ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

ブログ:2014年1月

社長の脳みそ整理mono-log モノログ

「営業」ということを真剣に勉強したことがなかったのですが、去年、渡瀬謙さんという方にコンサルをお願いし、初めて営業について勉強しました。渡瀬さんから、営業を勉強するひとつの有効な方法として、積極的に「営業されてみる」ということを勧められました。確かに、営業されてみる、そしてそれを観察してみることによって、多くの気づきがあります。

先日、銀行の営業の方がわざわざ当社にお越しになりました。法人営業の方ではありませんが、会社の口座のある銀行の個人営業の担当者です。年末にお越しになって、2度目の来社でした。
2005年頃は、その銀行から営業の方がよくお越しになっていて、会社も融資を受けていたのですが、やがて担当者が変わり、景気の後退やリーマンショックなどがあって、手のひらを返したように、その銀行からコンタクトがなくなりました。幸い貸し剥がしなどの痛い目には合わずに済みましたが、その意味で不信感はありました。

でも、経営者の心理のどこかには、銀行とは失礼がない程度にはつきあっておかないと…というものがあります。と、同時に、(買わされたと言うと語弊がありますが)当時、個人的に申し込み、元本割れしていた生命保険商品が、今年に入ってようやく元本まで戻ってきたこともあり、それをどうするのか、なんらかの判断をすべき時期に来ていたこともあって、時間をつくって合うことにしました。

ところが、担当者は…
「(一覧表を見せながら)当時は銀行が取り扱っていた商品に幅がなかったのですが、今はこれだけいろいろな商品を扱っています。ご要望を伺えれば、それに添ったものをご紹介できます」
といいながら、ちっとも要望を聞いてくれません。

そこで、要望を自分から言うほど、あなたを信用していませんと伝えたくなり…
「正直なところ、銀行は売りたいときにだけ来て、後はほっぽらかしという不信感があるんです。だから、今日も営業ノルマでお越しになっているようにしか見えないんですけど…」
とジャブを打ってみました。イヤな客です。

「当時は確かに成約するとフォローしないということがありました。それを反省して、定期的に訪問しようということで、今日もこうしてお伺いしています」と担当者。

「ウソつけ〜」とは言いませんでしたが、内心そんな心境のワタシ。
ですが、私自身、せっかく忙しい中、時間を作ったので、生産的でありたかったのです。もし、現在の保険を解約するのであれば、何を勧めたいのかを聞きました。

まずは、これ。次に、これ。そんな感じで2つの保険商品を勧められたのですが、説明内容は、保険の特徴ばかり。先ほどたくさん商品を扱っていることを自慢していたのだから、数ある中で「なぜそれを」「ワタシに」勧めているのかを聞きたくなるのが、こちらの心情です。しかも、現在の保険を解約するメリット/デメリット、新しい保険に入ることのメリット/デメリットを知りたいし、その上で勧めている理由を知りたいというのが普通の顧客心理だと思います。そもそも勧めている理由を知りたいのは、ワタシの要望を分かってくれているかどうかを確認したいからです。ですから、いくら保険商品の特長について説明を受けても、心の動かしようがありません。

さて、今回のブログで、一番重要な話はここからです。社長業をやっている身としては、保険のことなんかで、何時間も悩んでいたくないのです。あるいは2度も3度も会ってから決めるなんてしたくない。「考えておいてください」と預けられても、絶対考えませんから。合理的な説明をしてもらって、その場で即決して、1時間以内にハンコをついて終わらせたい。実はその日、私は印鑑を持ってきていました。

でも、あまりに説明が悪く、警戒心のために上がっている(実際には早く下ろしたい)ガードも下げさせてくれず、終わった時にはむしろ機嫌が悪くなっていました。
いくら生産的でありたいからといって、納得もしていないものを決断することはできません。天の邪鬼かもしれませんが、「それなら、勧められたことの反対のことをしてやる〜」と思って、解約を勧められた保険はそのまま持つことにしました。

ここからの教訓、反対の立場になった時の教訓は何でしょうか。
あまりに当たり前すぎますが、相手の気持ちに寄り添う、信頼を得る、ということに尽きますね。今の時代、誰しも忙しいので、短時間で信頼して納得したい。もっと言えば、早く納得させられたい。それに尽きるような気がします。反対の立場に立って、それができるかといえば、ワタシもできていませんが。

信頼されるためには、相手にとって必要がないときには勧めないことも必要です。そんなコミュニケーションができるようにワタシ自身も精進しないと。。。まだまだ不十分ですが、がんばります!

「ホスピタリティって何だろう? 具体的にどんなことをすることだろう?」
先日、新入社員の入社に寄せて、ワタシは珍しくスピーチしたのですが、その中でスタッフに対しそんな問いかけをしました。


「相手の立場に立って考えること」「自分の主張を押し付けるのではなく、思いやりを持って接すること」。若い人の大半がそんなことを答えました。質問の前半「ホスピタリティって何だろう?」の方に反応した形です。

一方で、年長者の回答は…。「相手の目を見て話す」「一般的に良いことと言われているから、やる、というのは自己満足で…」等々。こちらは質問の後半「どんなことをすることだろう?」という問いかけに答えてくれた形です。


実は、ワタシの質問の意図は、「どんなことをすること?」の方だったのですが、回答が分かれてしまったのは、ワタシの投げかけ方に不明瞭さがあったからだと思います。


さて、この後、ワタシが考えたことは、「知識」と「行動」のギャップについてです。

「知識」として知っていても、具体的な「行動」まではイメージできていない、というのはよくあることですが、経験の浅い人ほどその傾向は強くなるような気がします。ええっと、紛らわしいのですが、これは当社の話ではなく、一般的傾向がそうではないかという話をしています。
たとえば、上の例であれば、知識としては、「ホスピタリティとは相手の立場に立ち、気持ちに寄り添って行動すること」とわかっていても、実際に、相手の目を見て話す、会議では黙り込んでいない、飲み会で自分から話題を提供する、自分から「手伝いましょうか?」と言う、自分宛の電話ではなくても名乗る、服装は相手の文化に合わせる…等々を、ホスピタリティと結びつけて理解できていない。その結果、「知識」と「行動」が乖離しがちです。上司はまず「知識」を教え、その後で「行動」についてフィードバックする形になりますが、そもそも「ホスピタリティとは相手の立場に立ち、気持ちに寄り添って行動すること」と「会議では黙り込んでいない」が同義と理解できていなければ、コミュニケーションは上手くいきません。

当社の場合も、「知識」と「行動」が一致している場合もあれば、一致していない場合もある、というのがワタシの自社評価です。


こういうことが起きるのはある意味、仕方のないことです。「経験の浅い人ほどその傾向は強くなる」と書きましたが、実はこうしたことは若い人に限ったことではありません。ワタシも含め、多くの人は概念としては知っていて、やった方がいいとわかっているのに、やっているかと聞かれるとやっていないことがたくさんあります。

たとえば、「PDCA」という言葉は最近のビジネスパーソンであれば、多くの人がその意味を知っているのではないでしょうか。計画し(Plan)、実行して(Do)、検証し(Check)、改善する(Action)という一連の流れによって、昨日よりも今日、今日よりも明日と、業務水準を上げようという考え方を意味しています。そして、「PDCAとは?」と聞かれて、その意味を答えられる人は多いでしょう。でも、実際に実行している人はとても少ないし、組織として取り組めている企業はさらに少ない。

「PDCA」の例でいえば、「知識」と「行動」を乖離したままに終わらせず、きっちり「行動」にまで落とし込んだ企業の最高峰がトヨタなのだと思います。

人は「知っている」という気持ちになると安心してしまいます。自分に「やっているか?」と問うことを忘れてしまうのです。もっといえば、頻繁に聞いた言葉は「知ったような」気分になって、でも説明しろと言われるとできないということさえ起きます。

「知っている」と「やっている」は天と地ほど違うこと。それを私たちは肝に銘じておく必要がありますね。


新たに仲間に加わったMさん、入社記念に改めて「ホスピタリティ」という言葉を贈ります。「知識」で終わりにせず、「行動」を追求してみてください。

もう1月も後半です。皆さん、良い1週間をお過ごしください!

今日の当社のメルマガタイトルは「世界一になるには」(阿部貢己発)でした。ACミランに入団した本田圭佑選手が卒業文集で「ぼくは外国から呼ばれて、ヨーロッパのセリエAに入団します。そしてレギュラーになって10番で活躍します」と書いていたということが、あちこちで報道されていましたね。メルマガの内容も、それに絡んだものでした。本田選手は1986年生まれ(ちなみに誕生日はワタシと1日違いの6月13日でした!)なので、12歳のときに28年後のビジョンを持っていた。本当に驚きます。


この3連休にワタシは当社の10〜15年後のビジョンについて考えていました。しかし、実は10年以上先のことについて、これまでに考えたことがありませんでした。これについては、前回のブログ「夢ってなんだろう?」でも書いた通り、ドリーマーのイメージや目標という言葉がキライだったからです。けれど、改めて未来像を描こうとすると、実に楽しいものだと感じました。そうです、ワクワクします!

さて、目標とビジョンを混同し、目標をビジョンと語る経営者は意外に少なくありません。でも、ビジョンは未来像であり夢であって、目標ではありません。ですから、成長率が何パーセントだったとして、10年後の売上規模はこのくらい…というアプローチは正しくありません。そのアプローチでは目標は作れますが、ビジョンは作れないのです。


ところが、ビジョンを描こうとしていたのに、目標になってしまう経営者がいるのには、言葉の理解やアプローチの仕方が間違っている以外にも、いくつかワケがあると思います。

まず、ワタシも含めて経営者の心の中には、絵に描いたような餅を掲げても、実現できなければ意味がないという心理があります。それが、どんなところから来るかといえば、今年何が起きるかもわからないくらい環境変化が激しく、企業を継続して成り立たせること自体が簡単ではない状況で、そんなおめでたい気持ちでいては足下をすくわれかねない…と、まあ、そんな心理から来ていると思います。夢というのは、「おめでたモード」を全開にしないと語れないのです。

ついでに言えば、経営者にとっては、描いたものが実現できずに未達に終わることほどイヤなことはありません。自分が能無しの気分に陥るからです。夢を見ていた自分が悪い、と。そんな気分になるようなことからは、できれば逃げていたい。苦労した経験があればあるほど、そのような深層心理が、経営者の心の中に少なからずあると思います。ワタシも、バブル崩壊やリーマンショックなど、その都度ドリーマーの悲哀を味わってきました。そうすると、ドリーマーであること自体が悪であるとさえ思えるほど、夢よりも現実感の方が大切だという気分に陥ります。

そして、もう一つ。これは経営者のタイプによるものです。マネジメント能力の高い人は必ずしも構想力が高いとはいえず、構想力のある人はマネジメント能力が高いとは限らない、ということです。ワタシの場合は構想力>マネジメント力だと自覚しているので、言い方を変えれば、自分の取り柄を長い間発揮してこなかったとも言えます。神様、ごめんなさい。


まあ、一刀両断に決めつけるのはいかがなものかと思いますが、経営者のこのような意識(顕在意識か潜在意識かはともかく)が経営者自身を縛り、「ビジョン」という名の「目標」を立ててしまう、そのようなことが起きがちな気がします。
できる/できないを度外視して楽観的に「絵に描いたような餅」を描く、「こうなったらいいな」を描く。それがビジョンです。

ワタシも「おめでたモード」全開で、こうなったらいいなのイメージを膨らませています。調子に乗って、30年後のイメージも抱きました。その頃、生きているかどうかもわからないのに(笑)

では、良い1週間を!

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
みなさん、お正月はのんびり過ごすことができましたか?
ワタシは、正月3日目辺りから、夢や目標について考え始めました。

実はワタシ、長い間「夢」とか「目標」という言葉が嫌いでした。
経営者なのに…です。

まず、「夢」。20代の頃は「夢子さん」と言われていました。でも、いつの頃からか、何だか足下も固まっていないのに、夢のようなことばかり考えたって所詮「夢」で終わっちゃうな…というような気分になって、「夢」という言葉を自分から遠ざけてきたような気がします。ドリーマーのイメージというのが、「こんなふうになれたらいいな〜」というような、言ってみれば幸運が向こうからやってくるのを待っているような神頼み的なものに見えてしまって、あるいは実はスキだらけなのに「こうすれば、こうなるはず」と思い込んでいるような人が多いと感じてしまって、そんなドリーマーにはなりたくないと反発を感じたというのもあったかもしれません。
あなたにとっては、夢って何ですか?

そして、「目標」。それを定めた時点で、自分で決めた目標だったとしても、何だかやらされているような気持ちになる、と感じていたのです。ワクワクする気持ちが失せてしまう。もちろん会社なので年次の目標は立ててきましたが、目標というのはワタシにとってワクワクしないものでした。多分、子どもの頃にそういう刷り込みがあったのでしょうね。「目標」に代わる言葉として好きだったのは、「設計図」です。未来の設計図。それは、とてもしっくりきて、ワクワクする言葉でした。
あなたにとっては、目標って何ですか?

そんなワタシも、今はこのように思えるようになりました。「夢」とは「志」。社会をより良くしたいという思いではないか、と。そして、「目標」とは「志を実現させるための時間軸を持った意志」。いつまでに何を成し遂げるかという意志です。皆さんにとっては、何を今更ですよね〜 でも、ワタシ、この境地にたどり着くのに30年かかりました。

そんなワタシの「夢」や「目標」については、ここでは書きませんが、この正月にワタシが願う社会のイメージ、その実現に関わりたいと思う社会のイメージについて考えてみました。2点書かせていただきます。
 

「チームプレーヤー(組織人)」がチームプレーヤーであることに誇りを持て、幸せを感じ、そこでヒーローになれる社会

というのは、労働人口6500万人のうち85%は組織に属するチームプレーヤーです。でも、若い人を中心に「やりたいこと探し」(独立願望)で道に迷う人が多いと感じます。チームだからこそできることがたくさんあるのですから、プレーヤーが活躍し幸せを感じられるチームが増えるといいなと思います。


みんなが 対等に 同じ目的に向かって、筋みち立てたオープンな議論ができる社会

良い議論ができることは、良いアウトプットを増やし、優しさと厳しさを併せ持つ良い社会を生み出すとワタシは思います。良い議論の前提条件は、「対等(フェア)」であること、同じ目標を共有しており自己中心にならないこと、「すじみち」がしっかりしていること…の3点です。そんな企業やチームが増えると、世の中は変わると思います。



こんな社会の実現に関われたらいいなと思うのは、ある意味でワタシの「夢」と言うことができるかもしれませんが、これではあまりにも抽象的です。
でも、ワタシの具体的な夢は、まず社員に話したいと思います。
どんな反応かしら?と思いますが、ブレずに行きます。

みなさん、どうぞ良い1年をお過ごしください!
 

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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