ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ:2015年4月

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

先日、『アルティメットスパイダーマン・ウェブウォーリアーズ』
というアニメ番組をテレビで観ました。
私が観た回は、主人公スパイダーマンが、ヒーローとして成長するために、
アベンジャーズの一員になるという内容でした。


キャプテンアメリカ、ファルコン、アイアンマン、ハルクなどのヒーローたちに
スパイダーマンが加わった映像を見て、
「こんなバラエティに富んだメンバーでチームがまとまるのかしら」
と心配になりましたが、彼らのチームワークは最高。
私は、それぞれのヒーローの強みと弱みがはっきりしているから
助け合えるんだろうなあと思いながら観ていました。


かなり前のことになりますが、あるテレビ番組を観て、
これと同じことを感じました。
昨年のサッカーW杯後、Jリーグの関係者たちが、
「日本はなぜ試合を決めきれないのか」というようなことを討論していた番組です。
出演者は「決めきれないのは、決めきるストライカーが少ないからであって、
そういう選手の特性である突出した個は海外には多いが、日本では育たない」
と言っていました。


確かに、海外のチームでストライカーの役割を担っている選手には
「突出した個」、つまり「なんなんだ、この選手は!」と
言ってしまいたくなるような個性的な人が多いと思います。
彼らは、「俺が決める!」という意識が高いので、
時には「なんじゃ、そりゃ!」と思えるような、
普通ではないプレーをしてゴールに迫って行きます。
そして、決めてしまうのです。


番組の出演者たちは、日本でこうした突出した個が育たないのは、
育成の基準に問題があるからだと言っていました。
サッカーをやっている子どもたちの中から、
将来性のある子を選んでいく時の基準が、
日本では「平均的に何でもできること」であるからだそうなのです。


ドリブル、シュート、ディフェンス、走力など、
あらゆる項目においてバランスがいい子が選ばれるのが日本。
劣っている項目もあるし、個が強すぎてクセがあるが、
ある項目だけはずば抜けてすごいという子が選ばれるのが
海外だということでした。


なるほどなと思いました。
「うまい」イコール「強い」では必ずしもありません。
ある水準以上に何でも平均的にこなせる選手が集まったチームは、
うまいけれども、強いかと言ったらそうではないことが多い。
「うまいチーム」が「強いチーム」になるためには、
「アベンジャーズ」のように、
個々のメンバーの強みと弱みがはっきりしていることが
むしろ必要なのだと思います。
そのほうがチームとしてのバランスがとりやすく、
お互いをフォローしやすいからです。


仕事でプロジェクトチームを組む時、あるいは採用などの時、
あらゆる項目で平均的な能力を持っている「普通の人」を
無難に選んでしまってはいないでしょうか。
その人がチームに加わった時、そのチームはどんなバランスになるのか。
それで勢いのあるチームになるのか。
そんな見方が普段も必要だなと思いました。

子どもの習い事を見学していると、いろいろな気づきがあります。


以前、私は、このメルマガで、夏休み集中鉄棒教室の先生のことを
書かせていただきました。
その先生は、声が小さくて、線も細く、頼りなげな方でした。
そのせいで、子どもたちは騒ぎ放題。全然先生の言うことを聞いていません。
でも、先生が突然、「先生は日本一逆上がりを教えるのが上手いです。
先生の言うことをよく聞いていれば、誰でも逆上がりができるようになります」と、
子どもたちに宣言したことで、場の雰囲気が一瞬でぴりっとしました。
私は「この先生はご自分のことをよくわかっていらっしゃるなあ」と感心し、
求心力を高めるには、自分が周囲からどう見られているかをまず理解することが
必要だなあと思ったのでした。


さて、前置きが長くなりましたが、
今回は、陸上教室での気づき
「怒る時は、笑いでごまかしてはいけない」についてです。


春休み特別かけっこ教室でのことです
(はい。いろいろな教室に入れてみています)。
参加していたのは、1年生から6年生までの小学生100名ほど。
クラスは、低学年と高学年、それぞれ2クラスずつに分けられていました。


さて、うちの子が入った低学年のクラス担当は、やさしそうな女性の先生。
他のクラスを担当していた先生が全員男性だったので、
このクラスの生徒たちは
「あ、俺たち一番優しい先生のところに来た」と感じたようです。
最初から、ざわざわした雰囲気でした。


しばらくして、先生が話し始めました。案の定、多くの生徒たちが聞いていません。
すると先生、注意を引くために、ギャグで子どもたちを笑わせる作戦に出ました。
子どもたちは大爆笑。全員が先生のほうを見ています。作戦成功。


しかし、次の瞬間。。。
子どもたちが突然ふざけ始めました。
笑いながら列から離れる。隣の子と押し合い。先生のジャージを引っ張る。
先生の荷物から勝手にいろいろ抜き取る。もう、しっちゃかめっちゃかです。


先生は、最初に「はい、静かにして。大事な話だからよく聞いて」と、
ぴしっと言ってくださればよかった。
でも、ちょっと雰囲気を和らげようと思ったのでしょうか。
保護者に気を遣ったのかもしれません。
笑わせたことで、場がおかしくなってしまいました。


これ、大人の世界でもよくありますね。
例えば、社員に何か注意したい時。
ストレートに注意すればいいのに、何となく笑いを織り交ぜたりして
ごまかしてしまい、結果、注意が伝わらない。。。
ごまかしてしまう理由は、もしかしたら、悪い人に見られたくない、
いい人でいたい、という自己防衛なのかもしれません。
でも、やはり注意する時は、きっぱりと伝えなくちゃいけませんね。
「怒る時は、笑いでごまかしてはいけない」という話でした。

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