創業30年目。「負けない」から」、「勝つ」へ
さて、今日は大阪出張です。目下、当社サイトのリニューアルを計画しており、その一環で、「お客様の声」のインタビューのために、お客様をお訪ねします。お会いするのは、グルメ杵屋様とアサヒビール様。当社のお客様であるアサヒビール様のご紹介でグルメ杵屋様のビジョン策定と経営目標策定のお手伝いをさせていただきました。インタビューを快くお引き受けいただいて、本当にありがたいと思います。新サイトの公開は年末か年明けになりますが、どうぞお楽しみに!
さて、少し早いのですが、今週金曜日、11月29日は当社の創立記念日です。今年は30年目。来年が満30周年です。30年近く会社経営をしていながら、まだまだひよっこの心境なのですが、そんなことを言ったら、笑われちゃいそうですね。でも、正直なところ、そんな感じです。
29年間、いろいろな方たちに支えられてきました。本当にありがとうございます! 私たちに仕事を発注してくださったお客様はもとより、パートナーの皆様や取引はなくてもひとつの関係性の中で支えてくださった皆様、さらには今のスタッフや過去に在籍していたスタッフなど、あっちにも、そっちにも、こっちにも、足を向けて眠れません(笑)
(笑)って書きましたけど、笑っている場合じゃありません。本当に感謝しています。で、こういう機会があると、人は振り返りますよね。ワタシも少し振り返ってみました。
思ったのは、ワタシがこれまでやってきた経営は「勝とう」とする経営ではなくて、「負けない」経営だったな、ということ。なぜなら、たとえ勝たなくても、負けなければ会社は存続できるからです。もちろん、これには賛否両論あるでしょうね。「経営者は本来、ぶっちぎりで勝つことを考えるべきだ」。そういう意見に対し、ワタシは異論を唱えません。その通りだと思います。
でも、「負けない」経営にも美学はあります。それは「変化」させていくということです。
実はこれ、ダーウィンだってこう言っている、、、ということになっています。
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『最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である』
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そして、変化できなかった恐竜はほろびた、と。しかし、実際はダーウィンがそう言ったという事実はないようですね。でも、IBMのガースナーさんほかいろいろな方が「これはダーウィンが示した事柄だ」というような引用をしたので、未だにそのまま普及しているようです。
ダーウィンが言っていても、いなくても、環境に合わせて「変化できること」が生存において強いのは本当だと思います。反対に変化できなくなったら、そこでもう終わり。そういう感覚がワタシの中にはあります。
加えて、そろそろ「負けない」から、「勝とう」に変えようかなと思っています。なぜって、負けない方法はそれなりに学習したので、次は「勝とう」として「勝つ」ことを目指したいからです。「ぶっちぎりで勝つ」。「他の会社が手がけていないことで勝つ」。ぜひそれにチャレンジしたいですね。
負けない経営から、今、ようやく勝つ経営へ、遅ればせながら転換しようとしているワタシは、やっぱり奥手だと思います。そして、奥手であってもいいじゃないか!と居直ってみたり。遅咲き代表のカーネル・サンダース氏に励まされつつ、また一歩前進することを目指します! ぜひ応援してください!
コーポレートスローガン〜大切な「捨てる勇気」
あるお客様からコーポレートスローガンの仕事を頼まれ、提出が近づいてきました。多分、今頃も、言葉と格闘している当社スタッフがいます。がんばれ〜!
そこで、今日はコーポレートスローガンについて、考えたいと思います。
ワタシは重要なポイントは2つだと思っています。
・何に焦点を当てて伝えるか
・どこまで、その企業らしい言葉のトーンで表現できるか
何に焦点を当てて伝えるか
コーポレートスローガンというのは、引き算の美学の上に成り立っていると言っても過言ではありません。というのは、企業が目指すことは、実はいろいろな切り口で語ることができます。こういう使命を果たす、こういう姿勢や行動を大切にしたい、こういう価値を提供したい、といずれも目指すことの表現になりえます。そんな中、いったい何を切り捨てて、何に焦点を当てるのか。その判断は最終的にはお客様がすることなのですが、その拠り所が何かといえば、やっぱり「なぜスローガンを決めるのか」だと思います。
顧客にこれを知ってほしいという場合もあれば、社員に会社がこう変わるということを知ってほしいという場合もあります。
でも、コーポレートコミュニケーションといえども、コミュニケーションですから、アレもコレもわかってほしいと思ってしまうのが人の常です。アレとコレを束ねる概念はソレになり、しかし、ソレは当然アレとコレの上位概念になるため、漠としがちです。だから、ここでアレにするのか、コレにするのか、それらを束ねるソレにするのかを潔く決めなければなりません。背景がどうあるのかにもよりますが、ワタシはなるべく切り捨てて、伝えるべきことを絞り込んだ方がいいと思います。しかし、この作業は、とっても勇気を必要とする作業です。でも、そこが肝なんです。勇気を持って絞れるかどうか。難儀ですよね。でも、そこの勇気が必要ですね。
どこまで、その企業らしい言葉のトーンで表現できるか
まずは、個人的に名スローガンだなと思うものをピックアップしてみました。
まずは記憶に残って、企業連想度の強い最初のグループ。
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カラダにピース、カルピス
あしたのもと、味の素
ココロも満タンに、コスモ石油
あなたと、コンビに、ファミリーマート
セブンイレブン、いい気分
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ゴロ合わせといえばそれまでですが、でも、しゃれた感じでその企業の想起に役立っている、そんなコーポレートスローガンですよね。もう脱帽ものです。
けれども、味の素は2009年に創業100周年を機としてスローガンを変更しました。「おいしさ、そして、いのちへ。」です。「あしたのもと、味の素」があまりに素晴らしすぎて、印象が薄くなってしまったのが残念です。
そういう意味では、シャープも2010年にスローガンを一新しました。「目の付けどころがシャープでしょ。」から「目指している、未来がちがう。」へ。テレビコマーシャルで刷り込まれたからでしょうか。やっぱり以前の方が良かったな。変えた理由は何だったのだろう?
コンビニはCMの放映が多いからでしょうか。でも、ローソンは? 思い出せなかったので調べてみたら「マチの“ほっ”とステーション-ローソン」のようです。と、わかっても、やっぱり、記憶にない。
次は、メッセージ自体がシンプルで魅力があると感じるグループです。
こう言われちゃうと、「うん」「そうだ!」とうなずいてしまいます。
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一瞬も 一生も 美しく (資生堂)
すべてはお客さまの「うまい!」のために(アサヒビール)
NO MUSIC, NO LIFE.(タワーレコード)
JUST DO IT.(ナイキ)
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ちなみに日経BPコンサルティングの「企業メッセージ調査2012」における「企業名想起率上位ランキング」ベスト5は下記の通りです。
http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/report/cm/2012/pdf/digest.pdf
ロッテ…………………お口の恋人
ファミリーマート……あなたと、コンビに、ファミリーマート
コスモ石油……………ココロも満タンに
ニトリ…………………「お、ねだん以上。」ニトリ
カルピス………………カラダにピース CALPIS
「何に焦点を当てて伝えるか」も、「どこまで、その企業らしい言葉のトーンで表現できるか」も、両方とも、言うはたやすく、行うのは簡単ではありません。
先日、ウチのスタッフがカルピスの方に取材したらしいのですが、写真を撮るときは「ピースする」というのが浸透しているらしく、スゴいなと思いました。そうなってこそ、スローガンを立てた意味がありますね。またまた脱帽です。
では、良い1週間を!
旅人感覚
2013年も1カ月少々になってきましたね。あっと言う間の1年です。
時の早さにもびっくりしますが、ワタシ自身は今、いろいろな意味で、ターニングポイントにあるなと思います。今月29日で会社は29周年。来年は30周年です。人生の第4コーナーなのに、まだ全力疾走しながら会社の向きを変えようとあがいているし、個人的には今月末に仮住まいのために引っ越し。長らく住み慣れた土地を4カ月ほど離れることになりました。
まず、個人的な話、引っ越し前にちょっと未練たらたらの話を少しだけ。生まれ育ったのは川崎市多摩区ですが、会社の歴史とほぼ同じぐらい今住んでいる世田谷の「桜新町」で暮らしてきました。初めて桜新町に暮らし始めた1回目の引っ越しを含め、その間の移転は3回。なのに結果的にはずっと同じ街に住むことに。そして、今回の4回目の引っ越し先は渋谷ですが、来春の引っ越し先もまた桜新町です。本当に暮らしやすくて、好きだな、桜新町。昔ながらの商店街もありつつ、緑も多くて、渋谷まで10分程度。駅前にはさざえさん一家の銅像があり、年1回の商店街のお祭り「桜祭り」もにぎやか。その上、今のマンションの住民の方たちは感じのいい人たちばかりで、ドライすぎない感じがとてもいいし、住んでいる部屋の構造も天井が高くて、開放感があって、日当りも良くって、、、もう大大大好きだった。だから、離れることがとってもさみしい。
そんな中で4カ月ほどの仮住まい。本当なら、「仮」なんだからどうでもいいし、むしろなじみの地である「桜新町」にするのが穏当でした。でも、ちょっと発想を変えて、「旅行」と思うことにして、会社まで歩ける場所でなおかつ眺望のいいマンションを選びました。タワーマンションに一生住みたいとは思わないけれど、4カ月ならいいかな…と。なぜ、そう思ったかというと、小さな冒険をしたかったのだと思います。体験したかったのですね。写真は、多分見えるであろう、窓からの眺望(恵比寿側を向いていると思うと少し違うかもですが)。頭の中は素敵な眺望の毎日なのですが、実際は段ボール箱に囲まれた倉庫のような生活になりそうです。だって、またすぐ引っ越しですから。それでも、ただの仮住まいをワクワクする仮住まいにしたかったんですね。せっかくだから、この旅は楽しまないと…と思います。
さて、仕事について。こちらも全力疾走中。ふぅ〜。息切れ。なんでワタシは社長業をやっているんでしょうか。大変なことばかりなのに。でも、昔、ワタシのビジネスパートナーだった田中英理子が言っていたことが、ワタシの心境にとても近いのです。誰から言われたわけでもなく、自分で選んだと自覚している。だから、多少苦しいことがあっても、誰のせいにもすることはしない。そんなことを彼女が言っていたな。深く同感する。
ある日はプレゼンの企画に思いを巡らし、ある日はお客様のコーポレートスローガンを定めるに当たって皆で頭を悩ませ、ある日は今後の当社のあるべき姿を考え、またある日は部下を傷つけてしまい、またある日は反対に部下の言葉に傷つき。。。30代の途中まで、ワタシという人間は本来「社長」よりも「ナンバー2」の方が向いているのではと葛藤したりしましたが、多少欠陥だらけだったとしても、やっぱり今、ワタシは「社長業」が好きなのだと思います。大したトクもないのにね〜。
なぜか? やっぱり社長の仕事は「夢」を見ることだからですかね。夢見るのは好きですからね。でも、オノ・ヨーコさんの言葉を受け止めると、なんかこう「夢だけじゃダメだな、どうしたら人と共有して実現できるだろうか」という気持ちになります。
「ひとりで見る夢は夢でしかない。しかし誰かと見る夢は現実だ。BYオノ・ヨーコ」
だから、ワタシ一人で夢見ていたのでは意味がないですね。社員のみんなと夢見なければ。うーん、まだ出来ていないな〜
と、個人的な話と仕事の話を両方しましたが、「旅人」感覚は忘れたくないですね。うまくは言えませんが。自分の意志で旅に出たのに、文句を言うのはナシですよね。少なくても、そうはなりたくないな。
今年も1カ月半。2013年を良い時間にしましょう!