音楽の代わりになるものとは?
Eテレで毎朝放送されているテレビ番組『シャキーン!』。
大好きな番組の1つです。
この番組、子ども向けなのですが、
内容がとてもクリエイティブで、大人が観てもおもしろい!
ちなみに、サイトの番組紹介文には、
「子どもたちを"シャキーン!"と目覚めさせて、
楽しい一日のスタートを切ってもらう知的エンターテインメント番組。
『いつもとは違うモノの見方』や『柔軟な発想力』が
楽しみながら身に付きます」とありました。
どのコーナーもおもしろいのですが、
とても興味深かったものを1つご紹介します。
(かなり前に観たものなので、正確ではないかも!スミマセン)
それは、まったく同じ映像に、異なった音楽を乗せて、
見比べるというコーナーでした。
同じ映像なのに音楽が違うだけで、
全然違うストーリーになるのがすごくおもしろいのです。
映像はこんな感じ。
部屋に女性が一人、椅子に座っています。
彼女の前には大きなテーブル。
その上には箱が1つ。
女性はゆっくりとその箱のふたを空けます。
1つ目の音楽は、何とも物悲しい調べ。
「辛いことがあったのね、、、。箱の中は手紙? 誰から?、、、」
もう涙なしでは観られない感じです。
2つ目の音楽は、スリル満点。
迫り来る恐怖。
「いやー、開けないでー!!」と叫びたくなります。
台詞が一言もない、まったく同じ映像なのに、
音楽でここまで違うストーリーになるなんておもしろいなあと感心。
映像から何かを感じるとき、
目だけでなく、耳から入る情報も大きく影響していることを再認識しました。
さて、私は普段、原稿を書いていますが、
音楽がない、紙の上の文字だけの場合、
映像でいう音楽の代わりになるものは、
フォントや文字間、行間などのレイアウトを含めた
「デザイン」だと思いました。
フォントが明朝だとやさしい、まじめな印象になり、
太いゴシックだと力強い感じになるのは分かりやすいですが、
感覚がゆったりしていると、読み手が「間」を感じるので、
読むスピードがゆっくりになり、より説得力が増したり。
逆に、間隔が詰まっていると、
疾走感、切羽詰まった感が出ます。
ページの空きや、全体の色も大きく関係しますね。
そんなわけで、
フォントやレイアウトを含めたエディトリアルデザインは、
「この原稿をどう読ませたいか」、
そして
「読んだことで、どんな風に思ってもらいたいか」、
さらには
「どんな行動をとってもらいたいか」という考えで、
原稿とセットでまとめていくといいのではないかと思います。
とはいえ、進行中、原稿が総入れ替えになったり、
デザインにどんどん直しが入ったり、
ということはよくあることだと思います。
ですが、この2つはお互いに影響し合っているので、
できる限りセットで考えたいところ。
原稿内容とデザインがぴったりはまったときに、
読者に与えるインパクトは絶大ですから!
9月も終盤にさしかかりました。
体調に気をつけて、どうぞすてきな1週間を。
見方を変えてみると
思いがけず、子猫をもらいました。
突然のことだったので、我が家はまったく猫仕様になっていません。
棚の上、キッチンのカウンター、
登ってもらっちゃ困るなあと思う場所がいっぱいです。
まあ、でも子猫だし、そんなに高いところには登らないだろう
と思っていました。
ところが、子猫は、初日こそ不安そうに鳴いていたものの、
2日目からは一人(一匹?)大運動会で、
猛ダッシュでいろいろなところに上ったり、噛んだり、ひっかいたり。
キッチンカウンターにもソファをつたっていとも簡単に登ってきました。
なんとかしないとなあ、と思い、ネットで
「猫、キッチン、侵入防止」と調べたら、
たくさんの画像がヒット。カウンターを囲むように柵、
さらにキッチンの入口にも高い柵を設けている例も紹介されていました。
その流れで、ソファを爪研ぎでボロボロにされないようカバーをした例を見たり。
しばらく検索していて、ふと思いました。
「あれ? ちょっと違うかも」と。
猫の行動を制限するより、
猫が登ってきてもいいようにしたほうがいいと思ったのです。
自由な動物なんだから、自由にさせてあげようと思えてきました。
そう思ったら、キッチンカウンターに登るよりも、
猫が楽しく感じる段差を作ってあげたら?などというアイデアも浮かんできました。
すると、ソファで爪研ぎをしている子猫の姿が健気に見えるようにもなってきて。。。
見方を変えると、感じることも変わるんですね。
ちょっと、いや、かなり飛躍しますが、それで思い出したのが、
以前読んだ『クリエイティブ・マインドセット』に書かれていたMRIの話です。
MRIでの検査が必要な子どもにとって、
あの機械は見た目も音もとても怖く、
泣いて暴れてじっとしていられない子には、
鎮静剤を打っていたといいます。
その状況を知った開発者は、
外側を宇宙船のようにペイントした子ども用のMRIを開発。
検査時、子どもには「宇宙船に乗るよ」と話し、
「ブーン」という音が鳴るときは、
「さあ、超音速に入るよ、じっとして」と声をかけることで、
子どもが落ち着き、検査がスムーズに進むようになったというのです。
検査時の鎮静剤の使用も減り、
満足度は90%に達したと書かれていました。
見方を変えると、大きなことも解決できるのだなあと思った例です。
見方を変えることで、
より良い解決策が思い浮かぶということ、
実はたくさんあるのだと思います。
ただ、この「見方を変える」が、難しい。なかなか急にはできません。
なので、電車の中や歩いているとき、仕事中など、
普段から、見方を変えることにトライしておきたいですよね。
私の場合は、求められていなくても、
勝手に「これ、こう見ると、こうだよなあ」と思ったりして、
これまた勝手に「ねえ、ねえ、いいと思わない?」と、
周囲に報告しております。
今週もすてきな1週間を。