ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ:2015年2月

スタッフの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

あの人と話すと、いつもやり込められて、負かされた気持ちになる。
できることなら、あまり話をしたくない相手だ。
皆さんの周りに思い当たるような相手はいますか?


思い浮かぶ相手の特徴には、いくつかの共通した特徴があるでしょう。
冷静沈着。感情的でない。多少、高圧的? 上から目線?
あれ? だんだん悪口みたいになってきました。


そう、実は、これが「やり込められた」という気持ちになる原因のようなのです。
相手はただ「論理的」なだけなのに、
「この人は機嫌が悪いのかもしれない。もしかしたら、私のことが嫌いなのかも。
少し機嫌を直してもらったほうがいいかな」などと感情的に考えてしまう。
結果、言葉に詰まってコミュニケーションが途切れる。
相手は、疑問を整理しようと、どんどん質問してくる。
こちらは、もっと感情的になり、さらに言葉が出なくなる、というわけです。


日本人は、自分の考えを主張する時に、
どうしても情緒的になってしまう傾向にあります。
「こんなことを言ったら、どう思われるだろうか」。
「私は皆とは違う意見だけど、ここでそれを言ったら、
空気が悪くなるかもしれないから、
なるべく皆が嫌な気持ちにならないように言うべきか...」。
などと、考えてしまいがちです。
和を重んじたいところですが、
いつもそれを考えていると、考えが相手に伝わらない。
やはり、言いたいことを簡潔にまとめて、論理的に言わなくてはいけないのです。


精神科医の和田秀樹さんは、
著書『自分の考えを5分でまとめ、3分で伝える技術』の中で、
話す時の「ひな型」を持ち、
「ひな型」通りに話すことに集中することを勧めています。


ひな型は、例えば「5W1H」でもいいし、
「問題提起して、提案して、その根拠を言う」としてもいいし、
「最初に結論を言って、その理由を言って、最後にまた結論をくり返す」など、
自分が使いやすいものでいいそうです。
大切なことは、ひな型を決めたら、うまく話そうと思うのではなく、
とにかく「ひな型」通りに話すことに集中すること。
これを何度もくり返すうちに、
型を意識せずに論理的に話すことができるようになると言います。


確かに、型通りに話すことに集中すれば、
話している相手の機嫌や顔色が気になって、
なかなか意見が言えないということにはならなそうです。
それに、自分の「ひな型」を持つことは、
口頭で意見を言う時だけでなく、書いて伝える時も便利ですね。


これまで気にしていませんでしたが、
自分がいつもどんな型で思考しているのか、伝えているのか、
早速チェックしてみようと思いました。

自分はちゃんと聞いているつもりでも、相手から「聞いていない」と言われる。
そういうこと、ないでしょうか。
自分としては、早く終わらせてしまいたい仕事があるから、
手や目は時々動かしていたけれども、
相手の目もそこそこ見ていたし、耳はきちんと相手の話を聞いていた。
こんな状況を相手が見ると、
「この人ちゃんと聞いてないな」となることがあります。


日頃、自分がとっているコミュニケーションを
客観的に見つめ直すエクササイズがあります。
これは、長年、京北学園の学校長を務められた川合正さんが、
大学生とその保護者を対象に定期的に行ってきたワークの一つです。


ワーク名は「4つの聞き方」。やり方はこうです。
2人一組のペアを作り、一人が相談役、もう一人が相談を受ける役なります。
相談役はアドリブでどんどん相談するだけ。
相談を受ける側は時間を区切って、以下の4通りの態度で聞いていきます。


一つ目は、「無視・無関心」。
相談をしてくる相手に全く興味がないかのように振る舞います。
視線も合わせず、あくびをしたり、髪の毛をいじったりします。


二つ目は、「傲慢」。
先ほどとは異なり、耳を傾けはしますが、
相手を見下したような態度で返事をしたり、
途中で話を遮って、一方的に反論したりします。


三つ目は、「普段の対応」。
いつも自分が行っている聞き方で聞きます。
川合さんは、先の2つの態度とあまり変わらない人もいるかもしれません、
と指摘しています...。


四つ目は、「傾聴」です。
相手の目をしっかり見て、相槌を打ち、表情にも気を配る。
身を乗り出す。体全体で相手の話をしっかり聞きます。


このワークを経験すると、演技とは理解していても、
相談する側は、相手に「無視・無関心」な態度や「傲慢」な態度をとられて、
相当嫌な思いをするので、「傾聴」ではとても幸せな気分になるのだそうです。
このワークを体験した大学生の感想にも
「相手が真剣に聞いてくれると、話をすること自体が本当に楽しいと思えた」
と、あります。
また、相談される役の人も、
演技をしながら「これ、普段やっているかも」と気づくそうで、
「今後は聞く態度を改める」という感想が多いのだそうです。


なんとなくコミュニケーションがうまくいっていないと思える相手がいたら、
このワークを持ちかけてみるのもいいかもしれません。
ただし、演技とはいえ、ワーク中に本気で落ち込んだり、
怒り出したりする人もいるそうなので、
ワークはあくまで「よりよいコミュニケーションのための練習」であって、
相手のことを悪く思わない、
という前置きをしっかりすることが必要だということです。

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