、文字を埋めることで精一杯になっている。
メッセージがわかりにくいコンテンツは、相手から見て「読んでもわからない」だけではなく、そもそも「読みたくならない」場合が多いです。なぜなら、私たちは毎日多くの情報(活字)にさらされています。新聞やニュースサイト、メール、会議の資料や社内文書、Facebook、等々…。わかりにくいものに対し、付き合っている余力がありません。
コンテンツが読まれるための法則。そのひとつが、「メッセージが分かりやすいこと」。もし、読まれていないと思われるなら、メッセージがわかりやすいかをチェックしてみてはいかがでしょうか。
さて、かくいうワタシも先日、当社の社内方針説明会で「灯台下暗し」的な失敗をしました。お恥ずかしい限りですが、参考にしていただきたいので、木曜日のメルマガで失敗談を披露します。
では、良い1週間を!
シンプルさと記憶
自分を戒める意味で、今日はこの記事を書いています。
今年は、ゴジラが60周年ということもあって、テレビやネットでそれらに関する情報を目にします。「ゴジラ」のテーマ音楽を作曲した故・伊福部昭も今年生誕100年だそうです。ゴジラのテーマ曲といえば、例のアレです。
♪タタタン タタタン タタタタタタタン …
文字ではわかりにくいので、YouTubeで聴いてみてください。
この曲は、YAHOO!知恵袋によると、5音で作られていて、ミとファは出て来ないのだそうです。こんな感じです。
ドシラ_ドシラ_ドシラソラシドシラ_ドシラ_ドシラ_ドシラ_ドシラソラシドシラ_レドシ_レドシ_レドシラシドレドシ_レドシ_レドシ_レドシラシドレドシレレドドシシラドシラ_ドシラ_ドシラソラシドシラ…………
とてもシンプルなのに、半端ではない緊迫感や恐怖感の強さを感じます。いや、一度聴いたら忘れられない印象の強さは、むしろ5音という限られた音でシンプルに作られているからこそなのかもしれません。
ちなみに、緊急地震速報の音を作った方は、伊福部氏の甥に当たる方だそうで、伊福部昭の交響曲「シンフォニア・タプカーラ」第3楽章「Vivace」の和音の部分がアレンジされているのだそうです。あのチャイムの音も一度聴いたら耳に残る音ですよね。
さて、週末にDVDレコーダーの整理をしていたら、アップルのスティーブ・ジョブズが亡くなった時の報道番組が出てきて、思わずまた観てしまいました。アップルも今年は「Mac」が30周年です。常にシンプルさを追求しているアップルも、人の記憶に残す術を知っているオーソリティ的な存在。
Mac30周年、ゴジラ60周年、伊福部昭100周年。神様がワタシに何らかのサインを送っているような気がしました。記憶に残る伝え方をしたければ、あまり、こねくりまわすな、と。シンプル・イズ・ベストだと。戒めなくては。。。